【本編完結】人形と皇子

かずえ

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第九章 礼儀を知る人知らない人

48 まだまだ遊ぼ  成人

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 食堂はお片付けをするから、この後は俺の部屋で遊ぼうって子どもとお母さん二人と乙羽おとわで移動した。お母さんたちと乙羽おとわは、ずっと喋っている。喋っても喋っても喋る話はなくならないらしい。何かすごい。ずっと喋っててずっと楽しいってすごい。
 朱音あかね殿下は、ずっとお喋りしてる赤璃あかりさまの腕の中で、すやすや寝始めてしまった。たくさん遊んだもんね。皆が遊ぶのを見て、積み木に手を伸ばして、最後はにこにこ笑ってた。赤ちゃんは、うつぶせでいるだけでとてもいい運動になるって聞いたから、うつぶせでたくさん手足をばたばたしてた朱音あかね殿下は、たくさん運動したんだろう。たくさん遊んで、好きな人の声を聞きながら好きな人の腕の中で寝るのって気持ちいいよね。ちょっと分かる。
 松吉まつきちは、剣舞を終えて汗だくだったから、衣装の着替えと片付けをしてからゆっくり来たらいいよって言っておいた。シャワーもして休んでから来たらいい。亀吉かめきちは、お母さんが見えなくても泣いたりしないから。亀吉かめきちのお世話係の香月かづきも、一番後ろから付いてきてるしね。さっき、末良すえよしがプレゼントにもらった積み木を持って付いてきてくれている。また、あれで遊ぶんだ。力丸りきまるも、片付けを手伝ってから部屋に遊びに来てくれるって言ってた。力丸りきまるは、いつも面白い遊びを教えてくれるから楽しみだ。俺の部屋には絵本もパズルもあるし、夜ご飯までまだまだ遊べそう。
 亀吉かめきち見可みかと、末良すえよし灯可とうかと手を繋いで階段を一生懸命登って、廊下もしっかり歩いて俺の部屋に着いた。俺も手を繋いであげたかったけど、一つしかない手を繋いでしまうと体勢を崩した時に危ないから、後ろから見守ることにした。階段を頑張って登っている亀吉かめきち末良すえよしの、ぷりぷりと揺れるお尻がすごく可愛かった。小さい子どもは、何してても可愛いんだなって思った。手を繋いであげて階段を上っていく灯可とうか見可みかも可愛い。
 後ろから見てると、亀吉かめきちが転ばないように気をつけて見ながらゆっくり歩く見可みかが、すごくお兄さんに見えた。末良すえよしが転ばないように気をつけて歩く灯可とうかと、お兄さんに見える見可みかの後ろ姿がそっくりで、ちょっとびっくりした。二人は、兄弟なのにあんまり似てないなあって思ってたけど、やっぱり似てたよ。
 俺の部屋に着いてお座りしたら、亀吉かめきちがぐらぐら揺れ出した。ええ? って驚いてる間にころんと転がってしまった。

「あ。寝た」

 見可みかの声。
 え? えええ? 
 驚いているうちに、よいしょと座った末良すえよしもぐらぐら揺れ出した。わ、わ、と手を出した灯可とうかの手の中に倒れ込んだら、もうそのまま。
 ありゃ。

「粘ったわねえ」

 斑鹿乃むらかのが笑いながら言って、灯可とうかから末良すえよしを受け取った。積み木を置いた香月かづきが、慌てて床に倒れた亀吉かめきちを抱き上げている。俺の部屋はふかふかの絨毯が敷いてあるから、そのまま寝てても大丈夫なんだけどね。
 それにしても、二人とも、本当はそんなに眠たかったのか。驚きながら俺も座ったら、俺も何だか頭がぼんやりしてきた。
 あれ?
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