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第一章 学園入学
入学式の朝の不穏な気配
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「やったわ! ついに恋キラの入学式だわ!」
入学式の朝、校舎裏の庭園に叫び声が響いた。
「……何なの?」
あまりにも淑女らしからぬ叫びだったからだろう。アンネマリー嬢がいかにも不快です、といった声で言った。
「これでついにイケメンにモテモテな逆ハーライフに突入よ!」
また叫び声がした。
どうやら俺たちがいる四阿から少し離れた場所で叫んでいるっぽい。
「エルンストでしょー! ロベルタでしょー! アルバートでしょー! サリエルでしょー! ウリエルでしょー! そしてコーエン・トッド様!」
突然連呼し始めた名前の中にロベルタと自分のものがあって、思わずロベルタと顔を見合わせた。
幼い頃は肩までだったロベルタの優しい色の金髪は、今では背の半ばまで伸びている。
「あら、アルバート様、お知り合いですの?」
それを見たリンジー嬢が栗色の髪の毛を揺らしておっとりと首を傾げるのに慌てて首を横に振る。
「全く心当たりが無い」
「エルンストとはエルンスト殿下のことか? ウリエル、サリエルは魔術師長のところの双子だろうな。王弟殿下を除けば今年入学の高位貴族の子息ばかりだな」
「何だか不穏だわ」
ロベルタとアンネマリーの言葉に身が引き締まる。
なぜなら面倒なことにエルンスト殿下のご学友に選ばれてしまい、ついでに学内での護衛役まで任されているからだ。トラブルは勘弁してほしい。
「まずは出会いイベントよね!」
声はまだ続く。
どうやら話し相手がいるわけでも無さそうなので大きな独り言なのだろう。
「エルンストとは校門前でぶつかるっていうベタな出会いなんだよねー。で、婚約者の悪役令嬢に怒られてエルンストが庇ってくれることで恋が芽生えるの!」
色々とツッコミどころはあるけれど、簡単に恋が芽生え過ぎじゃ無いだろうか?
「エルンストは本当は公爵家に婿に行かされることが不満なのよね! 弟ってだけで王様になれないなんて酷いわ! 王や王太子に目をつけられないように軽薄を装ってるけど心の中では真実の愛を求めてるの!」
「……不穏な話かと思ったら愛を求めている、に落ち着いたが」
「何なのかしら?」
擬装婚約の相手ではあるが、結構ロベルタとアンネマリー嬢は気が合っていると思う。
「ロベルタとの出会いは講堂に向かう途中の廊下だったわね。遅刻しそうになって走ってるアタシにロベルタが注意するの!」
「そういう注意はアルバート様の方がしそうだわ」
「そうだな。僕はそんな面倒なことはしない」
おいロベルタ。真面目な顔で面倒って言うな。
廊下を走ってたらぶつかって怪我でもしたら大変じゃないか。注意くらいはするだろ?
「そして迷ってしまって入学式に遅刻しそうなアタシをロベルタが講堂まで連れて行ってくれるのよ!」
「ロベルタ様、ずいぶん親切なのね」
「なぜ僕がそんな時間に廊下を彷徨いてるんだ?」
「不機嫌ながらも紳士らしくエスコートしてくれるロベルタに躓いたアタシが抱きついちゃって胸キュン☆って感じー? アタシの柔らかマシュマロおっぱいの感触に赤面しちゃうロベルタ! きゃー恥ずかしい!」
「女の胸に顔を赤らめるなんて別人ね。ロベルタって名前の男子生徒が他にいたかしら?」
「ロベルタ様はホーク侯爵子息しかいらっしゃいませんわ」
アンネマリー嬢の言う通り俺もそんなロベルタは無いな、と思ったけれど記憶力には定評のあるリンジー嬢に別のロベルタはいないと否定された。
「ロベルタは自分の方が優秀なのに兄が家を継ぐことに不満を持ってるのよね! 次期宰相になるためには自分が仕えてるエルンストが王にならなきゃいけないのに公爵家の婿になるなんて許せないと思ってるのよ!」
「あら、ロベルタ様。不穏だわ」
「家を継ぐなど面倒だし宰相などになったら忙しくてアルバートとの時間がとれなくなる。そんな無駄なことをするはずがあるまい。そして僕はエルンスト殿下なんかに仕えていない」
「そうよね。それが私の知るロベルタ様だわ」
「そしてエルンストと仲のいいアタシをエルンストの元に送り込んで婚約を破棄させようとするけど、いつの間にかアタシの健気さに恋するようになっちゃうの。切ない!」
え? いったいどういうストーリーがこの令嬢の中で進行してるんだ?
公爵令嬢との婚約を破棄したエルンスト殿下が王位に就けるとは到底思えない。
内容の不穏さもさることながらそれ以外もコメントに困るな……
なんとも言えない沈黙の中、リンジー嬢がいつものおっとりとした声でひとこと言った。
「また恋ですのね」
確かに。また恋だ。
「次はきっとアルバート様ね」
アンネマリー嬢がそういった直後また叫び声が上がった。
「そしてアルバートはぁ、今日じゃなくて明日! エルンストにお礼を言おうと校舎内を歩いてたら、エルンストとロベルタとアルバートが一緒に歩いてくるんだよね! そしてアタシが駆け寄ろうとしたらつまずいちゃってアルバートの胸の中に飛び込んでいっちゃうの! アタシのふんわりマシュマロおっぱいがアルバートの胸にポヨンと当たって、アルバートが真っ赤になっちゃって、それを見たロベルタがちょっと嫉妬しちゃうの! アタシってば罪な女!」
「ロベルタ様が嫉妬、って……誰に? と言うよりも飛び込んできた女は無事なの?」
「ロベルタ様、流石に学園が始まって二日目で女生徒を処してしまうのは早いですわ」
もはやコメントなどしない方が身のためだというのは言うまでもない。
「それでロベルタとアルバートの仲がちょっと悪くなっちゃうんだけど、まぁ仕方がないよね! これも愛され乙女のアタシの魅力だもの。仕方がないわ!」
「アルバート様、心中お察ししますわ」
リンジー嬢の励ましの言葉が心に染みた。
「アルバートはぁ騎士になるにはちょっと細身の体がコンプレックスなんだけど、次に会ったときにしっかり抱きとめてくれてありがとう! って、胸元に寄り添ってボディータッチしながら、見かけによらず筋肉ついてるわ、鍛えてるのね! って自尊心をくすぐって、褒めて褒めて褒めまくればすぐに味方になってくれるはず! だって、すごく単純だもの! 騎士の家門に生まれたのにお兄さんみたいにがっちりしてなくて、お父さんに騎士に向いてないって言われてるのがショックなんだよね~。かわいそう! だから、大丈夫だよ。こんなに強いんだから騎士になれるし騎士団長だってなれるわ! っておだてれば何でも言うこと聞いてくれちゃうワンコちゃんだもんね!」
えーっと?
「アルバート様、お父上にそんなことを?」
「いや、全く。いつも訓練に引っ張り出されてる」
「アルバートお前騎士になりたいのか?」
「いや、俺はリンジー嬢の実家の商会を継ぐつもりでいたけど?」
「わたくしもそのつもりですので、騎士団長になりたいなんて言われたら困ってしまいますわ」
「そうよ。アルバート様の将来はアルバート様だけのものではないのよ。私たちの未来も掛かってるんだから!」
アンネマリー嬢の圧がすごい。
確かに俺が騎士団に入って団に残るとすればリンジー嬢との婚約も解消になるかもしれないし、そうすればこの密約で結ばれた四人の関係も崩れてしまう。
「まぁ、聞く限り僕の時と同じようにお前の話も現実とは掛け離れているな」
「……わたくし気づいたのですけど、」
「どうした?」
「アルバート様には恋がありませんわ」
リンジー嬢が言った。
「確かに、アルバート様は犬のようにいうことを聞くようになる、とは言ってたけど恋に落ちてないわね」
そう言われればそうかもしれない。
まあ、どうでも良いことだが少しイラッとしなくもないな。
入学式の朝、校舎裏の庭園に叫び声が響いた。
「……何なの?」
あまりにも淑女らしからぬ叫びだったからだろう。アンネマリー嬢がいかにも不快です、といった声で言った。
「これでついにイケメンにモテモテな逆ハーライフに突入よ!」
また叫び声がした。
どうやら俺たちがいる四阿から少し離れた場所で叫んでいるっぽい。
「エルンストでしょー! ロベルタでしょー! アルバートでしょー! サリエルでしょー! ウリエルでしょー! そしてコーエン・トッド様!」
突然連呼し始めた名前の中にロベルタと自分のものがあって、思わずロベルタと顔を見合わせた。
幼い頃は肩までだったロベルタの優しい色の金髪は、今では背の半ばまで伸びている。
「あら、アルバート様、お知り合いですの?」
それを見たリンジー嬢が栗色の髪の毛を揺らしておっとりと首を傾げるのに慌てて首を横に振る。
「全く心当たりが無い」
「エルンストとはエルンスト殿下のことか? ウリエル、サリエルは魔術師長のところの双子だろうな。王弟殿下を除けば今年入学の高位貴族の子息ばかりだな」
「何だか不穏だわ」
ロベルタとアンネマリーの言葉に身が引き締まる。
なぜなら面倒なことにエルンスト殿下のご学友に選ばれてしまい、ついでに学内での護衛役まで任されているからだ。トラブルは勘弁してほしい。
「まずは出会いイベントよね!」
声はまだ続く。
どうやら話し相手がいるわけでも無さそうなので大きな独り言なのだろう。
「エルンストとは校門前でぶつかるっていうベタな出会いなんだよねー。で、婚約者の悪役令嬢に怒られてエルンストが庇ってくれることで恋が芽生えるの!」
色々とツッコミどころはあるけれど、簡単に恋が芽生え過ぎじゃ無いだろうか?
「エルンストは本当は公爵家に婿に行かされることが不満なのよね! 弟ってだけで王様になれないなんて酷いわ! 王や王太子に目をつけられないように軽薄を装ってるけど心の中では真実の愛を求めてるの!」
「……不穏な話かと思ったら愛を求めている、に落ち着いたが」
「何なのかしら?」
擬装婚約の相手ではあるが、結構ロベルタとアンネマリー嬢は気が合っていると思う。
「ロベルタとの出会いは講堂に向かう途中の廊下だったわね。遅刻しそうになって走ってるアタシにロベルタが注意するの!」
「そういう注意はアルバート様の方がしそうだわ」
「そうだな。僕はそんな面倒なことはしない」
おいロベルタ。真面目な顔で面倒って言うな。
廊下を走ってたらぶつかって怪我でもしたら大変じゃないか。注意くらいはするだろ?
「そして迷ってしまって入学式に遅刻しそうなアタシをロベルタが講堂まで連れて行ってくれるのよ!」
「ロベルタ様、ずいぶん親切なのね」
「なぜ僕がそんな時間に廊下を彷徨いてるんだ?」
「不機嫌ながらも紳士らしくエスコートしてくれるロベルタに躓いたアタシが抱きついちゃって胸キュン☆って感じー? アタシの柔らかマシュマロおっぱいの感触に赤面しちゃうロベルタ! きゃー恥ずかしい!」
「女の胸に顔を赤らめるなんて別人ね。ロベルタって名前の男子生徒が他にいたかしら?」
「ロベルタ様はホーク侯爵子息しかいらっしゃいませんわ」
アンネマリー嬢の言う通り俺もそんなロベルタは無いな、と思ったけれど記憶力には定評のあるリンジー嬢に別のロベルタはいないと否定された。
「ロベルタは自分の方が優秀なのに兄が家を継ぐことに不満を持ってるのよね! 次期宰相になるためには自分が仕えてるエルンストが王にならなきゃいけないのに公爵家の婿になるなんて許せないと思ってるのよ!」
「あら、ロベルタ様。不穏だわ」
「家を継ぐなど面倒だし宰相などになったら忙しくてアルバートとの時間がとれなくなる。そんな無駄なことをするはずがあるまい。そして僕はエルンスト殿下なんかに仕えていない」
「そうよね。それが私の知るロベルタ様だわ」
「そしてエルンストと仲のいいアタシをエルンストの元に送り込んで婚約を破棄させようとするけど、いつの間にかアタシの健気さに恋するようになっちゃうの。切ない!」
え? いったいどういうストーリーがこの令嬢の中で進行してるんだ?
