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第九章 礼儀を知る人知らない人
9 お休みのはずの人 成人
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書き終えた手紙を手に階段を降りる。一ノ瀬の誰かが届けてくれると聞いたから、村正に頼んでおこう。
宿を紹介してほしい、という手紙に、何日でも離宮に泊まってください、というお返事を書いた。最後に緋色に確認してもらわなくても大丈夫かな、と思ったけど、早く届けたいし、もう封をしちゃった。何日でも離宮に泊まっていけと書いたらいいって緋色が言ってくれて、それを書いたから大丈夫なはず。他には、松吉の字がとても綺麗だからお手本にしたこととか、何回か練習してから書いたけど、鶴と亀の字が上手く書けなかったことを謝ったりとか、そんなことを書いた。最後に、遊びに来てくれるのを楽しみにしています、と書いて終わった。多分、お手紙はこんな感じで合ってるはずだ。朱実殿下がお手紙で、何でも書きたいことがあったら書いていいっていってたし。
鶴と亀の字は難しかった。すごーく、難しかった。上手になるまで練習してたら何日もかかるなって分かったから、少しだけ小さく書けるようになったところで本番の手紙を書いた。鶴と亀の字を書いてあるな、って分かるくらいにはなったと思う。次に書くときのために、勉強の時間に練習しておこう。また、勉強を教えにきてくれる青葉にも、上手な書き方がないか聞いてみよう。
「あ、源さん」
厨房の辺りから、源さんが出てきた。
「成人殿下」
源さんの両手が上がりかけて、下りた。そうそう包拳礼はいらないんだよ。代わりに頭も下げなくていいんだよ。まあ、すぐに上げてくれるなら頭くらい下げてもいっか。
「お仕事してるの?今日は壱臣がお休みだから、一緒に休んだら良かったのに」
「あ、いや。俺、いえ、私はその、こちらへ来た翌日は、特に役に立てておらんかったもんで、休んどったんとおんなじですから」
西の国から帰ってきた人が休みをもらった日。味噌汁には、源さんの切った人参が入ってた。じゃあ源さんは、仕事をしてたってことだ。なら、今日は交代で休まなくちゃいけない。今日は、壱臣とか半助とか、お留守番の人が休みを取ってる日。一緒に休んだら丁度いいと思うんだけど。
書類を書いたりしてる人は、七日に一度のお休みの日に皆で休むからいいけど、料理人とか護衛とか洗濯や掃除する人は皆が休みの時でも一斉に休めないから、交代でちゃんと休んでいる。緋色は、自分もたくさん休みたいから、皆もたくさん休めっていつも言ってる。頭痛い人も、膝や腕や怪我の痕が痛い人も皆休んでいい。
あ、源さんも足を引きずってたから、それも言っておかないと。
「役に立ってたかとか分かんないけど、ちゃんと休まないと怒られるよ。あと、足が痛い時もお休みね」
「へ?」
「足。あ、そうだ。生松のとこで一回診てもらおう、そうしよう」
「はい?足?」
「俺、お手紙預けてくるから、待ってて」
「ええっと、いや、その、はい?」
よし。待っててね。
宿を紹介してほしい、という手紙に、何日でも離宮に泊まってください、というお返事を書いた。最後に緋色に確認してもらわなくても大丈夫かな、と思ったけど、早く届けたいし、もう封をしちゃった。何日でも離宮に泊まっていけと書いたらいいって緋色が言ってくれて、それを書いたから大丈夫なはず。他には、松吉の字がとても綺麗だからお手本にしたこととか、何回か練習してから書いたけど、鶴と亀の字が上手く書けなかったことを謝ったりとか、そんなことを書いた。最後に、遊びに来てくれるのを楽しみにしています、と書いて終わった。多分、お手紙はこんな感じで合ってるはずだ。朱実殿下がお手紙で、何でも書きたいことがあったら書いていいっていってたし。
鶴と亀の字は難しかった。すごーく、難しかった。上手になるまで練習してたら何日もかかるなって分かったから、少しだけ小さく書けるようになったところで本番の手紙を書いた。鶴と亀の字を書いてあるな、って分かるくらいにはなったと思う。次に書くときのために、勉強の時間に練習しておこう。また、勉強を教えにきてくれる青葉にも、上手な書き方がないか聞いてみよう。
「あ、源さん」
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「お仕事してるの?今日は壱臣がお休みだから、一緒に休んだら良かったのに」
「あ、いや。俺、いえ、私はその、こちらへ来た翌日は、特に役に立てておらんかったもんで、休んどったんとおんなじですから」
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「足。あ、そうだ。生松のとこで一回診てもらおう、そうしよう」
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「俺、お手紙預けてくるから、待ってて」
「ええっと、いや、その、はい?」
よし。待っててね。
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