【本編完結】攻略対象その3の騎士団団長令息はヒロインが思うほど脳筋じゃない!

哀川ナオ

文字の大きさ
57 / 59
終章

後日譚

しおりを挟む

「なんだか長かったような、あっという間だったような気がするわ」
 そう、アンネマリー嬢が言う。

 今日は学園の卒業式だ。

 一年時にいろいろとあり過ぎたせいで、二年時三年時は平穏すぎて不安になる程ではあったけれど、無事にすぎたのだから文句はない。


 俺はエルンスト殿下、改めエルンスト王太子殿下の護衛だったので、ほぼ毎日学園に通っていたけれど、リンジー嬢とアンネマリー嬢はしばらく学園には出席せずに領地で様々な実験をしていたらしい。
 魔法陣を使った軍馬の交配と繁殖の研究で、レポートは無事に認められて進級に問題はなかったようだ。

 ロベルタはいつも通り、俺とともに登校して、授業を受けて、休みの日は二人きりだったり、エルンスト殿下も加えてだったりではあるけれど、テオフィル卿の植物園に行ってのんびり過ごしたり、観劇に行ったり、領地に戻ったりと、まあ、俺と同じように普通に過ごしていた。


 ただ、学園の外ではいろいろあった。
 特筆すべきことは、やはりビショップ公爵家の崩壊だろう。

 ミーシャ嬢が療養のために王都を離れている間に壮絶な家督争いが起こり、一族は命を落としたり離散して国外に出たりして、ミーシャ嬢が療養から戻った時には彼女がたったひとりのビショップ公爵家の後継になっていた。

 そして、以前ロベルタが予想していた通り、王家はビショップ公爵領を手に入れた。
 ミーシャ嬢は自分の持参金として、自らビショップ公爵家の領地を王家に返還し、今は名前だけの公爵として、未だエルンスト殿下の婚約者でいる。

 ミーシャ嬢はただ微笑むだけで他の反応をほとんどしない。
 そんなミーシャ嬢を、ビショップ家崩壊の原因になったのは王族であるカスパル殿下の凶行だったのだから、と責任を取って婚約者のまま慈しんでいるエルンスト王太子殿下を優しい人だと讃える声は多い。
 けれど、一緒にいる時間が長ければわかる。
 ミーシャ嬢はちゃんと状況を理解していて、微笑むことしかできない悲劇の令嬢を演じることで自分の命を守っているのだ。


 ビショップ公爵家が増長しすぎて王家として目障りだったのは確かだろう。
 しかし、カスパル殿下がビショップ公爵家を襲撃するかどうかは賭けだったはずだ。
 グラヴェンハルト辺境伯令嬢が先導してビショップ公爵邸に向かったというけれど、もし向かわなければビショップ公爵家は今も健在で王太子妃の実家としてますます権勢をふるっていたはずだ。
 聖女派に間者として潜り込んだ誰かが、グラヴェンハルト辺境伯令嬢を唆して、その矛先をビショップ公爵家に向けさせたのではないかと俺はなんとなく想像している。

 当主夫婦が亡くなってしまえばあとは簡単だ。
 強欲な親類同士が家督を巡って殺し合う構図を作ってしまえばいい。
 王宮からの工作で始末された家もあれば、恐怖に駆られて無闇に敵対する身内に刃を向けた家もあったかもしれない。
 ミーシャ嬢が療養という名の避難をさせられている間に、ミーシャ嬢以外の全ての公爵家を継ぐ資格のあるものを消してしまう必要があった。
 そうすれば、エルンスト殿下と結婚して王家に入るミーシャ嬢が公爵家の領地を王家に持参金代わりに渡す、という円満な領地返還になるのだから。
 そのためだけに生かされたことをミーシャ嬢は知っている。
 そして、俺たちもミーシャ嬢が知っていることを知っている。
 けれど、知らないふりをする。
 それが大人になるということなのだろう。

