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171 引っ越し、そして六月三十日の朝
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晃が、気に入った、と言った物件は、一太もものすごく気に入ったので躊躇いなく頷いた。松島家に初めてお邪魔した時から、いいなあ、と思っていた対面式のキッチンだ。
明るく開けた空間へ目をやりながら料理ができるなんて最高だなあ、と思っていた。一太は、壁に向かって料理をしていると昔のことを思い出すことがある。料理が嫌いだった頃の思い出だ。こうして前が開けていれば、そんなことを思い出すことは無さそうな気がした。なにより、晃の姿を見ながら料理ができる。ここがいい! と強く思った。
晃くんは、二人で布団が並べて敷ける和室が気に入った、と言っていた。それもいい。一太も、これからも晃くんと並んで寝たいなと思っていたから、満面の笑顔で、いいねえ、と言ってしまった。
それを見た誠が、ここにしようか、と頷いたのだ。
もともと、月々の家賃はこのくらいまでで、と決めて物件を絞り込んでからの内見だったので、実際見て二人が気に入ったらそれで決まりだった。周辺も静かで、上下二軒だけというのもいいな、と誠が言って、いっちゃん、この形のキッチンだとね、料理しながらテレビも見れるのよ、と陽子が言った。
テレビを見ながら料理する、なんて考えたこともなかった一太は、へええ、と笑った。明るい方向を見ながら料理できる、どころではない。賑やかな画面を見ながら、料理ができるらしい。
そんなこんなで、その日のうちにちゃっちゃと契約した。六月という半端な時期に空いた物件だったので、契約してもらえて嬉しい、と不動産屋も喜んでくれ、話は大層スムーズだった。提携している引っ越し業者を安くで案内してくれたので、翌週すぐに引っ越すことにして、今住んでいる物件の手続きも終わらせた。
今、晃が使っていたベッドはリサイクルで引き取ってもらい、家電製品や家具、衣類、布団を積み込んで、大学を挟んで反対側の地域に移動した。大した距離では無いと思ったけれど、やはり専門家に頼んで良かった。新しい家は二階なので、家電製品などを素人が運ぶのは大変だったに違いない。
物件を契約した足で家具屋へ行って新しく買った三人掛けのソファと、カウンターの前に置く椅子二つ、窓にあうサイズのカーテンも引っ越しの日に運び込まれて、あっという間に二人暮らしのための部屋が完成した。
今まで住んでいた部屋のロフトから最後に室内を眺めて、一太は少し泣いた。ここも好きだったな、と思って。十年以上暮らしていた家のことなど、悪夢の中でしか思い出さなかったのに。たった半年ほど暮らした部屋とお別れするのがこんなに寂しいなんて、不思議な感じだった。
「いっちゃん、これからも楽しく暮らそうね」
と、晃が笑ってくれるから、これからの生活も楽しみだな、と一太は涙を拭いて笑い返した。
お隣の大学生さんには、本当にご迷惑をお掛けしましたと謝って、上等なタオルを渡した。お元気で、と言ってもらって、また少し寂しくなった。
そして、新しい住居の一階の住人、大家さん、反対側の一軒家とお向かいの一軒家にも上等なタオルで挨拶をして、二人の新しい生活が始まった。ご近所さんは年配の方が多く、皆明るく歓迎してくれた。
二階の部屋ということにも、一太は心の底から安心した。落ち着いた生活が始まった。
*
朝起きたら、携帯電話のメールアプリに、六と数字がついていた。未読のメッセージが六つある、という意味だ。寝る前に、メッセージは全て確認してから寝たはずだから、夜中や早朝にメッセージが届いていたことになる。そんなにたくさんのメッセージがいっぺんに届いたことなど今まで一度もなかったので、一太は大慌てでアプリを開いた。
夜、日付けが変わったばかりの時間に四件。朝に二件。一番最初に届いたのは晃からのメッセージらしい。
ん? 晃くん?
思わず横を向くと、いつも通りよく寝ている。新居の寝室は六畳間だからくっつけなくても敷けるのに、ぴったりと二枚くっ付けて布団を敷いていた。
何かあったなら起こして言ってくれたら良かったのに、と思いながら、一太はメッセージを開く。一緒に、おやすみと布団に入ったが、一太の方が寝るのが早かったのだろう。
『誕生日、おめでとう!』
晃のメッセージを開くと、そんな言葉が目に飛び込んできた。
「え? え? あ……」
誕生日。そう、誕生日だ。六月三十日。一太が生まれた日。去年まで、何でもなかったその日。いや、何でもなくはない。去年は、二十歳になったから年金を払え、との通知が国から届いて、どこからそんなお金を捻出したらよいのかと震え上がった日だった。そんな思い出しかない日。
「わあ……」
晃の次に届いていた岸田のメールも開いてみる。可愛いくまのキャラクターがケーキを持って、誕生日おめでとう、と言っているスタンプが目に飛び込んできた。
「可愛い……」
スタンプって可愛いな、と思う。無料でも使えるよ、と岸田に教えてもらったが、一太はまだ使ったことがなかった。陽子からのメールにもたまに可愛いスタンプが押してあるから、そのうち使ってみたい気持ちはある。文字を打たなくてもその時の気持ちや言いたいことを表現できて便利だなあ、と思う。なにより、可愛い。
岸田の次は光里だった。こちらもスタンプが一つ。大きなクラッカーから色とりどりの紙ひもが飛び出して、その中に、誕生日おめでとう! の文字が浮かんでいた。
一太は、ぱちぱちと瞬きしながら、その次の安倍のメッセージを開く。
『誕生日おめでとう』
シンプルに一言。
うん、ありがとう、と思わず言いたくなるような真っ直ぐな言葉。
四件のメッセージはみんな、日付けが変わったばかりの時間のものだ。日付けが変わったばかり……。もしかして、一太が誕生日を迎えてすぐ、お祝いしてくれたということなんだろうか。一太は、生まれた時間も知らないけれど。
「俺の、生まれた日を……?」
こんなにたくさんの人が?
