姉が私の振りして婚約者に会ってたので、罠に嵌めました。

coco

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姉が私の振りして婚約者に会ってたので、罠に嵌めました。<中>

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「…シリウス様、面白おもしろいでしょう?」

「そうだね、ニーア。」

「あら、ニーアじゃない。シリウス様とデート?うらやましいわ~。」

「…!えっと、ね…姉さん。そうよ、いいでしょう…。」

 動揺どうようしてるわね…まぁ、無理むりもないか。

 私は今、全身ぜんしん姉の物を身に着けて、ここに立っている。
 そう、私は姉のミーアとして、2人に話しかけたのだ。

「本当に羨ましいわ~。私もシリウス様のような素敵すてきな方と、一度でいいからデートしたいものね。」

「いや…ミーアさんも十分、魅力的みりょくてきですよ。」

「そうよ、姉さんは素敵すてきな女性だから、そんな人すぐに見つかるわ。ほら、この前も仲がいい男の子と遊んだって。…ねえ、その方に会いに行かれたら?こんな所に居ずに、ね!」

 姉さん、私をここから遠ざけようとしてるわね。
 
 でもありがとう、そのセリフを言ってくれて。
 まぁ、そうやってさりげなく私モテますアピールしてくると思ったけど。

 これで益々ますます、やりやすくなったわ。

「実は私、その男の子と、これからここで会うことになってるの。せっかくだし、あなた達に紹介しょうかいするわ?」

「ちょ、ちょっと…!?」

「なぁに、困ることでもあるの?」

 私がそう言うと、姉さんはだまった。

「ミーア、お待たせ!」

 この男は、少し前に姉さんと関係を持っていた。
 
 姉さんはこうしてシリウス様と会う前は、この男と頻繁ひんぱんに会っていたのだ。

「ずいぶん、久しぶりじゃないか。」

「ごめんなさいね。実は私…気になる人ができたものだから。」

「な、何だって!?だから、俺に会わなかったんだな。それは一体、どこの誰だ?」

 声をあらげる男を見て、姉さんはハラハラしている。

 今更いまさらあせったって、もうおそいわ。

「それは、こちらに居る方よ?」

 私は、シリウス様を指差ゆびさした。

「え!?…いや、俺には婚約者こんやくしゃが居ますよ。この、ニーアがそうです。」

「そ、そうよ。姉さん、おかしな冗談じょうだんはよして!」

「冗談…?いいえ、私は本当のことしか言ってない。あなたは、今度はシリウス様のことが欲しくなった。だから妹の物を身に着け、妹の振りをした。そうして、彼とデートを重ねてたのよ。今の様に、こうしてね。…そうよね、姉さん?」

「な、何言ってるのよ!私はニーア、妹のニーアよ!」

「おいおい、これは何だって言うんだ?君はミーアじゃなく、妹さんかい?」

「そうなの。ごめんなさい、ちょっと事情じじょうがあって。」

うそよ、その子の言うこと信じないで!」

 姉さん、もうあきらめなさい。

 私は姉さんの右手をつかむと、そでまくり上げた。

 そのうでには、大きな青痣あおあざがあった。

「姉さんの右腕には、昔から痣があるでしょう?これが、あなたが姉のミーアである、何よりの証拠しょうこよ!」

 姉さんは急いで袖を下ろそうとしたが、男がそれを制止せいしした。

「君はミーアだ。俺が君を抱いた時、間違まちがいなくこの痣があった。ミーア…君は俺に飽き足らず、妹の婚約者にまで手を出していたのか。…俺にさんざんみつがせておいて、きたらこんな形で捨てようとするなんて。…来い!お前には話がある。それ次第しだいでは、お前を詐欺罪さぎざいうったえてやる。」

「嫌だ、はなしてよ!…シリウス様、助けて。やだ~!」

 姉は男にズルズルと引っ張られ、店を後にした。

 助けを求められたシリウス様は、石のように固まって動かないでいた。

「シリウス様…。」

「あ、あの…気づいてやれなくて悪かった。あまりにそっくりだったから、俺もだまされていたんんだ。」

 そう言って、彼は私に頭を下げた。

「…シリウス様、もういいんですよ?」

「そ、そうか、許してくれるか。」

 シリウス様はホッと息を吐くと、私の手をにぎった。

「いいえ。そういう意味いみではありません。」

 私はその手を、はらけた。

「あなたは、あれが姉だと知っていたでしょう?知っていて、付き合っていましたよね。」

「いや、知らない!…そんな証拠しょうこ、どこにあると言うんだ?」

「彼が、教えてくれたんですよ。あなたの、双子ふたごおようとさんが。」
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