202 / 260
世界の始まり ⑤
しおりを挟む
「‥‥ネクターが戻って来ない」
女神マシェルは小さな声で呟いた
大陸中部の領主宛てにお使いを頼まれたネクターだが、もうかれこれ4年は帰って来てはいない。よく長い事帰ってこないことはあったが、これほど長く戻らない事は今までなかった。
いつもだったら‥‥
『ただいま、サーナ、マシェル』
と言って既に帰って来てもおかしくはなかった。帰って来るや否や二人に抱きついてくるネクターだが、今の所帰ってくる気配は無い。
この4年間ずっと大陸の東部辺りにネクターの反応がある。いつも似たような場所をうろうろと彷徨っている様だが、これほど長い間同じような場所にいるのはマシェルからしたら不思議だった。
常に落ち着きのない感じであっちこっちへと飛び回っていたはずなのだが‥‥
「‥‥何か特別な物でも見つけたのでしょうか?」
一度サーナにネクターの事を尋ねてみたが
「あの子の好きにさせてあげて」
と帰ってきた。サーナがそう言うなら私もそうさせてあげようと、連れ戻すことはしなかった。
どの道大陸の東部にいるのだからその内に帰って来るのだろう
その時はそう思っていた
◆◇
「おいヴァン、何見てるんだ」
肉から油がしたたり落ち、辺りに香ばしい匂いが立ち込める。もうすぐ焼けるというのに名を呼ばれた男は空をずっと見ていた。
身長は2メートルを超え、腕や足は太い丸太のような太さの手足に筋肉が詰め込まれており、体にはいくつもの戦いで出来ただろう傷が刻まれていた
ヴァンは名を呼ばれても返事をせずただ空を見ている
返事もしない彼をほっとき、もう1人の男は肉が焦げてしまわないようクルクルと火の上で肉を回す。焦げ目がついてくる肉を見ていると笑みと共に涎が口の中に溢れてくる
「よし、焼けたか。ヴァン出来たぞ、おいヴァン!」
反応しない彼の腕を小突き、その手に無理やり焼いた肉をもたせた
「まったく、なんで俺がお前の食い物の世話をしなくちゃなんねーんだ」
文句を言いながら男は自分が焼いた肉を口にする
「んーっ、うめぇなあやっぱ」
男の口の周りにはヌラヌラとした油が唇を覆う
「やっぱり丸々と肥えた肉は美味い! だからいつまで空見てるんだよ、早く食えよ」
「ああ‥‥」
手にはもう肉があるというのにヴァンは空を見つめたままだった
「チッ‥‥だからさぁ、お前は何を見てるんだって━━ば!」
男は足で強めにヴァンの体を押した
「お、おお、おいやめろよ‥‥」
「やめろじゃないよっ! 早く食えよ」
「え? 何を?」
「ん!」
男はヴァンの持っている肉を指さす
「ん? お、おお? いつの間に」
本人の知らぬ間に手に持っていた肉に驚く
「いつの間にじゃ無いよ、まったく、お前はこの間からずっと空ばっかり見てるけど何見てんだよ、空を見てても腹は膨れないんだよ、早く食えよ」
「ああ、いや‥‥この間から━━」
ヴァンは言いかけて手に持っていた肉を口にする
「この間から?」
モグモグモグモグ パクッ モグモグモグモグ パクッ
「‥‥」
モグモグゴックン! パクッ
「食ってんじゃねーよ!」
男はヴァンの体を思い切り蹴飛ばした
「な、何だよいきなり」
蹴られた衝撃で落としそうになった食べかけの肉を、何とか落とさずに済んだヴァンは蹴ってきた男に抗議する
「だからさ! 何でお前は空ばっかり見てるんだよって言ってんだよ!」
「空? ああ、空か‥‥」
「なに? 食えそうな鳥でも飛んでたか?」
「いや‥‥それがさ」
「ん?」
「天使が飛んでるんだよな‥‥ずっと同じところを」
「あ?」
「だからさ、いつも同じ方向に向かって飛んでるんだよ、ほとんど、毎日」
「だからなに?」
「飛んで行ってる場所に行けば捕まえられるんじゃないかな‥‥天使を」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥どっち飛んで行った?」
ヴァンは天使が飛んで行った方角を指さす
「‥‥行くぞ」
「ああ」
二人は食べかけの肉を無理やり口に入れると立ち上がり、天使が向かったという場所へ歩き出した。その二人が居た場所には焚火の後と、一体の人の死体だけが残されていた
◆◇◆◇
「うーん、帰れない」
