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第7章 余興と奇貨の建国祭
第449話 彼と私の出会い④
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※フリージア視点です。
屋敷でお茶会をした日から、メスト様は度々公爵家の屋敷を訪れ、私とお茶をするようになった。
私がメスト様とお茶をしたと知ったリュシアン兄様が、面白半分でメスト様を度々『鍛錬』といって屋敷に遊びに来させるようになってからである。
最初はリュシアン兄様の悪戯に、ロスペル兄様と怒った。
けれど、メスト様が我が家に来る機会が増えるにつれて、少しずつだけどメスト様との距離が縮まっていった。
それに関してはほんの少しだけ感謝している。
(初めて会った時は、とてもドキドキして声も出なかった。けれど、メスト様とお話をするに機会が増えるにつれて、ドキドキが増すばかりな気がする)
それが、物語で描かれる『恋』だということはもう理解しているのだけど。
「ごきげんよう、フリージア嬢」
「ご、ごきげんよう……メスト様」
そうして、メスト様と出会ってからあっという間に3年の月日が経ち、私とメスト様はいつの間にか名前で呼び合うようになった。
「フリージア嬢、今日はシトリンも一緒に来ているんだ」
「こんにちは、サザランス公爵令嬢。君のお兄さんに連れ来られちゃった」
淑女教育を済ませ、気晴らしに広大な庭に出てきた時、メスト様と剣の鍛錬を終えたシトリン・ジャクロット伯爵令息様が茶目っ気たっぷりに挨拶した。
リュシアン兄様とメスト様のご友人であるジャクロット伯爵令息様は、ここ最近家に遊びに来られるようになった方で、常に柔和な笑みを浮かべるとても穏やかで人当たりの良い人である。
まぁ、リュシアン兄様の被害者の1人とも言えなくないけど。
「これは、ジャクロット伯爵令息様。ご無沙汰しております。いつも兄が申し訳ございません」
宰相家令嬢として失礼が無いように、淑女教育で鍛えたお手本のようなカーテシーをして挨拶をする。
すると、それを見たメスト様が少しだけ不機嫌そうな顔をすると、徐にジャクロット伯爵令息様がご自宅から持ってきたであろう木剣を奪い、そのまま私に差し出す。
「メスト?」
「フリージア嬢、早速だがお手合わせを願う」
「え、別に構いませんが……その、ジャクロット伯爵令息様のものでなくても、屋敷から自分用の木剣を持ってきますが?」
「時間がもっていないからこれで大丈夫だ。あっ、でもその前にこいつに消毒させる。それに、シトリンはそろそろ休憩した方がいいからな。そうだよな、シトリン?」
「プッ、アハハハハッ!!」
メスト様から威圧するように言われたジャクロット伯爵令息様は、思わず吹き出すと大笑いしながら上半身を大きく前に倒す。
「ジャクロット伯爵令息様!?」
「アハハハハッ!……いや~、大丈夫だよ。まさか親友から嫉妬される日が来るなんて思わなくてさ、面白すぎて笑っちゃった」
上半身を起こしたジャクロット伯爵令息は、涙を拭くと不機嫌そうにしているメスト様を見てニヤニヤと笑う。
「何だよ、シトリン」
「良いや、何でもないよ」
仏頂面でそっぽを向くメスト様を見て、再び噴き出したシトリンは、一頻り笑うと再び涙を拭いて私の方に目を向けた。
「僕はしばらく休憩するから、それを使ってメストと手合わせすればいいよ」
そう言って、メスト様から木剣を受け取ったジャクロット伯爵令息様は、持っていた魔道具で消毒すると私に渡した。
「あ、ありがとうございます! ではメスト様、よろしくお願いします!」
「あぁ、こちらこそ」
(久しぶりにメスト様と鍛錬できる!)
