うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第四章 孫を追いかけタターニャの町で御座います。

4-3 赤ちゃん誕生で御座います。

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「探偵さんよぅ。これは一体、何の卵じゃ?」

「さあ、何でしょうね。私も見た事がありません」

 探偵さんでも分からないのであれば、私共に分かるはずは御座いません。

「……この卵、食っていいにゃ?」

 そう言いながら、パンさんが、卵を持ち上げようとしています。……その時、私、思ったんです。ドラゴンさんの話を聞いていたので、もしかしてドラゴンさんの卵じゃないかって。

「ダメです。パンさん。食べちゃダメです。食事なら、私が美味しい物を作りますから」

 もしドラゴンさんの卵なら、大変です。卵があると言う事は、母親が居ると言う事です。……もし私が、自分の子を食べられたらなんて、考えただけで、ゾッとするはずです。

「ダメにゃー?」

「はい、ダメです。この卵は私がお預かりさせていただきます」

 私、卵を抱えようと、しゃがんでみました。よっこいしょ。……あら、重い。もう一度です。よっこいしょういちさん。と、あら、無理で御座います。重くて卵は持ち上がりません。

「光江さん、お手伝い致しましょうか?」

 探偵さんに感謝です。私1人の力では、ニッチもサッチもいきません。

「……ありがとうございます」

 そう探偵さんにお礼を申し上げた時で御座います。カツンと、小さな音がしたかと思ったら、卵にヒビが入ったではありませんか。……もしかして、ここで孵化ふかすると言うのでしょうか。

「あら、大変です。卵にヒビが入りました。道の真ん中では何ですから、脇の方へ移動させましょう」

 皆さんの手を借りようと、声を掛けている間にも、ヒビは見る見る広がっていきます。……まぁ、どうしましょう。こんな道の真ん中で産まれてくると言うので御座いますか。何故だか、私が道の真ん中でお産をしている気分で御座います。

「何が産まれるんじゃ?」

 じぃじは相変わらず呑気で御座います。確か私が息子を産んだ時も、飄々ひょうひょうとしておりました。分かっております。じぃじはそんな人なんです。そんな掴みどころのない所が愛おしいのですが。

「……飛び出してくる前に、あっちへ移そう」

 探偵さんとレオンさんが、2人かがりで卵を道端の草むらへと移してくださいました。もし突然、飛び出してきても柔らかい草の上なら、安心で御座います。

 バキッ、バキバキッ。一気に卵が割れ、羽毛でしょうか、薄茶色の産毛うぶげが見えてまいりました。えっ? 鳥の赤ちゃんですか? 卵から飛び出した、その個体は羽を広げたようです。……あっ、まだ目は開いていないようですが、お顔がどこか分かりました。

「光江さん、危ない!」

 探偵さんの声と同時。産まれたばかりの赤ちゃんが私の胸に飛び込んでまいりました。あら、クリクリして、何て可愛らしい目でしょうか。さっきまで開いていなかった目が今はパッチリです。

「光江さん、大丈夫ですか?」

「ええ、私は何ともありませんが、……この子はもしかして?」

「ええ、そうですね。小さいながらも翼もありますし、2本の足で立てるようですし。……多分、ワイバーンの仲間だと思います」

「ワイバーン? ですか?」

「ああ。ドラゴンの一種です」

 やっぱりドラゴンさんの赤ちゃんだったのですね。それよりも一安心です。赤ちゃんなら、じぃじに退治される心配はありませんもの。……それにしても、何て可愛らしい赤ちゃんで御座いましょう。

「ああ、そうそう」

 赤ちゃんと言えば、ミルクで御座いますね。牛乳なんて飲むかは分かりませんが。アイテムボックスさん、召喚。で、御座います。

「……ばぁばや。そのドラゴンのチビをどうするつもりじゃ?」

 じぃじで御座います。どうするか? なんて、聞いてくると言う事は、退治するつもりはないのでしょう。

「どう致しましょうか? ですが、赤ちゃんですから、母親がいるはずです。この子の親を探しながらタターニャの町を目指すと言うのはいかがでしょう? この道中で昨日、ドラゴンが現れた情報がと、探偵さんもおっしゃっていましたし」

 あら、そんな事を話しながらも、ドラゴンさんの赤ちゃんにミルクを与えておりましたら、目を細めて美味しそうに飲んでいるじゃありませんか。……なんて微笑ましい事でしょう。私まで幸せな気分にさせてくださいます。やっぱりどんな生き物も、赤ちゃんは本当に可愛いらしいものですね。
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