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彼と僕
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その後、担任が戻って来て、通知表を渡された。そして少し話しをして、終了。
クラスのみんなが帰る中、僕は通知表を見た。紗神が勉強を見てくれるおかげで、かなり成績が上がった。
けれど彼が通おうとしている大学の偏差値には、まだまだ届かない。
努力はするけれど…滑り止めを本命にしようと決意した。とりあえず、七月いっぱいは日本にいるから、その間に大学を探してと…。
「ふぅん。まあまあ上がったんじゃない?」
「っ! うわぁっ!」
いつの間にか背後に紗神がいた。僕の通知表を覗き込んでいる。
「まあオレが勉強を見ていれば、当たり前か」
僕の手から通知表を奪い取り、じっくり見た。
「ちょっ、返してよ!」
「あっ、オレのはコレ」
彼は視線を外さないまま、自分の通知表を僕の目の前に出した。
別に見たくはなかった。どうせ予想通りだから。
でも一応受け取り、中を見る。…やっぱりオール五、生活態度についても非の打ち所が何一つ無いと書かれていた。
「永河、やっぱり生活態度について、『引っ込み思案なのが少々勿体無い気がする』って書かれているぞ? 『もっと自信を持って行動すると良い』って」
「…だから何?」
「だからもっと自信を持てって。地味派手な存在って貴重だが、過ぎると重いぞ?」
派手派手なキミに言われても…。
「僕は昔からこういう性格なの。今更変えようがないんだよ」
「小さいことにこだわらなきゃいいのに」
「器も小さいもんでね」
僕はふてくされながら、彼の手から通知表を取り返した。
そして彼の通知表を差し出す。
「はい、キミは相変わらず素晴らしいことは分かったよ」
「まあな。他に評価のしようもないんだろう」
彼は自信ありげに笑う。…いろんな意味で、彼の担任は命懸けだろうな。
遠い目をした時、ふと耳に何か機械的な音が聞こえた。
「ん?」
思わず上を向くと、その音はヘリコプターの音だと分かる。それがだんだん近付いてくる。
「えっ? 何でウチの高校の近くにヘリが?」
「ああ、来たな」
彼は通知表をカバンに入れた。
「ホラ、行くぞ」
「どこへ?」
「第二校庭にヘリを停める。とっとと乗り込むぞ」
「はっ? どこへ行くんだよ?」
僕もカバンに通信票を入れ、窓に視線を向ける。
すると新真家の家紋が刻まれているヘリが、この校舎の上を通過した。第二校庭は校舎の裏にあって、いつもは運動部が使っている。でも今日は終業式だから、部活は無いワケで…。
「移動しながら話してやる」
そう言って僕の手を掴み、歩き出す。
「こっ今年は七月いっぱいは日本にいる予定じゃなかったの?」
「そのつもりだったが、この間のお前の言葉を聞いて止めた。このままヘリに乗って、空港へ行く」
「どこに行くの?」
「それは到着してからのお楽しみだ。自家用ジェット機で行くぞ」
…相変わらず彼の行動にはいろんな意味でついていけない。
けれど彼に引っ張られては、ついていくしかない。
多くの人の視線を感じながら、僕はヘリに押し込まれた。
「ちなみに何でヘリ? 車でも良かったんじゃないの?」
「空は渋滞がないからいいだろう?」
はあ…そうですか。
呆れるべきか感心するべきか分からないうちに、ヘリは動き出した。
そして空港へ行き、そのまま自家用ジェット機に乗り込む。
その間、会話はほぼなかった。
彼は機嫌の良さそうに鼻歌を歌っていたけれど、話しかけられたくない雰囲気を出していた。
目的地に到着してから、きっと上機嫌で話してくれるだろう。
僕は深く息を吐きながら、早く目的地に着くことを願った…けれど。
何故、教会の前にいるんだろう?
