55 / 67
ヨルムンド共和国で最強なのは王妃様のようです。
しおりを挟む
「あ、あの……。オレの認識違いでなければ、最初はユーリと……」
ドモンが慌てて机を拭き、口元を拭きながら、恐る恐る訪ねた。
「それで困っているんだ!」
ローウェンは、机に肘をつき手を重ね、その上に自分の額を置いた。
「まさか、なかなか帰ってこない理由って……。」
「……」
ローウェンからの返事がないことで察したドモンは、ハーッと大きなため息を漏らした。
「なんで、こんなことになったんです? ユーリはどうなるんですか? 」
ドモンの声は低かった。
怒鳴ってはいない。
しかし、妙な緊張感を帯びていた。
ローウェンはしばらく黙っていたが、やがて観念したように息を吐いた。
「……話す。だが、その前に言っておく。私もまさか、こんなことになるとは思っていなかったんだ。」
「ああ、ローウェン様の思いとやらは、正直どうでもいいです。まず、現状を分かるように話してください。」
興味のなさそうなドモンの言葉に促され、ローウェンは額を押さえたまま言葉を絞り出した。
「この国に、あの悪名高きイシャロット帝国の第二皇子と第三皇子、そして皇女が来ているのは知っているな。」
「ええ。そのケバい高飛車皇女からの婚姻から逃げるために、ユーリを使うんでしたよね?」
「君……言葉に悪意がないか?」
「え? 通常運転ですが……」
ドモンは首を傾げたまま、悪びれもしない。
「そ、そうだな、君はそういう人間だ……」
「そうっすね。」
ドモンのケロリとした返事にローウェンは額に手を当て、深く息を吐いた。
「確かに、私は最初……皇女から逃げるために“偽装”を考えた。だが、それを相手方に知られてしまい、今度はこの国の第二王女が、あのバカ……ゲフンゲフン……第二皇子の求婚のターゲットにされてしまったのだ。」
「はあ……」
思い出したからなのか、声が怒気を含みだしたローウェンに対し、ドモンの返答は薄っぺらいものだった。
「あの思いやりに溢れ優しくて慈悲深く、かわいくて儚げなあのミディに対して、年上だの、行き遅れだのと……しかも貰ってやるとはなんと無礼な!」
「ちょ、ストーップ!」
声がしだいに荒くなり、激高していくローウェンの言葉を、ドモンが軽く遮った。
「あの、ミディって? まさか……」
「ああ。言ってなかったな? うちの孤児院のシスターだよ。彼女本名はミディマリア・ヨルムンド。この国の第二皇女で現国王の妹だ。」
「は? え? あのミディが? 俺、今までの態度とかその言葉使いとか……」
ドモンの顔色がみるみる悪くなっていく。
「まさか俺、不敬罪で処刑……」
「いや、それはない。ミディはそんなことで人は責めない!」
絶望的な顔をするドモンに対し、ローウェンはきっぱりと言い放った。
「あの……ローウェン様はやけに彼女のこと、ご存じですよね?」
「ああ。現国王は学友でな。王城に出入りしていた頃から、ミディマリア様とも面識がある。」
ミディマリアの話をするとき、思い出しているのかローウェンの表情は優しかった。
そんなローウェンを見て、ドモンは思ったことを口に出す。
「それなら最初から、ミディマリア様にお願いすれば良かったのでは?」
「……」
そこで、ローウェンは顔色を変え、再びテーブルに肘をつき、手の上に額を落とす。
「ユーリなら無理っすよ?」
ドモンはそう言って、わざと曖昧に笑った。
「なんせ暴力振るう最低クソヤローな旦那のせいで、男性不信ですからね? 出会った頃は手負いの子猫みたいでしたし。未だに男性には不信感しかないみたいですよ? 俺らは長い年月かけて、信頼を得ていますけれどね! 」
確かに……。
ユーリは男性に対し、特に成人男性に対して、警戒心をむき出しにする傾向がある。
最初は自分や弟にも、随分と遠慮をして、というか……あまり近寄らなかった。
すぐに会話を切り上げ、逃げるように去っていた頃を思い出し、心がズキンと痛んだ。
「で? 結局ローウェン様は、ミディマリア様の方なんすね。」
そこで突然、ドモンの声が低くなった。
その声に、ローウェンは背筋に冷たいものを覚える。
「……そう、なるのだろうか。あのときはただ、あのクソ皇子の言い方にあまりにも腹が立って、つい……。」
「つい……ですか。それが返事なのでは?」
「え?」
そこでローウェンは頭を上げ、ドモンを見た。
「つまり、ローウェン様はそれだけ王女様を大事に思っていると言うことですよ。まあ、向こうがどう思ってるかは知りませんけどね? ――で、ユーリにはどう説明するんです?」
ドモンがいつになく真剣な目で、まっすぐに自分を見ている。
多分、答えを間違えれば一発殴られるくらいでは済まないのだろう。
「私は……」
言いかけたときである。
「バーン!!」
突然、部屋の扉が大きな音を立てて開け放たれた。
同時に、明るい栗色の髪をした威厳ある顔立ちの男性がずかずかと部屋に入ってきた。