天使ネクターが最初にその言葉を発してから4年たった。今日も空を見上げるがまだ迎えは来ない
「遅いなーマシェルは」
袋に入ったお菓子を食べながらネクターは呟く
事は4年前、瀕死のヒュケイを助けたのが原因だった。
ネクターは自ら持つ能力を切り離し世界に魔法陣を敷いて行った。魂こそカネオンが作ったものの、器である体はサーナが作ったものだった。
つまり、魂は最高のものだが、体はそれよりも劣る。それにより魂が体に入りきらず溢れ、ネクターの体はとても不完全なものになってしまった。
サーナとマシェルは、創造主であるユーサリーとカネオンが魂と器を作ったため、地上に魔法陣をいくら設置するにしても何ら問題はないが、ネクターは不完全な存在であるがために、その魂を切り離して魔法陣を設置するしかなかった。
その為、ネクターの体からは魔法陣を設置する度にそれと同じ能力を失っていった
そしてヒュケイに分け与えた能力とは、天使の源ともいえる力そのものだった。様々な魔法陣を地上に設置したネクターはその能力を今の段階でほぼ消失しており、残されているのは『飛翔』の能力のみとなってしまった。
それがネクターの最後の能力であった
天使の根源である力を分け与えてしまったネクターは、天界に戻る術を失ってしまいこうして空を見上げていた。
そうすればいつかマシェルが迎えに来てくれるだろうと‥‥
マシェルの迎えが来ない事に当のネクターは寂しがっているかと言えばそうでもない。人と違い長い時を生きて来たネクター達にとって、4年と言う歳月はほんの数分の出来事という感覚だった。なのでネクターからして見ればそのうち来るだろう、ぐらいでしかなかった
そしてネクターが今いる場所は、人々が『天使の隠れ家』と呼んでいる場所であった。周囲からは普通の景色にしか見えないが、一歩足を踏み入れるとそこは特別な空間が広がっている。外から中の様子がうかがえない事と、その場所は天使ネクターが作ったという事もあり『天使の隠れ家』と呼ばれるようになっていた。
ただし、見つけるのは極めて困難で、一度見つけても余程分かりやすい目印でもなければ二度と入れないような場所でもある
マシェルを待つネクターがいる『天使の隠れ家』、この場所は大陸の西部に位置してあり、特別な場所でもあった。人の住む家の様な建物があり、小さいながらも小川が流れており、そこに魚も住み着いていた。
ネクターが人のように生活がしたいと女神マシェルにお願いし、家や小川などを作ってもらったのだが、ネクターの説明が子供だからかとても伝えるのが下手であり、作ったマシェルもこういった作用は不得意であったため、似てはいるがどことなくズレた感じに完成してしまった。
それでも二人の創造主であるカネオンの性格を二人とも受け継いでいるせいか?、「まあこれでいいだろう」と互いに納得し、結果こうなってしまった。
そしてネクターはマシェルにこの場所が完成した時こう伝えている
「僕がサーナに怒られたりしたらここにいるから迎えに来てね」
そう言ってある。これはつまり謝るとしたらマシェルも一緒に謝ってね、という事でもある
「‥‥‥‥分かりました」
と答えるマシェルは少しだけ思う所もあるのだが、何故かネクターのお願いには断る事が出来ないでいた
そんな訳でネクターは朝になったら教会に行きお金を貰い、次に甘いお菓子を売っているお店に出向いてお菓子を買い込みこの場所に戻って来るというのを繰り返していた。
そして2年程前から、いろんな都市で甘いお菓子が売られるようになり、ネクターは毎日いろんなお菓子を探し求め空を飛んでいる。
日を追うごとに増えていく甘いお菓子に、明日はどこへ行こうかと頭を巡らす。その時にはマシェルの事などとうに忘れていた
そんな時、足音が聞こえてくる。それも数は多くどうやら音からして人の足音であり、かなりの人数がいるようだった。
この場所はネクターが作った場所ではあるが、人の立ち入りを禁じてはいない。入って来るのなら入ってくればいいし、ネクターがいる時に偶然入ってきた人は大体ネクターと話をしたがる。
ネクターも別に話すのは嫌いではなく、むしろ好きな方なので積極的に人とのかかわりを持っていた
さて、今日はどんな人がやって来てどんな話を聞きたがるのかな?
