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戦いの終結
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街の瓦礫に静かな余韻が残る。
赤く染まった夕暮れの空、焦げた建物の匂い。
鬼の力を制御した玄弥は、深く息をつく。
しかし、背後から漂う妖気に、胸が再び締め付けられる。
「……残念だな」
振り返ると、篠宮の瞳が、淡く光っていた。
先ほどまでの喜びの色は消え、わずかに落胆した表情。
「仲間にはなれないか……」
その言葉の直後、篠宮の体が霧のように揺らぎ、刃の形をした妖気が彼の周囲を覆う。
「なら……消えてもらおう」
突如、篠宮がかまいたちの刃を一斉に放つ。
それは、先ほどよりも速度も威力も増していた。
玄弥は尾一本を背中に浮かべ、防御の構えを取る。
「……来るぞ」
風を切る刃の音が耳を裂く。
尾一本と呪いの力で防ぐ玄弥。
霊力は残り少なく、一本の尾の制御もギリギリだった。
「くっ……!」
刃が尾にぶつかるたび、背中に衝撃が走る。
尾の輪郭が揺れ、制御の糸が危うくなる。
互いに一歩も引かない。
「……惜しいな。力はある、でも、制御はまだ甘い」
篠宮の笑みは、残念そうで、どこか楽しんでいるようにも見える。
「止まるな……俺は……守る!!」
玄弥は叫び、尾と霊力を一点に集中する。
刃の衝撃が背中を突き抜け、体中の血が熱く流れる。
尾一本が光を増し、かまいたちを粉砕する。
瓦礫が飛び、街灯が割れ、地面に亀裂が走る。
だが、篠宮も手を緩めない。
妖気の刃が、次々と形を変え、尾と衝突する。
光と影、赤と黒が空間でぶつかり合い、閃光と轟音が街を震わせる。
「……やはり……お前……面白い……!」
篠宮は叫ぶと同時に、次の一撃を放つ。
しかし、玄弥は前世の声を思い出し、意識で尾を制御した。
「……行くぞ……!」
尾が突き出し、篠宮の刃を打ち返す。
衝撃波が篠宮を吹き飛ばし、地面に激突させる。
瓦礫の中、篠宮の体が揺れる。
吹き飛ばされ、壁にぶつかる。
だが、まだ生きている。
「……カハッ……」
篠宮は息を荒げ、吐血しながらも立ち上がる。
瞳にはまだ好奇心と僅かな怒りが残っている。
「あぁ、残念、時間切れみたいだ‥」
赤く光る尾の前で、篠宮は徐々に崩壊していく。
玄弥は少し呼吸を整えた。
「……まだ……立てるのか……」
篠宮は微かに笑みを浮かべ、玄弥を見上げた。
瞳の奥には、かつての好奇心と、戦いを楽しむ色が残っている。
だが、体は限界を超えていた。
妖気の刃も、霊力も、もはや自分を支えることはできない。
ゆっくりと、篠宮の体が崩れ始める。
「……くっ……消える……」
体が霧のように崩れ、光と影に溶けていく。
瓦礫や残響に混ざり、篠宮は少しずつ姿を失った。
その時、最後に笑みを残すように、かすかな声が耳元に届く。
「……次に会えるなら……友として、会いたかったな……」
言葉は風に消え、街に残ったのは静寂と、瓦礫の残響だけ。
玄弥は目を見開き、しばらく動けずに立ち尽くした。
鬼化の力を抑えたまま、背中の尾を静かに収める。
呼吸を整え、血に濡れた手を握りしめる。
街はまだ傷だらけだが、命は守られた。
転校生は消えたが、その言葉だけが、胸に残る。
――もし、次に会えるなら。
戦いではなく、友として。
赤く染まった空を見上げ、玄弥は小さく呟いた。
「……その時は、友として受け止める……」
瓦礫の間に静寂が広がる。
戦いは終わったわけではないが、ひとまず、この夜は、少しだけ平穏を取り戻していた。