本日、快晴。無限に広がる青い空に、白い入道雲。輝く太陽がとても眩しい…。
そして教会の周囲には透き通るような海が広がっている。今日は凪いでいるおかげで、海からふきつける風がとても気持ちがいい。白い砂浜も、濁りの無い海の中も、テレビで良く見る景色だ。
そう、前に彼とテレビを見ていた時、ここを紹介する番組を目にしていた。確か海外で結婚式を挙げるのならば、ここがオススメとかいう内容だった。
彼が気まぐれに見ていたので、僕も隣でぼんやり見ていた。
ここは一位に選ばれた場所。
穏やかな気候、そして美しい海を周囲で囲まれた、真っ白で美しく立派な教会。
クラスのみんなが帰る中、僕は通知表を見た。紗神が勉強を見てくれるおかげで、かなり成績が上がった。
けれど彼が通おうとしている大学の偏差値には、まだまだ届かない。
努力はするけれど…滑り止めを本命にしようと決意した。とりあえず、七月いっぱいは日本にいるから、その間に大学を探してと…。
「ふぅん。まあまあ上がったんじゃない?」
「っ! うわぁっ!」
いつの間にか背後に紗神がいた。僕の通知表を覗き込んでいる。
「まあオレが勉強を見ていれば、当たり前か」
僕の手から通知表を奪い取り、じっくり見た。
「ちょっ、返してよ!」
「あっ、オレのはコレ」
彼は視線を外さないまま、自分の通知表を僕の目の前に出した。
別に見たくはなかった。どうせ予想通りだから。
でも一応受け取り、中を見る。…やっぱりオール五、生活態度についても非の打ち所が何一つ無いと書かれていた。
「永河、やっぱり生活態度について、『引っ込み思案なのが少々勿体無い気がする』って書かれているぞ? 『もっと自信を持って行動すると良い』って」
「…だから何?」
「だからもっと自信を持てって。地味派手な存在って貴重だが、過ぎると重いぞ?」
派手派手なキミに言われても…。
「僕は昔からこういう性格なの。今更変えようがないんだよ」
「小さいことにこだわらなきゃいいのに」
「器も小さいもんでね」
僕はふてくされながら、彼の手から通知表を取り返した。
そして彼の通知表を差し出す。
「はい、キミは相変わらず素晴らしいことは分かったよ」
「まあな。他に評価のしようもないんだろう」
彼は自信ありげに笑う。…いろんな意味で、彼の担任は命懸けだろうな。
遠い目をした時、ふと耳に何か機械的な音が聞こえた。
「ん?」
思わず上を向くと、その音はヘリコプターの音だと分かる。それがだんだん近付いてくる。
「えっ? 何でウチの高校の近くにヘリが?」
「ああ、来たな」
彼は通知表をカバンに入れた。
「ホラ、行くぞ」
「どこへ?」
「第二校庭にヘリを停める。とっとと乗り込むぞ」
「はっ? どこへ行くんだよ?」
僕もカバンに通信票を入れ、窓に視線を向ける。
すると新真家の家紋が刻まれているヘリが、この校舎の上を通過した。第二校庭は校舎の裏にあって、いつもは運動部が使っている。でも今日は終業式だから、部活は無いワケで…。
「移動しながら話してやる」
そう言って僕の手を掴み、歩き出す。
「こっ今年は七月いっぱいは日本にいる予定じゃなかったの?」
「そのつもりだったが、この間のお前の言葉を聞いて止めた。このままヘリに乗って、空港へ行く」
「どこに行くの?」
「それは到着してからのお楽しみだ。自家用ジェット機で行くぞ」
…相変わらず彼の行動にはいろんな意味でついていけない。
けれど彼に引っ張られては、ついていくしかない。
多くの人の視線を感じながら、僕はヘリに押し込まれた。
「ちなみに何でヘリ? 車でも良かったんじゃないの?」
「空は渋滞がないからいいだろう?」
はあ…そうですか。
呆れるべきか感心するべきか分からないうちに、ヘリは動き出した。
そして空港へ行き、そのまま自家用ジェット機に乗り込む。
その間、会話はほぼなかった。
彼は機嫌の良さそうに鼻歌を歌っていたけれど、話しかけられたくない雰囲気を出していた。
目的地に到着してから、きっと上機嫌で話してくれるだろう。
僕は深く息を吐きながら、早く目的地に着くことを願った…けれど。
何故、教会の前にいるんだろう?
本日、快晴。無限に広がる青い空に、白い入道雲。輝く太陽がとても眩しい…。
そして教会の周囲には透き通るような海が広がっている。今日は凪いでいるおかげで、海からふきつける風がとても気持ちがいい。白い砂浜も、濁りの無い海の中も、テレビで良く見る景色だ。
そう、前に彼とテレビを見ていた時、ここを紹介する番組を目にしていた。確か海外で結婚式を挙げるのならば、ここがオススメとかいう内容だった。
彼が気まぐれに見ていたので、僕も隣でぼんやり見ていた。
ここは一位に選ばれた場所。
穏やかな気候、そして美しい海を周囲で囲まれた、真っ白で美しく立派な教会。
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