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第四話 魔法を極める令嬢
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エイデンにかけられた呪いは、確実に少しずつ体を蝕み、命を縮めていく呪いであった。
だがしかし、エイデンの元々の魔力量が多かったことから、それは大分抑えられており、命を縮めるとは言っても数年程度であろうことは分かった。
ただ、痛みは確実にあるようで、エイデンは月に一度は高熱を出して寝込むことがあった。
公爵家の跡取りとしての教育もあり、エイデンは多忙を極めている。だが、そんな事など感じさせないほどにマデリーンと一緒にいる時のエイデンは終始笑顔である。
今日も、呪いの解除方法を探る実験の時間を、エイデンに取ってもらっている。
マデリーンは屋敷の敷地内に魔法の研究所を立てさせてもらい、そこでエイデンの呪いについて研究を進めていた。
「ねぇ、マデリーン?この積み上げられている本達は何?」
エイデンは乱雑に積み上げられていた本を一冊手に取ると眉間にシワを寄せた。
「え?あー。それは王宮の魔法協会からの要請で、何でも南の森に不可思議な木が突如として生えたとかで、調べてくれないかって。あぁでも解決したのよ?」
その言葉にエイデンの眉間のシワがさらに濃くなった。
「何で、キミが、王宮の魔法協会の要請を受けなければならない?」
「いや、受けなければならないってことはないけれど、調べてほしいと言われたから。あ、でも本当に簡単だったのよ?原因は水にあって、魔法使いの資格の持っていない者が水に浄化の魔法もどきをかけた事が原因だったの。一日調べればすぐに分かったわ。」
マデリーンは最年少の12歳の時に魔法使いの資格を取り、魔法協会を震撼させた。
そんなマデリーンが一日調べて分かる事は、大概他の者が調べて一か月はかかる内容である。
マデリーン本人は自分がいかに魔法を極めているのかについて、気が付いていないのか、ひょいひょいと安請け合いをするから困る。
「マデリーン。魔法協会には僕から話をしておくから。」
「へ?」
机の上にある本を広げ読んでいたマデリーンを後ろから抱きこみ、ぎゅっとすると、マデリーンの体が硬直し、上がっていく体温で耳まで真っ赤になっていくのが分かる。
微かな吐息が耳にかかるだけで、キミは体をよじる。
マデリーンに触れていると、不思議と呪いによる痛みがなくなるから不思議であった。
きっとマデリーンからは幸せ成分が出ているんだろうな、何て馬鹿な事を考えてしまう。
「あの、エイデン?」
少し震える声も可愛らしい。
マデリーンは、少しの触れ合いでさえ緊張し、いつもの元気なマデリーンから、恥ずかしがり屋のマデリーンになる。
それが分かっているから、こうやってマデリーンがドキリとするタイミングで触れることがやめられない。
でも、あんまり長く抱きしめているとこちらの我慢が効かなくなるので、名残惜しいけれど、抱きしめていた手を放して言った。
「マデリーンは僕のお嫁さんになるのだから、あまり忙しくして体調を崩さないでね?」
「えっ?えっと・・・はい。」
何故そこで最初に疑問に思うのかが少し腹立たしいが、いいさ。
僕は誰が何と言おうとキミを手放す気はない。
魔法協会のローワンは、マデリーンの能力の高さを知ってから僕の目をかいくぐって大変な案件をすぐにマデリーンに回してくる。
権力に屈しない食えない男なだけに、ため息が漏れてしまう。
「今日の実験はどうしたらいい?」
「あ、えっと、その魔法陣の中に入って?今日は貴方の中の呪いを数値化していくから。ふふふ。大丈夫よ。エイデン。絶対に呪いは解くから。」
そう言って、嬉しそうにした後にキミは少しだけさびしそうにする。
何でそんな表情をするのかは分からないけれど、いつかは話してくれるといいなと思う。