瓦礫と煙が立ち込める街の一角。
玄弥は尾一本の制御を維持したまま、戦いの疲労に体を奪われていた。
足はがくがくと震え、腕は力なく垂れ下がる。
血と霊力の消耗で、視界が滲み、呼吸も乱れていた。
――動けない。
背後から、冷たい空気の中に熱を帯びた気配。
振り向く余力もないが、その存在だけで、何とか踏みとどまる。
「……ふう……まだ生きてるな」
炎色の瞳が、瓦礫の間に光る。
ドライな口調、しかし隣に立つだけで安心感のある存在感。
炎下ミユキ――戦場に乱入した時と同じ、冷静な同級生だ。
「動けないなら、手伝う。無理はするな」
その言葉だけで、玄弥は半ば意識を手放す。
ミユキは静かに背中に手をかけ、尾の力と霊力を支えながら、玄弥を持ち上げた。
瓦礫の間を抜け、街の外へ――避難させる。
目の前が一瞬白くなり、光に包まれる。
次に意識が戻ったとき、玄弥は見慣れない天井を見上げていた。
――病院のベッド。
シーツの白さと、外から差し込む光の柔らかさ。
街の喧騒は、今や遠くに感じられる。
横に座る炎下が、目を細めてこちらを見ていた。
「目を覚ましたか。まあ、死んでないだけマシだろ」
いつも通りドライで、感情の起伏を表に出さない口調。
しかし、目の奥には戦場での冷静さが残る。
玄弥は、体を起こそうとしても力が入らない。
尾の疲労と霊力の消耗で、全身が鉛のように重い。
「……助けてくれたのか」
小さく呟く声に、炎下は肩をすくめた。
「当然だ。無理に暴走したままじゃ、街も、お前も……終わる。だからな」
玄弥は深く息を吐く。
尾と呪いの力の制御は成功したが、まだ体には後遺症のように残る疲労感。
それでも、命が守られたことに、ほのかな安堵を覚えた。
外の光を眺めながら、玄弥は小さく呟いた。
「……次は、もっと強くならないと……」
炎下は言葉少なに頷き、シーツに静かに手を置いたまま、玄弥の回復を見守る。
赤く染まった夕暮れの空、焦げた建物の匂い。
鬼の力を制御した玄弥は、深く息をつく。
しかし、背後から漂う妖気に、胸が再び締め付けられる。
「……残念だな」
振り返ると、篠宮の瞳が、淡く光っていた。
先ほどまでの喜びの色は消え、わずかに落胆した表情。
「仲間にはなれないか……」
その言葉の直後、篠宮の体が霧のように揺らぎ、刃の形をした妖気が彼の周囲を覆う。
「なら……消えてもらおう」
突如、篠宮がかまいたちの刃を一斉に放つ。
それは、先ほどよりも速度も威力も増していた。
玄弥は尾一本を背中に浮かべ、防御の構えを取る。
「……来るぞ」
風を切る刃の音が耳を裂く。
尾一本と呪いの力で防ぐ玄弥。
霊力は残り少なく、一本の尾の制御もギリギリだった。
「くっ……!」
刃が尾にぶつかるたび、背中に衝撃が走る。
尾の輪郭が揺れ、制御の糸が危うくなる。
互いに一歩も引かない。
「……惜しいな。力はある、でも、制御はまだ甘い」
篠宮の笑みは、残念そうで、どこか楽しんでいるようにも見える。
「止まるな……俺は……守る!!」
玄弥は叫び、尾と霊力を一点に集中する。
刃の衝撃が背中を突き抜け、体中の血が熱く流れる。
尾一本が光を増し、かまいたちを粉砕する。
瓦礫が飛び、街灯が割れ、地面に亀裂が走る。
だが、篠宮も手を緩めない。
妖気の刃が、次々と形を変え、尾と衝突する。
光と影、赤と黒が空間でぶつかり合い、閃光と轟音が街を震わせる。
「……やはり……お前……面白い……!」
篠宮は叫ぶと同時に、次の一撃を放つ。
しかし、玄弥は前世の声を思い出し、意識で尾を制御した。
「……行くぞ……!」
尾が突き出し、篠宮の刃を打ち返す。
衝撃波が篠宮を吹き飛ばし、地面に激突させる。