 エルンスト殿下──いや、王太子殿下にしても同じだ。
 エルンスト王太子殿下は、自分が手を下したわけではないけれど、ミーシャ嬢の家族が殺されてしまうことを知りつつ黙認した。
 そして、それにミーシャ嬢が気づいていることを知りつつ、手を差し伸べて悲劇の令嬢を変わらず愛しているという姿勢を崩さない。

 でも、それは以前の、歩み寄りを始めて初々しい恋人のように見えたあの頃とは全く違う。
 ミーシャ嬢はエルンスト王太子殿下に心を許すことは無いだろうし、エルンスト王太子殿下もそれを覚悟して受け入れている。


 サリエルとウリエルの双子は最終的に「学園の卒業資格なんて必要?」と言って学園を退学してしまった。
 結婚や王宮や貴族家への就職のためには必須の資格ではあるけれど、既に名声を得ていて、仕事もあるのだから必要ないのかもしれない。
 未だに婚約の話は聞かないけれど、リンジー嬢とアンネマリー嬢の研究に手を貸していたというから、ある日突然、自分の子供だと言って赤子を抱いて現れても不思議はない。



「今の王都のタウンハウスも悪くないのだけど、ビショップ公爵邸の跡地がまだ手付かずで残っていて、屋敷を二軒並んで建てられるだけの敷地を確保しましたの。
 まだ両親も健在ですし、結婚してタウンハウスから離れて家を持つのは普通でしょう?
 リード家の別邸とオールドマン家の別邸を建てるので、設計の相談には乗ってくださいますわよね?」

 リンジー嬢の言葉に俺たちだけでなくアンネマリー嬢までが驚いている。
 いくら災禍に見舞われて縁起が悪いとはいえ、ビショップ公爵邸の跡地は一等地だ。簡単に手を出せるような価格とは思えない。
 しかしリンジー嬢はいつものように、ふんわり笑って首を傾げ、栗色の髪を揺らして
「王都の外れに競馬場を作りましたの。賭け事の胴元というのはやはりお金になりますわね」
と笑って言った。

「もう! 私の知らない間に何やってんのよ!」
と、怒るアンネマリー嬢。
 そんな二人を見ながら呆れる俺たち。

「リンジー嬢はたくましいね」
「ああ、頼りになりすぎて自分の存在意義を確認したくなる」



 入学式と同じ早朝の四阿。
 会話も、内容は異なるけれど気心の知れた四人であることに変わりはない。


 卒業式が終わって半年もすれば結婚だ。

 十歳のエルンスト殿下の学友と婚約者を選ぶためのパーティから八年。
 無事に偽装婚約の期間を終えて、今度はリンジー嬢とは偽装結婚の仲になる。

 婚約と違って結婚は余程のことがない限り他者に解消させられることのない契約だ。
 これで横槍を入れられる心配などせず、安心して過ごすことができるようになるだろう。



 卒業式だからと、ロベルタはいつもは普通に下ろしているか、一つにまとめているだけの長い髪の毛を、サイドで複雑に編んだハーフアップにしている。
 珍しいので眺めていると、どうやら妹とその侍女たちに結われたらしい。
 気に入ったのなら侍従に覚えさせる、と言われたので、特別な日はそういう髪型もいいと思う、と返事した。

 風に靡く姿も、無造作に書き上げる仕草も、俺のプレゼントした髪留めを使ってくれるのも、どれも気に入っていて選べないからいろんな姿を見せてほしい。

「……せっかく卒業したのに、今日は四家揃って卒業パーティだからお前を抱くのはまだお預けだな。……この調子だと、リンジー嬢の計画する邸が建つまで無理な気がしてきた」
 耳元に囁くように言うロベルタの声が少し拗ねている。

 確かに、二人だけの時間を人知れず取ると言うのはかなり難しい。


「リンジー嬢、新居を結婚式までに建てるのは不可能かな?」
 そう声を掛けると、リンジー嬢が首を傾げて何度か瞬きするとにっこり笑って返事した。
「アルバート様がどれだけ魔力を払ってくださるかで決まりますわね。設計図を組み込んだ魔法陣を使えば建物だけなら二週間で立ち上がりますわ。それから内装に半年……。ギリギリですけど新居で初夜を迎えられるのではないかしら」