「優しくしてね?」
にやっと笑って言うと、マデリーンはうっと言葉を詰まらせて、真っ赤な顔で頷いた。
だがしかし、エイデンの元々の魔力量が多かったことから、それは大分抑えられており、命を縮めるとは言っても数年程度であろうことは分かった。
ただ、痛みは確実にあるようで、エイデンは月に一度は高熱を出して寝込むことがあった。
公爵家の跡取りとしての教育もあり、エイデンは多忙を極めている。だが、そんな事など感じさせないほどにマデリーンと一緒にいる時のエイデンは終始笑顔である。
今日も、呪いの解除方法を探る実験の時間を、エイデンに取ってもらっている。
マデリーンは屋敷の敷地内に魔法の研究所を立てさせてもらい、そこでエイデンの呪いについて研究を進めていた。
「ねぇ、マデリーン?この積み上げられている本達は何?」
エイデンは乱雑に積み上げられていた本を一冊手に取ると眉間にシワを寄せた。
「え?あー。それは王宮の魔法協会からの要請で、何でも南の森に不可思議な木が突如として生えたとかで、調べてくれないかって。あぁでも解決したのよ?」
その言葉にエイデンの眉間のシワがさらに濃くなった。
「何で、キミが、王宮の魔法協会の要請を受けなければならない?」
「いや、受けなければならないってことはないけれど、調べてほしいと言われたから。あ、でも本当に簡単だったのよ?原因は水にあって、魔法使いの資格の持っていない者が水に浄化の魔法もどきをかけた事が原因だったの。一日調べればすぐに分かったわ。」
マデリーンは最年少の12歳の時に魔法使いの資格を取り、魔法協会を震撼させた。
そんなマデリーンが一日調べて分かる事は、大概他の者が調べて一か月はかかる内容である。
マデリーン本人は自分がいかに魔法を極めているのかについて、気が付いていないのか、ひょいひょいと安請け合いをするから困る。
「マデリーン。魔法協会には僕から話をしておくから。」
「へ?」
机の上にある本を広げ読んでいたマデリーンを後ろから抱きこみ、ぎゅっとすると、マデリーンの体が硬直し、上がっていく体温で耳まで真っ赤になっていくのが分かる。
微かな吐息が耳にかかるだけで、キミは体をよじる。
マデリーンに触れていると、不思議と呪いによる痛みがなくなるから不思議であった。
きっとマデリーンからは幸せ成分が出ているんだろうな、何て馬鹿な事を考えてしまう。
「あの、エイデン?」
少し震える声も可愛らしい。
マデリーンは、少しの触れ合いでさえ緊張し、いつもの元気なマデリーンから、恥ずかしがり屋のマデリーンになる。
それが分かっているから、こうやってマデリーンがドキリとするタイミングで触れることがやめられない。
でも、あんまり長く抱きしめているとこちらの我慢が効かなくなるので、名残惜しいけれど、抱きしめていた手を放して言った。
「マデリーンは僕のお嫁さんになるのだから、あまり忙しくして体調を崩さないでね?」
「えっ?えっと・・・はい。」
何故そこで最初に疑問に思うのかが少し腹立たしいが、いいさ。
僕は誰が何と言おうとキミを手放す気はない。
魔法協会のローワンは、マデリーンの能力の高さを知ってから僕の目をかいくぐって大変な案件をすぐにマデリーンに回してくる。
権力に屈しない食えない男なだけに、ため息が漏れてしまう。
「今日の実験はどうしたらいい?」
「あ、えっと、その魔法陣の中に入って?今日は貴方の中の呪いを数値化していくから。ふふふ。大丈夫よ。エイデン。絶対に呪いは解くから。」
そう言って、嬉しそうにした後にキミは少しだけさびしそうにする。
何でそんな表情をするのかは分からないけれど、いつかは話してくれるといいなと思う。
「優しくしてね?」
にやっと笑って言うと、マデリーンはうっと言葉を詰まらせて、真っ赤な顔で頷いた。
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