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第五章 それは日々の話
13 具合が悪いのは…… 成人
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「そろそろ一回、声をかけてみるか」
俺がお茶を飲み終わった頃、おやつの準備、と料理人二人が立ち上がった。力丸は、報告書書かなきゃ、と嫌そうに言って部屋へ戻って行く。三郎が、手伝えることはありますか?と言いながら力丸に付いていった。
おやつ何かな、と休憩室から厨房へ行く二人に付いていくと、広末がぶつぶつ呟いている。
「なになにー?」
「昼に壱臣さんがご飯食べに降りてこなくてな。体調悪いって聞いてたから半助さんが取りに来るかと思ってたんだが、来なかった。朝ご飯は部屋の前に置いといたら食べてたから安心してたけど、だいぶ悪いのかな。生松先生に連絡するか」
「俺、持ってく」
「そうだな。うん、一緒に行くか。雑炊作ったんだ、あっためるわ」
「おやつの仕上げは俺がしときますんで」
村次が何でもないように言う。すごいねえ、もう一人でもできるんだね。
「ははっ、頼もしいな。すぐ戻る」
温かい雑炊の入った土鍋をクーラーバッグに入れて階段を上る。二階の部屋はワゴンで運べない。俺が持ちたかったけど、土鍋は重すぎた。階段だけ広末にお願いすることにして、壱臣と半助の部屋を目指す。二人の部屋は、一番端っこ。半助が人の気配ですぐに目を覚ましちゃうから、そこになった。おうちに居るときくらい、のんびり寝てほしいよね。
階段を上ってからは、俺がクーラーバッグを持つ。本当に重い……。
扉を、とんとんと叩くと、少ししてから、はいとくぐもった声で返事があった。あ、寝てたかな。
「急がなくていいよー」
と言ったのに、大急ぎの壱臣が扉を開けてくれて。
「寝てた?ごめんね」
と見上げれば、立っている壱臣の背中には、べったりと半助がくっついていた。
「寝とった、ごめん」
「いや、起こしてすまん。昼をだいぶ過ぎたから心配んなってな。生松先生呼ぶか?」
「いいええ、もう元気なんよ。挨拶に行こうと思てたんです。心配かけてすんません。ごはん食べます。ありがとう」
「すごい隈だな。ほんとに大丈……」
広末の手が壱臣の頬に触れて親指で目の下を擦ろうとしたときに、ぱんっとその手が払われた。
「もうっ、半助」
「ああ、悪かった、悪かった。具合が悪いのは、さては半助さんか?雑炊二人分にして良かったよ」
「すんません、広末さん。朝からずっとこれで」
照れた様子もなく、呆れたように半助をくっつけたまま動く壱臣。半助は何かを確かめるように腕に力を込める。ちょっと面白い。俺だったら、抱っこされちゃってるなあ。
んー?何だか覚えがある。
寝不足の緋色、寝たのに疲れてる俺。
くっついて離れない緋色は泣きそうな顔で、抱きしめた俺を確かめるように時々、ぽん、ぽんと叩く……?
部屋の中に入って、机にクーラーバッグを置く。土鍋は熱いから広末が取り出してくれた。
ソファでも、半助が座った足の間に壱臣が座らされている。あれじゃ、半助は食べれないんじゃない?
「じゃ、ゆっくり食え」
「ありがとうございます」
広末が、何でもないように言って俺の手を引いた。
「後で器は取りに来るから置いとけ」
って言って部屋を出る。
そして、ため息に聞こえないように慎重に息を吐いて俺を見た。
「あの半助さんは、お前が夜泣きした後の殿下にそっくりだよ。壱臣さんの具合は相当悪いな……」
俺がお茶を飲み終わった頃、おやつの準備、と料理人二人が立ち上がった。力丸は、報告書書かなきゃ、と嫌そうに言って部屋へ戻って行く。三郎が、手伝えることはありますか?と言いながら力丸に付いていった。
おやつ何かな、と休憩室から厨房へ行く二人に付いていくと、広末がぶつぶつ呟いている。
「なになにー?」
「昼に壱臣さんがご飯食べに降りてこなくてな。体調悪いって聞いてたから半助さんが取りに来るかと思ってたんだが、来なかった。朝ご飯は部屋の前に置いといたら食べてたから安心してたけど、だいぶ悪いのかな。生松先生に連絡するか」
「俺、持ってく」
「そうだな。うん、一緒に行くか。雑炊作ったんだ、あっためるわ」
「おやつの仕上げは俺がしときますんで」
村次が何でもないように言う。すごいねえ、もう一人でもできるんだね。
「ははっ、頼もしいな。すぐ戻る」
温かい雑炊の入った土鍋をクーラーバッグに入れて階段を上る。二階の部屋はワゴンで運べない。俺が持ちたかったけど、土鍋は重すぎた。階段だけ広末にお願いすることにして、壱臣と半助の部屋を目指す。二人の部屋は、一番端っこ。半助が人の気配ですぐに目を覚ましちゃうから、そこになった。おうちに居るときくらい、のんびり寝てほしいよね。
階段を上ってからは、俺がクーラーバッグを持つ。本当に重い……。
扉を、とんとんと叩くと、少ししてから、はいとくぐもった声で返事があった。あ、寝てたかな。
「急がなくていいよー」
と言ったのに、大急ぎの壱臣が扉を開けてくれて。
「寝てた?ごめんね」
と見上げれば、立っている壱臣の背中には、べったりと半助がくっついていた。
「寝とった、ごめん」
「いや、起こしてすまん。昼をだいぶ過ぎたから心配んなってな。生松先生呼ぶか?」
「いいええ、もう元気なんよ。挨拶に行こうと思てたんです。心配かけてすんません。ごはん食べます。ありがとう」
「すごい隈だな。ほんとに大丈……」
広末の手が壱臣の頬に触れて親指で目の下を擦ろうとしたときに、ぱんっとその手が払われた。
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「すんません、広末さん。朝からずっとこれで」
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んー?何だか覚えがある。
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って言って部屋を出る。
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