8 / 25
8話
しおりを挟む
早朝、鳥のさえずる音が聞こえ瞳を開く
カーテンの隙間から差し込む僅かな光、サッとカーテンを開くと
眩しい光が私を覆った
「いい朝…」
呟きながら、窓の外を見る
誰かが屋敷の庭に出ていた、よく見てみるとウィリアム様だった
汗をタオルで拭いながら
畑に種をまき、水をあげていた
楽しそうに土いじりする彼、私の知らない姿を見つめていると
彼がこちらに気づいて手を振り、近づく
「おはよう、シャーロット」
「おはようございます、ウィリアム様…畑の世話を毎日しているのですか?」
「あぁ、趣味でね…こうして土をいじる時間は楽しいものだよ」
「そうなのですね…私もやってみたいです」
私の言葉に、ウィリアム様は目を開き驚いていた
「どうしたのですか?」
「いや…こうして作物を育てていることを昔、貴族令嬢の方に言った時は薄汚い事をするのだと馬鹿にされてね、農夫の仕事は貴族のやることではないと…君が興味を持ってくれると思わなくて」
「まぁ…失礼な令嬢がいるのですね…私は作物を育てる知識なんてありませんし、体験してみたいです」
「そう言ってくれると嬉しいよ、でも先ずは朝食にしようか…オルターが作ってくれているだろう」
「ウィリアム様はどうしますか?」
「僕はあと少ししたら食べに行くよ、君は先に食べていてくれ」
私は窓から彼を見つめながら、首を横に振る
「待ちます…私はウィリアム様と一緒に食べたいのです」
ウィリアム様は少し驚き、持っていた農具を落とす
慌てて拾い、嬉しそうな笑顔で微笑んでくれた
「わ、わかったよ…もう少しだけ待っていてくれるかい?」
「はい、いつまでも」
畑を耕すウィリアム様を見つめる
好きな気持ちに蓋をした、けど素直な考えは伝えよう
いつか、彼が振り向いてくれることを信じて
と思っているとウィリアム様から声がかかる
「見てくれ、シャーロット!大きな野菜が取れたんだ…こんな大きなのは見た事がない」
大きな野菜を大事そうに抱えるウィリアム様は土で汚れた服で
一見して貴族には見えないが、子供のように笑う彼の姿にやはり可愛いと思ってしまうのだ
「素晴らしい野菜です」
私の称賛の声に嬉しそうに満面の笑みを浮かべる彼
醜い豚公爵と蔑み呼んでいる貴族達には分からないのだろう
彼のこの愛おしさが
「お待ちしておりました」
「ありがとう…オルターさん」
ウィリアム様も屋敷に戻り、朝食のために2人でリビングに向かうと
木製の机の上には朝から多くの料理が並んでいた
私が座る席には適度な量だが、ウィリアム様の席の前には山のような料理
「朝から、これだけ食べるのですか?」
「あぁ…この量でないと…消費しきれないですから」
?
オルターさんの答えに首を傾げる
消費しきれない?どういうことだ
「なにか食べないといけない理由があるのですか?」
「もう少し待てば、分かりますよ」
にこやかな笑顔で答えるオルターさん
疑問は残るが、お腹は空いている
食前の挨拶を済ませると同時に、私とウィリアム様は朝食を食べ始める
美味しい、王宮で食べた料理はどれも最高の食材を使った料理だった
だが、王宮で食べたどの料理よりも美味しく、思わずほほが緩むほどだった
「…美味しいかい?」
ウィリアム様の問いに、私は食べていたパンを飲み込んでから
明るい声で答える
「とても!美味しいです!」
「恐れいります」
オルターさんが頭を下げながら、嬉しいと感じて下さったのだろう
ウィリアム様の前に並んでいた料理から一皿、私の前に出してくださった
どこか惜しそうにその料理を見つめるウィリアム様に微笑みながら
「大丈夫ですよ」と
料理を半分ずつ分けていると
屋敷の玄関扉を叩く音が聞こえた
「旦那様、お招きしてもいいですか?」
「あぁ…事情を説明しないとな」
心配そうな表情のウィリアム様をよそにオルターさんが玄関へと向かう
「誰が来たのですか?」
私の質問に、ウィリアム様が答えようと口を開いた瞬間
バンっ!!とリビングの扉が大きく開かれる
振り向いた私の視線に見えたのは
幼い子供?
