【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音

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6 カルヴァン

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◇◇ カルヴァン ◇◇

シャルリーヌ=グラディエ子爵令嬢が辺境伯邸に到着したのは、カルヴァンが結婚の打診を送ってから一月と経ってはいなかった。
《取り急ぎ》とは書いておいたが、まさかこれ程早くに来るとは思っておらず、カルヴァンも館の者たちも正直焦った。
グラディエ子爵が優秀なのか、それとも厄介払いをしたいのか…嫌な考えが浮かび、頭を振って追い出した。

シャルリーヌはパーティで見掛けた通り、もの静かで陰気な感じのする娘で、カルヴァンを安心させた。
反抗が出来る様な娘では無い、彼女ならば、この話を受けてくれるだろう___
カルヴァンが必要としているのは、生身の女ではない、都合の良い人形で、彼女は理想的に見えた。

嬉々として契約結婚の概要を話し、息子シリルに引き合わせたものの、そこで想定外の事が起こった。
シャルリーヌが気を失ったのだ。
乳母は「長旅の疲れ」と言ったが、側近のセザールは「どうせ怖い顔をしていたんでしょう、少しは愛嬌を見せなさい」と呆れていた。
カルヴァンは常々、顔が怖いとか、威圧感があるとか言われている為、若い娘に恐れられても納得だった。
『だが、困ったな…』と内心で呟いた。
何といっても、彼女は自分の再婚相手で、息子の世話係だ、再々気を失われては周囲から怪しまれるかもしれない。
だが、じっくり対策を練る時間は無かった、領主であり騎士団長を務めるカルヴァンは、この時期激務を抱えていたのだ。
魔獣調査へ向かう時間は着々と迫っていた。寧ろ、留守にする前に一目でも会えた事は、運が良かったと言える。

気を失った女性を置いて出掛ける等、非道だと言う者もいるだろうが、カルヴァンは然程気にしてはいなかった。
大抵の事であれば、優秀な使用人たちが何とかしてくれる。
そして、何とか出来ない事は、カルヴァンにも手に負えない、その事は、前妻との六年間で嫌という程思い知っていた。

シャルリーヌとシリルの事は、彼女が逃げずにいてくれたら《及第点》、と思っていた。
シリルは普通の子供とは違っている。六歳になっても喋らない。前妻とは会話をしていたのかもしれないが、カルヴァンはシリルが喋るのを聞いた事が無かった。
それに、シリルは殻に閉じ籠っていて、必要無いと判断した事は無視する傾向がある。その為、皆シリルを持て余すのだ。
老年の乳母は経験もあり何とか辞めずにいてくれるが、持て余しているのは一緒だった。
それだけではない、シリルは恐らく、呪われている…
カルヴァンはそれに気付きながらも、見て見ぬ振りをしている。
辺境伯という地位、騎士団長という力を持ちながらも、彼はどうしてもそれと向き合う事が出来ないでいた。
だから、他人にも多くは求めない。
自分が任務から帰った時、シャルリーヌがまだいてくれれば、それで良いと___

だが、まさか、二週間ぶりに帰った時、シャルリーヌがボロボロになっているとは思ってもみなかった。

《最悪》というのは、何故、いつも想定していない時に起こるのか…
カルヴァンは、頭に包帯を巻き、青い顔をした彼女を茫然と眺めつつ、魂が抜けそうになった。
全てを投げ出して逃げたくなるのは、魔獣の討伐でも戦でもない、決まって日常だった。
ああ…帰って来なければ良かった。
頭の中で嘆息し、無理矢理思考を現実に戻した。

「シャルリーヌ嬢、話を聞こう」

真剣な視線を向ければ、彼女の膝にしがみ付いていた小さな息子シリルが『キッ』とこちらを睨んだ。
何やら左目から黒い靄を出しながら…
稀にだが、シリルの左目から黒い靄が出る。その事に気付いたのは、前妻が亡くなってからだ。
それまでカルヴァンは碌にシリルに会う事が出来なかった為、気付き様が無かった。
やはり、カルヴァンは見なかった事にし、目を反らした。

「ネリー、シリルを連れて行ってくれ」

小さな子供に聞かせる話ではないとの気遣いだが、シリルの気に入るものでは無かったらしく、黒い靄は更に濃くなった。
不味いな…
黒い靄が何であるかは知らない、考えたくもなかったが、良い物である筈は無い。
助け舟を出したのは意外にも、シャルリーヌだった。彼女は優しくシリルの背中を擦りながら声を掛けた。

「シリル、わたしは大丈夫よ、お父様とお話をさせてくれる?
あなたの安全の為にも、お父様にしっかりと対策をして貰わなきゃ!」

彼女の言葉は驚く程効果があった、黒い靄はスッと消えていた。

「君は、随分とシリルと仲良くなったのだな…」

驚きが口から出て、カルヴァンは手で口元を隠した。
彼女はニコリと笑った。

「そうなんです!シリルはとっても良い子ですね!可愛いし!あんな子の継母になれるなんて、うれしいわ!」

無邪気に笑い、はしゃいだ様に言う。

彼女は《誰》だ?

