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公爵様は相変わらず災難に見舞われています。
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ヨナリウスが、ユーリの元へ帰った。
その直後だった。
討伐の終結と時を同じくして、辺境伯領に出没していたアンデッドは、跡形もなく消え去った。
アンデッドの発生とともに蔓延していた、瘴気由来の感染症も深刻な被害を出すことはなかった。
ユーリが育てた薬草から作られた薬により、病人たちは順調に回復へと向かっている。
辺境伯家に住み込みで雇われて以降、ユーリは先祖の知識――マジックバッグに残されていた書物を基に、領地改革を着実に進めていた。
辺境伯や伯爵、そしてフリーダムの面々と相談を重ねながら、少しずつ、だが確実に。
最初に手をつけたのは、薬草だった。
自宅でも育てていた薬草の本格的な栽培と品種改良、そして薬の製造。
ユーリの作る薬は、一般に流通しているものよりも明らかに効能が高い。
それは、彼女が育てる薬草そのものに、微かな神聖力が宿っているためだった。
理由は、土にある。
薬草畑の土壌は、ある魔物の存在によって、驚くほど良質なものへと変わっていた。
――ジェントワームである。
彼らは人や動物の排泄物、腐敗物を糧とし、それを栄養豊かな土として排出する。
おとなしく、怒らせなければ害はない。
さらに体液には強い消臭効果があり、周囲の悪臭すら消し去る。
それを「利用できる」と考えた者はいなかった。
かつての、ユリアーナの母を除いて。
ただの土なら、ただの肥沃さで終わった。
だが、餌が違った。
神聖力を帯びたユリアーナの身体から生じるものを取り込んだ彼らは、やがて薬草の育成に最適な土を生み出すようになる。
そして今。
辺境伯家ではユーリとヨナリウス。
伯爵家ではウィリアム。
それぞれの生活から生まれるものを糧としたジェントワームたちが、今日もまた、静かに良質な土と消臭液を生み出していた。
その土で育てられた薬草から作られた薬は、教会や一般に流通しているポーションよりも明らかに効き目が良い。
結果として、この領地で作られる薬は、国から特に重宝されるようになった。
消臭液は国中に広まり、厩舎も路地も、あの嫌な臭気が薄れていった。
ただし――
作成者の名は、極秘とされている。
今回もハイランズ伯爵たちは、討伐のついでとして、ユーリの作った薬をバンーテーン王国領のヒヨンド伯爵へと渡していた。
一般のポーションとは一線を画すその効能に、領民たちは心から感謝している。
一方で、シュバリエ皇国からも最近開発されたばかりの、新しいポーションの援助が行われていた。
こちらも一般品よりは効能が高い。
ただし、ユーリの薬には及ばない。
すぐに帰還したハイランズ伯爵一行とは異なり、シュバリエ皇国から来た公爵家の随行者たちは、その場に残って支援を続けていた。
公爵本人は急用を理由に一足先に帰国しており、その代理として指揮を執っているのが、長年公爵家に仕えるディーバリー副団長である。
彼は、ヨルムンド共和国側が持ち込んだ薬の効能に、静かな驚きを隠せずにいた。
(……理屈は分かる。だが、これは……)
シュバリエ皇国から持参したポーションには、かつてユーリが育った屋敷の畑で栽培されていた薬草が使われている。
ユリアーナ失踪後、実家であるアメシリア公爵家が断罪されたあと、その屋敷には謎の女性と執事が住み着くようになった。
その女性は突然、公爵を呼びつけ、畑の薬草をすべて公爵邸で育てるよう命じたという。
『わらわたちが触れれば、消滅しかねぬゆえ……』
意味不明な言葉とともに。
さらに、ユリアーナの屋敷の排泄所で飼育されていた魔物=ジェントワームまで押しつけられた。
『こなたの屋敷で育てたもれ。餌はこなたの排泄物がよかろうて』