「エリオット、お前……」
ローウェンは呆れたように、額に手を当てた。
「え? 国王……様……?」
ドモンは動揺し、その場に固まってしまっている。
「冒険者の青年よ! 問題ない! なぜなら我が妹ミディマリアは、一目会ったその日から我が親友ローウェン一筋なのだからな!」
「は?」
ローウェンが目を丸くした。
「はあ……」
ドモンは話の内容に、さっきの緊張が一気に解けたのか、気の抜けた返事を返した。
「だから安心して、そのユーリとやらを連れて帰るが良い! 後は全て私に任せよ!」
声高々に笑いながら、自信に溢れた声でそう告げる国王。
「あ、あの……」
そのそばで、ローウェンが遠慮がちにエリオットに尋ねた。
「ミディマリア様が……私を、そのように……?」
真っ赤になるローウェンを見て、エリオットははっと我に返った。
「あっ! これ秘密だってミディと約束してた!」
そしてすぐさま顔色が悪くなっていく。
「やばい、どうしよう……バレたら私は……」
「エリオット様?」
突然、場を凍らせるかのような冷たい女性の声が、部屋に響いた。
「ロ、ロロロクサーヌ……?」
エリオットが確認するかのようにゆっくりと振り返ると、そこには貼り付けたような笑顔を携えたロクサーヌ王妃が立っていた。
「あのような大きな声で、乙女の秘密をばらすとは何事です? あなたは昔から配慮というものを知らないようですわね?」
「え? あ……これはその……。ローウェンが困っていたから、親友の私が……」
体を震わせながら、エリオットの目はロクサーヌと視線を合わせぬように泳ぎまくっている。
「国王が扉にしがみついて盗み聞きなど、臣下に示しが付かないとは思いませんの?」
「だって、ローウェンが……」
「お黙りなさい。……こちらへ来なさい。」
そう言い放つと、ロクサーヌは今度はローウェンとドモンへと視線を移す。
そして美しく微笑み、
「あなたたちも聞いていたでしょう?」
と、扇で口元を隠しながら尋ねてきた。
「ユーリさんには、私と国王から正式にきちんとした謝罪をさせていただきますので、ご心配には及びませんわ。ひとまずはそれで、よろしいですわね?」
「は、はい……」
まるで蛇に睨まれた蛙のように、その場に固まってしまうドモン。
「私からもきちんと謝罪をさせていただきます。ロクサーヌ様にまでお手を煩わせ、申し訳ございません。」
ローウェンはそんなロクサーヌの気配をものともせず、臣下らしく左胸に手を当て恭しく頭を垂れた。
ドモンが慌てて机を拭き、口元を拭きながら、恐る恐る訪ねた。
「それで困っているんだ!」
ローウェンは、机に肘をつき手を重ね、その上に自分の額を置いた。
「まさか、なかなか帰ってこない理由って……。」
「……」
ローウェンからの返事がないことで察したドモンは、ハーッと大きなため息を漏らした。
「なんで、こんなことになったんです? ユーリはどうなるんですか? 」
ドモンの声は低かった。
怒鳴ってはいない。
しかし、妙な緊張感を帯びていた。
ローウェンはしばらく黙っていたが、やがて観念したように息を吐いた。
「……話す。だが、その前に言っておく。私もまさか、こんなことになるとは思っていなかったんだ。」
「ああ、ローウェン様の思いとやらは、正直どうでもいいです。まず、現状を分かるように話してください。」
興味のなさそうなドモンの言葉に促され、ローウェンは額を押さえたまま言葉を絞り出した。
「この国に、あの悪名高きイシャロット帝国の第二皇子と第三皇子、そして皇女が来ているのは知っているな。」
「ええ。そのケバい高飛車皇女からの婚姻から逃げるために、ユーリを使うんでしたよね?」
「君……言葉に悪意がないか?」
「え? 通常運転ですが……」
ドモンは首を傾げたまま、悪びれもしない。
「そ、そうだな、君はそういう人間だ……」
「そうっすね。」
ドモンのケロリとした返事にローウェンは額に手を当て、深く息を吐いた。
「確かに、私は最初……皇女から逃げるために“偽装”を考えた。だが、それを相手方に知られてしまい、今度はこの国の第二王女が、あのバカ……ゲフンゲフン……第二皇子の求婚のターゲットにされてしまったのだ。」
「はあ……」
思い出したからなのか、声が怒気を含みだしたローウェンに対し、ドモンの返答は薄っぺらいものだった。
「あの思いやりに溢れ優しくて慈悲深く、かわいくて儚げなあのミディに対して、年上だの、行き遅れだのと……しかも貰ってやるとはなんと無礼な!」
「ちょ、ストーップ!」
声がしだいに荒くなり、激高していくローウェンの言葉を、ドモンが軽く遮った。
「あの、ミディって? まさか……」
「ああ。言ってなかったな? うちの孤児院のシスターだよ。彼女本名はミディマリア・ヨルムンド。この国の第二皇女で現国王の妹だ。」
「は? え? あのミディが? 俺、今までの態度とかその言葉使いとか……」
ドモンの顔色がみるみる悪くなっていく。
