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第2章 海を目指して
第25話 そしてさよなら
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軽く市場を回るうちに、すぐに1時間は経ってしまった。
「そろそろギルドに戻ろっか」
「うん、そうだねー」
「僕も賛成です。ウンディーネも多分戻ってくると思いますし」
こうして私たちはギルドに戻る。
こうしてみたら凄くいい村だったな。豊かな畑と優しい人々。冒険者はちょっと癖強だけど、内心はすごい良い人だし。
こうして私たちはギルド前にたどり着いた。
すると
「やあやあ、待たせたねー」
「すまない」
「全然いいよ。時間的にも丁度良かったし」
「そうか。それじゃあギルドマスター、感謝する」
「ええ、私も助かったわよー」
2人は目を合わせる。そんなに仲良くなってたのか……。
「それじゃあモース、行こっか」
「ああ、そうだな」
「クリアさん、お世話になりましたよ」
「いえいえ、本当にお世話になったのは私たちよー。本当は村を挙げてお祝いしたいんだけどねー、もう出発するって言うなら仕方がないわねぇ」
そしてクリアさんは頭を下げる。
「えっ、」
「この度は竜の群れ討伐に加え謎の仮面男の撃退、感謝致します、ルミツ様。ヒューナ村を代表し御礼申し上げます」
「そんな……、」
顔を上げてと言おうとした。だがしかし、彼女ならそうもいかないだろう。自己のプライド及びその責任感が謝ることを辞めさせない。
そんなふうに感じた。だからこそ、私は別の言葉をかけた。
「クリアさんがいなければ、冒険者の安全も確保できませんでした。クリアさんの魔法と実力があるからこそ、安全を確証したんです。これは私の経験上絶対の感覚ですから」
「ルミツ……ちゃん。なんか変わったわね?」
「えっ?」
「なんか自分に少し自信があるようね。かわいーわねぇ」
「あっ、えっ、?」
あまりそんな事言われ慣れてないから、私は戸惑いを隠せない。
「そうだよねー、ルミツなんか変わったよねー」
「自信がついてるな。やはり何かあったのだろう」
「あら、やっぱりなにかあったのねー。誰かの助言か何かかしらねー?」
「あの人のお陰ですかねぇ~?」
「ちょっとー! からかわないでぇー!」
クリアさんもシルフもサラマンダーも、モースまでニヤニヤしやがってぇ……!
「っと、こうしてる場合じゃないんじゃない? 貴方たちはたぶん狙われたのだから」
唐突に、クリアさんの顔が真面目になる。
「……そうなんですよね。やっぱりクリアさんには分かっちゃいますか」
「そうよー。何年も生きてるんだから、そこの経験じゃ負けないわよー」
一体クリアさんは何歳なのか……。気になったとしても詮索してはいけない。おそらく八つ裂きにされる。
「経験上の話だけで言えばだけど、奴ら……悔恨の瞳と言ったかしら? ヤツの帯びている魔力には、独特の特徴があったわ。色でも匂いでもない、独特な気というものがね」
「ふーん……? モース、気って何?」
「気と言うのは、簡易的に言えば魔力の特徴の1つだな。人間の五感では無い何かで感知できると聞く。こればっかりは人間でかつ経験豊富なクリア殿にしかわからん。我ら精霊は1つの魔力以外は大して敏感に反応できない」
「そうよー。私が感じられる気は私の経験の積み重ねによって辛うじて感じられるものだから、ルミツちゃんでも10年はいるわねー」
「へぇ……」
魔力の質とはまた違う概念があるのか……。
「それで、本題に戻るわ。この気に関して、実は奴らと同じ様な気を他にも感じた事があってね、それが強化されたドラゴンなのよ。と言ってもそこが重要なんじゃなくて、奴らの気は、勇者の力を受けた時に極端に弱くなったわ」
「……!」
「やつらの魔法は邪に近い。だから聖なる力に打ち払われる。そう考えると、やつらがマトモな集団じゃないのは目に見えるわね」
「確かに……」
「……」
酷く空気が重くなり、肩に力が入る。
「まぁ、私が言えるのはこのくらい。最後に暗い顔見せちゃってごめんねー、ルミツちゃん。私は次の仕事があるから、そろそろ行かなきゃいけないけど、いいかしらね?」
「あっ、はい! クリアさん、ありがとうございました!」
「ふふっ、ちょっぴりぎこちない作り笑顔、まだまだね」
「……?」
「いいわ、それじゃあみんな、ありがとう!」
そしてクリアさんは箒にまたがる。
「次に来てくれた時は村のみんなでお祝いでもしましょうかねー! それじゃ、ご武運をー!」
そしてクリアさんは箒で飛んで行った。
「……行っちゃったね」
「じゃあ私たちも出発するとしよう」
「うん、そうだね!」
「いいと思うー」
「賛成です」
こうして私たちは村を出るのであった。
◇◇◇
村の出口前。そこにはウンディーネが座って待っていた。
「あら、もうすぐだと思ってたわ~」
「ウンディーネ! どこ行ってたのさー」
「う~ん、秘密?」
「秘密の多い女め……」
そうして私たちは全員が集まり、村を出るのであった。
◆◆◆
ここは、どこかわからない地下室。
「何でかしらね、ルミツちゃん」
クリアの手には、ルミツの血のサンプルがあった。