困惑しながらも、公爵は逆らえず、屋敷の裏に薬草畑を設け、自身専用の排泄所でジェントワームの飼育を始めた。
当初は、奥方失踪後の混乱から気でも触れたのではないかと、周囲は心配したものだ。
だが、屋敷の女主=ターニャの助言により、二年ほど前から、ジェントワームの排泄物を混ぜた土で薬草を育て始めてから、状況は一変した。
普通の薬草とは比べものにならない効能を持つものが、次々と育ち始めたのである。
魔法庁の職員たちは歓喜した。
ユリアーナ失踪の二、三年前から市場に出回り始めた「効能の高いポーション」と、酷似した結果が得られたからだ。
研究の結果、公爵邸で育てられた土から、微量の神聖力が検出された。
呪いを受けているはずの公爵の排泄物を経由してである。
念のため、ヨナス教会で内々に確認を取ったところ、公爵は神聖力を持っていることが立証された。
その報告を聞いたとき、公爵はある考えが脳裏をよぎった。
(……いや。証拠はない。口にすれば、取り返しがつかなくなる)
そう思い、口に出すことはしなかった。
その沈黙は、結果として裏目に出る。
極秘だったはずの情報は、どこからか漏れてしまっていた。
しかもよりにもよって、一番知られたくないところに。
いつの間にか勝手に出来上がり、何百年もしぶとく居座っている――そんな噂まである教団。
『ヨナス神の娘とされる女神アリアを信仰する、シュバリエ皇国のアリア教会』に。
目をつけられてしまったのだ。
神聖力はヨナス神の娘、アリア女神からも同じように授かる、奇跡の力。
ならば、その力を持つ公爵は、教会最高幹部イーリアス枢機卿の娘――シュバリエ皇国の女神代行=聖女と呼ばれるカトリーナと結婚し、より強い神聖力を持つ子をもうけるべきだ。
そう迫られた。
公爵は当然、拒絶した。
彼には、最愛の妻がいる。
だが。
『愛してはいないのでしょう?』
かつての失言を持ち出され、教会の力で離婚も可能だと脅される始末だった。
公爵は兄である皇帝に頼み込み、離婚は回避された。
なぜなら、この世界ではダントツに、『ヨナス教会』の方が力があるからだ。
しかし、結婚話が収束することはなかった。
この一ヶ月間。
カトリーナは、ほぼ毎日のように公爵邸を訪れる。
そのたびに、「ユリアーナこそが唯一の奥方」と信じて疑わない公爵家侍女たちとの、静かな戦争が始まるのだ。
「公爵様に会いに来ました。」
「左様でございますか。」
「今、いらっしゃいますでしょう?」
「公爵様はおりません。」
「私は、近々あなたたちの女主になるのですよ?」
「そのような話、聞いたことがありません。」
「公爵様に“愛さない”といわれた女性とは、訳が違いますのよ?」
「では、それさえも言われず相手にされない貴女は、どこのどちら様なのでしょうか?」
「教会を敵に回すおつもりで?」
「では、公爵家も同じく。」
といった、聞いていて胃が痛くなるような攻防戦が始まるのだ。
毎日のように現れては、柔らかな笑顔で侍女たちを威圧するカトリーナ嬢も十分に恐ろしい。
だが、公爵が本当に恐れているのは、自分の侍女たちのほうだった。
彼女たちは決して声を荒げない。
ただ、にこやかに、完璧な所作で、徹底的に排除する。
その空気に耐えきれなくなった公爵と騎士たちは、半ば逃げるように、今回の遠征へと向かったのである。
しかし。
一ヶ月を過ぎた頃、異変が起きた。
薬草の効能が、目に見えて落ち始めたのだ。
困り果てた魔法庁の職員たちは、ついに公爵家の侍女へと頭を下げ、至急帰還するよう伝達を飛ばした。
公爵は観念し、最低限の護衛二名のみを連れて、急ぎ帰国する。
公爵不在の間にも絶え間なく起こっていた、公爵邸侍女とカトリーナ嬢との攻防戦。
カトリーナは、焦っていた。
見目麗しい“純白の騎士様”が、自分の夫になるという妄想に囚われている彼女には、もう一つ、切実な事情があったのだ。
