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手紙を開いた瞬間、胸の奥がわずかにざわめいた。
エドワードからの文は短く、けれど、決して軽いものではなかった。
「今度こそ、お前の本当の笑顔を取り戻したい。」
たったそれだけの言葉なのに、心の奥の古い傷が、じわりと疼きだす。
私を「地味で退屈」と言って切り捨てたあの日。
泣きはらして、鏡の前で崩れ落ちた自分を、私は忘れていない。
「笑顔を取り戻したい、ですって……」
声に出してみた途端、胸の奥から苦笑が漏れた。
「今さら、何をおっしゃっているのかしら」
それでも――手紙を握る指先が、ほんの少し震えていた。
「……エドワード殿下からの手紙だと?」
レオンは私の向かいに腰を下ろし、静かにそれを見下ろした。
金の瞳が、炎のようにきらめく。
彼の表情はいつも穏やかだが、いまは違う。
まるで、私の過去を焼き尽くしてしまいたいとでも言うように。
「殿下は何を望んでいる?」
「……さあ。謝罪のつもりか、それとも後悔の言葉か。どちらにせよ、私には関係のないことですわ」
きっぱりとそう言い切ると、レオンの口元がかすかにゆるんだ。
だが次の瞬間、その笑みは鋭く変わる。
「リリアーナ。俺は君を信じている。けれど――あの男がまた君を泣かせるなら、容赦しない」
「……そんな、まるで決闘でもなさるような言い方ですわね」
「必要ならそうする」
「レオン様!」
思わず声を上げた。けれど、レオンの目は真剣そのものだった。
「君を奪うのに、正しい方法だけを選ぶつもりはない」
一瞬、息をのむ。
その言葉には、優しさではなく――強烈な独占欲が潜んでいた。
数日後。
王都の中央広場にて開かれる記念式典に、私はレオンとともに招かれていた。
貴族たちが集う中、青空の下で白いテントが並び、花々が風に揺れる。
「今日も、皆の視線が君に集まっているな」
レオンがささやく。
「以前の君を知る者たちは、皆驚いている。……あの“地味な令嬢”が、いまやこんなにも美しいとは」
「それは、あなたが支えてくださったからですわ」
そう微笑むと、レオンの表情が一瞬やわらいだ。
けれど、そのとき――背後から、懐かしい声がした。
「リリアーナ」
胸が凍る。
振り向けば、そこに立っていたのは、あの日と同じ琥珀色の瞳をした男――エドワード。
王族の正装に身を包み、かつての傲慢さはどこか影を潜めていた。
けれど、その眼差しの奥には、確かに“執着”があった。
「エドワード殿下」
私がかすれた声で呼ぶと、彼は静かに首を振った。
「殿下はやめてくれ。リリアーナ……お前と他人のように話すのは、もうやめたい」
「おや、ずいぶん馴れ馴れしいな」
レオンの声が冷たく響く。
「彼女はもう、貴方の過去の女性ですよ。今さら“親しげ”に呼ぶ権利など――」
「レオン公。貴殿の立場は承知している」
エドワードは目を細め、低く答えた。
「だが、彼女を愛していたのは、私だ。
……そして、それを手放したことを、私は心の底から悔やんでいる」
ざわめきが広がる。
周囲の貴族たちが二人の男の間に流れる緊張を感じ取り、息をひそめた。
(やめて……こんな場所で)
私の唇が震える。だが、言葉が出てこない。
レオンの手が、私の腰に触れた。
その指先は、まるで「彼女は俺のものだ」と主張するように強く。
「お前の後悔など、リリアーナには関係ない」
「そうか? ならば彼女に直接聞こう」
エドワードは一歩、私に近づく。
「リリアーナ。お前は……いま幸せか?」
その問いは、まるで刃のようだった。
答えられない。――なぜなら、私はまだ迷っているのだ。
確かにレオンといると、心が安らぐ。
けれど、エドワードが見せた“悔恨の眼差し”は、私の中の何かを揺さぶる。
(……私は、どうしてこんな気持ちになるの?)
