暗殺者の少女、四大精霊に懐かれる。〜異世界に渡ったので、流浪の旅人になります〜

赤海 梓

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第2章 海を目指して

第26話 魔力制御

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 東の荒野を抜け、私たちはやっと道らしい道を見つけた。
 草原の中の地固めされた道。遂に大通りに出られた。

「あ、道がある! ここは一体?」

「ふむ、この道は恐らく次の街へと続いているだろう。海にはまだ少し遠いが、この先の街もまたいいものが見られるはずだ」

「あーっ、私知ってる! この先は確かカナラワの街で、確か今の時期なら……」

「シルフ、それは着いてからの楽しみにするぞ」

「うーん、確かにそのほうが良いかぁ……」

「えっ、なになに? 何があるの?」

「へへーん、着いてからのお楽しみだよー」

 何があるのかを濁してくるシルフ。そう言われると気になっちゃうんだけどなぁ……!

「僕はあそこのアレが好きで、よく行ってましたよ」

「私も行ったことあるわ~」

「えっ、いいないいな」

「まぁこの道を進めばいずれ分かるだろう」

「えー、気になるんだけどー!」

「それじゃあちょっと急ごうかしら~?」

「うん!」

 こうして私たちは早足で次の街へと向かうのであった。




「にしても、あまり魔物はいないんだね?」

 道を進んでいると、ある違和感に気がつく。

「ふむ、確かにそうだな。100年ほど前はもっと魔物に溢れていたような気がするのだが」

「あ、誰かいる」

 ずっと遠く、そこには魔物と戦う冒険者パーティらしき姿がうっすらと見えた。
 状況はかなり優勢。放っておいても簡単に勝てるだろう。

「加勢しなくても大丈夫そうだね」

「ああ、ここの冒険者は質がいいな」

「なるほど、冒険者の質がいいからあまり魔物が蔓延ってない訳か」

 魔物の攻撃をかわし、脇腹に一突き。よろんだ魔物に火炎魔法が襲いかかる。
 おぉ、討伐完了だ。

「いいね、綺麗な連携だ」

「あれくらいならこの付近でもかなり名が知れてそうだ」

「んー、確かに……。あまり目は付けられたくないかなぁ……」

「変に情報を広められちゃ困るよねー。まぁ魔力を隠せば大丈夫だと思うけどさー」

 魔力を隠す……つまり体内に魔力を凝縮させ、表面上に漏れ出す量を減らす技術だ。

「……うん、これなら大丈夫かな」

「主様、ある程度魔力を放出しないと逆に怪しまれます」

「あっ、確かにそうか」

 魔力のコントロールは未だ苦手意識がある。それは魔力が形を持たないからだ。
 前世には存在しない概念を操るのは簡単なことではない。

「少しだけ、少しだけ放出……」


 ブゥワッ


 辺り1面、夜のような暗闇に沈む。
 私の周りには光と闇の双蛇が螺旋状に喰らい合うような魔力が放出された。

「あうっ」

「ちょっ、ルミツ!?」

「出しすぎです主様!!」

「ルミツちゃん、魔力多すぎよ~!」

「これは……!」

 しまったぁぁぁぁっ!! 苦手意識とか考えちゃってつい力んじゃったああ!

「まずい、例の冒険者がこちらを見ているぞ」

「えっ、ええっ!? あぁぁ、やらかしちゃったぁ……!」

「それよりルミツ魔力! 抑えて抑えて!!」

 私は暴走したかの如く溢れ出る魔力を少しずつ抑える。

「ふぅ、ふぅぅぅ……」

 リラックス、脱力……。落ち着け、大丈夫……。

 そのうち少しずつ空は明るさを戻し、私の魔力も薄まっていく。

「なんとか、収まった……」

「もー、あんなの作り出してぇ、ルミツってば恐ろしい子なんだからさー」

「ふぅ、ふぅ……」

 これほどまで魔力が恐ろしいと思ったことはそうそうない。津波に飲まれるかのような圧倒的暴虐を感じた。
 
「これが魔力か……」

「不味いぞルミツ」

 モースの呼び声に反応し、辺りを見回す。するとそこには魔物の群れが現れていた。

「ルミツの魔力によってどこからともなく魔物が出てきた」

 魔力の制御をミスってしまった為にこんな事態に……。
 仕方ない。とりあえず一掃するか。
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