なんで……。
朝の二件は、陽子と誠から。陽子のは、キュートなうさぎが、誕生日おめでとう、という看板を持ったスタンプだった。
『この間は時間無かったけど、夏休みに帰ってきた時に誕生日会をやるからね。絶対、帰ってきてね』
スタンプの下にはそんなメッセージも入っていて、先週引っ越しの手伝いに来てもらった時も、陽子さんはずっと言っていたなあと笑ってしまった。いっちゃんの誕生日が近いから誕生日祝いもしたい、と陽子は言ってくれていたのだが、引っ越し作業だけで手一杯で、適当に買ってきた弁当を食べて、その日はお別れしてしまった。夏休みに必ず、誕生日パーティするからね! と言いながら陽子は帰って行ったのだ。
『誕生日おめでとう。困ったことがあったら、すぐ連絡しなさい』
誠のメッセージは、シンプルで温かかった。
あは、とメッセージを見ながら笑みがこぼれる。鼻の奥が、つんとなる。
人は、携帯電話のメッセージだけでこんなに幸せな気持ちになれるということを初めて知った。
ありがとう。嬉しいです。
ありがとう。
ありがとうございます。
一太は、目元が潤んで視界が悪い中、一つ一つ丁寧にお礼のメッセージを入れた。
誕生日。誕生日だ。
祝ってくれる人のいる誕生日。たくさんのお祝いのメッセージ。
お前なんて生まれなければ良かった、とずっと繰り返されてきた母の呪詛が、メッセージ一つごとに薄れていく気がした。
メッセージを返し終わって、布団から出て仕事をしようと携帯電話を置いた後、明里と学の夫婦からもお祝いメッセージが届き、一太は嬉しい悲鳴を上げることになった。
明るく開けた空間へ目をやりながら料理ができるなんて最高だなあ、と思っていた。一太は、壁に向かって料理をしていると昔のことを思い出すことがある。料理が嫌いだった頃の思い出だ。こうして前が開けていれば、そんなことを思い出すことは無さそうな気がした。なにより、晃の姿を見ながら料理ができる。ここがいい! と強く思った。
晃くんは、二人で布団が並べて敷ける和室が気に入った、と言っていた。それもいい。一太も、これからも晃くんと並んで寝たいなと思っていたから、満面の笑顔で、いいねえ、と言ってしまった。
それを見た誠が、ここにしようか、と頷いたのだ。
もともと、月々の家賃はこのくらいまでで、と決めて物件を絞り込んでからの内見だったので、実際見て二人が気に入ったらそれで決まりだった。周辺も静かで、上下二軒だけというのもいいな、と誠が言って、いっちゃん、この形のキッチンだとね、料理しながらテレビも見れるのよ、と陽子が言った。
テレビを見ながら料理する、なんて考えたこともなかった一太は、へええ、と笑った。明るい方向を見ながら料理できる、どころではない。賑やかな画面を見ながら、料理ができるらしい。
そんなこんなで、その日のうちにちゃっちゃと契約した。六月という半端な時期に空いた物件だったので、契約してもらえて嬉しい、と不動産屋も喜んでくれ、話は大層スムーズだった。提携している引っ越し業者を安くで案内してくれたので、翌週すぐに引っ越すことにして、今住んでいる物件の手続きも終わらせた。
今、晃が使っていたベッドはリサイクルで引き取ってもらい、家電製品や家具、衣類、布団を積み込んで、大学を挟んで反対側の地域に移動した。大した距離では無いと思ったけれど、やはり専門家に頼んで良かった。新しい家は二階なので、家電製品などを素人が運ぶのは大変だったに違いない。
物件を契約した足で家具屋へ行って新しく買った三人掛けのソファと、カウンターの前に置く椅子二つ、窓にあうサイズのカーテンも引っ越しの日に運び込まれて、あっという間に二人暮らしのための部屋が完成した。
今まで住んでいた部屋のロフトから最後に室内を眺めて、一太は少し泣いた。ここも好きだったな、と思って。十年以上暮らしていた家のことなど、悪夢の中でしか思い出さなかったのに。たった半年ほど暮らした部屋とお別れするのがこんなに寂しいなんて、不思議な感じだった。
「いっちゃん、これからも楽しく暮らそうね」
と、晃が笑ってくれるから、これからの生活も楽しみだな、と一太は涙を拭いて笑い返した。
お隣の大学生さんには、本当にご迷惑をお掛けしましたと謝って、上等なタオルを渡した。お元気で、と言ってもらって、また少し寂しくなった。
そして、新しい住居の一階の住人、大家さん、反対側の一軒家とお向かいの一軒家にも上等なタオルで挨拶をして、二人の新しい生活が始まった。ご近所さんは年配の方が多く、皆明るく歓迎してくれた。
二階の部屋ということにも、一太は心の底から安心した。落ち着いた生活が始まった。
*
朝起きたら、携帯電話のメールアプリに、六と数字がついていた。未読のメッセージが六つある、という意味だ。寝る前に、メッセージは全て確認してから寝たはずだから、夜中や早朝にメッセージが届いていたことになる。そんなにたくさんのメッセージがいっぺんに届いたことなど今まで一度もなかったので、一太は大慌てでアプリを開いた。
夜、日付けが変わったばかりの時間に四件。朝に二件。一番最初に届いたのは晃からのメッセージらしい。
ん? 晃くん?
