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#04
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二人が宿題を終え、参考書を閉じたころには、窓の外はすっかり夜の色を帯びていた。
佑奈が軽く伸びをすると、佳子もそれにつられるように背筋を伸ばし、小さく息を吐く。
「……お腹、空いてきたね」
「えぇ、そろそろ夕食にしましょう」
佳子が立ち上がり、佑奈をダイニングに案内する。シックなモノトーンで揃えらえたダイニングセットは四人掛けで、一つに佑奈を座らせると、佳子はキッチンへと向かった。
「なにか手伝うことはある?」
「ううん、温めるだけだから。待ってて」
佳子はIHコンロを操作し、鍋を温め始めると、パックのお惣菜を皿に移してレンジにかけた。また、別のお惣菜をアルミ箔をしいたトースターに置き、加熱を始める。鍋の中身を多少かき回したら、グラスを二つ用意して佑奈のもとへ向かう。
「ウォーターサーバーがそこにあるから、使って」
「う、うん」
佑奈が立ち上がると、様々な料理の匂いが鼻孔をくすぐる。何が出てくるんだろうという期待をしながら、水を二人分用意してテーブルに戻る。
一方、佳子はまた鍋の中身をかき回すと、冷蔵庫からサラダを取り出す。それからパントリーに行き、オリーブオイルと塩を持ち出す。レンジとトースターが立て続けに温め完了の音を鳴らす。
「こっちも、もういいわね」
鍋の中身がふつふつと温まったことを確認し、深さのある皿へとよそう。よく煮込まれたその料理はビーフシチューであった。レンジで温めた鴨肉のローストを取り出し、トースターからはキッシュを取り出す。
「カトラリーはこれね」
ナイフとフォーク、それからスプーンの入った小さなカゴを二つ、テーブルに載せる。
料理を運ぶ佳子のぎこちない動きにそわそわとする佑奈だったが、サラダ、ロースト、キッシュ、そしてビーフシチューがテーブルに並べられると、その豪勢な香りにお腹がきゅぅと鳴いてしまった。とりわけ、湯気の立ち込めるビーフシチューは格別の香りで、佑奈は知らず知らずのうちに喉を鳴らしてしまう。
「バゲットもあるの」
佳子はそう言って、紙袋からカットされたバゲットを皿へと移す。紙袋に書かれた店名は市内でも有名なブーランジェリーのそれ、自身と縁遠いものばかりが並ぶ食卓に佑奈は少し気圧されてもいた。
「さぁ、食べましょう」
「い、いただきます」
ナイフとフォークでの食事に不慣れな佑奈は、佳子の所作を見ながら、それを真似るようにまずはサラダにフォークを突き立てる。オリーブオイルと塩だけで食べるサラダは、より野菜の味が実感できるような気がして、佑奈は感動を覚えていた。
「ま、毎日こんな感じの食事なの?」
「今日は少し豪華なくらいよ。だって、佑奈が来てくれるから。とはいっても、鴨やキッシュはスーパーのお惣菜だし、普段もよくお惣菜を食べているわ」
「そ、そうなんだ……でも、うん。鴨もキッシュもとても美味しい」
「うーん、あのスーパーだからかしら。ほら―――」
佳子が名前を挙げたスーパーは県内でも数少ない高級志向のスーパーで、佑奈はお店に入ったことすらなかった。
「料理は手伝いに来てくれてる遠い親戚が作ってくれるから、カレーとかビーフシチューみたいに一度にたくさん作れる料理が多いね。私、あまり量を食べる方じゃないから、何日か続いちゃうけれど」
佳子は食べ方がきれいだった。姿勢を崩さず、余計な音も立てない。けれど、それがまるで誰かに見られることを前提とした所作のようで、佑奈は少しだけ胸がチクリとした。きっと一人であってもマナーを崩すことなく、食事をしているのだろう、と。
「なんだか、普段より美味しいわね」
その声は少し小さくて、料理の美味しさに惚けていたら佑奈は聞き逃していたかもしれない。ただ、佳子の手元を見ていた佑奈はその声を聞き逃さなかった。