メスト様と鍛錬できることに喜びを隠せない私に、優しく微笑みかけるメスト様にドギマギしながら木剣を持った。
その時、2人は何かを話していたけど、私には聞こえなかった。
けれど、ジャクロット伯爵令息様の『次期侯爵家当主としてのメンツにもかけて身を固めるじゃないかなって』という言葉が耳に入り、『もしかして、そろそろ婚約者が……!』と焦りを覚えた。
だから私は、あることを決めた。
屋敷でお茶会をした日から、メスト様は度々公爵家の屋敷を訪れ、私とお茶をするようになった。
私がメスト様とお茶をしたと知ったリュシアン兄様が、面白半分でメスト様を度々『鍛錬』といって屋敷に遊びに来させるようになってからである。
最初はリュシアン兄様の悪戯に、ロスペル兄様と怒った。
けれど、メスト様が我が家に来る機会が増えるにつれて、少しずつだけどメスト様との距離が縮まっていった。
それに関してはほんの少しだけ感謝している。
(初めて会った時は、とてもドキドキして声も出なかった。けれど、メスト様とお話をするに機会が増えるにつれて、ドキドキが増すばかりな気がする)
それが、物語で描かれる『恋』だということはもう理解しているのだけど。
「ごきげんよう、フリージア嬢」
「ご、ごきげんよう……メスト様」
そうして、メスト様と出会ってからあっという間に3年の月日が経ち、私とメスト様はいつの間にか名前で呼び合うようになった。
「フリージア嬢、今日はシトリンも一緒に来ているんだ」
「こんにちは、サザランス公爵令嬢。君のお兄さんに連れ来られちゃった」
淑女教育を済ませ、気晴らしに広大な庭に出てきた時、メスト様と剣の鍛錬を終えたシトリン・ジャクロット伯爵令息様が茶目っ気たっぷりに挨拶した。
リュシアン兄様とメスト様のご友人であるジャクロット伯爵令息様は、ここ最近家に遊びに来られるようになった方で、常に柔和な笑みを浮かべるとても穏やかで人当たりの良い人である。
まぁ、リュシアン兄様の被害者の1人とも言えなくないけど。
「これは、ジャクロット伯爵令息様。ご無沙汰しております。いつも兄が申し訳ございません」
宰相家令嬢として失礼が無いように、淑女教育で鍛えたお手本のようなカーテシーをして挨拶をする。
すると、それを見たメスト様が少しだけ不機嫌そうな顔をすると、徐にジャクロット伯爵令息様がご自宅から持ってきたであろう木剣を奪い、そのまま私に差し出す。
「メスト?」
「フリージア嬢、早速だがお手合わせを願う」
「え、別に構いませんが……その、ジャクロット伯爵令息様のものでなくても、屋敷から自分用の木剣を持ってきますが?」
「時間がもっていないからこれで大丈夫だ。あっ、でもその前にこいつに消毒させる。それに、シトリンはそろそろ休憩した方がいいからな。そうだよな、シトリン?」
「プッ、アハハハハッ!!」
メスト様から威圧するように言われたジャクロット伯爵令息様は、思わず吹き出すと大笑いしながら上半身を大きく前に倒す。
「ジャクロット伯爵令息様!?」
「アハハハハッ!……いや~、大丈夫だよ。まさか親友から嫉妬される日が来るなんて思わなくてさ、面白すぎて笑っちゃった」
上半身を起こしたジャクロット伯爵令息は、涙を拭くと不機嫌そうにしているメスト様を見てニヤニヤと笑う。
「何だよ、シトリン」
「良いや、何でもないよ」
仏頂面でそっぽを向くメスト様を見て、再び噴き出したシトリンは、一頻り笑うと再び涙を拭いて私の方に目を向けた。
「僕はしばらく休憩するから、それを使ってメストと手合わせすればいいよ」
そう言って、メスト様から木剣を受け取ったジャクロット伯爵令息様は、持っていた魔道具で消毒すると私に渡した。
「あ、ありがとうございます! ではメスト様、よろしくお願いします!」
「あぁ、こちらこそ」
(久しぶりにメスト様と鍛錬できる!)
メスト様と鍛錬できることに喜びを隠せない私に、優しく微笑みかけるメスト様にドギマギしながら木剣を持った。
その時、2人は何かを話していたけど、私には聞こえなかった。
けれど、ジャクロット伯爵令息様の『次期侯爵家当主としてのメンツにもかけて身を固めるじゃないかなって』という言葉が耳に入り、『もしかして、そろそろ婚約者が……!』と焦りを覚えた。
だから私は、あることを決めた。
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