それは。
教会の存続を左右する、どうしても、誰にも譲れない思惑なのであった。
その直後だった。
討伐の終結と時を同じくして、辺境伯領に出没していたアンデッドは、跡形もなく消え去った。
アンデッドの発生とともに蔓延していた、瘴気由来の感染症も深刻な被害を出すことはなかった。
ユーリが育てた薬草から作られた薬により、病人たちは順調に回復へと向かっている。
辺境伯家に住み込みで雇われて以降、ユーリは先祖の知識――マジックバッグに残されていた書物を基に、領地改革を着実に進めていた。
辺境伯や伯爵、そしてフリーダムの面々と相談を重ねながら、少しずつ、だが確実に。
最初に手をつけたのは、薬草だった。
自宅でも育てていた薬草の本格的な栽培と品種改良、そして薬の製造。
ユーリの作る薬は、一般に流通しているものよりも明らかに効能が高い。
それは、彼女が育てる薬草そのものに、微かな神聖力が宿っているためだった。
理由は、土にある。
薬草畑の土壌は、ある魔物の存在によって、驚くほど良質なものへと変わっていた。
――ジェントワームである。
彼らは人や動物の排泄物、腐敗物を糧とし、それを栄養豊かな土として排出する。
おとなしく、怒らせなければ害はない。
さらに体液には強い消臭効果があり、周囲の悪臭すら消し去る。
それを「利用できる」と考えた者はいなかった。
かつての、ユリアーナの母を除いて。
ただの土なら、ただの肥沃さで終わった。
だが、餌が違った。
神聖力を帯びたユリアーナの身体から生じるものを取り込んだ彼らは、やがて薬草の育成に最適な土を生み出すようになる。
そして今。
辺境伯家ではユーリとヨナリウス。
伯爵家ではウィリアム。
それぞれの生活から生まれるものを糧としたジェントワームたちが、今日もまた、静かに良質な土と消臭液を生み出していた。
その土で育てられた薬草から作られた薬は、教会や一般に流通しているポーションよりも明らかに効き目が良い。
結果として、この領地で作られる薬は、国から特に重宝されるようになった。
消臭液は国中に広まり、厩舎も路地も、あの嫌な臭気が薄れていった。
ただし――
作成者の名は、極秘とされている。
今回もハイランズ伯爵たちは、討伐のついでとして、ユーリの作った薬をバンーテーン王国領のヒヨンド伯爵へと渡していた。
一般のポーションとは一線を画すその効能に、領民たちは心から感謝している。
一方で、シュバリエ皇国からも最近開発されたばかりの、新しいポーションの援助が行われていた。
こちらも一般品よりは効能が高い。
ただし、ユーリの薬には及ばない。
すぐに帰還したハイランズ伯爵一行とは異なり、シュバリエ皇国から来た公爵家の随行者たちは、その場に残って支援を続けていた。
公爵本人は急用を理由に一足先に帰国しており、その代理として指揮を執っているのが、長年公爵家に仕えるディーバリー副団長である。
彼は、ヨルムンド共和国側が持ち込んだ薬の効能に、静かな驚きを隠せずにいた。
(……理屈は分かる。だが、これは……)
シュバリエ皇国から持参したポーションには、かつてユーリが育った屋敷の畑で栽培されていた薬草が使われている。
ユリアーナ失踪後、実家であるアメシリア公爵家が断罪されたあと、その屋敷には謎の女性と執事が住み着くようになった。
その女性は突然、公爵を呼びつけ、畑の薬草をすべて公爵邸で育てるよう命じたという。
『わらわたちが触れれば、消滅しかねぬゆえ……』
意味不明な言葉とともに。
さらに、ユリアーナの屋敷の排泄所で飼育されていた魔物=ジェントワームまで押しつけられた。
『こなたの屋敷で育てたもれ。餌はこなたの排泄物がよかろうて』
困惑しながらも、公爵は逆らえず、屋敷の裏に薬草畑を設け、自身専用の排泄所でジェントワームの飼育を始めた。
当初は、奥方失踪後の混乱から気でも触れたのではないかと、周囲は心配したものだ。
