【本編完結】人形と皇子

かずえ

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第七章 冠婚葬祭

145 楽しみ過ぎて眠れない夜  成人

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 朝から皆で衣装を着る。そんで、写真を撮る。動き回って衣装や髪の毛が乱れる前に写真だ。綺麗なうちに撮るんだって。後からもずっと見るから、それがいい。
 それから結婚式。一応、神主さん?とかいう人にも来てもらって、何かしてもらうらしい。それをしてもらうと、神様も認めた結婚ですよって言える。俺たちはもう着物でしたけど、他の人たちはしてないからしておかないとね。神様にも認めてもらえたら、死んだ後も一緒にいていいって言ってもらえるかもしれない。死んだら神様のとこに行くんだっていうのは、俺でももともと知ってた当たり前のことだから、これはきっと必要な儀式なんだ。
 ああ、儀式しといてよかった。
 死んだ後、俺は緋色ひいろを神様の所で待っていよう。それはきっと、すごく幸せな時間だろうなあ。
 儀式を、家族や親しい人の前でやって、それから皆で一緒にご飯を食べて……。ああ、楽しみ。どんな風になるかな。人がたくさん来ることになったから、皆とお話するだけで大変だ。寧子やすこの結婚式の時みたいになるんだろうか。あの時は、緋色ひいろにずっと話しかけてくる人と一緒の席でうるさかったな。知らない人だった。
 でも、明日は知らない人はいないし、皆仲良しだ。だから、どんな席でも楽しい。
 そうやって色々考えてたら、楽しみで楽しみでなかなか寝られなくなった。そんな事、あるんだなあ。いつも、明日はお出かけだって時とかは、早く寝ようって準備して緋色ひいろと一緒にお布団入って、とんとんしてもらったらすぐに寝れるのに。

「写真、二人で撮る?皆で撮る?」
「じっとしていられるなら、誰とでも好きに撮ればいい。写真代くらい幾らでも払ってやるぞ。皆ってのは誰だ?」
「頑張ってじっとする。白い着物は重たかったけど、明日のは大丈夫」
「はは。白無垢は重かったか。あれはあれで良かったぞ?」

 儀式の衣装だから、神様には分かりやすかったかもしれない。

「皆……え、と、結婚の人と、家族と……んー」

 そうだ。来てくれた皆で撮れないかな?写真の枠いっぱいに、皆でぎゅうぎゅう詰めになって。

「ん?」

 お布団の中でゆっくり俺の背中をとんとんしながら、緋色ひいろは俺のおでこにちゅってする。

「みんなで……。そこにいる人みんな入って、ぎゅうぎゅうして……」

 ふふ。
 思い浮かべたら、すごく楽しそうだった。みんなちゃんと顔が見えるようにしてさ。大勢で前向いて。楽しそう。それがいい。

「みんな、か」
「そう。みんな。ふふ」
「いいな」
「うん……」

 きっとね。きっと見可みかは動いてしまって、横を向いてたりするんだ。それがまた後で見ると面白くて、皆で笑うんだよ。
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