瓦礫の中、篠宮の体が揺れる。
吹き飛ばされ、壁にぶつかる。
だが、まだ生きている。
「……カハッ……」
篠宮は息を荒げ、吐血しながらも立ち上がる。
瞳にはまだ好奇心と僅かな怒りが残っている。
「あぁ、残念、時間切れみたいだ‥」
赤く光る尾の前で、篠宮は徐々に崩壊していく。
玄弥は少し呼吸を整えた。
「……まだ……立てるのか……」
篠宮は微かに笑みを浮かべ、玄弥を見上げた。
瞳の奥には、かつての好奇心と、戦いを楽しむ色が残っている。
だが、体は限界を超えていた。
妖気の刃も、霊力も、もはや自分を支えることはできない。
ゆっくりと、篠宮の体が崩れ始める。
「……くっ……消える……」
体が霧のように崩れ、光と影に溶けていく。
瓦礫や残響に混ざり、篠宮は少しずつ姿を失った。
その時、最後に笑みを残すように、かすかな声が耳元に届く。
「……次に会えるなら……友として、会いたかったな……」
言葉は風に消え、街に残ったのは静寂と、瓦礫の残響だけ。
玄弥は目を見開き、しばらく動けずに立ち尽くした。
鬼化の力を抑えたまま、背中の尾を静かに収める。
呼吸を整え、血に濡れた手を握りしめる。
街はまだ傷だらけだが、命は守られた。
転校生は消えたが、その言葉だけが、胸に残る。
――もし、次に会えるなら。
戦いではなく、友として。
赤く染まった空を見上げ、玄弥は小さく呟いた。
「……その時は、友として受け止める……」
瓦礫の間に静寂が広がる。
戦いは終わったわけではないが、ひとまず、この夜は、少しだけ平穏を取り戻していた。
瓦礫と煙が立ち込める街の一角。
玄弥は尾一本の制御を維持したまま、戦いの疲労に体を奪われていた。
足はがくがくと震え、腕は力なく垂れ下がる。
血と霊力の消耗で、視界が滲み、呼吸も乱れていた。
――動けない。
背後から、冷たい空気の中に熱を帯びた気配。
振り向く余力もないが、その存在だけで、何とか踏みとどまる。
「……ふう……まだ生きてるな」
炎色の瞳が、瓦礫の間に光る。
ドライな口調、しかし隣に立つだけで安心感のある存在感。
炎下ミユキ――戦場に乱入した時と同じ、冷静な同級生だ。
「動けないなら、手伝う。無理はするな」
その言葉だけで、玄弥は半ば意識を手放す。
ミユキは静かに背中に手をかけ、尾の力と霊力を支えながら、玄弥を持ち上げた。
瓦礫の間を抜け、街の外へ――避難させる。
目の前が一瞬白くなり、光に包まれる。
次に意識が戻ったとき、玄弥は見慣れない天井を見上げていた。
――病院のベッド。
シーツの白さと、外から差し込む光の柔らかさ。
街の喧騒は、今や遠くに感じられる。
横に座る炎下が、目を細めてこちらを見ていた。
「目を覚ましたか。まあ、死んでないだけマシだろ」
いつも通りドライで、感情の起伏を表に出さない口調。
しかし、目の奥には戦場での冷静さが残る。
玄弥は、体を起こそうとしても力が入らない。
尾の疲労と霊力の消耗で、全身が鉛のように重い。
「……助けてくれたのか」
小さく呟く声に、炎下は肩をすくめた。
「当然だ。無理に暴走したままじゃ、街も、お前も……終わる。だからな」
玄弥は深く息を吐く。
尾と呪いの力の制御は成功したが、まだ体には後遺症のように残る疲労感。
それでも、命が守られたことに、ほのかな安堵を覚えた。
外の光を眺めながら、玄弥は小さく呟いた。
「……次は、もっと強くならないと……」
炎下は言葉少なに頷き、シーツに静かに手を置いたまま、玄弥の回復を見守る。
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