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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
093 原初の言の葉
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この学校のグラウンドはかなり広い。その真ん中あたりに移動した。ベニを頭に乗せて、キンとギンを伴って。当然、ルイとクレナイも移動してきた。本当に思い通りにいかない。それに、よくよく考えたらルイがいないと鍵が外せない。オレも間抜けだよな。
上空を見上げると無数の妖魔。ここに集まってくれるのは助かるけどさ。
「サクヤ?」
「あいつが来たら鍵外してくんね?」
「どうするの?」
「妖魔の数を減らす」
浄化の魔法に弱いのは杖の店の前ではっきり分かった。無数の妖魔が壁になるのは問題だからな。
「二人でこんな目立つところに来てくれるなんて親切だね」
声の出どころに視線を向けると、みんながあの人って呼ぶあいつがいた。隣には随分と綺麗な見目の妖魔。褐色の肌に真っ赤な髪。尖った耳の上には渦を巻くような光沢のある角。血を写したような真っ赤な瞳。あいつがルイと同じ姿だから、完全に対比のような色。
「弟と花嫁を迎えに来たよ」
ルイが眉間に皺を寄せた。こいつ、完全に読み違えてる。花嫁はルイの花嫁なんだよ。で、あいつの花嫁は弟のルイのことだ。ルイの胸倉掴んで顔を引き寄せた。オレたちの上空には覆い尽くさんばかりの妖魔の群。今なら、こいつらを一掃できる。
「鍵外せよ」
「耐えられる?」
「杖があるだろう」
ルイはあいつを睨み付けたまま、オレの魔力の鍵を外した。その瞬間、辺りに響いたのは断末魔の叫び声。それは空気を震わせるほどの大音量だった。
あいつが目を見開き、隣の妖魔は自身を抱き締めた。あの妖魔は強い。オレの魔力に晒されたくらいじゃ消えない。
「それが本来の魔力か。なるほど、自ら囮になるために出てきたのか」
「そんなわけあるかよ。お前が建物壊すの分かってるからだ!」
見た目が穏やかでも、常識知ってますって顔してても、こいつは壊れてんだよ。その証拠に、容赦なく魔力を放出し始めてる。ゆっくり辺りを見回すと、グラウンドの周りに無数の影。
「クレハさん達来たみてぇだな」
「キュウ」
「分かってる」
クレハさんには手を出さないように伝えてある。
「クレナイはルイを頼むな」
「ギャア」
「サクヤ?!」
一歩前へ出て、深呼吸。目の前のこいつはオレが何も知らないって思ってんだろうな。余裕の笑み向けてるし。
キンとギンがオレを左右に挟むように立つ。ベニは一鳴きすると本来のサイズに戻った。
「使い魔を増やしても意味はないよ」
「こいつらは使い魔じゃねぇよ」
オレは吐き捨てると、呪文を唱え始める。問題はこの魔法に消費される魔力だ。多分、オレとルイの魔力を合わせても足りない。周りが騒めく。ルイも驚いたように息を飲んだのが分かった。そして、目の前のあいつ。
「その言葉をどこで知った?!」
知らないってことは、ルイの魔力の勝ちだな。この言葉を収集したのはルイの魔力だ。あんたに対抗するために。少しでも影響を薄くするためだけに。
オレを中心に魔法陣が現れる。そして、目の前のあいつがオレの詠唱を阻止しようと杖を上げようとした。だが、その腕が止まる。正確には動けない。オレは驚いたように周りに視線を向けた。手を出さないように伝えたけど、どうやら、オレの魔法の詠唱を手助けしてくれてる。
こめかみに痛みが走る。やっぱり魔力が足りない! オレはあいつを睨み付けると自分の意思で魔力を奪う。抵抗されたくねぇし、利用させてもらう!
