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新しい課での仕事は大変だった。
今までがパソコンを相手にしていたけど、人間相手に仕事をしてるのでいろいろな能力を使ってる気がする。
それでも仕事をしてるっていう充実感は今までとはかけ離れていた。
舟形先輩は初めてのことをわかりやすく説明してくれるし、困ってるときはアドバイスをくれる。
二、三年先輩なだけで、こうも違うのかと感心してしまう。
面倒見がいいんだろう。
「小国くん」
昼下がり明日、得意先に提出する資料をまとめてると白鷹課長から声がかかった。
「はい」
すぐに立ち上がって、課長のデスクへと向かう。
「このデータの計算を頼めるか」
持ち帰った案件に放心していると
「……おい、もう昼休みは終わってるぞ」と舟形先輩に小突かれた。
俺は先ほど白鷹課長から言われたことを説明する。
舟形先輩は大きく息を吐くと
「ほらっ、ぼうっとしてねぇで外回りに出かけようぜ」
舟形先輩に促されて社外へ出た。
会議に出たり、資料を整理したり、他部署に連絡を取ったり……
初めての連絡や数字のチェックに緊張して手が震えたけど、一つ一つやり終えるたびに少し自信が湧く。
舟形先輩は手取り足取り教えてくれる。
焦らなくていい、と言われると、少し気持ちが落ち着いた。
「小さなことでも、チーム全体に影響するんだな」
先輩の言葉を思い出しながら、今日も必死に頑張った。
舟形先輩とクライアントであるP社に出向いての聞き取り調査に行く。
舟形先輩が運転する車で、白鷹課長からもらった資料をひたすら読んだ。
外回りから戻ると、白鷹課長は怖い顔で資料に目を通していた。
昼に渡されたデータ計算の書類を課長に渡さなきゃいけないのに、声をかけられずに立ち竦んでると、
舟形先輩が近づいてきて、肩を軽く叩いてまた席に戻っていく。
がんばれ、て小さな声で囁く。
課長に書類を渡して、今日の業務終了。
「……ありがとう、お疲れさま」
白鷹課長は顔を上げると、書類を受け取り、また資料に目を落とした。
……初めて、課長にお礼言われたな。
翌日、いよいよ大きなプロジェクトに加わることになった。
まずは来週に開かれる重要な会議。
他部署複数が関わるプロジェクトの執行部への中間報告会。
俺はその会議の資料作りを舟形先輩と行うことになった。
まだ右も左も分からないけれど、舟形先輩が隣で進め方を教えてくれる。
会議や打ち合わせに出たり、資料を整理したり、他部署に連絡を取ったり……
初めての連絡や数字のチェックに緊張して手が震えたけど、一つ一つやり終えるたびに少し自信が湧く。
白鷹課長は相変わらず表情が硬くて、怖いけど。
でも、目が時々プロジェクトの進行をしっかり見ているのが分かる。
昼休みに
「小国は、舟形の下でしっかりやってるんじゃないか」
白鷹課長がそう話してるのを聞いてしまった。
仕事ぶりを認められるのは嬉しかった。
ここで、自分も認めてもらえるように努力しよう――そんな気持ちが芽生えていった。
会議まであと三日となったとき。
「小国、舟形が倒れたそうだ」
朝、出勤すると白鷹課長に声をかけられた。
「えっ、大丈夫なんですか?」
すぐさま課長の方へ駆け寄る。
「インフルエンザになったそうだ。
熱が四十度もあるって電話があった」
「た、大変ですね……」
「て、ことで小国。
資料の件はどこまでできてるんだ」
……あ、舟形先輩の心配ばかりしてたけど、自分の仕事がやばいな。
「資料は、まだ最終確認はこれからです」
「そうか。舟形不在中は私が引き継ごう。確認するからもらえるか」
俺は恐る恐る資料のファイルを課長に手渡す。
手元が震える。
心臓もバクバクして、息が浅くなる。
「この資料、まずここを整理して……」
白鷹課長は淡々と指示を出す。
冷静で正確、でも表情は硬い。
俺は必死にパソコンを操作し、数字や図表を整える。
間違えられないというプレッシャーが、手に汗を握らせる。
パソコンに集中してると、
オフィスがざわついた。
見知らぬ女性ががやってきた。
「あら、新人くんがいるじゃないの」
女性は、パソコンを操作している白鷹課長の隣で明るい声と笑顔で、話しかける。
課長は女性の方を見て話している。
あぁ、あれが専務の娘さんていう人だ……。
課長は女性と話してたと思ったら、二人でどこかに歩いていった。
胸の奥がぎゅっと締め付ける。