佑奈も、一時期は一人で夕食をとっていた。母が昼も夜も遮二無二に働いていた頃、佑奈は小さなテレビの前で寂しく食事をしていた。
しかし、佳子の家はダイニングとリビングが別れていて、ダイニングからテレビは見ようと思えば見えるが距離がある。それに、佳子の家はテレビを見ながら食事をする家庭ではなかった。広い部屋で一人食事をする佳子の寂しさに佑奈はただ、
「私も、佳子ちゃんと食べるご飯は美味しいよ」
そう伝えるのが精一杯だった。
「「ごちそうさまでした」」
きちんと挨拶をして食事を終えると、佳子は明日また親戚が片付けをするからと、そのままにするよう言ったが、佑奈は首を横に振った。
「用意してもらった以上、片付けは私がするよ」
「気を遣うことないよ」
「ううん。これくらいはやらせて。大丈夫、慣れているから」
「佑奈……家事、するんだね」
「まあ、お母さんと二人きりだし、お母さんの助けになりたいの」
幸い、スポンジや食器用洗剤は分かりやすい場所にあったため、佑奈は手早く洗い物をし始めた。ビーフシチューのお皿は水につけて後回しにし、鴨のローストを載せていた皿はキッチンペーパーで油を拭ってから洗う。佑奈のてきぱきとした手つきを、佳子はしばらく眺めていた。
「佑奈は料理も自分でできるの?」
「え? そうだね、簡単なものなら自分でも作れるよ」
「そっか。ふふ、佑奈の手料理……食べてみたいな」
その言葉にふっと佳子の方を向く佑奈、無邪気な笑みに思わず頷きそうになったが、今日食べた料理ほどの出来は自分には作れないと思わず吐露してしまう。
「いいの。私がそう思ったから。どんな料理より、誰と食べるかが大事だって、少しわかったきがするの」
「そっか。じゃあ、いつかね」
「えぇ、約束よ」
佳子の声は、どこかくすぐったそうだった。そっと絡めた小指に、温もりが伝わる。佑奈が指を動かすと、佳子もわずかに応じた。
それはほんの些細な仕草だったけれど、佑奈には、佳子がこの「約束」というものを、とても大切に思ってくれているのがわかった。だからこそ、佑奈はもう一度、ゆっくりと微笑んだ。
「うん、絶対ね」
佑奈が軽く伸びをすると、佳子もそれにつられるように背筋を伸ばし、小さく息を吐く。
「……お腹、空いてきたね」
「えぇ、そろそろ夕食にしましょう」
佳子が立ち上がり、佑奈をダイニングに案内する。シックなモノトーンで揃えらえたダイニングセットは四人掛けで、一つに佑奈を座らせると、佳子はキッチンへと向かった。
「なにか手伝うことはある?」
「ううん、温めるだけだから。待ってて」
佳子はIHコンロを操作し、鍋を温め始めると、パックのお惣菜を皿に移してレンジにかけた。また、別のお惣菜をアルミ箔をしいたトースターに置き、加熱を始める。鍋の中身を多少かき回したら、グラスを二つ用意して佑奈のもとへ向かう。
「ウォーターサーバーがそこにあるから、使って」
「う、うん」
佑奈が立ち上がると、様々な料理の匂いが鼻孔をくすぐる。何が出てくるんだろうという期待をしながら、水を二人分用意してテーブルに戻る。
一方、佳子はまた鍋の中身をかき回すと、冷蔵庫からサラダを取り出す。それからパントリーに行き、オリーブオイルと塩を持ち出す。レンジとトースターが立て続けに温め完了の音を鳴らす。
「こっちも、もういいわね」
鍋の中身がふつふつと温まったことを確認し、深さのある皿へとよそう。よく煮込まれたその料理はビーフシチューであった。レンジで温めた鴨肉のローストを取り出し、トースターからはキッシュを取り出す。
「カトラリーはこれね」
ナイフとフォーク、それからスプーンの入った小さなカゴを二つ、テーブルに載せる。
料理を運ぶ佳子のぎこちない動きにそわそわとする佑奈だったが、サラダ、ロースト、キッシュ、そしてビーフシチューがテーブルに並べられると、その豪勢な香りにお腹がきゅぅと鳴いてしまった。とりわけ、湯気の立ち込めるビーフシチューは格別の香りで、佑奈は知らず知らずのうちに喉を鳴らしてしまう。