だが、屋敷の女主=ターニャの助言により、二年ほど前から、ジェントワームの排泄物を混ぜた土で薬草を育て始めてから、状況は一変した。
普通の薬草とは比べものにならない効能を持つものが、次々と育ち始めたのである。
魔法庁の職員たちは歓喜した。
ユリアーナ失踪の二、三年前から市場に出回り始めた「効能の高いポーション」と、酷似した結果が得られたからだ。
研究の結果、公爵邸で育てられた土から、微量の神聖力が検出された。
呪いを受けているはずの公爵の排泄物を経由してである。
念のため、ヨナス教会で内々に確認を取ったところ、公爵は神聖力を持っていることが立証された。
その報告を聞いたとき、公爵はある考えが脳裏をよぎった。
(……いや。証拠はない。口にすれば、取り返しがつかなくなる)
そう思い、口に出すことはしなかった。
その沈黙は、結果として裏目に出る。
極秘だったはずの情報は、どこからか漏れてしまっていた。
しかもよりにもよって、一番知られたくないところに。
いつの間にか勝手に出来上がり、何百年もしぶとく居座っている――そんな噂まである教団。
『ヨナス神の娘とされる女神アリアを信仰する、シュバリエ皇国のアリア教会』に。
目をつけられてしまったのだ。
神聖力はヨナス神の娘、アリア女神からも同じように授かる、奇跡の力。
ならば、その力を持つ公爵は、教会最高幹部イーリアス枢機卿の娘――シュバリエ皇国の女神代行=聖女と呼ばれるカトリーナと結婚し、より強い神聖力を持つ子をもうけるべきだ。
そう迫られた。
公爵は当然、拒絶した。
彼には、最愛の妻がいる。
だが。
『愛してはいないのでしょう?』
かつての失言を持ち出され、教会の力で離婚も可能だと脅される始末だった。
公爵は兄である皇帝に頼み込み、離婚は回避された。
なぜなら、この世界ではダントツに、『ヨナス教会』の方が力があるからだ。
しかし、結婚話が収束することはなかった。
この一ヶ月間。
カトリーナは、ほぼ毎日のように公爵邸を訪れる。
そのたびに、「ユリアーナこそが唯一の奥方」と信じて疑わない公爵家侍女たちとの、静かな戦争が始まるのだ。
「公爵様に会いに来ました。」
「左様でございますか。」
「今、いらっしゃいますでしょう?」
「公爵様はおりません。」
「私は、近々あなたたちの女主になるのですよ?」
「そのような話、聞いたことがありません。」
「公爵様に“愛さない”といわれた女性とは、訳が違いますのよ?」
「では、それさえも言われず相手にされない貴女は、どこのどちら様なのでしょうか?」
「教会を敵に回すおつもりで?」
「では、公爵家も同じく。」
といった、聞いていて胃が痛くなるような攻防戦が始まるのだ。
毎日のように現れては、柔らかな笑顔で侍女たちを威圧するカトリーナ嬢も十分に恐ろしい。
だが、公爵が本当に恐れているのは、自分の侍女たちのほうだった。
彼女たちは決して声を荒げない。
ただ、にこやかに、完璧な所作で、徹底的に排除する。
その空気に耐えきれなくなった公爵と騎士たちは、半ば逃げるように、今回の遠征へと向かったのである。
しかし。
一ヶ月を過ぎた頃、異変が起きた。
薬草の効能が、目に見えて落ち始めたのだ。
困り果てた魔法庁の職員たちは、ついに公爵家の侍女へと頭を下げ、至急帰還するよう伝達を飛ばした。
公爵は観念し、最低限の護衛二名のみを連れて、急ぎ帰国する。
公爵不在の間にも絶え間なく起こっていた、公爵邸侍女とカトリーナ嬢との攻防戦。
カトリーナは、焦っていた。
見目麗しい“純白の騎士様”が、自分の夫になるという妄想に囚われている彼女には、もう一つ、切実な事情があったのだ。
それは。
教会の存続を左右する、どうしても、誰にも譲れない思惑なのであった。
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