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第七章 冠婚葬祭
17 これから 成人
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広末は、お葬式の二日後には仕事に来た。斑鹿乃と末良も一緒に。
「この度は、皆様、祖母を共にお見送りくださって、ありがとうございました」
そうやって、三人で丁寧にご挨拶をしている顔は、いつも通りだった。
あ、末良は、お葬式の時もいつも通りで、それが何だか余計に悲しかったんだけど。今も、俺に一生懸命手を振っている。可愛い。
「もういいのか。まだ休んでも問題ないぞ。うちには優秀な料理人が他にもいるからな」
「はは。何だか、一人でやってた頃が、遠い昔のようですねえ」
「そうだな……」
広末は、一人で皆のご飯を作ってた。毎日。毎日。朝と昼と夜、俺のためにおやつも。ちょっとしんどくても、休めなかった時もあったのかな。
すごい人だ。
俺の命を繋いでくれた、すごい人だ。
俺がいなくなったら緋色が悲しいから、俺が生きていられるようにしてくれた広末は俺のことだけじゃなく、緋色のことも救ってくれたってことだ。
こうやって、一人を救ったら他にも救われていく人がいるような、そんな繋がりなら素敵なのに。
悲しいの繋がりは、嫌だな。
何となく、自分の右手を見る。悲しいをたくさん生んだ手。俺も、広末みたいに救える手なら良かったのにな。
もう二度と、誰の命も奪ったりはしない、と誓ってみても、やったことは消えない。兵士は皆そうだった、と教えもらったし、そうしないと自分がやられていたことも事実。それが、悲しいをたくさん生むことも知らなかった。
「なうしゃ」
斑鹿乃の腕から下りた末良が、俺に手を伸ばしている。立つのが上手になったね。
「あーしょーぼ」
ふふ。
俺も手を伸ばすと、小さな手がぎゅっと握ってきた。
こんな俺の手でもいい?
「私は乙羽さまと少しお話したいのですが、末良は成人さまと遊びたいみたいです。遊ぶ時間はありますか?」
あるよ。たくさん。
俺も遊びたい。
「遊んでこい。俺は執務室にいるから、お前の部屋を使えばいい」
「うん」
「ありがとうございます、殿下」
悲しいをたくさん生んだ俺のこの手でも、末良は握ってくれる。
一緒に玩具で遊ぶことができる。
「なうしゃ、ぎゅー」
抱きしめたら、喜んでくれる。
この手は悲しいをたくさん生んで、一個しかなくなったけど、まだまだ悲しい以外を生み出すことができるかな。できるといいな。
「この度は、皆様、祖母を共にお見送りくださって、ありがとうございました」
そうやって、三人で丁寧にご挨拶をしている顔は、いつも通りだった。
あ、末良は、お葬式の時もいつも通りで、それが何だか余計に悲しかったんだけど。今も、俺に一生懸命手を振っている。可愛い。
「もういいのか。まだ休んでも問題ないぞ。うちには優秀な料理人が他にもいるからな」
「はは。何だか、一人でやってた頃が、遠い昔のようですねえ」
「そうだな……」
広末は、一人で皆のご飯を作ってた。毎日。毎日。朝と昼と夜、俺のためにおやつも。ちょっとしんどくても、休めなかった時もあったのかな。
すごい人だ。
俺の命を繋いでくれた、すごい人だ。
俺がいなくなったら緋色が悲しいから、俺が生きていられるようにしてくれた広末は俺のことだけじゃなく、緋色のことも救ってくれたってことだ。
こうやって、一人を救ったら他にも救われていく人がいるような、そんな繋がりなら素敵なのに。
悲しいの繋がりは、嫌だな。
何となく、自分の右手を見る。悲しいをたくさん生んだ手。俺も、広末みたいに救える手なら良かったのにな。
もう二度と、誰の命も奪ったりはしない、と誓ってみても、やったことは消えない。兵士は皆そうだった、と教えもらったし、そうしないと自分がやられていたことも事実。それが、悲しいをたくさん生むことも知らなかった。
「なうしゃ」
斑鹿乃の腕から下りた末良が、俺に手を伸ばしている。立つのが上手になったね。
「あーしょーぼ」
ふふ。
俺も手を伸ばすと、小さな手がぎゅっと握ってきた。
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「うん」
「ありがとうございます、殿下」
悲しいをたくさん生んだ俺のこの手でも、末良は握ってくれる。
一緒に玩具で遊ぶことができる。
「なうしゃ、ぎゅー」
抱きしめたら、喜んでくれる。
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