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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
091 ケルベロス
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ルイに改めて魔力に鍵を掛けてもらった。今、オレの本当の魔力の強さをあいつに知られるわけにはいかねぇから。なにより、妖魔を引きつけてから解放するのがベストだ。できるだけ数を減らさないとな。また、人前でキスすんのか、とか思うけどさ。羞恥心より現状をいかに回復するかだよな。
寮に戻って数日。なにもすることないっていうのは実に暇。勉強をしても良かったんだけど、ルイに手当たり次第質問してもらって、ことごとく答えたら勉強は必要ないって言われた。これ、学校に来た意味なくなったんじゃねぇの。
とりあえず必要な物を確認してた。そう、あの水晶。見た目には普通の水晶なんだけどさ。オレとルイの魔力が一回入ったせいか、微妙に質が変化してる。その水晶を覗き込んだルイが小さく溜め息。
「その水晶はもう使えないね」
「どうしてだよ?」
「私達の魔力が強すぎたんだ。次に魔力を込めたらベニでも食べられないよ。完全に籠ってしまうんだ」
「出せないのか?!」
「多分。サクヤの魔力だけならそんな事もなかったんだろうけど、真逆の私の魔力まで込めてしまったからね」
この水晶が必要な理由はそれかよ?! ベニのやつ、知ってたんだな。つまり、入れる事は可能で、出す事が不可能。
「サクヤ?」
「なんでもねぇって」
「嘘でしょう? そんなに私には話せないの?」
オレは頷くことしかできなかった。だってさ、もしかしたらルイ経由で情報を得てる可能性があるんだよ。魔力の防衛でそれなりに防いでいてもさ。
そんな中、クレナイが帰ってきた。オレが頼んでいたものを連れて。部屋の空間が歪んで、そこに現れたのは頭が三つもある凶暴そうな犬。もとい、冥界の門の番人、ケルベロス。実物って結構大きいんだな。
『我が主人より許可が出た。我の眷属を二匹差し出そう。ただ、そうなるとそなたの魔力の影響でこちらには戻れん。解決した後の身の振り方を考えてやってくれ』
つまり、地の底に帰れなくなるのかよ。
「本人達は納得してるのかよ?」
『納得もなにもない。このままだとこちらにも問題が出る。妖魔に捕食されては魂の管理などできるわけがない。全てが妖魔の腹の中で消化され、それで終わりだ。そうなれば、こちら側としても死活問題だ』
そう言われて差し出されたのはかなり大きな二匹の狼。黒毛に血のような赤い目。誰かを彷彿とさせる色だな。まあ、本人には言えねぇけど。
『話の内容で繋がりの強い者の方が都合が良さそうだった。兄弟の魔狼だ。そなたと契約すると姿も変わるだろう。改めて名前を与えてやってくれ。お前達、きちんと役に立つんだ。主人もそれを望んでいる』
二匹の狼は頷くと俺に視線を向けた。わあ、なんとなく禍々しいんだけどさ。大丈夫か?
『契約の魔法を使え。そうでなくては、上手くいかん』
ケルベロスに促されて、乗り気じゃねぇけど指を鳴らして杖を出した。抵抗されれば魔法は弾かれるだろうしな。ルイはただ黙ってオレを凝視してる。訊きたいことは沢山あるんだろうな。でもさ、終わるまで言えねぇんだよ。
古代語の契約の呪文を唱える。足元に俺を中心に光の文様が現れ、二匹の狼を絡め取る。狼は抵抗することなく魔法を受け入れてくれた。契約が済むと、そこには金と銀の狼の姿。瞳の色も赤から綺麗な水色の瞳に変化していた。
『上手くいったようだな。健闘を祈っている』
ケルベロスはそう言いおくと、空間を閉じた。二匹の狼はジッとオレを見詰める。まあ、名前を与えてくれってんだろう? オレさ、ベニの名前のときもユエに揶揄われたんだよ。どうしたらいいんだ?
寮に戻って数日。なにもすることないっていうのは実に暇。勉強をしても良かったんだけど、ルイに手当たり次第質問してもらって、ことごとく答えたら勉強は必要ないって言われた。これ、学校に来た意味なくなったんじゃねぇの。
とりあえず必要な物を確認してた。そう、あの水晶。見た目には普通の水晶なんだけどさ。オレとルイの魔力が一回入ったせいか、微妙に質が変化してる。その水晶を覗き込んだルイが小さく溜め息。
「その水晶はもう使えないね」
「どうしてだよ?」
「私達の魔力が強すぎたんだ。次に魔力を込めたらベニでも食べられないよ。完全に籠ってしまうんだ」
「出せないのか?!」
「多分。サクヤの魔力だけならそんな事もなかったんだろうけど、真逆の私の魔力まで込めてしまったからね」
この水晶が必要な理由はそれかよ?! ベニのやつ、知ってたんだな。つまり、入れる事は可能で、出す事が不可能。
「サクヤ?」
「なんでもねぇって」
「嘘でしょう? そんなに私には話せないの?」
オレは頷くことしかできなかった。だってさ、もしかしたらルイ経由で情報を得てる可能性があるんだよ。魔力の防衛でそれなりに防いでいてもさ。
そんな中、クレナイが帰ってきた。オレが頼んでいたものを連れて。部屋の空間が歪んで、そこに現れたのは頭が三つもある凶暴そうな犬。もとい、冥界の門の番人、ケルベロス。実物って結構大きいんだな。
『我が主人より許可が出た。我の眷属を二匹差し出そう。ただ、そうなるとそなたの魔力の影響でこちらには戻れん。解決した後の身の振り方を考えてやってくれ』
つまり、地の底に帰れなくなるのかよ。
「本人達は納得してるのかよ?」
『納得もなにもない。このままだとこちらにも問題が出る。妖魔に捕食されては魂の管理などできるわけがない。全てが妖魔の腹の中で消化され、それで終わりだ。そうなれば、こちら側としても死活問題だ』
そう言われて差し出されたのはかなり大きな二匹の狼。黒毛に血のような赤い目。誰かを彷彿とさせる色だな。まあ、本人には言えねぇけど。
『話の内容で繋がりの強い者の方が都合が良さそうだった。兄弟の魔狼だ。そなたと契約すると姿も変わるだろう。改めて名前を与えてやってくれ。お前達、きちんと役に立つんだ。主人もそれを望んでいる』
二匹の狼は頷くと俺に視線を向けた。わあ、なんとなく禍々しいんだけどさ。大丈夫か?
『契約の魔法を使え。そうでなくては、上手くいかん』
ケルベロスに促されて、乗り気じゃねぇけど指を鳴らして杖を出した。抵抗されれば魔法は弾かれるだろうしな。ルイはただ黙ってオレを凝視してる。訊きたいことは沢山あるんだろうな。でもさ、終わるまで言えねぇんだよ。
古代語の契約の呪文を唱える。足元に俺を中心に光の文様が現れ、二匹の狼を絡め取る。狼は抵抗することなく魔法を受け入れてくれた。契約が済むと、そこには金と銀の狼の姿。瞳の色も赤から綺麗な水色の瞳に変化していた。
『上手くいったようだな。健闘を祈っている』
ケルベロスはそう言いおくと、空間を閉じた。二匹の狼はジッとオレを見詰める。まあ、名前を与えてくれってんだろう? オレさ、ベニの名前のときもユエに揶揄われたんだよ。どうしたらいいんだ?
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