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第7章 余興と奇貨の建国祭
第450話 彼と私の出会い⑤
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※フリージア視点です。
「メスト様、こちらです!」
「おい、待てよ」
8歳になった私は、益々宰相家の令嬢としての振る舞いに更なる磨きをかけていた。
それと同時に『王国の盾』として悪さをしている騎士を見つければ、護身用の得物で打ちのめしていた。
2人の兄様達は私を見て揃って『お転婆娘に拍車がかかった』と呆れていたけど。
でも、そんな私の隣にはいつもメスト様がいて事あるごとに宥めていた。
そんなある日、私はリュシアン兄様やロスペル兄様、メスト様とシトリン様、そして王家主催のお茶会をきっかけに仲良くなったカトレアやラピスさんとサザランス公爵領を訪れていた。
そして、2人の兄様がカトレアやラピスさんやシトリン様の相手をしている隙に、メスト様の手を取った私は屋敷を飛び出し、そのまま近くの森に入った。
「フリージア、護衛も連れずこのような場所に来たら迷子になってしまうのではないか?」
「大丈夫です! 私にとってこの森は庭なので絶対迷いません!」
「そ、そうなのか……?」
自信たっぷりな私をメスト様が不安げな表情で見つめる。
(幼い頃から兄様達と遊んでいた場所だから、迷うことなんてないんだけれど)
すると、鬱蒼としていた森が突然開け、目の前に広がる光景に目を輝かせた私は足を止めると後ろにいるメスト様に見せる。
「メスト様、見てください!」
「っ! これは!」
驚きのあまり目を見開いたメスト様の視線の先には、澄み渡る青空の下、雪のような真っ白な花々が咲き誇る美しい花畑が広がっていた。
「フフン♪ この場所、私のお気に入りの場所で、いつかメスト様を連れて来たいと思っていたのです!」
「そう、なのだな」
美しい花畑に、胸が熱くなったらしいメスト様が頬を赤らめながら、私に優しく微笑みかける。
それを見て、恥ずかしくなった私は慌てて目を逸らすと、花畑の真ん中にメスト様を連れて向かい合わせで座った。
すると、心地良い風に乗ってきて花の甘い匂いが辺り一帯を包み込み、その心地よさに静かに目を閉じる。
(はぁぁ、いつ来ても本当に素晴らしい場所だわ)
「とても良い場所だな。だが、俺で良かったのか? 婚約者でも何でもない俺がこのような場所に連れてきて」
(おっと、そうだった! 今日は、メスト様にこの場所を見せるだけじゃなかったわ!)
慌てて目を見開いた私は、前々から考えていた言葉を口に出そうとする。
けれど、自分から言うにはあまりにも恥ずかしすぎていつもの調子が出ず、か細い小声で口に出てしまった。
「……になりたいんです!」
「えっ?」
(えええい! どうにでもなれ! お母様もそう自分に喝を入れて、お父様に言ったって仰っていたし!)
聞き返したメスト様に、勇気を振り絞った私は顔を上げると立ち上がり、今度は大きな声で彼に伝える。
「私、メスト様のお嫁さんになりたいんです!」
「っ!!」
「だから、この場所でメスト様を連れてきて、思いを伝えたかったのです! あと少しでメスト様と会えなくなってしまうから!」
13歳になったメスト様が、『立派な騎士になる』という夢を叶えるため、1ヶ月後にシトリン様と共に騎士学校に入学することは知っていた。
なにせ、メスト様自身に教えてもらっていたから。
そして、全寮制であるため、休日でもない限り、学校の外に出ることは許されないことも。
(前にシトリン様が『メスト様もそろそろ身を固めないといけない』と仰っていたのを耳にした時、私は咄嗟に『令嬢との縁談も来るはず』と思ってしまった。いや、もう山のようにきているかもしれない。だったら、会えなくなる前に自分の思いを言ってしまおう)
私からの本気のプロポーズに、再び目を見開いたメストはしばらく言葉を失う。
その時間が私にとってとても嫌な時間だった。
『はしたない』と言われて、断られるかもしれないから。
優しいメスト様ならそんなことを仰らないかもしれない。
けど、拒絶されたら嫌だ。一生立ち直れないかも。
脳裏にメスト様との楽しい日々が蘇った時、メスト様が優しく微笑んで私の手を取ると片膝をついた。
それはまるで、主に対して騎士が忠誠を誓う儀式そのものだった。
「ならば、騎士になったその時には、必ずフリージアを迎えに行こう」
「っ!」
騎士のような礼を取ったメスト様の甘い笑みに、顔を真っ赤にした私は再び顔を俯かせるとコクリと小さく頷いた。
こうして、澄み渡る青空の下、色彩豊かな花達に囲まれながら私とメスト様は将来を誓った。
その後、メスト様と屋敷に戻ると、家族と友人達からものすごく怒られた。
けれど、私がメスト様にプロポーズをしたと報告した時、みんながなぜか『やっとか』と胸をおろして喜んでくれた。
そしてメスト様が騎士学校に入学する直前、両家の間で正式に私とメスト様の婚約が認められた。
それからというもの、メスト様の貴重な休日を使い、私とメスト様は順調に愛を深めていった。
だから、信じていた。