「まさか俺、不敬罪で処刑……」
「いや、それはない。ミディはそんなことで人は責めない!」
絶望的な顔をするドモンに対し、ローウェンはきっぱりと言い放った。
「あの……ローウェン様はやけに彼女のこと、ご存じですよね?」
「ああ。現国王は学友でな。王城に出入りしていた頃から、ミディマリア様とも面識がある。」
ミディマリアの話をするとき、思い出しているのかローウェンの表情は優しかった。
そんなローウェンを見て、ドモンは思ったことを口に出す。
「それなら最初から、ミディマリア様にお願いすれば良かったのでは?」
「……」
そこで、ローウェンは顔色を変え、再びテーブルに肘をつき、手の上に額を落とす。
「ユーリなら無理っすよ?」
ドモンはそう言って、わざと曖昧に笑った。
「なんせ暴力振るう最低クソヤローな旦那のせいで、男性不信ですからね? 出会った頃は手負いの子猫みたいでしたし。未だに男性には不信感しかないみたいですよ? 俺らは長い年月かけて、信頼を得ていますけれどね! 」
確かに……。
ユーリは男性に対し、特に成人男性に対して、警戒心をむき出しにする傾向がある。
最初は自分や弟にも、随分と遠慮をして、というか……あまり近寄らなかった。
すぐに会話を切り上げ、逃げるように去っていた頃を思い出し、心がズキンと痛んだ。
「で? 結局ローウェン様は、ミディマリア様の方なんすね。」
そこで突然、ドモンの声が低くなった。
その声に、ローウェンは背筋に冷たいものを覚える。
「……そう、なるのだろうか。あのときはただ、あのクソ皇子の言い方にあまりにも腹が立って、つい……。」
「つい……ですか。それが返事なのでは?」
「え?」
そこでローウェンは頭を上げ、ドモンを見た。
「つまり、ローウェン様はそれだけ王女様を大事に思っていると言うことですよ。まあ、向こうがどう思ってるかは知りませんけどね? ――で、ユーリにはどう説明するんです?」
ドモンがいつになく真剣な目で、まっすぐに自分を見ている。
多分、答えを間違えれば一発殴られるくらいでは済まないのだろう。
「私は……」
言いかけたときである。
「バーン!!」
突然、部屋の扉が大きな音を立てて開け放たれた。
同時に、明るい栗色の髪をした威厳ある顔立ちの男性がずかずかと部屋に入ってきた。
「エリオット、お前……」
ローウェンは呆れたように、額に手を当てた。
「え? 国王……様……?」
ドモンは動揺し、その場に固まってしまっている。
「冒険者の青年よ! 問題ない! なぜなら我が妹ミディマリアは、一目会ったその日から我が親友ローウェン一筋なのだからな!」
「は?」
ローウェンが目を丸くした。
「はあ……」
ドモンは話の内容に、さっきの緊張が一気に解けたのか、気の抜けた返事を返した。
「だから安心して、そのユーリとやらを連れて帰るが良い! 後は全て私に任せよ!」
声高々に笑いながら、自信に溢れた声でそう告げる国王。
「あ、あの……」
そのそばで、ローウェンが遠慮がちにエリオットに尋ねた。
「ミディマリア様が……私を、そのように……?」
真っ赤になるローウェンを見て、エリオットははっと我に返った。
「あっ! これ秘密だってミディと約束してた!」
そしてすぐさま顔色が悪くなっていく。
「やばい、どうしよう……バレたら私は……」
「エリオット様?」
突然、場を凍らせるかのような冷たい女性の声が、部屋に響いた。
「ロ、ロロロクサーヌ……?」
エリオットが確認するかのようにゆっくりと振り返ると、そこには貼り付けたような笑顔を携えたロクサーヌ王妃が立っていた。
「あのような大きな声で、乙女の秘密をばらすとは何事です? あなたは昔から配慮というものを知らないようですわね?」
「え? あ……これはその……。ローウェンが困っていたから、親友の私が……」
体を震わせながら、エリオットの目はロクサーヌと視線を合わせぬように泳ぎまくっている。
「国王が扉にしがみついて盗み聞きなど、臣下に示しが付かないとは思いませんの?」
「だって、ローウェンが……」
「お黙りなさい。……こちらへ来なさい。」
そう言い放つと、ロクサーヌは今度はローウェンとドモンへと視線を移す。
そして美しく微笑み、
「あなたたちも聞いていたでしょう?」
と、扇で口元を隠しながら尋ねてきた。
「ユーリさんには、私と国王から正式にきちんとした謝罪をさせていただきますので、ご心配には及びませんわ。ひとまずはそれで、よろしいですわね?」
「は、はい……」
まるで蛇に睨まれた蛙のように、その場に固まってしまうドモン。
「私からもきちんと謝罪をさせていただきます。ロクサーヌ様にまでお手を煩わせ、申し訳ございません。」
ローウェンはそんなロクサーヌの気配をものともせず、臣下らしく左胸に手を当て恭しく頭を垂れた。
55
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる