モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円

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2. 友達がモブじゃなかった件

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 今日は珍しく寝坊しちゃったけど、急いで家を出たおかげで学校に遅刻せずにすみそうだ。
 朝ごはんを食べる時間がなかったから、おなかはぺこぺこだけど。

「ロニー、おはよう」

「おはよう。え? エド⁉︎ 髪切ったんだ!?」

 振り向くと、髪を短くしたエドがいて驚いた。

「うん。今まで伸ばしてたけど、切ってみるのもいいかなと思って。ニコラさんみたいな髪型にしてみたんだけど、どうかな?」

「えっと、すごく似合ってると思うよ」

「本当⁉︎ ロニーにそんなふうに言ってもらえるなんて、うれしすぎる。切ってよかったよ」

 今まで長髪だったからショートヘアのエドを見て少し驚いたけど、とても似合っていると思う。

 ていうか、めちゃくちゃイケメンなんですけど!
 さらさらとした黒髪と、前髪を切ったことで見えるようになった切れ長の目が、クールな美男子って感じだ。

 そう思っているのは僕だけではないようで、エドの周りに少しずつ人が集まってきている。主に女子だけど。

「あんなかっこいい人いたっけ? 初めて見たんだけど」

「かっこよすぎる。彼女とかいるのかな」

「いるに決まってるよ。あんなにかっこいいんだから」

 みんなエドに話しかけたそうだけど、誰も話しかけてこない。
 もしかして、エドがイケメンすぎて話しかけられない的なことなんだろうか。   

 僕のことなんか誰も気にしてないのはわかるんだけど、なんだか落ち着かないな。

 でも、この髪型のエドを前にも見たことがある気がするんだよなぁ。

 髪を短くしたエドを見たのは今日が初めてだから、そんなはずはないんだけど。なんでだろう?

「ロニー、大丈夫? 何か考えごと? あっ、そういえばロニー今日朝ごはん食べてなかったよね。サンドウィッチ買ってきたから、もし良かったら食べてよ」

「えっ? なんで朝ごはん食べてないこと知ってるの?」

「さっき話してくれたじゃん。また忘れたの?」

「今さっき会ったばかりだし、絶対話してないと思うんだけどなぁ」

 なんで朝ごはん食べてないことをエドが知ってるんだろう?

「まぁまぁ、そんなことはどうでもいいじゃん。サンドウィッチ食べてから考えたら」

 そう言って、エドはサンドウィッチをくれた。

「あれ? このサンドウィッチって、もしかして僕の家の近くにあるパン屋さんで売ってるやつ? あの店のサンドウィッチすごく好きなんだよね」

「うん。そうだよ。ロニーが好きなんじゃないかと思って、買ってきたんだ」

「わぁー、ありがとう」

「ロニーに喜んでもらえてうれしいよ。ロニーが幸せなら俺も幸せだよ」

 ロニーが幸せなら俺も幸せだよ? こういう感じの言葉、どっかで聞いたことがあるような気がする。



 あっ、そうだ! 前世の妹がしていた乙女ゲームで聞いたセリフだ!
 
 前世で聞いたときは、ロニーの部分がヒロインの名前だったけど。

 たしか、ヒロインに執着しまくるメインキャラの一人が、このセリフを言ってた気がする。なんていう名前だったかな? メインキャラの名前を思い出せない。

 ヒロインの情報をときにはひくような方法で集めて、彼女に好きになってもらおうとするキャラだったけど、見た目はかっこよかったんだよな。

 ちょうど髪を切った今のエドみたいな見た目で。

 ん? もしかして⁉︎ エドみたいなじゃなくて、エドがあのヒロインに執着しまくるキャラなのか⁉︎ 

 声も似てる気がするし、イケメンだし、あのメインキャラの可能性大だよな。

 前世で妹は、メインキャラがゲームのヒロインから生徒会に誘われた後に、色んなイベントが発生するって言ってた気がする。

 たぶん校内に侵入してきたモンスターにおそわれたり、ライバルキャラと戦ったりするイベントとかだったはずだ。
 
 前世の僕は妹からこのことを聞いたとき、乙女ゲームのキャラクターたちも大変なんだなぁと他人事のように思っていた。
 
 メインキャラならそんな大変なイベントもなんとか乗りこえられるだろう。
 だけど、僕みたいなただのモブがそんなイベントにまきこまれたら絶対ケガするよね。

 平凡な生活を送るためにも、申し訳ないけどエドとは距離を置こう。ヒロインに夢中になったらどうせ僕のこともどうでもよくなるだろうし。
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