「地味でつまらない」って言ってたくせに、今さら美しくなった私を追うなんて滑稽ですわね?

 「お前って、本当につまらない女だな」
 婚約者だったリオンがそう吐き捨てた日のことを、私は一生忘れないだろう。

 その日、王立学院の中庭は夏の光に満ちていた。風に揺れる白い薔薇が、やけに眩しかった。
 リオンは貴族の子息らしい自信に満ちた笑みを浮かべ、私の手を乱暴に振り払った。
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