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第八章 郷に入っては郷に従え
146 晩餐を共に 成人
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「結婚式はどうだった?」
少しずつ並ぶ料理を食べながら、父さまが話す。
「一緒だった」
最初に机に並んだお刺身を食べながら答えた。
何のお刺身かな?よく分かんないけど、たことか貝みたいな硬いのは入ってない。全部食べれそう。
「一緒とは?」
ん、美味しい。ご飯欲しいな。ないなあ。ご飯はまた後から?お汁も?俺は、全部いっぺんに出てきてあっちこっち食べる方が好きなんだけど。上等な料理は順番のことが多いから困る。ご飯とお汁が出てくるのが遅くて、出てくる頃にはお腹いっぱいになっちゃってることが多い。
「成人」
「ふあい!」
父さまに、名前呼ばれてびっくりした。
くっくっく、って緋色が笑ってる。
「ああ、悪かった。ご飯を真剣に食べていたのか」
「ご飯、無いよ」
ぶっ、と緋色が吹き出す。朱実殿下もくすくす笑い出した。
「ご飯が欲しかった?」
「あ、うん。えーと、お汁も」
「持ってきてあげて。緋色もかな」
「ああ」
朱実殿下が後ろを向いて注文してくれた。良かった。
緋色も、全部出てる方が好きだよね。
「なるほど。少しいつもと食事の形式が違ったか。まあ、好きに出してもらえ」
父さまも言ってくれたから大丈夫みたいだ。
良かった。周りでばたばた動いてるから、すぐ出してもらえそう。
「それで?一緒というのはどういう意味だ」
「ん?」
ふう、と父さまは一度息を吐いたけど、俺には笑った顔を見せた。別に、無理に笑わなくてもいいのに。
「結婚式が一緒とは?」
「あ、うん。ええっと、神様への誓いが一緒」
「ああ、なるほど。結婚式と言ったからか。そうだな、ふむ。披露宴はどんな感じだったのだ?」
披露宴。ああ、それは全然違った。
「ええっと、踊ったり歌ったりして、楽しい。鶴丸の剣舞が一番綺麗!」
ふふっ。あれは凄かった。俺、あんな綺麗なの初めて見たよ。今度、衣装も着て、松吉と二人でやってくれるんだって。楽しみ。
「演し物が楽しかったのかな?」
そうそう。あ、ご飯出てきた。炊き込みご飯だ。やった。ああ、でも湯気がすごい。絶対熱い。お汁も湯気だなあ。氷入れたら駄目かな。
「食事中に成人と話すのは至難の業だな」
ん?しなんのわざって何?
「何かを聞き出そうと目論んでいるからそうなるんだ」
「人聞きの悪いことを言うな、緋色。ならお前が答えろ。鶴丸とは?」
父さまが緋色に答えろって言ってるけど、それ俺が答えちゃ駄目かな。それ、俺のお話じゃない?緋色と父さまを順番に見てると、緋色が笑って頷いた。
俺が言っていいってことだな。
「友だち」
「ほう」
「今度、松吉と子どもと一緒に遊びに来るって」
「松吉?」
「鶴丸の伴侶。仲良し」
「……そうか」
父さまも、そうかって言うんだね。
あ、ご飯とお汁の湯気が少なくなってきた。ふーふーしたら食べられるかも。
「そのお友だちは、離宮に遊びに来るのかい?私も会いに行ってもいいかな」
「私も会いたいわ」
朱実殿下が、綺麗な仕草でご飯を食べながら言う。赤璃さまも、にこにこして言った。
「いいよー」
「あ、馬鹿、成人」
「え、なに?」
緋色が何か言ったけれど、お汁をふーふーしてたからあんまり聞いていなかった。ごめん。
「言質は取ったからね」
朱実殿下が嬉しそうに笑ってるから、まあいっか。
少しずつ並ぶ料理を食べながら、父さまが話す。
「一緒だった」
最初に机に並んだお刺身を食べながら答えた。
何のお刺身かな?よく分かんないけど、たことか貝みたいな硬いのは入ってない。全部食べれそう。
「一緒とは?」
ん、美味しい。ご飯欲しいな。ないなあ。ご飯はまた後から?お汁も?俺は、全部いっぺんに出てきてあっちこっち食べる方が好きなんだけど。上等な料理は順番のことが多いから困る。ご飯とお汁が出てくるのが遅くて、出てくる頃にはお腹いっぱいになっちゃってることが多い。
「成人」
「ふあい!」
父さまに、名前呼ばれてびっくりした。
くっくっく、って緋色が笑ってる。
「ああ、悪かった。ご飯を真剣に食べていたのか」
「ご飯、無いよ」
ぶっ、と緋色が吹き出す。朱実殿下もくすくす笑い出した。
「ご飯が欲しかった?」
「あ、うん。えーと、お汁も」
「持ってきてあげて。緋色もかな」
「ああ」
朱実殿下が後ろを向いて注文してくれた。良かった。
緋色も、全部出てる方が好きだよね。
「なるほど。少しいつもと食事の形式が違ったか。まあ、好きに出してもらえ」
父さまも言ってくれたから大丈夫みたいだ。
良かった。周りでばたばた動いてるから、すぐ出してもらえそう。
「それで?一緒というのはどういう意味だ」
「ん?」
ふう、と父さまは一度息を吐いたけど、俺には笑った顔を見せた。別に、無理に笑わなくてもいいのに。
「結婚式が一緒とは?」
「あ、うん。ええっと、神様への誓いが一緒」
「ああ、なるほど。結婚式と言ったからか。そうだな、ふむ。披露宴はどんな感じだったのだ?」
披露宴。ああ、それは全然違った。
「ええっと、踊ったり歌ったりして、楽しい。鶴丸の剣舞が一番綺麗!」
ふふっ。あれは凄かった。俺、あんな綺麗なの初めて見たよ。今度、衣装も着て、松吉と二人でやってくれるんだって。楽しみ。
「演し物が楽しかったのかな?」
そうそう。あ、ご飯出てきた。炊き込みご飯だ。やった。ああ、でも湯気がすごい。絶対熱い。お汁も湯気だなあ。氷入れたら駄目かな。
「食事中に成人と話すのは至難の業だな」
ん?しなんのわざって何?
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「人聞きの悪いことを言うな、緋色。ならお前が答えろ。鶴丸とは?」
父さまが緋色に答えろって言ってるけど、それ俺が答えちゃ駄目かな。それ、俺のお話じゃない?緋色と父さまを順番に見てると、緋色が笑って頷いた。
俺が言っていいってことだな。
「友だち」
「ほう」
「今度、松吉と子どもと一緒に遊びに来るって」
「松吉?」
「鶴丸の伴侶。仲良し」
「……そうか」
父さまも、そうかって言うんだね。
あ、ご飯とお汁の湯気が少なくなってきた。ふーふーしたら食べられるかも。
「そのお友だちは、離宮に遊びに来るのかい?私も会いに行ってもいいかな」
「私も会いたいわ」
朱実殿下が、綺麗な仕草でご飯を食べながら言う。赤璃さまも、にこにこして言った。
「いいよー」
「あ、馬鹿、成人」
「え、なに?」
緋色が何か言ったけれど、お汁をふーふーしてたからあんまり聞いていなかった。ごめん。
「言質は取ったからね」
朱実殿下が嬉しそうに笑ってるから、まあいっか。
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