それも大勢だった
「おはようございます!ウィリアム様!」「ウィリアムさん!今日も持ってきたよ!」
「私も!」「おれも!!」
幼い少年、少女たちの手には玉子や野菜、果物など様々な食材が
それをウィリアム様の元へ楽しそうに持っていく
が
全員が隣に座る私を見つめる
私も呆気にとられて互いの目が合う
驚いたような彼ら、1人の少女が指をさして声を上げる
「ウ…ウィリアムさん………この美人な人…誰?」
私は、状況がわからないままだったが
その質問には答えた
「私は、ウィリアム様の妻です」
「「「おおーーーーー!!!」」」
歓喜の声を上げる子供達
ウィリアム様は、顔を赤くして照れていた
カーテンの隙間から差し込む僅かな光、サッとカーテンを開くと
眩しい光が私を覆った
「いい朝…」
呟きながら、窓の外を見る
誰かが屋敷の庭に出ていた、よく見てみるとウィリアム様だった
汗をタオルで拭いながら
畑に種をまき、水をあげていた
楽しそうに土いじりする彼、私の知らない姿を見つめていると
彼がこちらに気づいて手を振り、近づく
「おはよう、シャーロット」
「おはようございます、ウィリアム様…畑の世話を毎日しているのですか?」
「あぁ、趣味でね…こうして土をいじる時間は楽しいものだよ」
「そうなのですね…私もやってみたいです」
私の言葉に、ウィリアム様は目を開き驚いていた
「どうしたのですか?」
「いや…こうして作物を育てていることを昔、貴族令嬢の方に言った時は薄汚い事をするのだと馬鹿にされてね、農夫の仕事は貴族のやることではないと…君が興味を持ってくれると思わなくて」
「まぁ…失礼な令嬢がいるのですね…私は作物を育てる知識なんてありませんし、体験してみたいです」
「そう言ってくれると嬉しいよ、でも先ずは朝食にしようか…オルターが作ってくれているだろう」
「ウィリアム様はどうしますか?」
「僕はあと少ししたら食べに行くよ、君は先に食べていてくれ」
私は窓から彼を見つめながら、首を横に振る
「待ちます…私はウィリアム様と一緒に食べたいのです」
ウィリアム様は少し驚き、持っていた農具を落とす
慌てて拾い、嬉しそうな笑顔で微笑んでくれた
「わ、わかったよ…もう少しだけ待っていてくれるかい?」
「はい、いつまでも」
畑を耕すウィリアム様を見つめる
好きな気持ちに蓋をした、けど素直な考えは伝えよう
いつか、彼が振り向いてくれることを信じて
と思っているとウィリアム様から声がかかる
「見てくれ、シャーロット!大きな野菜が取れたんだ…こんな大きなのは見た事がない」
大きな野菜を大事そうに抱えるウィリアム様は土で汚れた服で
一見して貴族には見えないが、子供のように笑う彼の姿にやはり可愛いと思ってしまうのだ
「素晴らしい野菜です」
私の称賛の声に嬉しそうに満面の笑みを浮かべる彼
醜い豚公爵と蔑み呼んでいる貴族達には分からないのだろう
彼のこの愛おしさが
「お待ちしておりました」
「ありがとう…オルターさん」
ウィリアム様も屋敷に戻り、朝食のために2人でリビングに向かうと
木製の机の上には朝から多くの料理が並んでいた
私が座る席には適度な量だが、ウィリアム様の席の前には山のような料理
「朝から、これだけ食べるのですか?」
「あぁ…この量でないと…消費しきれないですから」
?
オルターさんの答えに首を傾げる
消費しきれない?どういうことだ
「なにか食べないといけない理由があるのですか?」
「もう少し待てば、分かりますよ」
にこやかな笑顔で答えるオルターさん
疑問は残るが、お腹は空いている
食前の挨拶を済ませると同時に、私とウィリアム様は朝食を食べ始める
美味しい、王宮で食べた料理はどれも最高の食材を使った料理だった
だが、王宮で食べたどの料理よりも美味しく、思わずほほが緩むほどだった
「…美味しいかい?」
ウィリアム様の問いに、私は食べていたパンを飲み込んでから
明るい声で答える
「とても!美味しいです!」
「恐れいります」
オルターさんが頭を下げながら、嬉しいと感じて下さったのだろう
ウィリアム様の前に並んでいた料理から一皿、私の前に出してくださった
どこか惜しそうにその料理を見つめるウィリアム様に微笑みながら
「大丈夫ですよ」と
料理を半分ずつ分けていると
屋敷の玄関扉を叩く音が聞こえた
「旦那様、お招きしてもいいですか?」
「あぁ…事情を説明しないとな」
心配そうな表情のウィリアム様をよそにオルターさんが玄関へと向かう
「誰が来たのですか?」
私の質問に、ウィリアム様が答えようと口を開いた瞬間
バンっ!!とリビングの扉が大きく開かれる
振り向いた私の視線に見えたのは
幼い子供?