そう考えていると、10人以上の大人の男達が手には武器を持ちネクターの前に現れた。
人はよく人同士で争っており、この人達も争っている最中に迷い込んだんだろうと考えた
「やあ、迷い込んだのかい?」
ニコニコ顔がその男達に声を掛ける
だが男達は返事もせず、そのままネクターの元に歩いてきて━━
━━その武器をネクターに向け、振り上げた
◆◇
「痛い!」
ネクターの口から悲鳴のような声が発せられる
「やめて! 何でそんなことをするの!?」
やめてとお願いしても男達はネクターの体を切り刻んだ。短い刃物で切りつけ、その刃物に付いた血や肉を自分の口に運ぶ。
ネクターは痛みを堪え必死で逃げるが、体の小さいネクターが大きな大人の男達の足では直ぐに追いつかれまた切られる。空に逃げようとしても直ぐに大きな剣を持った男に叩き落され、逃げることも出来なかった
「おいヴァン、いい加減首を刎ねろ、いつ女神が降りて来るか分からないんだぞ」
「そうだな、直ぐに刎ねよう」
ヴァンと呼ばれたひと際体の大きな男は、その手にその体に負けぬような大きな大剣を持つ。
その長さはネクターの身長を軽く超え、剣幅が異様なくらい広く、柄の部分には楕円形の輪が鎖のように3つ繋がっている模様を持つ大剣だった。
余程の力がなければ到底振る事の出来ぬ大剣を、ヴァンは振り上げた
「ねえ! どうして!? どうして僕にそんなひどい事をするの!? お願いだから痛い事をしないでよ!」
必死に男に対し助けを求めるが、それを無視した男の大剣を見た時ネクターの体は硬直した。
多数の悪意のある人間に囲まれ、逃げることもままならず、何故自分がこんな痛い思いをしなければならないのか? 今まで人が幸せに暮らせるよう自分が頑張ってきたのにどうして? 何故?
ヴァンが持つ大剣はネクターの言葉を無視し、そのままその首に向かい振り下ろされた
その瞬間、天使ネクターの魂には初めて人に対しての憎しみと言う感情が湧きだしていた。それは大河になる前の源流のように
◆◇
「我らは天使の力を力を手に入れた! 皆もその力を取り入れさらに強くなるのだ!」
長老が声高く叫ぶと、広場にいた住人達は歓声を上げた
その集落は人が住む場所から見つからぬように作られており、いまや移転門のおかげで世界中に一瞬で行ける時代になっても彼らはそれを拒むよう隠れて暮らしていた。
彼らは独自の考え方を持つ者達で、強い者をその体に取り込めば自分達もその者と同じ強さを持つことが出来ると思い込んでいた。
その為、彼らは動物はもちろんの事、人もその食料の対象であった。
表向き良い人間を装い食料となりえる者をおびき寄せ、そして殺害しその肉を喰らう。それが彼らのやり方であった。
だが、流石に同じ場所でそれを繰り返していれば必ずしっぺ返しが来る、それを分かっていた彼らは時折移転門を使い、他の都市へ赴き人を殺めたりもしていた
そして、彼らはついに普通なら禁忌とされている神殺しをしてしまう。
だがその禁忌も彼らには通用しない、そもそも彼らは神など元より信じてはいなかった。自分達が信じるのは己の力のみ
「英雄ヴァン・ギエルよ、お前が見つけなければ今この時を迎えることは出来なかった。お前が最初にその肉を口にするとよい」
「うむ」
ヴァン・ギエルと呼ばれたひと際大きな体を持つ男は、長老に頭を軽く下げると、天使ネクターの頭を煮込んでいる鍋、そこから若い女性がよそおった器を受け取ろうとする。
天使ネクターを見つけ、止めを刺したヴァン・ギエルは今や集落の英雄となっていた。男達からは尊敬を集め、女たちからは熱い視線を受ける。
この英雄は恐らく次の長老へとなるだろう、皆がそう心の中で思っていた。若い女性からその器を受け取ろうとした時、女性はその手を離さなかった。それどころかヴァンの指にそっと触れてくる
「ん?」
驚いたヴァンが女性の顔を見ると、顔を赤くして下にうつ向いている
「あ、ん、んー」
器を受け取っても離そうとしない女性に対し、ヴァンもその顔を赤く染めてうつ向いてしまった
それを見ていたほとんどの周りの男達からはニヤニヤとした表情で見られてしまう、その中で一人だけ悲しそうに見ている男もいたが‥‥
一方、女性達はその二人を見て憤怒の表情を浮かべていた
互いに動きが止まってしまった二人を見かねて長老が口を挟む
「それは後にしておけ、皆が待ってるんだぞ」
「「あっ‥‥」」
我に返った二人はパッと距離を取った
まだ顔が赤いヴァンだが、まずは最初に自分が口を付けなければならない、だから受け取った器に口を付け、そのまま飲み込んだ。これで自分達は天使の力も手に入れたと喜びの感情を胸に
「さあ! 英雄が口にした! 次は皆もその力を取り込むんだ!」
長老の言葉に他の者も競うように鍋に群がり、天使の力を取り込もうとする
皆に平等に鍋は行き渡り、全員が食べ終わった時だった
「う゛っ! ブフォッ!」
鍋を食べ終わった全員の体が硬直し、それと共に激しい痙攣をおこす。呼吸も途切れ途切れになり体中から汗が吹き出して来た。
それはヴァンも同じであった。鍛え抜かれたその体も動かなくなり、激しい頭痛がヴァンを襲う。頭を砕かれる様な、もしくは頭の中をほじくり返されているような激しい痛みだった
彼らは天使ネクターの力を食べる事で確実に手に入れた。だが、そもそもネクターは魂をカネオン、器となる体をサーナが作った。
ネクター自身、体が余りにも強い魂を受け入れられず、体が不安定な状態だったのだ。その力を更に弱い者が受け取ろうとしても到底無理な話であった。
更にネクターが首を刎ねられる直前に思った感情、『恐怖』『憎しみ』が強く影響し、彼らの思考すら歪めてゆく。
それは、後の世にも続く呪いにも似た姿と性格に変貌する
「う、うううう、ああああああああ!」
頭痛は更に酷くなり、そして‥‥
頭は急激に肥大化していった
その肥大化した頭はまるで目印のように‥‥
ここにいるぞ‥‥と
◆◇
そこには首の無い天使の体がそのまま放置されていた。
首だけを持ち帰えられ、残ったのは傷ついた体だけだった
人は死んだら魂がその体から抜け、世界を覆う魔力へと変換される。
それは天使も一緒だった。その体から抜け魔力に変わるはずだった
だが魂はまだその体からは抜けていなかった
ピクリとその指先が動く、そして指から手のひら、腕へと徐々に動きそしてゆっくりと立ち上がった。首の無いその体にはもう思考する力などない。ただ魂の本能、人では無い者の力によって立ち上がった
そして魂はこう告げる
『力を取り戻す』
『一つに戻る』
その頭の無い傷ついた体は歩き出す
天使の根源がある東を目指し、あの時ヒュケイに渡した天使の力を取り戻す為に
・・・・
・・
一歩一歩その傷ついた体は歩き続けた。もう既に傷ついた体からは血は流れていない。
流れる血などもう残っては無い、体に黒くこびりつく血だけが残されているばかり、その体はただ東を目指した。
根源を求めて
「うわぁぁぁぁ! 化物だぁぁぁ!」
体は東を目指したが、その際一つの小さな都市に入った。
急に現れた首の無い死体が歩いている、それを見たその都市の住人達はそのおぞましい姿に恐怖する。その姿に恐れた住人たちは、それを退治しようと魔法を放ち石を投げつける。ある者は都市を守る兵士を呼びに行くために走って行く
魔法をぶつけられ、石を投げられたネクターに思考も痛みも感じない、だが魂の記憶が叫ぶ
『どうしてそんなひどい事をするの』
『お願いだから痛い事をしないで』
魔法で体は崩れ、繋がっていた腕や足は千切れボロボロになってゆく。
そして死ぬ前の記憶が魂に呼び戻される
大勢の者に囲まれる『恐怖』を
初めて宿った『憎しみ』を
その『恐怖』と『憎しみ』は徐々に大きくなってゆく
するとネクターの体から赤黒い霧が吹き出しだす、その霧は千切れた腕と足を繋ぎとめるように支え、破損した部位を庇うように覆ってゆく。
その霧は破損した部分を覆うと、今度は頭のあった部分に集まり黒い兜の様な見た目へと変貌した
姿が変貌すると同じくネクターの魂に刻まれた『恐怖』『憎しみ』は更に大きくなる。源流だった物が少しずつ集まり、それが小さな川になる様に‥‥
だがそれだけでは収まらなかった。その源流だった物は川となり、更に大河と変え
そして‥‥
『都市グラースオルグ』を飲み込んだ
女神マシェルは小さな声で呟いた
大陸中部の領主宛てにお使いを頼まれたネクターだが、もうかれこれ4年は帰って来てはいない。よく長い事帰ってこないことはあったが、これほど長く戻らない事は今までなかった。
いつもだったら‥‥
『ただいま、サーナ、マシェル』
と言って既に帰って来てもおかしくはなかった。帰って来るや否や二人に抱きついてくるネクターだが、今の所帰ってくる気配は無い。
この4年間ずっと大陸の東部辺りにネクターの反応がある。いつも似たような場所をうろうろと彷徨っている様だが、これほど長い間同じような場所にいるのはマシェルからしたら不思議だった。
常に落ち着きのない感じであっちこっちへと飛び回っていたはずなのだが‥‥
「‥‥何か特別な物でも見つけたのでしょうか?」
一度サーナにネクターの事を尋ねてみたが
「あの子の好きにさせてあげて」
と帰ってきた。サーナがそう言うなら私もそうさせてあげようと、連れ戻すことはしなかった。
どの道大陸の東部にいるのだからその内に帰って来るのだろう
その時はそう思っていた
◆◇
「おいヴァン、何見てるんだ」
肉から油がしたたり落ち、辺りに香ばしい匂いが立ち込める。もうすぐ焼けるというのに名を呼ばれた男は空をずっと見ていた。
身長は2メートルを超え、腕や足は太い丸太のような太さの手足に筋肉が詰め込まれており、体にはいくつもの戦いで出来ただろう傷が刻まれていた
ヴァンは名を呼ばれても返事をせずただ空を見ている
返事もしない彼をほっとき、もう1人の男は肉が焦げてしまわないようクルクルと火の上で肉を回す。焦げ目がついてくる肉を見ていると笑みと共に涎が口の中に溢れてくる
「よし、焼けたか。ヴァン出来たぞ、おいヴァン!」
反応しない彼の腕を小突き、その手に無理やり焼いた肉をもたせた
「まったく、なんで俺がお前の食い物の世話をしなくちゃなんねーんだ」
文句を言いながら男は自分が焼いた肉を口にする
「んーっ、うめぇなあやっぱ」
男の口の周りにはヌラヌラとした油が唇を覆う
「やっぱり丸々と肥えた肉は美味い! だからいつまで空見てるんだよ、早く食えよ」
「ああ‥‥」
手にはもう肉があるというのにヴァンは空を見つめたままだった
「チッ‥‥だからさぁ、お前は何を見てるんだって━━ば!」
男は足で強めにヴァンの体を押した
「お、おお、おいやめろよ‥‥」
「やめろじゃないよっ! 早く食えよ」
「え? 何を?」
「ん!」
男はヴァンの持っている肉を指さす
「ん? お、おお? いつの間に」
本人の知らぬ間に手に持っていた肉に驚く
「いつの間にじゃ無いよ、まったく、お前はこの間からずっと空ばっかり見てるけど何見てんだよ、空を見てても腹は膨れないんだよ、早く食えよ」
「ああ、いや‥‥この間から━━」
ヴァンは言いかけて手に持っていた肉を口にする
「この間から?」
モグモグモグモグ パクッ モグモグモグモグ パクッ
「‥‥」
モグモグゴックン! パクッ
「食ってんじゃねーよ!」
男はヴァンの体を思い切り蹴飛ばした
「な、何だよいきなり」
蹴られた衝撃で落としそうになった食べかけの肉を、何とか落とさずに済んだヴァンは蹴ってきた男に抗議する
「だからさ! 何でお前は空ばっかり見てるんだよって言ってんだよ!」
「空? ああ、空か‥‥」
「なに? 食えそうな鳥でも飛んでたか?」
「いや‥‥それがさ」
「ん?」
「天使が飛んでるんだよな‥‥ずっと同じところを」
「あ?」
「だからさ、いつも同じ方向に向かって飛んでるんだよ、ほとんど、毎日」
「だからなに?」
「飛んで行ってる場所に行けば捕まえられるんじゃないかな‥‥天使を」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥どっち飛んで行った?」
ヴァンは天使が飛んで行った方角を指さす
「‥‥行くぞ」
「ああ」
二人は食べかけの肉を無理やり口に入れると立ち上がり、天使が向かったという場所へ歩き出した。その二人が居た場所には焚火の後と、一体の人の死体だけが残されていた
◆◇◆◇
「うーん、帰れない」
天使ネクターが最初にその言葉を発してから4年たった。今日も空を見上げるがまだ迎えは来ない