カルヴァンは浮かんだ疑惑に眉を潜めた。
パーティで見掛けた女性と目の前の女性は、《真逆》だ。

まさか、シャルリーヌ=グラディエ子爵令嬢は、実家や社交の場では本性を隠しているのか?
グラディエ子爵家では冷遇されている様だから、身を護る為か?
そうであれば、完全に見誤った…
だが…

「シリルをそんな風に言ってくれた者は、君が初めてだ、ありがとう」

《ありがとう》、だって?
まるで、良い父親であるかの様に振る舞っている自分が信じられなかった。
碌に顔も合わせない、会いもしない、愛せもしない自分が…
カルヴァンはさっさと話題を変えた。

「シャルリーヌ、事件の事を聞かせて欲しい」

シャルリーヌは冷静で、事件の事も詳細に覚えていた。
カルヴァンは家令から聞いた事と照らし合わせながら考慮した。

最近、シャルリーヌとシリルは、午前中は庭を散歩し、遊ぶ事を日課にしていた。
それは館の者であれば、誰もが知る事だった。
その日もいつもと同じように庭を散歩し、ボール遊びが出来るお気に入りの場所、裏庭に向かっていた。
何処からともなく、荒くれ者の男たちが三人出て来て、シリルを連れて行こうとした為、シリルを連れて逃げたが追いつかれてしまい、暴力を受けた。気付くと、荒くれ者たちはいなくなっていて、その頃になり、使用人たちが駆け付けて来た。
シャルリーヌが庇ったお陰でシリルに怪我は無かった。

シャルリーヌは知らないが…
家令の話では荒くれ者の男三人は、深手を負い、塀の下で息絶えていた。体を引き裂かれ、塀にぶつかったのか骨も砕けていたと。
荒くれ者だったから良いが、貴族や使用人であれば大問題になっただろう…それを考えるとカルヴァンは頭が痛かった。
だが、誰がやったかは証明出来ない筈だ…

「シリルを護ってくれて感謝する、こんな事態を引き起こしたのは私の不手際だ、危険な目に遭わせ、怪我まで負わさせてすまなかった。
今後は護衛を増やすと約束しよう」

「ありがとうございます、ですが、今回の事は計画的に思えます」

カルヴァンもそれには気付いていた。言わなかったのは、彼女が知る必要は無いと思ったからだ。

「ああ、こちらで精査する、任せて欲しい。
それで、君の方は大丈夫か?何か必要な物があれば言ってくれ、それと、怪我が治るまでは何もしなくていい、静養してくれ」

カルヴァンはさっさと話を切り上げ、部屋を出た。
何かと鋭いのは困る、シリルの事に気付かれたくない、人に知られればシリルに危険が及ぶ。
もし、シリルを殺せと言われたら…
いや、そんな事は無い、と頭を振る。

シリルを愛してはいない、だが、責任はある___

カルヴァンは自分にそう言い聞かせていた。


カルヴァンも今回の事は計画的だと思っていた。
荒くれ者が昼間に辺境伯邸の敷地内に紛れ込むなど考え難い。普通であれば、夜を狙うだろう。
彼等の目的は《シリル》だったらしい、それ以上は分からないが、断言出来るのは、館内に共犯者、若しくは主犯がいるという事だ。
塀を乗り越えるか、裏門から侵入し、二人が来るのを待ち伏せていた事を考えると、シャルリーヌとシリルの習慣を知っていて、警備の動きを知る者の情報、手引きが必要だからだ。

残念ながら、荒くれ者たちは皆死んでしまった為、共犯者を見付ける事は難しい。
一応、形だけは家令に使用人たちの事情聴取をさせた。
事情聴取をした際、シャルリーヌを良く思わないメイドが数名いた。彼女たちはシャルリーヌの実家よりも家格が上で、下の者、しかも年下に仕えたくないらしい。彼女たちはシャルリーヌを貶めようと讒言をした。

「シャルリーヌ様は食事を運んだ際、気に入らないと作り直させました、とても横暴な方です」
「シャルリーヌ様は酷く高圧的で酷い言葉をお使いになります」
「シャルリーヌ様はシリル様に沢山贈り物をされ、懐柔されたんです」
「シャルリーヌ様は旦那様がいないと知るや、直ぐに街へ遊びに行かれました、男好きなんですよ」