それも大勢だった
「おはようございます!ウィリアム様!」「ウィリアムさん!今日も持ってきたよ!」
「私も!」「おれも!!」
幼い少年、少女たちの手には玉子や野菜、果物など様々な食材が
それをウィリアム様の元へ楽しそうに持っていく
が
全員が隣に座る私を見つめる
私も呆気にとられて互いの目が合う
驚いたような彼ら、1人の少女が指をさして声を上げる
「ウ…ウィリアムさん………この美人な人…誰?」
私は、状況がわからないままだったが
その質問には答えた
「私は、ウィリアム様の妻です」
「「「おおーーーーー!!!」」」
歓喜の声を上げる子供達
ウィリアム様は、顔を赤くして照れていた
188
あなたにおすすめの小説
婚約者に突き飛ばされて前世を思い出しました
天宮有
恋愛
伯爵令嬢のミレナは、双子の妹キサラより劣っていると思われていた。
婚約者のルドノスも同じ考えのようで、ミレナよりキサラと婚約したくなったらしい。
排除しようとルドノスが突き飛ばした時に、ミレナは前世の記憶を思い出し危機を回避した。
今までミレナが支えていたから、妹の方が優秀と思われている。
前世の記憶を思い出したミレナは、キサラのために何かすることはなかった。
【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜
よどら文鳥
恋愛
伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。
二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。
だがある日。
王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。
ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。
レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。
ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。
もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。
そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。
だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。
それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……?
※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。
※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)
愛されヒロインの姉と、眼中外の妹のわたし
香月文香
恋愛
わが国の騎士団の精鋭二人が、治癒士の少女マリアンテを中心とする三角関係を作っているというのは、王宮では当然の常識だった。
治癒士、マリアンテ・リリベルは十八歳。容貌可憐な心優しい少女で、いつもにこやかな笑顔で周囲を癒す人気者。
そんな彼女を巡る男はヨシュア・カレンデュラとハル・シオニア。
二人とも騎士団の「双璧」と呼ばれる優秀な騎士で、ヨシュアは堅物、ハルは軽薄と気質は真逆だったが、女の好みは同じだった。
これは見目麗しい男女の三角関係の物語――ではなく。
そのかたわらで、誰の眼中にも入らない妹のわたしの物語だ。
※他サイトにも投稿しています
婚約を破棄したいと言うのなら、私は愛することをやめます
天宮有
恋愛
婚約者のザオードは「婚約を破棄したい」と言うと、私マリーがどんなことでもすると考えている。
家族も命令に従えとしか言わないから、私は愛することをやめて自由に生きることにした。
妹のために犠牲になることを姉だから仕方ないで片付けないでください。
木山楽斗
恋愛
妹のリオーラは、幼い頃は病弱であった。両親はそんな妹を心配して、いつも甘やかしていた。
それはリオーラが健康体になってからも、続いていた。お医者様の言葉も聞かず、リオーラは病弱であると思い込んでいるのだ。
リオーラは、姉である私のことを侮っていた。
彼女は両親にわがままを言い、犠牲になるのはいつも私だった。妹はいつしか、私を苦しめることに重きを置くようになっていたのだ。
ある時私は、妹のわがままによって舞踏会に無理な日程で参加することになった。
そこで私は、クロード殿下と出会う。彼との出会いは、私の現状を変えていくことになるのだった。
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
悪いのは全て妹なのに、婚約者は私を捨てるようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢シンディの妹デーリカは、様々な人に迷惑をかけていた。
デーリカはシンディが迷惑をかけていると言い出して、婚約者のオリドスはデーリカの発言を信じてしまう。
オリドスはシンディとの婚約を破棄して、デーリカと婚約したいようだ。
婚約破棄を言い渡されたシンディは、家を捨てようとしていた。
他の人を好きになったあなたを、私は愛することができません
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私シーラの婚約者レヴォク第二王子が、伯爵令嬢ソフィーを好きになった。
第三王子ゼロアから聞いていたけど、私はレヴォクを信じてしまった。
その結果レヴォクに協力した国王に冤罪をかけられて、私は婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。
追放された私は他国に行き、数日後ゼロアと再会する。
ゼロアは私を追放した国王を嫌い、国を捨てたようだ。
私はゼロアと新しい生活を送って――元婚約者レヴォクは、後悔することとなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる