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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
092 蠢くモノ
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オレが黙ったまま、ジッと二匹の狼を凝視していると、ルイが痺れを切らした。
「サクヤ。早く名前を与えてやらないと、狼達も困ると思うよ?」
「……分かってんだけどさ。オレ、名前のセンスがねぇだろう」
ルイだけじゃなくクレナイも、多分、頭の上のベニもオレを凝視してる。しかも、狼二匹にも。
「オレが付けると見たまんまになるんだって!」
「いいんじゃない? って言うことは、金の子がキンロウ(金狼)で、銀の子がギンロウ(銀狼)だね」
どうして分かるんだ?!
「間違えられることもないし、問題ないでしょう?」
前から思ってたけどよ。ルイもある意味、結構、適当だよな。拘りないっていうか。待てよ。流石にそれは芸がない!
「キンラン(金襴)とギンラン(銀欄)にする!」
「キンロウ、ギンロウの方が間違えないんじゃない?」
「あのさ。どっちでもあんまり変わんないんじゃないの?」
ん? 誰の声だって、視線を向けたら、そこにいたのはユエと副会長! なんで、勝手に入ってきてんだよ!
「ノックしても返事ないし。変に騒がしいし。気にしない方がおかしいんだよ」
ごもっともです。
「しかも、使い魔増えてんのが理解できないんだけど」
「……必要だから」
「そうかもしれないけど」
腕組んでるユエの姿が微妙に怖い。
「ルイはまだ、教えてもらえないの?」
「終わるまで駄目だって言われてるんだよ」
副会長が眉間に皺を寄せた。まあ、分からないでもないけど。副会長にしてみたら、ルイは弟感覚だろう。で、その弟の結婚相手が隠し事してんだから面白くないよな。
「眉間に皺寄せたって教えねぇよ。不安要素はなるべく減らしたいしさ」
「全部って言うのは理解できないよ」
「仕方ねぇだろう。駄目なもんは駄目」
睨み付けてくるし。その赤い瞳で睨まれると、さっきの狼達みてぇだな。言えないけどさ。
「もう諦めたからいいよ。で、名前は?」
「キンラン! ギンラン! で、普段はキンとギン!」
「やっぱりサクヤのネーミングセンスって単純」
おい。失礼だぞ。
「待って」
ルイは低く唸るようにオレとユエの会話を止めた。このざわつく感じ。あいつが動き出した。
「ユエと副会長は部屋に戻れよ」
「サクヤ?」
「あいつが来る……」
オレは指を鳴らして杖を出した。寮の部屋じゃマズい。あいつのことだから、建物が崩壊しようが、誰かが傷付こうが関係ねぇ。
「サクヤ! どこに行くの?!」
「グラウンド。あそこなら、あんまり害がないだろう」
「私も行くよ!」
「駄目だって!」
「絶対について行く」
ルイの表情が険しい。そういえば、知識と記憶を共有したあと、ルイの感情表現に違和感がなくなってる。この感じ。まんまオレじゃん。オレだったら、絶対信念曲げねぇもんな。
「本当に危険なんだけど」
「それはサクヤもでしょう?!」
「多分、オレよりルイの方が危険」
オレの言葉に目を見開いたのはルイだけじゃねぇ。ユエと副会長もだ。
「狙われてるのはサクヤじゃないのか?」
ユエの言葉にオレはただ、苦笑いしか返せなかった。普通ならそう考える。今までもそうだってみんな思ってたもんな。でもさ、あいつの本当の目的は違うんだ。魔力の循環なんてあいつは望んでない。それこそ、妖魔との循環を当たり前のように望んでる。そして、更に強い破壊の魔力を持つ者を循環相手にしてぇんだよ。
「オレだったらまだ、大した問題じゃなかったんだ」
ルイは離れてくれない。なら、守るまでだ。移動魔法の呪文を唱えて、グラウンドへ飛んだ。全てを終わらせるために。
「サクヤ。早く名前を与えてやらないと、狼達も困ると思うよ?」
「……分かってんだけどさ。オレ、名前のセンスがねぇだろう」
ルイだけじゃなくクレナイも、多分、頭の上のベニもオレを凝視してる。しかも、狼二匹にも。
「オレが付けると見たまんまになるんだって!」
「いいんじゃない? って言うことは、金の子がキンロウ(金狼)で、銀の子がギンロウ(銀狼)だね」
どうして分かるんだ?!
「間違えられることもないし、問題ないでしょう?」
前から思ってたけどよ。ルイもある意味、結構、適当だよな。拘りないっていうか。待てよ。流石にそれは芸がない!
「キンラン(金襴)とギンラン(銀欄)にする!」
「キンロウ、ギンロウの方が間違えないんじゃない?」
「あのさ。どっちでもあんまり変わんないんじゃないの?」
ん? 誰の声だって、視線を向けたら、そこにいたのはユエと副会長! なんで、勝手に入ってきてんだよ!
「ノックしても返事ないし。変に騒がしいし。気にしない方がおかしいんだよ」
ごもっともです。
「しかも、使い魔増えてんのが理解できないんだけど」
「……必要だから」
「そうかもしれないけど」
腕組んでるユエの姿が微妙に怖い。
「ルイはまだ、教えてもらえないの?」
「終わるまで駄目だって言われてるんだよ」
副会長が眉間に皺を寄せた。まあ、分からないでもないけど。副会長にしてみたら、ルイは弟感覚だろう。で、その弟の結婚相手が隠し事してんだから面白くないよな。
「眉間に皺寄せたって教えねぇよ。不安要素はなるべく減らしたいしさ」
「全部って言うのは理解できないよ」
「仕方ねぇだろう。駄目なもんは駄目」
睨み付けてくるし。その赤い瞳で睨まれると、さっきの狼達みてぇだな。言えないけどさ。
「もう諦めたからいいよ。で、名前は?」
「キンラン! ギンラン! で、普段はキンとギン!」
「やっぱりサクヤのネーミングセンスって単純」
おい。失礼だぞ。
「待って」
ルイは低く唸るようにオレとユエの会話を止めた。このざわつく感じ。あいつが動き出した。
「ユエと副会長は部屋に戻れよ」
「サクヤ?」
「あいつが来る……」
オレは指を鳴らして杖を出した。寮の部屋じゃマズい。あいつのことだから、建物が崩壊しようが、誰かが傷付こうが関係ねぇ。
「サクヤ! どこに行くの?!」
「グラウンド。あそこなら、あんまり害がないだろう」
「私も行くよ!」
「駄目だって!」
「絶対について行く」
ルイの表情が険しい。そういえば、知識と記憶を共有したあと、ルイの感情表現に違和感がなくなってる。この感じ。まんまオレじゃん。オレだったら、絶対信念曲げねぇもんな。
「本当に危険なんだけど」
「それはサクヤもでしょう?!」
「多分、オレよりルイの方が危険」
オレの言葉に目を見開いたのはルイだけじゃねぇ。ユエと副会長もだ。
「狙われてるのはサクヤじゃないのか?」
ユエの言葉にオレはただ、苦笑いしか返せなかった。普通ならそう考える。今までもそうだってみんな思ってたもんな。でもさ、あいつの本当の目的は違うんだ。魔力の循環なんてあいつは望んでない。それこそ、妖魔との循環を当たり前のように望んでる。そして、更に強い破壊の魔力を持つ者を循環相手にしてぇんだよ。
「オレだったらまだ、大した問題じゃなかったんだ」
ルイは離れてくれない。なら、守るまでだ。移動魔法の呪文を唱えて、グラウンドへ飛んだ。全てを終わらせるために。
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