「遅いなーマシェルは」
袋に入ったお菓子を食べながらネクターは呟く
事は4年前、瀕死のヒュケイを助けたのが原因だった。
ネクターは自ら持つ能力を切り離し世界に魔法陣を敷いて行った。魂こそカネオンが作ったものの、器である体はサーナが作ったものだった。
つまり、魂は最高のものだが、体はそれよりも劣る。それにより魂が体に入りきらず溢れ、ネクターの体はとても不完全なものになってしまった。
サーナとマシェルは、創造主であるユーサリーとカネオンが魂と器を作ったため、地上に魔法陣をいくら設置するにしても何ら問題はないが、ネクターは不完全な存在であるがために、その魂を切り離して魔法陣を設置するしかなかった。
その為、ネクターの体からは魔法陣を設置する度にそれと同じ能力を失っていった
そしてヒュケイに分け与えた能力とは、天使の源ともいえる力そのものだった。様々な魔法陣を地上に設置したネクターはその能力を今の段階でほぼ消失しており、残されているのは『飛翔』の能力のみとなってしまった。
それがネクターの最後の能力であった
天使の根源である力を分け与えてしまったネクターは、天界に戻る術を失ってしまいこうして空を見上げていた。
そうすればいつかマシェルが迎えに来てくれるだろうと‥‥
マシェルの迎えが来ない事に当のネクターは寂しがっているかと言えばそうでもない。人と違い長い時を生きて来たネクター達にとって、4年と言う歳月はほんの数分の出来事という感覚だった。なのでネクターからして見ればそのうち来るだろう、ぐらいでしかなかった
そしてネクターが今いる場所は、人々が『天使の隠れ家』と呼んでいる場所であった。周囲からは普通の景色にしか見えないが、一歩足を踏み入れるとそこは特別な空間が広がっている。外から中の様子がうかがえない事と、その場所は天使ネクターが作ったという事もあり『天使の隠れ家』と呼ばれるようになっていた。
ただし、見つけるのは極めて困難で、一度見つけても余程分かりやすい目印でもなければ二度と入れないような場所でもある
マシェルを待つネクターがいる『天使の隠れ家』、この場所は大陸の西部に位置してあり、特別な場所でもあった。人の住む家の様な建物があり、小さいながらも小川が流れており、そこに魚も住み着いていた。
ネクターが人のように生活がしたいと女神マシェルにお願いし、家や小川などを作ってもらったのだが、ネクターの説明が子供だからかとても伝えるのが下手であり、作ったマシェルもこういった作用は不得意であったため、似てはいるがどことなくズレた感じに完成してしまった。
それでも二人の創造主であるカネオンの性格を二人とも受け継いでいるせいか?、「まあこれでいいだろう」と互いに納得し、結果こうなってしまった。
そしてネクターはマシェルにこの場所が完成した時こう伝えている
「僕がサーナに怒られたりしたらここにいるから迎えに来てね」
そう言ってある。これはつまり謝るとしたらマシェルも一緒に謝ってね、という事でもある
「‥‥‥‥分かりました」
と答えるマシェルは少しだけ思う所もあるのだが、何故かネクターのお願いには断る事が出来ないでいた
そんな訳でネクターは朝になったら教会に行きお金を貰い、次に甘いお菓子を売っているお店に出向いてお菓子を買い込みこの場所に戻って来るというのを繰り返していた。
そして2年程前から、いろんな都市で甘いお菓子が売られるようになり、ネクターは毎日いろんなお菓子を探し求め空を飛んでいる。
日を追うごとに増えていく甘いお菓子に、明日はどこへ行こうかと頭を巡らす。その時にはマシェルの事などとうに忘れていた
そんな時、足音が聞こえてくる。それも数は多くどうやら音からして人の足音であり、かなりの人数がいるようだった。
この場所はネクターが作った場所ではあるが、人の立ち入りを禁じてはいない。入って来るのなら入ってくればいいし、ネクターがいる時に偶然入ってきた人は大体ネクターと話をしたがる。
ネクターも別に話すのは嫌いではなく、むしろ好きな方なので積極的に人とのかかわりを持っていた
さて、今日はどんな人がやって来てどんな話を聞きたがるのかな?