「リリアーナ」
レオンの声が、静かに、しかし威圧的に響いた。
「君は俺のもとにいる。それが答えだろう」
「……ええ。そうですわ」
私はうなずいた。
たとえ心が乱れても、ここで迷いを見せるわけにはいかない。
エドワードは目を伏せた。
だが、その唇が微かに動いた。
「――本当に、そうなのか?」
その声には、絶望と執念が混じっていた。
式典が終わったあとも、胸のざわつきは収まらなかった。
レオンは私を屋敷まで送り届けると、玄関前で立ち止まり、低く言った。
「……あの男と、もう関わらないでほしい」
「え?」
「リリアーナ、君は優しすぎる。あんな言葉をかけられたら、また心を揺らすだろう」
図星だった。
私は何も言い返せず、ただ黙ってうつむいた。
「俺は、君が俺だけを見てくれなきゃ嫌だ」
レオンの声は穏やかだったが、その奥に燃えるような情念があった。
「君を失うくらいなら……王家さえ敵に回す」
思わず息を呑む。
レオンは私の頬に触れ、指でなぞった。
「俺のものになれ、リリアーナ。完全に」
心臓が激しく脈打つ。
その指先が、頬から顎、そして唇へと近づいていく――
けれど、私はそっと彼の手を押し返した。
「……まだ、その答えは出せません」
レオンの瞳が揺れた。
沈黙の中、私は彼に背を向けて屋敷の中へと歩き出す。
その夜。
書斎の机の上に、もう一通の手紙が置かれていた。
差出人は――エドワード。
「明日の午後、王宮の庭園で待っている。
誤解を解きたいだけだ。話を聞いてくれ。」
私はしばらくそれを見つめ、やがて深く息を吐いた。
(行くべきではない……わかっているのに)
胸の奥がざわざわと騒ぐ。
もし行けば、きっとレオンを怒らせる。
でも、このままでは何も終わらない気がした。
「……最後に、一度だけ」
そう呟き、私は翌日の約束を胸に刻んだ。
翌日。
王宮の庭園には、秋の風が静かに吹いていた。
バラの香りが漂う中、エドワードがひとりで立っていた。
「来てくれたんだな」
「これが最後ですわ。……何の話かしら?」
彼は微笑んだ。けれど、その笑顔はどこか苦しげだった。
「俺は……お前を愛していたんだ、リリアーナ。
ただ、それに気づくのが遅すぎた」
「今さら、そんな言葉……」
「遅くても、伝えなきゃいけなかった。
お前が誰かのものになる前に」
その瞬間、風が強く吹き、バラの花びらが舞った。
そして――背後から、低く怒りに満ちた声が響いた。
「……彼女はもう“誰かのもの”だ」
振り返ると、そこにはレオンが立っていた。
その瞳は、燃えるように鋭く光っている。
「レオン様……どうして……」
「君が“行かない”と言ったのに、屋敷を抜け出したからだ」
レオンはゆっくりと歩み寄る。
「まさか、殿下と二人きりで会うとは思わなかった」
空気が一瞬で凍りついた。
レオンとエドワード――二人の男の視線が、私を挟んでぶつかる。
(……どうして、こんなことに)
どちらも、私を失いたくない。
でも、このままでは――きっと誰かが壊れてしまう。
胸の奥で、熱と痛みが混ざり合う。
私の心は、もう限界だった。
(どうすればいいの……?)
風が吹き抜ける庭園で、三人の運命が交差した瞬間――
どこからか鐘の音が響いた。
エドワードからの文は短く、けれど、決して軽いものではなかった。
「今度こそ、お前の本当の笑顔を取り戻したい。」
たったそれだけの言葉なのに、心の奥の古い傷が、じわりと疼きだす。
私を「地味で退屈」と言って切り捨てたあの日。
泣きはらして、鏡の前で崩れ落ちた自分を、私は忘れていない。
「笑顔を取り戻したい、ですって……」
声に出してみた途端、胸の奥から苦笑が漏れた。
「今さら、何をおっしゃっているのかしら」
それでも――手紙を握る指先が、ほんの少し震えていた。
「……エドワード殿下からの手紙だと?」
レオンは私の向かいに腰を下ろし、静かにそれを見下ろした。
金の瞳が、炎のようにきらめく。
彼の表情はいつも穏やかだが、いまは違う。
まるで、私の過去を焼き尽くしてしまいたいとでも言うように。
「殿下は何を望んでいる?」
「……さあ。謝罪のつもりか、それとも後悔の言葉か。どちらにせよ、私には関係のないことですわ」
きっぱりとそう言い切ると、レオンの口元がかすかにゆるんだ。
だが次の瞬間、その笑みは鋭く変わる。
「リリアーナ。俺は君を信じている。けれど――あの男がまた君を泣かせるなら、容赦しない」
「……そんな、まるで決闘でもなさるような言い方ですわね」
「必要ならそうする」
「レオン様!」
思わず声を上げた。けれど、レオンの目は真剣そのものだった。
「君を奪うのに、正しい方法だけを選ぶつもりはない」
一瞬、息をのむ。
その言葉には、優しさではなく――強烈な独占欲が潜んでいた。
数日後。
王都の中央広場にて開かれる記念式典に、私はレオンとともに招かれていた。
貴族たちが集う中、青空の下で白いテントが並び、花々が風に揺れる。
「今日も、皆の視線が君に集まっているな」
レオンがささやく。
「以前の君を知る者たちは、皆驚いている。……あの“地味な令嬢”が、いまやこんなにも美しいとは」
「それは、あなたが支えてくださったからですわ」
そう微笑むと、レオンの表情が一瞬やわらいだ。
けれど、そのとき――背後から、懐かしい声がした。
「リリアーナ」
胸が凍る。
振り向けば、そこに立っていたのは、あの日と同じ琥珀色の瞳をした男――エドワード。
王族の正装に身を包み、かつての傲慢さはどこか影を潜めていた。
けれど、その眼差しの奥には、確かに“執着”があった。
「エドワード殿下」
私がかすれた声で呼ぶと、彼は静かに首を振った。
「殿下はやめてくれ。リリアーナ……お前と他人のように話すのは、もうやめたい」
「おや、ずいぶん馴れ馴れしいな」
レオンの声が冷たく響く。
「彼女はもう、貴方の過去の女性ですよ。今さら“親しげ”に呼ぶ権利など――」
「レオン公。貴殿の立場は承知している」
エドワードは目を細め、低く答えた。
「だが、彼女を愛していたのは、私だ。
……そして、それを手放したことを、私は心の底から悔やんでいる」
ざわめきが広がる。
周囲の貴族たちが二人の男の間に流れる緊張を感じ取り、息をひそめた。
(やめて……こんな場所で)
私の唇が震える。だが、言葉が出てこない。
レオンの手が、私の腰に触れた。
その指先は、まるで「彼女は俺のものだ」と主張するように強く。
「お前の後悔など、リリアーナには関係ない」
「そうか? ならば彼女に直接聞こう」
エドワードは一歩、私に近づく。
「リリアーナ。お前は……いま幸せか?」
その問いは、まるで刃のようだった。
答えられない。――なぜなら、私はまだ迷っているのだ。
確かにレオンといると、心が安らぐ。
けれど、エドワードが見せた“悔恨の眼差し”は、私の中の何かを揺さぶる。
(……私は、どうしてこんな気持ちになるの?)
「リリアーナ」
レオンの声が、静かに、しかし威圧的に響いた。
「君は俺のもとにいる。それが答えだろう」
「……ええ。そうですわ」
私はうなずいた。
たとえ心が乱れても、ここで迷いを見せるわけにはいかない。
エドワードは目を伏せた。
だが、その唇が微かに動いた。
「――本当に、そうなのか?」
その声には、絶望と執念が混じっていた。
式典が終わったあとも、胸のざわつきは収まらなかった。
レオンは私を屋敷まで送り届けると、玄関前で立ち止まり、低く言った。
「……あの男と、もう関わらないでほしい」
「え?」
「リリアーナ、君は優しすぎる。あんな言葉をかけられたら、また心を揺らすだろう」
図星だった。
私は何も言い返せず、ただ黙ってうつむいた。
「俺は、君が俺だけを見てくれなきゃ嫌だ」
レオンの声は穏やかだったが、その奥に燃えるような情念があった。
「君を失うくらいなら……王家さえ敵に回す」
思わず息を呑む。
レオンは私の頬に触れ、指でなぞった。
「俺のものになれ、リリアーナ。完全に」
心臓が激しく脈打つ。
その指先が、頬から顎、そして唇へと近づいていく――
けれど、私はそっと彼の手を押し返した。
「……まだ、その答えは出せません」
レオンの瞳が揺れた。
沈黙の中、私は彼に背を向けて屋敷の中へと歩き出す。
その夜。
書斎の机の上に、もう一通の手紙が置かれていた。
差出人は――エドワード。
「明日の午後、王宮の庭園で待っている。
誤解を解きたいだけだ。話を聞いてくれ。」
私はしばらくそれを見つめ、やがて深く息を吐いた。
(行くべきではない……わかっているのに)
胸の奥がざわざわと騒ぐ。
もし行けば、きっとレオンを怒らせる。
でも、このままでは何も終わらない気がした。
「……最後に、一度だけ」
そう呟き、私は翌日の約束を胸に刻んだ。
翌日。
王宮の庭園には、秋の風が静かに吹いていた。
バラの香りが漂う中、エドワードがひとりで立っていた。
「来てくれたんだな」
「これが最後ですわ。……何の話かしら?」
彼は微笑んだ。けれど、その笑顔はどこか苦しげだった。
「俺は……お前を愛していたんだ、リリアーナ。
ただ、それに気づくのが遅すぎた」
「今さら、そんな言葉……」
「遅くても、伝えなきゃいけなかった。
お前が誰かのものになる前に」
その瞬間、風が強く吹き、バラの花びらが舞った。
そして――背後から、低く怒りに満ちた声が響いた。
「……彼女はもう“誰かのもの”だ」
振り返ると、そこにはレオンが立っていた。
その瞳は、燃えるように鋭く光っている。
「レオン様……どうして……」
「君が“行かない”と言ったのに、屋敷を抜け出したからだ」
レオンはゆっくりと歩み寄る。
「まさか、殿下と二人きりで会うとは思わなかった」
空気が一瞬で凍りついた。
レオンとエドワード――二人の男の視線が、私を挟んでぶつかる。
(……どうして、こんなことに)
どちらも、私を失いたくない。
でも、このままでは――きっと誰かが壊れてしまう。
胸の奥で、熱と痛みが混ざり合う。
私の心は、もう限界だった。
(どうすればいいの……?)
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