思わず横を向くと、いつも通りよく寝ている。新居の寝室は六畳間だからくっつけなくても敷けるのに、ぴったりと二枚くっ付けて布団を敷いていた。
何かあったなら起こして言ってくれたら良かったのに、と思いながら、一太はメッセージを開く。一緒に、おやすみと布団に入ったが、一太の方が寝るのが早かったのだろう。
『誕生日、おめでとう!』
晃のメッセージを開くと、そんな言葉が目に飛び込んできた。
「え? え? あ……」
誕生日。そう、誕生日だ。六月三十日。一太が生まれた日。去年まで、何でもなかったその日。いや、何でもなくはない。去年は、二十歳になったから年金を払え、との通知が国から届いて、どこからそんなお金を捻出したらよいのかと震え上がった日だった。そんな思い出しかない日。
「わあ……」
晃の次に届いていた岸田のメールも開いてみる。可愛いくまのキャラクターがケーキを持って、誕生日おめでとう、と言っているスタンプが目に飛び込んできた。
「可愛い……」
スタンプって可愛いな、と思う。無料でも使えるよ、と岸田に教えてもらったが、一太はまだ使ったことがなかった。陽子からのメールにもたまに可愛いスタンプが押してあるから、そのうち使ってみたい気持ちはある。文字を打たなくてもその時の気持ちや言いたいことを表現できて便利だなあ、と思う。なにより、可愛い。
岸田の次は光里だった。こちらもスタンプが一つ。大きなクラッカーから色とりどりの紙ひもが飛び出して、その中に、誕生日おめでとう! の文字が浮かんでいた。
一太は、ぱちぱちと瞬きしながら、その次の安倍のメッセージを開く。
『誕生日おめでとう』
シンプルに一言。
うん、ありがとう、と思わず言いたくなるような真っ直ぐな言葉。
四件のメッセージはみんな、日付けが変わったばかりの時間のものだ。日付けが変わったばかり……。もしかして、一太が誕生日を迎えてすぐ、お祝いしてくれたということなんだろうか。一太は、生まれた時間も知らないけれど。
「俺の、生まれた日を……?」
こんなにたくさんの人が?
なんで……。
朝の二件は、陽子と誠から。陽子のは、キュートなうさぎが、誕生日おめでとう、という看板を持ったスタンプだった。
『この間は時間無かったけど、夏休みに帰ってきた時に誕生日会をやるからね。絶対、帰ってきてね』
スタンプの下にはそんなメッセージも入っていて、先週引っ越しの手伝いに来てもらった時も、陽子さんはずっと言っていたなあと笑ってしまった。いっちゃんの誕生日が近いから誕生日祝いもしたい、と陽子は言ってくれていたのだが、引っ越し作業だけで手一杯で、適当に買ってきた弁当を食べて、その日はお別れしてしまった。夏休みに必ず、誕生日パーティするからね! と言いながら陽子は帰って行ったのだ。
『誕生日おめでとう。困ったことがあったら、すぐ連絡しなさい』
誠のメッセージは、シンプルで温かかった。
あは、とメッセージを見ながら笑みがこぼれる。鼻の奥が、つんとなる。
人は、携帯電話のメッセージだけでこんなに幸せな気持ちになれるということを初めて知った。
ありがとう。嬉しいです。
ありがとう。
ありがとうございます。
一太は、目元が潤んで視界が悪い中、一つ一つ丁寧にお礼のメッセージを入れた。
誕生日。誕生日だ。
祝ってくれる人のいる誕生日。たくさんのお祝いのメッセージ。
お前なんて生まれなければ良かった、とずっと繰り返されてきた母の呪詛が、メッセージ一つごとに薄れていく気がした。
メッセージを返し終わって、布団から出て仕事をしようと携帯電話を置いた後、明里と学の夫婦からもお祝いメッセージが届き、一太は嬉しい悲鳴を上げることになった。
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