優の異世界ごはん日記

風待 結

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コンテスト初日と魔法の前菜

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日記、十三日目。


今日、ついに料理コンテストの初日!  
課題は「地元の食材を使った前菜」

リナとカイラとトム、そしてキラのサポートで、ムーンビーンズとドラゴンベリーのピリ辛サラダをアレンジした一品で挑んだ。  
ライバルのラルフとアリシアも、魔法を使った派手な料理で勝負してきたけど、僕たちのチームワークが光った瞬間だった。  
ルミエールの市場で手に入れた食材と、カイラの魔法が、想像以上の力を発揮してる。  
このコンテスト、絶対勝ち抜くぞー!

---

朝、ルミエールの宿屋「ムーンライトイン」で目覚めた。  
キラが、僕の枕の上でピピッと鳴きながら、ふわふわの羽を揺らしてる。  
リナは、ベッドの上で弓を磨きながら、鼻歌を歌ってる。  
カイラは窓辺で杖を手に、魔法のメモをチェック。  
トムは剣を手にストレッチしてる。  
コンテスト初日、みんな気合が入ってるな。  

「優、今日は絶対勝つよ! ムーンビーンズのサラダはめっちゃ美味かったし、きっと審査員もビックリするって!」  

リナが目をキラキラさせて言う。  

「うん、でも、ラルフとアリシアの魔法料理も気になるな。カイラ、魔法で何か秘策ある?」  

カイラが微笑んで杖を軽く振った。  

「ドラゴンベリーの力アップ効果が好評だったから、今日も魔力を強調するわ。私の魔法でムーンビーンズの夜の視界アップ効果を視覚的にアピールする。審査員には味と魔力の両方で印象づけよう。」  

トムが剣を鞘に収めながら言った。  

「ラルフのやつ、派手な魔法使いそうだけど、味で勝負なら優が上だ。 俺は会場でライバルの動き見てくるぜ。何か怪しいことしてたら、すぐ報告する。」  

「へえ、トム、頼もしいね! キラも、会場で食材の匂いチェックしてね?何か面白いものあったら、教えてね。」  

キラが、ピピッと鳴いて、まるで「任せて!」って言ってるみたい。  

---

コンテスト会場は、ルミエールの中央広場に設営された巨大なテント。  
色とりどりの旗がはためき、魔法の光がキラキラしてる。  
参加者は、ルミエールの料理人、冒険者、魔法使いのチームが20組くらい。  
観客も、貴族から商人、冒険者まで、めっちゃ賑わってる。  

初日の課題は「地元の食材を使った前菜」。  
ルミエール周辺の食材を使うルールで、僕たちはムーンビーンズ、ドラゴンベリー、ウィンドハーブをメインに。  
昨日のサラダをベースに、スタークローブを加えて、甘い香りと落ち着く効果をプラスした。  

会場には、専用のキッチンステーションが用意されてる。  
魔法のオーブンや、冷気を放つ冷蔵庫まであって、現代のキッチンよりハイテクだ。  
カイラが、魔法で火加減を調整してくれる。  

「ドラゴンベリーの辛味を強すぎないように調整するよ。 スタークローブの香りを引き立たせるために、ちょっと風魔法も使うね。」  

カイラが、杖を振ると、キッチンにそよ風が吹いて、スタークローブの甘い香りが広がった。  
いい感じ!  

ムーンビーンズを軽く茹でて、シャキッとした食感をキープ。  
ドラゴンベリーを細かく刻んで、少量だけ加えてピリ辛を効かせる。  
ウィンドハーブとスタークローブを混ぜ、オリーブオイルとレモン果汁でドレッシングに。  
仕上げに、カイラの魔法で、ムーンビーンズにキラキラした光のエフェクトをかけた。  
見た目も、魔力も完璧だ!  

完成した「ムーンビーンズのピリ辛スターサラダ」を、審査員のテーブルに運んだ。  
審査員は、ルミエールの有名な料理人マダム・セレーヌと、魔法使いギルドの代表ウィザード・ガストン。  
二人とも、厳しそうな顔でサラダを見てる。  

マダム・セレーヌが、一口食べて、目を細めた。  

「ムーンビーンズの甘みと、ドラゴンベリーのピリ辛が絶妙ね。スタークローブの香りが全体をまとめてる。このキラキラした見た目は魔法の効果かしら?」  

カイラが丁寧に説明した。  

「はい、ムーンビーンズの夜の視界アップ効果を、魔法で視覚的に強調しました。ドラゴンベリーの力アップ効果も、少量でバランスよく引き出しています。」  

ウィザード・ガストンが、頷きながら言った。  

「魔力の使い方が、控えめで上品だ。味と効果のバランスがとても良い。若いのに、素晴らしいチームワークだね。」  

リナが控えめにガッツポーズ。  
トムがニヤッと笑って親指を立てた。  
キラが、ピピッと鳴いて、まるで「やった!」って言ってるみたい。  

---

次に、ラルフとアリシアのチームが料理を提出。  
彼らの前菜は、「フロストハーブの冷製スープ」。  
青く光るスープに、魔法で作った氷の彫刻が浮かんでる。  
めっちゃ派手!  
観客が、拍手と歓声で盛り上がってる。  

マダム・セレーヌが、スープを飲んで言った。  

「フロストハーブの冷たさが、夏のルミエールにぴったり。  魔法の演出も、見事ね。  ただ、味が少し単調かしら。もう一工夫欲しかったわ。」  

ラルフが、ちょっとムッとした顔でアリシアを見たけど、アリシアは冷静に微笑んでた。  

他のチームも、次々に料理を提出。  
ゴールデンホークのカルパッチョや、クラウドマッシュルームのタルトとか、どれも美味しそう。  
でも、僕たちのサラダ、負けてないはず!  

初日の審査結果は、夕方に発表。  
僕たちのチームは、20組中トップ5にランクイン!  
ラルフとアリシアのチームもトップ5だけど、僕たちの方が少し上位らしい。  

リナが、飛び跳ねて叫んだ。  

「やった!  やったやった!優!めっちゃすごい!  トップ5だよ!  この調子で、優勝狙うぞー!」

トムが笑いながら言った。  

「ラルフのやつ、ちょっと焦ってたな。優、明日もこの勢いでいけよ。」  

カイラが微笑んで言った。  

「明日の課題は魔法の食材を使ったメイン料理。 ゴールデンホークとドラゴンベリーのステーキは準備万端だよね?」  

「うん、絶対勝つよ!  キラ、明日もいい食材見つけてね!」  

キラが、ピピッと鳴いて、まるで「任せて!」って言ってるみたい。  

---

夜、宿屋の食堂で、チームで祝杯を挙げた。  
ムーンビーンズのサラダをアレンジしたミニバージョンを作って、みんなで食べた。  
トムがグラスを掲げて言った。  

「優、最初の町でケンカしてた俺を、こんなチームに入れてくれて、ありがとな。ルミエールに来て、こんな楽しいことになるとは思わなかったぜ。」  

リナがニヤッと笑って言った。  

「最初はムカついたけど、トムのおかげでショートカットのおかげで早く着けたし、いいやつじゃん! でも優の料理がなかったら、仲間になってなかったよ!」  

カイラが笑いながら言った。  

「このチームはほんと最高ね。  明日もみんなで勝ち抜きましょうね!」

キラが、ピピッと鳴いて、まるで「優勝するよ!」って言ってるみたい。  
この日記、リナが持ってた紙に書いた。  
キラは、僕の膝で寝てる。  
明日はコンテスト2日目。  
どんなライバル、どんな料理が待ってるんだろう?  
最高の料理で、みんなを幸せにするぞ!  




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