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準備をしよう
しおりを挟む日記、十二日目。
今日はコンテストの準備をする日だ!
朝から宿屋のキッチンでみんなで集まって、前菜のサラダの最終調整をすることにしたんだ。
まずは、早起きして農家から新鮮なムーンビーンズを揃えてきた。
青空の下で、ムーンビーンズの緑色がキラキラ光るのを見て、もうドキドキが止まらないよ!
---
キッチンに入ると、優れた器具が揃っていて、みんなのやる気が一層高まった。
リナが調理の手順を確認してカイラが魔法の準備を整えている。
トムは食材を整理しながら、「これが食材の真価だ!」と声に出しては、時折笑っている。
キラは元気に周りを飛び回り、今日は特に嗅覚が鋭くて、贅沢な香りを探しに行く準備が整った様子だ。
「まず、ムーンビーンズを茹でるね。これがサラダのベースになるから、しっかり火を通そう!」
リナが音頭を取ってキッチンに活気が溢れ始める。
カイラが杖を掲げて魔法の力を集めて、ビーンの柔らかさを調整する。
「これでムーンビーンズが甘みを引き立ってさらにクリーミーな食感になるわ。」
彼女の語る魔法の言葉にみんなの期待も高まる。
次はドラゴンベリーに取り掛かる。
辛味を抑えるためにカイラが少しだけ魔法を使って、サラダに加えるタイミングを見極める。
「水分を飛ばすといい。辛みが引き立つから、バランスをとるのが大事だ!」
とトムがアドバイスする。
やってきた魔法の香りに、リナがワクワクしながら言った。
「これでピリッとしたアクセントが加わるね、絶対みんな驚くよ!」
---
サラダの盛り付けも重要だ。
キラは嬉しそうに食材を、どのように配置するかを見守っている。
「見た目も大切だし、これが一番コンテストでのポイントだよね」
とリナが言う。
「確かに、これで視覚的にも楽しませることができるね!」
と言いながら、みんなでアイデアを出し合う。
食材をかごに盛りつけている時、宿屋の他の宿泊客たちがキッチンの入り口を覗いているのを見つけた。
まるで、コンテストの準備を見に来たかのようだった。
その視線が、なんだかワクワクさせて、さらに気合が入った。
---
料理がほぼ完成に近づくと、トムは時計を見て、ふと思ったことを口にする。
「さて、時間もギリギリだし、最後の調整をしようぜ!勝負時! コンテストは近いんだぞ!気を引き締めろ!」
みんながそれぞれの役割を果たし、緊張感も高まってきた。
その時、ドアが開き宿屋の一角からラルフとアリシアが現れた。
彼らも料理の最終調整をしているらしく、気合の入った様子。
ラルフがこちらを見て、ニヤニヤと悪戯っぽく笑った。
「お、準備中かい?俺たちの料理が待ちきれないぜ」
アリシアが自信満々に
「最高の料理を提供するから、楽しみにしててね」
と背中を押すように言った。
リナがカッとなり、言い返しそうになるところを、カイラがすかさず止めた。
「相手にする必要はない。コンテストで結果を見せつけるのが一番よ!」
その言葉に、みんな頷き、結束がより強まった。
---
昼過ぎには、宿屋を出発する準備を整えた。
「よし、気合い入れて行こう! このサラダが審査員を驚かせるんだから!」
とリナが叫び、キラもぴょんぴょん跳ねて「頑張るよ!」と気合満点。
すべての準備が整った瞬間、胸が高鳴った。
『いよいよ、料理が評価される時が来たんだ!』とワクワクしながら会場に向かう道を進んだ。
仲間たちと心をひとつにして、最高の結果を出すぞ!
全力で挑んで、ルミエールのコンテストで輝く瞬間を迎えるために、今すぐ進もう!
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