「バゲットもあるの」
佳子はそう言って、紙袋からカットされたバゲットを皿へと移す。紙袋に書かれた店名は市内でも有名なブーランジェリーのそれ、自身と縁遠いものばかりが並ぶ食卓に佑奈は少し気圧されてもいた。
「さぁ、食べましょう」
「い、いただきます」
ナイフとフォークでの食事に不慣れな佑奈は、佳子の所作を見ながら、それを真似るようにまずはサラダにフォークを突き立てる。オリーブオイルと塩だけで食べるサラダは、より野菜の味が実感できるような気がして、佑奈は感動を覚えていた。
「ま、毎日こんな感じの食事なの?」
「今日は少し豪華なくらいよ。だって、佑奈が来てくれるから。とはいっても、鴨やキッシュはスーパーのお惣菜だし、普段もよくお惣菜を食べているわ」
「そ、そうなんだ……でも、うん。鴨もキッシュもとても美味しい」
「うーん、あのスーパーだからかしら。ほら―――」
佳子が名前を挙げたスーパーは県内でも数少ない高級志向のスーパーで、佑奈はお店に入ったことすらなかった。
「料理は手伝いに来てくれてる遠い親戚が作ってくれるから、カレーとかビーフシチューみたいに一度にたくさん作れる料理が多いね。私、あまり量を食べる方じゃないから、何日か続いちゃうけれど」
佳子は食べ方がきれいだった。姿勢を崩さず、余計な音も立てない。けれど、それがまるで誰かに見られることを前提とした所作のようで、佑奈は少しだけ胸がチクリとした。きっと一人であってもマナーを崩すことなく、食事をしているのだろう、と。
「なんだか、普段より美味しいわね」
その声は少し小さくて、料理の美味しさに惚けていたら佑奈は聞き逃していたかもしれない。ただ、佳子の手元を見ていた佑奈はその声を聞き逃さなかった。
佑奈も、一時期は一人で夕食をとっていた。母が昼も夜も遮二無二に働いていた頃、佑奈は小さなテレビの前で寂しく食事をしていた。
しかし、佳子の家はダイニングとリビングが別れていて、ダイニングからテレビは見ようと思えば見えるが距離がある。それに、佳子の家はテレビを見ながら食事をする家庭ではなかった。広い部屋で一人食事をする佳子の寂しさに佑奈はただ、
「私も、佳子ちゃんと食べるご飯は美味しいよ」
そう伝えるのが精一杯だった。
「「ごちそうさまでした」」
きちんと挨拶をして食事を終えると、佳子は明日また親戚が片付けをするからと、そのままにするよう言ったが、佑奈は首を横に振った。
「用意してもらった以上、片付けは私がするよ」
「気を遣うことないよ」
「ううん。これくらいはやらせて。大丈夫、慣れているから」
「佑奈……家事、するんだね」
「まあ、お母さんと二人きりだし、お母さんの助けになりたいの」
幸い、スポンジや食器用洗剤は分かりやすい場所にあったため、佑奈は手早く洗い物をし始めた。ビーフシチューのお皿は水につけて後回しにし、鴨のローストを載せていた皿はキッチンペーパーで油を拭ってから洗う。佑奈のてきぱきとした手つきを、佳子はしばらく眺めていた。
「佑奈は料理も自分でできるの?」
「え? そうだね、簡単なものなら自分でも作れるよ」
「そっか。ふふ、佑奈の手料理……食べてみたいな」
その言葉にふっと佳子の方を向く佑奈、無邪気な笑みに思わず頷きそうになったが、今日食べた料理ほどの出来は自分には作れないと思わず吐露してしまう。
「いいの。私がそう思ったから。どんな料理より、誰と食べるかが大事だって、少しわかったきがするの」
「そっか。じゃあ、いつかね」
「えぇ、約束よ」
佳子の声は、どこかくすぐったそうだった。そっと絡めた小指に、温もりが伝わる。佑奈が指を動かすと、佳子もわずかに応じた。
それはほんの些細な仕草だったけれど、佑奈には、佳子がこの「約束」というものを、とても大切に思ってくれているのがわかった。だからこそ、佑奈はもう一度、ゆっくりと微笑んだ。
「うん、絶対ね」
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