そう考えていると、10人以上の大人の男達が手には武器を持ちネクターの前に現れた。
人はよく人同士で争っており、この人達も争っている最中に迷い込んだんだろうと考えた
「やあ、迷い込んだのかい?」
ニコニコ顔がその男達に声を掛ける
だが男達は返事もせず、そのままネクターの元に歩いてきて━━
━━その武器をネクターに向け、振り上げた
◆◇
「痛い!」
ネクターの口から悲鳴のような声が発せられる
「やめて! 何でそんなことをするの!?」
やめてとお願いしても男達はネクターの体を切り刻んだ。短い刃物で切りつけ、その刃物に付いた血や肉を自分の口に運ぶ。
ネクターは痛みを堪え必死で逃げるが、体の小さいネクターが大きな大人の男達の足では直ぐに追いつかれまた切られる。空に逃げようとしても直ぐに大きな剣を持った男に叩き落され、逃げることも出来なかった
「おいヴァン、いい加減首を刎ねろ、いつ女神が降りて来るか分からないんだぞ」
「そうだな、直ぐに刎ねよう」
ヴァンと呼ばれたひと際体の大きな男は、その手にその体に負けぬような大きな大剣を持つ。
その長さはネクターの身長を軽く超え、剣幅が異様なくらい広く、柄の部分には楕円形の輪が鎖のように3つ繋がっている模様を持つ大剣だった。
余程の力がなければ到底振る事の出来ぬ大剣を、ヴァンは振り上げた
「ねえ! どうして!? どうして僕にそんなひどい事をするの!? お願いだから痛い事をしないでよ!」
必死に男に対し助けを求めるが、それを無視した男の大剣を見た時ネクターの体は硬直した。
多数の悪意のある人間に囲まれ、逃げることもままならず、何故自分がこんな痛い思いをしなければならないのか? 今まで人が幸せに暮らせるよう自分が頑張ってきたのにどうして? 何故?
ヴァンが持つ大剣はネクターの言葉を無視し、そのままその首に向かい振り下ろされた
その瞬間、天使ネクターの魂には初めて人に対しての憎しみと言う感情が湧きだしていた。それは大河になる前の源流のように
◆◇
「我らは天使の力を力を手に入れた! 皆もその力を取り入れさらに強くなるのだ!」
長老が声高く叫ぶと、広場にいた住人達は歓声を上げた
その集落は人が住む場所から見つからぬように作られており、いまや移転門のおかげで世界中に一瞬で行ける時代になっても彼らはそれを拒むよう隠れて暮らしていた。
彼らは独自の考え方を持つ者達で、強い者をその体に取り込めば自分達もその者と同じ強さを持つことが出来ると思い込んでいた。
その為、彼らは動物はもちろんの事、人もその食料の対象であった。
表向き良い人間を装い食料となりえる者をおびき寄せ、そして殺害しその肉を喰らう。それが彼らのやり方であった。
だが、流石に同じ場所でそれを繰り返していれば必ずしっぺ返しが来る、それを分かっていた彼らは時折移転門を使い、他の都市へ赴き人を殺めたりもしていた
そして、彼らはついに普通なら禁忌とされている神殺しをしてしまう。
だがその禁忌も彼らには通用しない、そもそも彼らは神など元より信じてはいなかった。自分達が信じるのは己の力のみ
「英雄ヴァン・ギエルよ、お前が見つけなければ今この時を迎えることは出来なかった。お前が最初にその肉を口にするとよい」
「うむ」
ヴァン・ギエルと呼ばれたひと際大きな体を持つ男は、長老に頭を軽く下げると、天使ネクターの頭を煮込んでいる鍋、そこから若い女性がよそおった器を受け取ろうとする。
天使ネクターを見つけ、止めを刺したヴァン・ギエルは今や集落の英雄となっていた。男達からは尊敬を集め、女たちからは熱い視線を受ける。
この英雄は恐らく次の長老へとなるだろう、皆がそう心の中で思っていた。若い女性からその器を受け取ろうとした時、女性はその手を離さなかった。それどころかヴァンの指にそっと触れてくる
「ん?」
驚いたヴァンが女性の顔を見ると、顔を赤くして下にうつ向いている
「あ、ん、んー」
器を受け取っても離そうとしない女性に対し、ヴァンもその顔を赤く染めてうつ向いてしまった
それを見ていたほとんどの周りの男達からはニヤニヤとした表情で見られてしまう、その中で一人だけ悲しそうに見ている男もいたが‥‥
一方、女性達はその二人を見て憤怒の表情を浮かべていた