公爵令嬢との婚約を破棄したエルンスト殿下が王位に就けるとは到底思えない。
内容の不穏さもさることながらそれ以外もコメントに困るな……
なんとも言えない沈黙の中、リンジー嬢がいつものおっとりとした声でひとこと言った。
「また恋ですのね」
確かに。また恋だ。
「次はきっとアルバート様ね」
アンネマリー嬢がそういった直後また叫び声が上がった。
「そしてアルバートはぁ、今日じゃなくて明日! エルンストにお礼を言おうと校舎内を歩いてたら、エルンストとロベルタとアルバートが一緒に歩いてくるんだよね! そしてアタシが駆け寄ろうとしたらつまずいちゃってアルバートの胸の中に飛び込んでいっちゃうの! アタシのふんわりマシュマロおっぱいがアルバートの胸にポヨンと当たって、アルバートが真っ赤になっちゃって、それを見たロベルタがちょっと嫉妬しちゃうの! アタシってば罪な女!」
「ロベルタ様が嫉妬、って……誰に? と言うよりも飛び込んできた女は無事なの?」
「ロベルタ様、流石に学園が始まって二日目で女生徒を処してしまうのは早いですわ」
もはやコメントなどしない方が身のためだというのは言うまでもない。
「それでロベルタとアルバートの仲がちょっと悪くなっちゃうんだけど、まぁ仕方がないよね! これも愛され乙女のアタシの魅力だもの。仕方がないわ!」
「アルバート様、心中お察ししますわ」
リンジー嬢の励ましの言葉が心に染みた。
「アルバートはぁ騎士になるにはちょっと細身の体がコンプレックスなんだけど、次に会ったときにしっかり抱きとめてくれてありがとう! って、胸元に寄り添ってボディータッチしながら、見かけによらず筋肉ついてるわ、鍛えてるのね! って自尊心をくすぐって、褒めて褒めて褒めまくればすぐに味方になってくれるはず! だって、すごく単純だもの! 騎士の家門に生まれたのにお兄さんみたいにがっちりしてなくて、お父さんに騎士に向いてないって言われてるのがショックなんだよね~。かわいそう! だから、大丈夫だよ。こんなに強いんだから騎士になれるし騎士団長だってなれるわ! っておだてれば何でも言うこと聞いてくれちゃうワンコちゃんだもんね!」
えーっと?
「アルバート様、お父上にそんなことを?」
「いや、全く。いつも訓練に引っ張り出されてる」
「アルバートお前騎士になりたいのか?」
「いや、俺はリンジー嬢の実家の商会を継ぐつもりでいたけど?」
「わたくしもそのつもりですので、騎士団長になりたいなんて言われたら困ってしまいますわ」
「そうよ。アルバート様の将来はアルバート様だけのものではないのよ。私たちの未来も掛かってるんだから!」
アンネマリー嬢の圧がすごい。
確かに俺が騎士団に入って団に残るとすればリンジー嬢との婚約も解消になるかもしれないし、そうすればこの密約で結ばれた四人の関係も崩れてしまう。
「まぁ、聞く限り僕の時と同じようにお前の話も現実とは掛け離れているな」
「……わたくし気づいたのですけど、」
「どうした?」
「アルバート様には恋がありませんわ」
リンジー嬢が言った。
「確かに、アルバート様は犬のようにいうことを聞くようになる、とは言ってたけど恋に落ちてないわね」
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