「アナタから邪悪の気配はしなかったし、到底悪い人には見えなかった」
クリアの見える気。邪悪な気には紫の何かが纏う。
「ルミツちゃんの血液からは、邪悪な気と同じものを感じる。彼女の正体は一体何なの……?」
「そろそろギルドに戻ろっか」
「うん、そうだねー」
「僕も賛成です。ウンディーネも多分戻ってくると思いますし」
こうして私たちはギルドに戻る。
こうしてみたら凄くいい村だったな。豊かな畑と優しい人々。冒険者はちょっと癖強だけど、内心はすごい良い人だし。
こうして私たちはギルド前にたどり着いた。
すると
「やあやあ、待たせたねー」
「すまない」
「全然いいよ。時間的にも丁度良かったし」
「そうか。それじゃあギルドマスター、感謝する」
「ええ、私も助かったわよー」
2人は目を合わせる。そんなに仲良くなってたのか……。
「それじゃあモース、行こっか」
「ああ、そうだな」
「クリアさん、お世話になりましたよ」
「いえいえ、本当にお世話になったのは私たちよー。本当は村を挙げてお祝いしたいんだけどねー、もう出発するって言うなら仕方がないわねぇ」
そしてクリアさんは頭を下げる。
「えっ、」
「この度は竜の群れ討伐に加え謎の仮面男の撃退、感謝致します、ルミツ様。ヒューナ村を代表し御礼申し上げます」
「そんな……、」
顔を上げてと言おうとした。だがしかし、彼女ならそうもいかないだろう。自己のプライド及びその責任感が謝ることを辞めさせない。
そんなふうに感じた。だからこそ、私は別の言葉をかけた。
「クリアさんがいなければ、冒険者の安全も確保できませんでした。クリアさんの魔法と実力があるからこそ、安全を確証したんです。これは私の経験上絶対の感覚ですから」
「ルミツ……ちゃん。なんか変わったわね?」
「えっ?」
「なんか自分に少し自信があるようね。かわいーわねぇ」
「あっ、えっ、?」
あまりそんな事言われ慣れてないから、私は戸惑いを隠せない。
「そうだよねー、ルミツなんか変わったよねー」
「自信がついてるな。やはり何かあったのだろう」
「あら、やっぱりなにかあったのねー。誰かの助言か何かかしらねー?」
「あの人のお陰ですかねぇ~?」
「ちょっとー! からかわないでぇー!」
クリアさんもシルフもサラマンダーも、モースまでニヤニヤしやがってぇ……!
「っと、こうしてる場合じゃないんじゃない? 貴方たちはたぶん狙われたのだから」
唐突に、クリアさんの顔が真面目になる。
「……そうなんですよね。やっぱりクリアさんには分かっちゃいますか」
「そうよー。何年も生きてるんだから、そこの経験じゃ負けないわよー」
一体クリアさんは何歳なのか……。気になったとしても詮索してはいけない。おそらく八つ裂きにされる。
「経験上の話だけで言えばだけど、奴ら……悔恨の瞳と言ったかしら? ヤツの帯びている魔力には、独特の特徴があったわ。色でも匂いでもない、独特な気というものがね」
「ふーん……? モース、気って何?」
「気と言うのは、簡易的に言えば魔力の特徴の1つだな。人間の五感では無い何かで感知できると聞く。こればっかりは人間でかつ経験豊富なクリア殿にしかわからん。我ら精霊は1つの魔力以外は大して敏感に反応できない」
「そうよー。私が感じられる気は私の経験の積み重ねによって辛うじて感じられるものだから、ルミツちゃんでも10年はいるわねー」
「へぇ……」
魔力の質とはまた違う概念があるのか……。
「それで、本題に戻るわ。この気に関して、実は奴らと同じ様な気を他にも感じた事があってね、それが強化されたドラゴンなのよ。と言ってもそこが重要なんじゃなくて、奴らの気は、勇者の力を受けた時に極端に弱くなったわ」
「……!」
「やつらの魔法は邪に近い。だから聖なる力に打ち払われる。そう考えると、やつらがマトモな集団じゃないのは目に見えるわね」
「確かに……」
「……」
酷く空気が重くなり、肩に力が入る。
「まぁ、私が言えるのはこのくらい。最後に暗い顔見せちゃってごめんねー、ルミツちゃん。私は次の仕事があるから、そろそろ行かなきゃいけないけど、いいかしらね?」
「あっ、はい! クリアさん、ありがとうございました!」
「ふふっ、ちょっぴりぎこちない作り笑顔、まだまだね」
「……?」
「いいわ、それじゃあみんな、ありがとう!」
そしてクリアさんは箒にまたがる。
「次に来てくれた時は村のみんなでお祝いでもしましょうかねー! それじゃ、ご武運をー!」
そしてクリアさんは箒で飛んで行った。
「……行っちゃったね」
「じゃあ私たちも出発するとしよう」
「うん、そうだね!」
「いいと思うー」
「賛成です」
こうして私たちは村を出るのであった。
◇◇◇
村の出口前。そこにはウンディーネが座って待っていた。
「あら、もうすぐだと思ってたわ~」
「ウンディーネ! どこ行ってたのさー」
「う~ん、秘密?」
「秘密の多い女め……」
そうして私たちは全員が集まり、村を出るのであった。
◆◆◆
ここは、どこかわからない地下室。
「何でかしらね、ルミツちゃん」
クリアの手には、ルミツの血のサンプルがあった。
「アナタから邪悪の気配はしなかったし、到底悪い人には見えなかった」
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