「なぜ、魔力が奪われる?!」
あいつの隣にいる妖魔も驚愕にオレを見据えた。今更気が付いても遅いんだよ。あいつと妖魔の周りに球体の魔法陣が現れる。体が痛い。魔法の強さに、オレの全身が悲鳴を上げていた。
上空を見上げると無数の妖魔。ここに集まってくれるのは助かるけどさ。
「サクヤ?」
「あいつが来たら鍵外してくんね?」
「どうするの?」
「妖魔の数を減らす」
浄化の魔法に弱いのは杖の店の前ではっきり分かった。無数の妖魔が壁になるのは問題だからな。
「二人でこんな目立つところに来てくれるなんて親切だね」
声の出どころに視線を向けると、みんながあの人って呼ぶあいつがいた。隣には随分と綺麗な見目の妖魔。褐色の肌に真っ赤な髪。尖った耳の上には渦を巻くような光沢のある角。血を写したような真っ赤な瞳。あいつがルイと同じ姿だから、完全に対比のような色。
「弟と花嫁を迎えに来たよ」
ルイが眉間に皺を寄せた。こいつ、完全に読み違えてる。花嫁はルイの花嫁なんだよ。で、あいつの花嫁は弟のルイのことだ。ルイの胸倉掴んで顔を引き寄せた。オレたちの上空には覆い尽くさんばかりの妖魔の群。今なら、こいつらを一掃できる。
「鍵外せよ」
「耐えられる?」
「杖があるだろう」
ルイはあいつを睨み付けたまま、オレの魔力の鍵を外した。その瞬間、辺りに響いたのは断末魔の叫び声。それは空気を震わせるほどの大音量だった。
あいつが目を見開き、隣の妖魔は自身を抱き締めた。あの妖魔は強い。オレの魔力に晒されたくらいじゃ消えない。
「それが本来の魔力か。なるほど、自ら囮になるために出てきたのか」
「そんなわけあるかよ。お前が建物壊すの分かってるからだ!」
見た目が穏やかでも、常識知ってますって顔してても、こいつは壊れてんだよ。その証拠に、容赦なく魔力を放出し始めてる。ゆっくり辺りを見回すと、グラウンドの周りに無数の影。
「クレハさん達来たみてぇだな」
「キュウ」
「分かってる」
クレハさんには手を出さないように伝えてある。
「クレナイはルイを頼むな」
「ギャア」
「サクヤ?!」
一歩前へ出て、深呼吸。目の前のこいつはオレが何も知らないって思ってんだろうな。余裕の笑み向けてるし。
キンとギンがオレを左右に挟むように立つ。ベニは一鳴きすると本来のサイズに戻った。
「使い魔を増やしても意味はないよ」
「こいつらは使い魔じゃねぇよ」
オレは吐き捨てると、呪文を唱え始める。問題はこの魔法に消費される魔力だ。多分、オレとルイの魔力を合わせても足りない。周りが騒めく。ルイも驚いたように息を飲んだのが分かった。そして、目の前のあいつ。
「その言葉をどこで知った?!」
知らないってことは、ルイの魔力の勝ちだな。この言葉を収集したのはルイの魔力だ。あんたに対抗するために。少しでも影響を薄くするためだけに。
オレを中心に魔法陣が現れる。そして、目の前のあいつがオレの詠唱を阻止しようと杖を上げようとした。だが、その腕が止まる。正確には動けない。オレは驚いたように周りに視線を向けた。手を出さないように伝えたけど、どうやら、オレの魔法の詠唱を手助けしてくれてる。
こめかみに痛みが走る。やっぱり魔力が足りない! オレはあいつを睨み付けると自分の意思で魔力を奪う。抵抗されたくねぇし、利用させてもらう!
「なぜ、魔力が奪われる?!」
あいつの隣にいる妖魔も驚愕にオレを見据えた。今更気が付いても遅いんだよ。あいつと妖魔の周りに球体の魔法陣が現れる。体が痛い。魔法の強さに、オレの全身が悲鳴を上げていた。
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