姉が私の振りして婚約者に会ってたので、罠に嵌めました。

coco

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姉が私の振りして婚約者に会ってたので、罠に嵌めました。<後>

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 こちらに向かって歩いてきた男が、私のとなりすわった。

「お前、何でここに!?」

「兄さん…俺に話したじゃないか。双子ふたご姉妹しまいと言っても、体つきは姉のミーアの方が、俺の好みだ。どういうワケか知らないが、最近俺と会っているのは姉のミーアだ。この前、右腕みぎうであざがあるのを見た。妹のニーアには、そんなものはないからな。そう、笑っていただろう?」

「私はこの話を彼から聞いた時、彼の話が真実しんじつだと思いました。でなければ、彼が私の姉の痣のことを知っているはずがありませんから。」

 私と姉は、これまでシリウス様の弟にお会いしたことは無かった。

 私が彼と初めて会ったのは、あの時だった。

※※※

 2か月前…姉の裏切りを知って、道端みちばたうずくまり泣いていた時だった。

『もう、泣かないで。さあ、俺の手につかまって。』

『え…シ、シリウス様?』

『違うよ。俺は、双子の弟のリゲルだ。事情じじょうがあって、兄と同じ屋敷やしきには住んでいない。君と会うのも初めてだよ。』

『そう、なのですか。』

『…ごめんよ、君を泣かせてしまって。』

『なぜ、あなたがあやまるんです?…悪いのは、姉さんです。私をおとしいれ、シリウス様をだまして。』

『…ちがうんだ。兄は騙されていない。知ってるんだ、あれが君じゃないってこと。知っていて、あえてデートをしているんだよ。』

 そう言って、彼はシリウス様が自分に話した内容を、私に教えてくれた。

『じゃあ私は…姉さんと婚約者、両方から裏切うらぎられていたんですね。ありがとうございます、教えて下さって。これで、私の心は決まりました。私は、姉に復讐ふくしゅうします。あの人は、一度痛い目を見ないと分からないのよ。そして、シリウス様も許しはしない─。』

「ですからシリウス様、私はあなたにもつみつぐなってもらいます。まずは、私と婚約破棄こんやくはきをして下さい。そしてその後、私はあなたをうったえます。」

「やってみろ。そんな訴えは、父がすぐ取り下げる!」

「いいえ、兄さん。今回のことで父はおいかりです。大事な婚約者を傷つけ、我が家にどろったと。あなたは近々ちかぢか、あの家を出されます。そしてあの家には、俺がむかえ入れられる。あの家では双子ふたごは良くないものとされ、俺は別邸べっていで暮らしていたが、今度はその立場たちばぎゃくになります。そして、お前のようなはじさらしは2度とそこから出さない、そう父が言っていました。まもなくこちらの店に、家からの迎えがやってきます。」

 そうリゲル様が話し終わった時、こちらにカツカツと近づいてくる足音がした─。

※※※

「ありがとうございます、そばに居てくれて。」

「…俺が、君の傍に居たかったから。君に断られても、俺はこっそり君を見守るつもりでいた。」

「どうして、私を助けてくれたんですか?」

「君は俺を知らないだろうけど、俺は君を前から知っていた。と言っても…別邸べっていまどから、兄と会う君を見ていただけだったけど。それでも、君の笑顔はとても魅力的みりょくてきだった。明るくてまぶしくて、太陽たいようの様だった。俺は、そんな君にかれた。いつまでも、君に笑っていて欲しい…そう願っていた。でも、兄は君を裏切り傷つけた。俺は君の力になりたくて、君の前に姿を現したんだ。…君のとなりならぶのは、俺じゃ駄目だめだろうか?」

「…私が太陽なら、あなたはほしね。キラキラと光りかがいて、まよえる者をみちびいてくれる、希望きぼうの星。あなたが居なかったら、きっとあの日、私は立ち上がることが出来なかった。真っ暗な世界に放り出され、泣いてるままだった。でもそうならなかったのは、あなたのおかげよ。あなたが、私の隣に居てくれから。…だからこの先も、あなたと並んで歩いていきたいわ。」

 姉と婚約者への復讐を果たした私は、彼という希望の星を手に入れた。
 
 一度は真っ暗になった私の世界せかい…きっとこの先は、輝かしい光にちたものになるはずだ。

 私は微笑ほほえみ、彼の手をにぎった─。
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