彼女たちの話と他の使用人たちからの話を照らし合わせると、真実は直ぐに見えた。

食事を作り直させ件は、軽食を頼まれたメイドがわざと自分で質素な料理を作り、持っていき、それをシャルリーヌが厳しく諫めたという事だった。
料理人が、メイドが料理を残飯入れに投げ捨て、暴言を吐いている所を見ていた。話を聞いて呆れたと言っていた。
「そりゃ、怒って当たり前だ、奥様じゃなくても怒るさ、首にならなかっただけマシだと思いな」と諫め、辺境伯邸に相応しい軽食を作って持って行かせたのだが、メイドは未だ恨みに思っているらしい。
そのメイドは直ぐに館を出て行く様言い渡した。勿論、紹介状は持たせなかった。

街へ遊びに出掛けたというのは、買い物の為で、護衛のロバートとメイドのポレットも一緒で、二人から詳しく聞いた。
シャルリーヌに浮ついた処は無く、男の陰も無かった。彼女は終始買い物に専念しており、二人と一緒に食事をし、使用人たちに土産まで買ったという。
シャルリーヌはシリルの為に必要だと思う物を取り揃えたかった様だ。
シリルはクマの人形を持ち歩いている、それは前妻や自分が買い与えなかったものだ。
乳母の話では、シャルリーヌは一日中、シリルと一緒にいて、遊びを教えたり、本を読み聞かせたりしていた。
特に、夜はシリルが眠るまで本を読んでやるので、そのまま一緒に寝ている事も多いという。
これまで、そこまでしてくれた者はいない。
乳母もシリルの世話はあくまで仕事であり、適度に距離を取っている。それが普通なのだが、シリルが求めているのは、シャルリーヌの様な存在だったらしい。

『カルヴァン、いいから早い内に再婚しろ、手遅れになる前に《まとも》な女性に育てさせるんだ』

父の言葉を思い出し、カルヴァンは口を結んだ。
全くその通りらしい…、シャルリーヌはシリルに《必要》だ___

シャルリーヌを悪く言うメイドたちは、家令から考えを改める様に伝えて貰ったが、聞き入れない者たちもいた。

「仕方もございません、貴族にとっては爵位や家格が全てですから、シャルリーヌ様はお若いですし…」
「ならば、シャルリーヌの家よりも爵位の低い者を雇うか?」

カルヴァンが意地悪半分、本気半分で言うと、家令も考えを改めた様だ。
爵位の低い家の者を雇っても良いのだが、使える者は少ない。教育に酷く時間を割く事になる為、一人二人なら良いが、それが大半になれば仕事に支障が出てしまう。

「旦那様は騙されています!私は旦那様の為に申しあげているのです!」
「あんな性悪な女が奥様になるなんて、認められません!」
「あなた方は、旦那様が性悪女に騙される様な愚か者、と言いたいのですか?」
「い、いえ、あの女が誘惑し、誑かしているんです!」
「旦那様がお選びになった奥様を軽視する事は、旦那様を軽視したも同然です。
直ぐに荷物を纏めて出て行く様に___」


事情聴取をした際、怪しい者がいるにはいたが、疑いの範囲内だった。
密偵を雇い、街で聞き込みをさせると、荒くれ者を雇いたいと探していた者がいた事が分かった。
荒くれ者たちの仲間は、雇われて行った者たちが帰って来ないので不審に思っていた様だ。すんなりと口を割った。

「ご領主様の息子を誘拐してよー、それを乳母の落ち度って事にして、館から追い出したいんだってさ。
ご領主様を誘惑する性悪女だとか…大事なご領主様の為っていわれりゃ、一肌脱ぐかって思うわなー。
別に危害を加えるつもりはないから、罪にはなんねーって言ってたぜ」
「けど、あいつ等、何で帰って来ないんだ?」
「顔バレしたら領にいられないから逃げたんじゃないか?報酬も良かったんだろう?」
「あー、そっか、薄情な奴等だなぁ」
「依頼主は辺境伯様の使用人だろう?」
「しらねーが、貴族の女に違いないぜ、金払いが良かった。
フードで顔は隠れてたが、特徴的な鼻だった、声もこう、高くてねっとりしてて…」

カルヴァンは密偵から報告を受け、誘拐劇に心底呆れ、シャルリーヌを陥れる罠だったと知り、憎々しく思った。
碌でも無い事を考える者がいたものだ___
だが、その女の特徴を聞き、その顔は険しくなった。

「分かった、ご苦労だった」

カルヴァンは報酬を支払い、密偵を帰した。

相手が《あの女》であれば、下手に手出しは出来ない。
この上は、さっさとシャルリーヌを妻にするべきか___


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