課長と仲良くしている様子を見るたびに、胸が痛むのを感じた
今までがパソコンを相手にしていたけど、人間相手に仕事をしてるのでいろいろな能力を使ってる気がする。
それでも仕事をしてるっていう充実感は今までとはかけ離れていた。
舟形先輩は初めてのことをわかりやすく説明してくれるし、困ってるときはアドバイスをくれる。
二、三年先輩なだけで、こうも違うのかと感心してしまう。
面倒見がいいんだろう。
「小国くん」
昼下がり明日、得意先に提出する資料をまとめてると白鷹課長から声がかかった。
「はい」
すぐに立ち上がって、課長のデスクへと向かう。
「このデータの計算を頼めるか」
持ち帰った案件に放心していると
「……おい、もう昼休みは終わってるぞ」と舟形先輩に小突かれた。
俺は先ほど白鷹課長から言われたことを説明する。
舟形先輩は大きく息を吐くと
「ほらっ、ぼうっとしてねぇで外回りに出かけようぜ」
舟形先輩に促されて社外へ出た。
会議に出たり、資料を整理したり、他部署に連絡を取ったり……
初めての連絡や数字のチェックに緊張して手が震えたけど、一つ一つやり終えるたびに少し自信が湧く。
舟形先輩は手取り足取り教えてくれる。
焦らなくていい、と言われると、少し気持ちが落ち着いた。
「小さなことでも、チーム全体に影響するんだな」
先輩の言葉を思い出しながら、今日も必死に頑張った。
舟形先輩とクライアントであるP社に出向いての聞き取り調査に行く。
舟形先輩が運転する車で、白鷹課長からもらった資料をひたすら読んだ。
外回りから戻ると、白鷹課長は怖い顔で資料に目を通していた。
昼に渡されたデータ計算の書類を課長に渡さなきゃいけないのに、声をかけられずに立ち竦んでると、
舟形先輩が近づいてきて、肩を軽く叩いてまた席に戻っていく。
がんばれ、て小さな声で囁く。
課長に書類を渡して、今日の業務終了。
「……ありがとう、お疲れさま」
白鷹課長は顔を上げると、書類を受け取り、また資料に目を落とした。
……初めて、課長にお礼言われたな。
翌日、いよいよ大きなプロジェクトに加わることになった。
まずは来週に開かれる重要な会議。
他部署複数が関わるプロジェクトの執行部への中間報告会。
俺はその会議の資料作りを舟形先輩と行うことになった。
まだ右も左も分からないけれど、舟形先輩が隣で進め方を教えてくれる。
会議や打ち合わせに出たり、資料を整理したり、他部署に連絡を取ったり……
初めての連絡や数字のチェックに緊張して手が震えたけど、一つ一つやり終えるたびに少し自信が湧く。
白鷹課長は相変わらず表情が硬くて、怖いけど。
でも、目が時々プロジェクトの進行をしっかり見ているのが分かる。
昼休みに
「小国は、舟形の下でしっかりやってるんじゃないか」
白鷹課長がそう話してるのを聞いてしまった。
仕事ぶりを認められるのは嬉しかった。
ここで、自分も認めてもらえるように努力しよう――そんな気持ちが芽生えていった。
会議まであと三日となったとき。
「小国、舟形が倒れたそうだ」
朝、出勤すると白鷹課長に声をかけられた。
「えっ、大丈夫なんですか?」
すぐさま課長の方へ駆け寄る。
「インフルエンザになったそうだ。
熱が四十度もあるって電話があった」
「た、大変ですね……」
「て、ことで小国。
資料の件はどこまでできてるんだ」
……あ、舟形先輩の心配ばかりしてたけど、自分の仕事がやばいな。
「資料は、まだ最終確認はこれからです」
「そうか。舟形不在中は私が引き継ごう。確認するからもらえるか」
俺は恐る恐る資料のファイルを課長に手渡す。
手元が震える。
心臓もバクバクして、息が浅くなる。
「この資料、まずここを整理して……」
白鷹課長は淡々と指示を出す。
冷静で正確、でも表情は硬い。
俺は必死にパソコンを操作し、数字や図表を整える。
間違えられないというプレッシャーが、手に汗を握らせる。
パソコンに集中してると、
オフィスがざわついた。
見知らぬ女性ががやってきた。
「あら、新人くんがいるじゃないの」
女性は、パソコンを操作している白鷹課長の隣で明るい声と笑顔で、話しかける。
課長は女性の方を見て話している。
あぁ、あれが専務の娘さんていう人だ……。
課長は女性と話してたと思ったら、二人でどこかに歩いていった。
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