「悪いな。卒業後、って言ってたけど、ついでにあと半年待ってくれ」
 そう言うと、嬉しいけど困る、という複雑な表情のロベルタが唇を尖らせて抗議してくる。
「アルバートはさ、なんかいつもかっこよくてずるいよ。そういうのは僕が言いたかったんだけど……、まあ、アルバートだから仕方がないね」



 誰もが卒業後に明るい未来が待っているわけではない。
 そんな中で、自分たちはなんて恵まれているんだろうか、と目を細めて今の、この情景を噛み締める。

 そして未来を夢想する。

 広大な庭に並ぶ二つの屋敷。
 人知れず地下で繋がったその屋敷は、二つの家族がいつでも行き来できるようになっている。
 テオフィル卿の植物園ほどてなくてもいい、美しい庭が欲しい。
 春になれば池のほとりには一面、水仙が咲き、その後はアイリスが咲き乱れる。
 睡蓮が湖面を覆うように咲き、藤の花に覆われた東屋に用意された柔らかなローソファに俺とロベルタは二人並んで身体を預け、のんびりと休日を楽しむ。

 自分は恵まれている。
 改めてそう思う。
 だから、人にも優しくできるのだ。
 これから茨の道を行くことになるエルンスト王太子殿下にも──

「それはダメだからな、初夜が済むまでは王太子殿下に僕は優しくできそうにない」
 俺の気持ちを読んだようにロベルタが言う。
「わかったよ。それまではネイトを貸し出しとく」
「俺はトミーをあげるんだから、王太子殿下は貰いすぎくらいだよ」


 気心の知れた相手との穏やかな時間。
 愛する人とこれからも共に生きていけるという幸運。

 世界を救う英雄にも、国を動かす政治家にも興味はない。
 不器用な自分に出来ることはそう多くないのは分かっている。
 一番大切なものだけは絶対に手放さない。


 だから、
 俺とロベルタが幸せに老いて死ぬまでは────

 俺たちの暮らすこの国は、平和であれ、と願う。




* ────────── *


最後まで読んでくださりありがとうございました!

こちらの小説はBL大賞に参加しています
面白かった!
と思っていただけたら投票よろしくお願いいたします!


本編であまりいちゃいちゃ出来なかったので、番外でロベルタとアルバートの甘めのお話を書いていこうと思います✨
番外編は不定期更新になります。

☆☆☆

そして、本日から新連載『組長令息の守り役が異世界に召喚獣として召喚されました』を投稿しています!
よろしければこちらもよろしくお願いします✨
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

α主人公の友人モブαのはずが、なぜか俺が迫られている。

宵のうさぎ
BL
 異世界に転生したと思ったら、オメガバースの世界でした。  しかも、どうやらここは前世の姉ちゃんが読んでいたBL漫画の世界らしい。  漫画の主人公であるハイスぺアルファ・レオンの友人モブアルファ・カイルとして過ごしていたはずなのに、なぜか俺が迫られている。 「カイル、君の為なら僕は全てを捨てられる」  え、後天的Ω?ビッチング!? 「カイル、僕を君のオメガにしてくれ」  この小説は主人公攻め、受けのビッチング(後天的Ω)の要素が含まれていますのでご注意を!  騎士団長子息モブアルファ×原作主人公アルファ(後天的Ωになる)

【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する

とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。 「隣国以外でお願いします!」 死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。 彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。 いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。 転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。 小説家になろう様にも掲載しております。  ※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる

路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか? いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ? 2025年10月に全面改稿を行ないました。 2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。 2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。 2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。 2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

悪役の僕 何故か愛される

いもち
BL
BLゲーム『恋と魔法と君と』に登場する悪役 セイン・ゴースティ 王子の魔力暴走によって火傷を負った直後に自身が悪役であったことを思い出す。 悪役にならないよう、攻略対象の王子や義弟に近寄らないようにしていたが、逆に構われてしまう。 そしてついにゲーム本編に突入してしまうが、主人公や他の攻略対象の様子もおかしくて… ファンタジーラブコメBL 不定期更新

処理中です...