互いに動きが止まってしまった二人を見かねて長老が口を挟む
「それは後にしておけ、皆が待ってるんだぞ」
「「あっ‥‥」」
我に返った二人はパッと距離を取った
まだ顔が赤いヴァンだが、まずは最初に自分が口を付けなければならない、だから受け取った器に口を付け、そのまま飲み込んだ。これで自分達は天使の力も手に入れたと喜びの感情を胸に
「さあ! 英雄が口にした! 次は皆もその力を取り込むんだ!」
長老の言葉に他の者も競うように鍋に群がり、天使の力を取り込もうとする
皆に平等に鍋は行き渡り、全員が食べ終わった時だった
「う゛っ! ブフォッ!」
鍋を食べ終わった全員の体が硬直し、それと共に激しい痙攣をおこす。呼吸も途切れ途切れになり体中から汗が吹き出して来た。
それはヴァンも同じであった。鍛え抜かれたその体も動かなくなり、激しい頭痛がヴァンを襲う。頭を砕かれる様な、もしくは頭の中をほじくり返されているような激しい痛みだった
彼らは天使ネクターの力を食べる事で確実に手に入れた。だが、そもそもネクターは魂をカネオン、器となる体をサーナが作った。
ネクター自身、体が余りにも強い魂を受け入れられず、体が不安定な状態だったのだ。その力を更に弱い者が受け取ろうとしても到底無理な話であった。
更にネクターが首を刎ねられる直前に思った感情、『恐怖』『憎しみ』が強く影響し、彼らの思考すら歪めてゆく。
それは、後の世にも続く呪いにも似た姿と性格に変貌する
「う、うううう、ああああああああ!」
頭痛は更に酷くなり、そして‥‥
頭は急激に肥大化していった
その肥大化した頭はまるで目印のように‥‥
ここにいるぞ‥‥と
◆◇
そこには首の無い天使の体がそのまま放置されていた。
首だけを持ち帰えられ、残ったのは傷ついた体だけだった
人は死んだら魂がその体から抜け、世界を覆う魔力へと変換される。
それは天使も一緒だった。その体から抜け魔力に変わるはずだった
だが魂はまだその体からは抜けていなかった
ピクリとその指先が動く、そして指から手のひら、腕へと徐々に動きそしてゆっくりと立ち上がった。首の無いその体にはもう思考する力などない。ただ魂の本能、人では無い者の力によって立ち上がった
そして魂はこう告げる
『力を取り戻す』
『一つに戻る』
その頭の無い傷ついた体は歩き出す
天使の根源がある東を目指し、あの時ヒュケイに渡した天使の力を取り戻す為に
・・・・
・・
一歩一歩その傷ついた体は歩き続けた。もう既に傷ついた体からは血は流れていない。
流れる血などもう残っては無い、体に黒くこびりつく血だけが残されているばかり、その体はただ東を目指した。
根源を求めて
「うわぁぁぁぁ! 化物だぁぁぁ!」
体は東を目指したが、その際一つの小さな都市に入った。
急に現れた首の無い死体が歩いている、それを見たその都市の住人達はそのおぞましい姿に恐怖する。その姿に恐れた住人たちは、それを退治しようと魔法を放ち石を投げつける。ある者は都市を守る兵士を呼びに行くために走って行く
魔法をぶつけられ、石を投げられたネクターに思考も痛みも感じない、だが魂の記憶が叫ぶ
『どうしてそんなひどい事をするの』
『お願いだから痛い事をしないで』
魔法で体は崩れ、繋がっていた腕や足は千切れボロボロになってゆく。
そして死ぬ前の記憶が魂に呼び戻される
大勢の者に囲まれる『恐怖』を
初めて宿った『憎しみ』を
その『恐怖』と『憎しみ』は徐々に大きくなってゆく
するとネクターの体から赤黒い霧が吹き出しだす、その霧は千切れた腕と足を繋ぎとめるように支え、破損した部位を庇うように覆ってゆく。
その霧は破損した部分を覆うと、今度は頭のあった部分に集まり黒い兜の様な見た目へと変貌した
姿が変貌すると同じくネクターの魂に刻まれた『恐怖』『憎しみ』は更に大きくなる。源流だった物が少しずつ集まり、それが小さな川になる様に‥‥
だがそれだけでは収まらなかった。その源流だった物は川となり、更に大河と変え
そして‥‥
『都市グラースオルグ』を飲み込んだ
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる