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第4章 魔王視点
第4話:ノアールの回想①
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セレがまた王城の任務に出かけた。俺は鎖に繋がれたまま、冷たい石の床に座り、窓のない教会の薄暗さの中で、セレが残していった小さな焚火の光だけを見つめていた。
彼は、俺の孤独を埋めるために、俺を話し相手として必要としている。だが、俺が耐え難いのは、彼の孤独の原因が、すべて俺の罪にあるという事実だった。
(あの予言が、すべてを狂わせた)
俺は、目を閉じた。それは、俺がまだ5歳だった頃の、遠い記憶だ。
『万象を喰らう者(アルマゲ・イーテル)』。その御子は、成人する前に世界を闇に沈めるだろう。
そう、神殿で告げられた俺は、森の中の屋敷に閉じ込められた。たまに大人が来ていたが態度は冷たく、成長するにつれ頻度は減り、ここ数年は来ていなかった。
どんなに冷たくあしらわれても、彼らは自分以外の唯一の人だったので、俺は必死に好かれようと頑張った。だが、あんな予言を受けた自分じゃ、無理だったらしい。
そんな8歳の頃、森の中にセレを見つけた。瀕死の状態で横たわる彼を、俺は夢中で助けた。自分は魔王になんてならず、人を助けられる存在になれるんだ!という自分への思い込みと、たまに来てくれる大人に褒められたくて頑張った剣術を活かし、見事魔物を討ち倒せた。
自分と同年代の子供、そして、自分に冷たい視線を送らない人間を見たのは初めてだった。俺は、初めての、強烈な欲望を抱いた。
自分の手の中に閉じ込めておきたい。
こんな自分勝手な感情、まさに魔王ではないかと思ったが、欲望は止められなかった。助けた子に首輪をつけ、絶対離さないと告げた。俺は、3年間、セレに独占的な愛情を注いだ。
だから、きっと罰が当たったのだ。11歳になる直前、久しぶりに来た大人にセレの存在が見つかってしまった。
騎士団長に、「魔王となったお前が触れれば、この少年は死ぬだろう」と言われ、俺の身体は固まった。何も考えられなくなり、気づいた時にはもう大人の姿もセレの姿もなかった。
そこからは地獄の日々だった。
森の中に再び訪れた孤独。昔なら耐えられたかもしれないが、セレという温もりを知ってしまった今、とてもじゃないが耐えられるものではなかった。そうして、俺の闇の力は加速度的に強まり、眠れない日も多かった。
だが、俺がこの力に溺れてしまうと、人々を傷つける魔王になってしまう。もしかしたらどこかで暮らしているセレを、自分が傷つけてしまうかもしれない。そんなことは耐えられない、と日々ボロボロになりながらも、俺は自己滅却の意志で闇に耐え続けていた。
そして、ついにこの身が裁かれる日が来た。
彼は、俺の孤独を埋めるために、俺を話し相手として必要としている。だが、俺が耐え難いのは、彼の孤独の原因が、すべて俺の罪にあるという事実だった。
(あの予言が、すべてを狂わせた)
俺は、目を閉じた。それは、俺がまだ5歳だった頃の、遠い記憶だ。
『万象を喰らう者(アルマゲ・イーテル)』。その御子は、成人する前に世界を闇に沈めるだろう。
そう、神殿で告げられた俺は、森の中の屋敷に閉じ込められた。たまに大人が来ていたが態度は冷たく、成長するにつれ頻度は減り、ここ数年は来ていなかった。
どんなに冷たくあしらわれても、彼らは自分以外の唯一の人だったので、俺は必死に好かれようと頑張った。だが、あんな予言を受けた自分じゃ、無理だったらしい。
そんな8歳の頃、森の中にセレを見つけた。瀕死の状態で横たわる彼を、俺は夢中で助けた。自分は魔王になんてならず、人を助けられる存在になれるんだ!という自分への思い込みと、たまに来てくれる大人に褒められたくて頑張った剣術を活かし、見事魔物を討ち倒せた。
自分と同年代の子供、そして、自分に冷たい視線を送らない人間を見たのは初めてだった。俺は、初めての、強烈な欲望を抱いた。
自分の手の中に閉じ込めておきたい。
こんな自分勝手な感情、まさに魔王ではないかと思ったが、欲望は止められなかった。助けた子に首輪をつけ、絶対離さないと告げた。俺は、3年間、セレに独占的な愛情を注いだ。
だから、きっと罰が当たったのだ。11歳になる直前、久しぶりに来た大人にセレの存在が見つかってしまった。
騎士団長に、「魔王となったお前が触れれば、この少年は死ぬだろう」と言われ、俺の身体は固まった。何も考えられなくなり、気づいた時にはもう大人の姿もセレの姿もなかった。
そこからは地獄の日々だった。
森の中に再び訪れた孤独。昔なら耐えられたかもしれないが、セレという温もりを知ってしまった今、とてもじゃないが耐えられるものではなかった。そうして、俺の闇の力は加速度的に強まり、眠れない日も多かった。
だが、俺がこの力に溺れてしまうと、人々を傷つける魔王になってしまう。もしかしたらどこかで暮らしているセレを、自分が傷つけてしまうかもしれない。そんなことは耐えられない、と日々ボロボロになりながらも、俺は自己滅却の意志で闇に耐え続けていた。
そして、ついにこの身が裁かれる日が来た。
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