私が18歳で成人になったタイミングでメストと結婚する未来を。
……けれど婚約を結んだ2年後。ノルベルトが全てを奪われ、幼い頃の約束が果たされないと分かった時、平民は令嬢を殺した。
「メスト様、こちらです!」
「おい、待てよ」
8歳になった私は、益々宰相家の令嬢としての振る舞いに更なる磨きをかけていた。
それと同時に『王国の盾』として悪さをしている騎士を見つければ、護身用の得物で打ちのめしていた。
2人の兄様達は私を見て揃って『お転婆娘に拍車がかかった』と呆れていたけど。
でも、そんな私の隣にはいつもメスト様がいて事あるごとに宥めていた。
そんなある日、私はリュシアン兄様やロスペル兄様、メスト様とシトリン様、そして王家主催のお茶会をきっかけに仲良くなったカトレアやラピスさんとサザランス公爵領を訪れていた。
そして、2人の兄様がカトレアやラピスさんやシトリン様の相手をしている隙に、メスト様の手を取った私は屋敷を飛び出し、そのまま近くの森に入った。
「フリージア、護衛も連れずこのような場所に来たら迷子になってしまうのではないか?」
「大丈夫です! 私にとってこの森は庭なので絶対迷いません!」
「そ、そうなのか……?」
自信たっぷりな私をメスト様が不安げな表情で見つめる。
(幼い頃から兄様達と遊んでいた場所だから、迷うことなんてないんだけれど)
すると、鬱蒼としていた森が突然開け、目の前に広がる光景に目を輝かせた私は足を止めると後ろにいるメスト様に見せる。
「メスト様、見てください!」
「っ! これは!」
驚きのあまり目を見開いたメスト様の視線の先には、澄み渡る青空の下、雪のような真っ白な花々が咲き誇る美しい花畑が広がっていた。
「フフン♪ この場所、私のお気に入りの場所で、いつかメスト様を連れて来たいと思っていたのです!」
「そう、なのだな」
美しい花畑に、胸が熱くなったらしいメスト様が頬を赤らめながら、私に優しく微笑みかける。
それを見て、恥ずかしくなった私は慌てて目を逸らすと、花畑の真ん中にメスト様を連れて向かい合わせで座った。
すると、心地良い風に乗ってきて花の甘い匂いが辺り一帯を包み込み、その心地よさに静かに目を閉じる。
(はぁぁ、いつ来ても本当に素晴らしい場所だわ)
「とても良い場所だな。だが、俺で良かったのか? 婚約者でも何でもない俺がこのような場所に連れてきて」
(おっと、そうだった! 今日は、メスト様にこの場所を見せるだけじゃなかったわ!)
慌てて目を見開いた私は、前々から考えていた言葉を口に出そうとする。
けれど、自分から言うにはあまりにも恥ずかしすぎていつもの調子が出ず、か細い小声で口に出てしまった。
「……になりたいんです!」
「えっ?」
(えええい! どうにでもなれ! お母様もそう自分に喝を入れて、お父様に言ったって仰っていたし!)
聞き返したメスト様に、勇気を振り絞った私は顔を上げると立ち上がり、今度は大きな声で彼に伝える。
「私、メスト様のお嫁さんになりたいんです!」
「っ!!」
「だから、この場所でメスト様を連れてきて、思いを伝えたかったのです! あと少しでメスト様と会えなくなってしまうから!」
13歳になったメスト様が、『立派な騎士になる』という夢を叶えるため、1ヶ月後にシトリン様と共に騎士学校に入学することは知っていた。
なにせ、メスト様自身に教えてもらっていたから。
そして、全寮制であるため、休日でもない限り、学校の外に出ることは許されないことも。
(前にシトリン様が『メスト様もそろそろ身を固めないといけない』と仰っていたのを耳にした時、私は咄嗟に『令嬢との縁談も来るはず』と思ってしまった。いや、もう山のようにきているかもしれない。だったら、会えなくなる前に自分の思いを言ってしまおう)
私からの本気のプロポーズに、再び目を見開いたメストはしばらく言葉を失う。
その時間が私にとってとても嫌な時間だった。
『はしたない』と言われて、断られるかもしれないから。
優しいメスト様ならそんなことを仰らないかもしれない。
けど、拒絶されたら嫌だ。一生立ち直れないかも。
脳裏にメスト様との楽しい日々が蘇った時、メスト様が優しく微笑んで私の手を取ると片膝をついた。
それはまるで、主に対して騎士が忠誠を誓う儀式そのものだった。
「ならば、騎士になったその時には、必ずフリージアを迎えに行こう」
「っ!」
騎士のような礼を取ったメスト様の甘い笑みに、顔を真っ赤にした私は再び顔を俯かせるとコクリと小さく頷いた。
こうして、澄み渡る青空の下、色彩豊かな花達に囲まれながら私とメスト様は将来を誓った。
その後、メスト様と屋敷に戻ると、家族と友人達からものすごく怒られた。
けれど、私がメスト様にプロポーズをしたと報告した時、みんながなぜか『やっとか』と胸をおろして喜んでくれた。
そしてメスト様が騎士学校に入学する直前、両家の間で正式に私とメスト様の婚約が認められた。
それからというもの、メスト様の貴重な休日を使い、私とメスト様は順調に愛を深めていった。
だから、信じていた。
私が18歳で成人になったタイミングでメストと結婚する未来を。
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