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第十章 されど幸せな日々
10 もうひと仕事 成人
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元真中たちを西賀国へ送ることになった。西中国に置いておいても、何も役に立つことがなかったんだって。
「役立たず。俺と一緒だ」
思わず呟いたら、は? って常陸丸が言って、俺の顔を見た。
朝、おうちの食卓で手紙を書いている。朱実殿下へのお手紙。俺と緋色だけでも帰ってきなさい、という手紙へのお返事は、年始の集まりは欠席しますって出した。なんか、ちゃんとした返事になっていない気がしたけれど、緋色がそれでいいって言うから。
そうしたら、またすぐに朱実殿下からお手紙が来た。
今度はその手紙へのお返事。
とりあえず、西賀国へ元真中たちを送ってきます、それから、帰る日を考えます、って書いたらいいかな。あ、緋色は帰りたくないんだっけ?
うーん。
元真中は、緋色の前以外ではちっともちゃんとしないから、緋色と俺とじいじが送って行くことになった。じいじも、元真中の元々の身分と同じくらいの身分だから、元真中が偉そうにしていたら普通に叱れるからね。元真中は、全然、頭を下げたりとかできない人だから、きっとじいじにすごく叱られると思う。ちょっとは真剣に叱られるといい。それで、もうとっくに殿様じゃないんだって分かってほしい。
西賀国で、農業や山の仕事の手伝いをさせる予定なんだって。できるとは思えんけど、やらなければ食っていけん、となればするやろ、って竹光は言った。食わなけりゃ生きていけん、それだけや、って。
農業や山の仕事をしている西賀国の人たちは力持ちが多いから、あんなもやし共が暴れようがビクともせん、らしい。逃げるのも無理だろうなあ。走る姿が想像できないから。
「成人は、緋色殿下と共にいるだけで役に立っているが?」
常陸丸が、濡れた髪の毛をばさばさと拭きながら言った。朝の鍛錬の後、お風呂に入ってきたらしい。
「うーん。うん?」
緋色も、同じようなことを言っていたな。
「そんな事ないって、俺も散々言ったろ?」
「うーん。うん……」
こちらも髪の毛が濡れている力丸が、慌てて俺の肩を抱いて言う。
聞いたよ。聞いたけど、でも、俺、本当に役立たずだからさ。
「力丸。お前、帰り支度はできたのか?」
緋色が、俺の肩を抱いた力丸の手を捻り上げながら言った。
「痛て。痛てててて。やっぱり俺、帰るんしかないんすか。やだー」
「仕方ないだろう。朱実が、とりあえず力丸だけでも返せ、って言ってるんだから」
「あああ。なんで半助さんじゃないんだよ。俺が今、こっちだったはずなのにー」
「元々、お前はあちらの近衛だからな」
「俺も、こっちにしてくれりゃいいじゃないですか」
力丸が、ぶぅっとむくれた。
「朱実が手放さないんだ。仕方ないだろ」
ん? 朱実殿下が手放さない、って言うってことは、緋色、力丸を緋色の近衛にしたいって言ったことがあるのかな。あるかもな。仲良しだし。
「半助だって、いつの間にか持っていかれていて、取り戻すのに苦労したんだからな。直近でお前までは無理だ。諦めろ」
「そのうち、こっちに入れてくださいよ?」
いつの間にか、緋色の手を外して立っていた力丸が言う。力丸、本当は緋色の攻撃、全部避けれるけど避けないんだよね。おでこ弾かれる時も、いつもちゃんと受ける。これも、仲良しだからかな?
「成人が手紙書けたら、それ持って一旦帰れ」
「はああ」
きっと、力丸が帰ることを知ったら、よく一緒に遊んでいた亀吉も残念がるだろうな。
「役立たず。俺と一緒だ」
思わず呟いたら、は? って常陸丸が言って、俺の顔を見た。
朝、おうちの食卓で手紙を書いている。朱実殿下へのお手紙。俺と緋色だけでも帰ってきなさい、という手紙へのお返事は、年始の集まりは欠席しますって出した。なんか、ちゃんとした返事になっていない気がしたけれど、緋色がそれでいいって言うから。
そうしたら、またすぐに朱実殿下からお手紙が来た。
今度はその手紙へのお返事。
とりあえず、西賀国へ元真中たちを送ってきます、それから、帰る日を考えます、って書いたらいいかな。あ、緋色は帰りたくないんだっけ?
うーん。
元真中は、緋色の前以外ではちっともちゃんとしないから、緋色と俺とじいじが送って行くことになった。じいじも、元真中の元々の身分と同じくらいの身分だから、元真中が偉そうにしていたら普通に叱れるからね。元真中は、全然、頭を下げたりとかできない人だから、きっとじいじにすごく叱られると思う。ちょっとは真剣に叱られるといい。それで、もうとっくに殿様じゃないんだって分かってほしい。
西賀国で、農業や山の仕事の手伝いをさせる予定なんだって。できるとは思えんけど、やらなければ食っていけん、となればするやろ、って竹光は言った。食わなけりゃ生きていけん、それだけや、って。
農業や山の仕事をしている西賀国の人たちは力持ちが多いから、あんなもやし共が暴れようがビクともせん、らしい。逃げるのも無理だろうなあ。走る姿が想像できないから。
「成人は、緋色殿下と共にいるだけで役に立っているが?」
常陸丸が、濡れた髪の毛をばさばさと拭きながら言った。朝の鍛錬の後、お風呂に入ってきたらしい。
「うーん。うん?」
緋色も、同じようなことを言っていたな。
「そんな事ないって、俺も散々言ったろ?」
「うーん。うん……」
こちらも髪の毛が濡れている力丸が、慌てて俺の肩を抱いて言う。
聞いたよ。聞いたけど、でも、俺、本当に役立たずだからさ。
「力丸。お前、帰り支度はできたのか?」
緋色が、俺の肩を抱いた力丸の手を捻り上げながら言った。
「痛て。痛てててて。やっぱり俺、帰るんしかないんすか。やだー」
「仕方ないだろう。朱実が、とりあえず力丸だけでも返せ、って言ってるんだから」
「あああ。なんで半助さんじゃないんだよ。俺が今、こっちだったはずなのにー」
「元々、お前はあちらの近衛だからな」
「俺も、こっちにしてくれりゃいいじゃないですか」
力丸が、ぶぅっとむくれた。
「朱実が手放さないんだ。仕方ないだろ」
ん? 朱実殿下が手放さない、って言うってことは、緋色、力丸を緋色の近衛にしたいって言ったことがあるのかな。あるかもな。仲良しだし。
「半助だって、いつの間にか持っていかれていて、取り戻すのに苦労したんだからな。直近でお前までは無理だ。諦めろ」
「そのうち、こっちに入れてくださいよ?」
いつの間にか、緋色の手を外して立っていた力丸が言う。力丸、本当は緋色の攻撃、全部避けれるけど避けないんだよね。おでこ弾かれる時も、いつもちゃんと受ける。これも、仲良しだからかな?
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「はああ」
きっと、力丸が帰ることを知ったら、よく一緒に遊んでいた亀吉も残念がるだろうな。
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