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7話
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椅子に座り
ただ黙って暖炉の火を見つめる
子供の頃から考え事をしている時の癖だ
「良かったのですか?」
いつの間に傍にいたのかオルターが声を掛ける
彼は僕の気持ちを知っているからこその心配の言葉なのだろう
「彼女を好きな気持ちはあるさ…だが僕はふさわしくない…」
自分の身体を見る
肥えた体、やせようと頑張ろうとした時はあったが結果はいつも諦めてしまう
きっかけは幼き頃に同年代のレオナード様に言われた言葉だ
ーお前は醜いな
女達が気味悪く思うから近づくなー
笑って言われた言葉、幼い僕の心を酷くえぐった
その日から女性の視線が怖くなった、僕を見て気持ち悪くなっていないだろうか?
気味悪いと思うのだろうか?醜いと吐き気がするのだろうか?
女性と話す時はそれを気にして、いつしか身体が震え、汗が止まらなくなった
そのストレスで体重が増えて今の姿だ
「旦那様…シャーロット様はきっとそんな事を思っていませんよ」
オルターの言葉に、僕は頷く
「分かっている、きっと彼女は気にしないだろうさ」
太った僕に分け隔てなく話しかけてくれたのは彼女だけだった
きっかけはドレスが汚れて困っている彼女を助けた日
よく話かけてくれる彼女に僕の気持ちが揺らいで恋をした
優しい笑顔を向けてくれる女性はシャーロットだけだった
こんな醜い僕に
「でも、嫌われたくないんだ…僕の気持ちを伝えてもきっと気持ち悪く思われるだけだ」
怖かった、彼女に拒絶されるのが
気持ちを伝えて、関係が壊れたなら僕は立ち直れないだろう
レオナード様に比べれば、星と石ころのように格差を感じる
今は優しい彼女も
レオナード様と僕を比べて、嫌いになるかもしれない
その恐怖が僕の身体を震えさせる
「…先ずはよく話し合ってください旦那様」
「オルター…」
「視界が狭くなれば真実も見えなくなります、先ずはシャーロット様とよく話し、彼女を見てあげてください…本心は下を向いていてはいつまでも見えませんよ」
「僕にできるだろか…」
「えぇ…きっと」
子供の頃から僕を励ましてくれる彼には頭が上がらない
オルターの言う通りだな、シャーロットは屋敷にいるんだ、話して
彼女の事をもっとよく知ろう
彼女の気持ちや
考え、本心を分かるようになれば
僕のこの気持ちを伝える事ができるだろうか?
「頑張ってみるよオルター…今日は無理言ってすまなかったな」
「いえ、旦那様のためならばこのオルターは何でもいたしますよ」
僕はオルターの言葉に苦笑しながら、立ち上がる
瞼は重く、眠気が襲う
もういい時間だ
「では、また明日も頼む、彼女の分の食事を…僕と同じ量は出さないようにね」
「ふふ、心得ておりますよ」
あくびをしながら寝室に向かう
明日から、シャーロットと共に過ごす生活
緊張はするが、ここ数年で最も楽しい日々になりそうだ
ただ黙って暖炉の火を見つめる
子供の頃から考え事をしている時の癖だ
「良かったのですか?」
いつの間に傍にいたのかオルターが声を掛ける
彼は僕の気持ちを知っているからこその心配の言葉なのだろう
「彼女を好きな気持ちはあるさ…だが僕はふさわしくない…」
自分の身体を見る
肥えた体、やせようと頑張ろうとした時はあったが結果はいつも諦めてしまう
きっかけは幼き頃に同年代のレオナード様に言われた言葉だ
ーお前は醜いな
女達が気味悪く思うから近づくなー
笑って言われた言葉、幼い僕の心を酷くえぐった
その日から女性の視線が怖くなった、僕を見て気持ち悪くなっていないだろうか?
気味悪いと思うのだろうか?醜いと吐き気がするのだろうか?
女性と話す時はそれを気にして、いつしか身体が震え、汗が止まらなくなった
そのストレスで体重が増えて今の姿だ
「旦那様…シャーロット様はきっとそんな事を思っていませんよ」
オルターの言葉に、僕は頷く
「分かっている、きっと彼女は気にしないだろうさ」
太った僕に分け隔てなく話しかけてくれたのは彼女だけだった
きっかけはドレスが汚れて困っている彼女を助けた日
よく話かけてくれる彼女に僕の気持ちが揺らいで恋をした
優しい笑顔を向けてくれる女性はシャーロットだけだった
こんな醜い僕に
「でも、嫌われたくないんだ…僕の気持ちを伝えてもきっと気持ち悪く思われるだけだ」
怖かった、彼女に拒絶されるのが
気持ちを伝えて、関係が壊れたなら僕は立ち直れないだろう
レオナード様に比べれば、星と石ころのように格差を感じる
今は優しい彼女も
レオナード様と僕を比べて、嫌いになるかもしれない
その恐怖が僕の身体を震えさせる
「…先ずはよく話し合ってください旦那様」
「オルター…」
「視界が狭くなれば真実も見えなくなります、先ずはシャーロット様とよく話し、彼女を見てあげてください…本心は下を向いていてはいつまでも見えませんよ」
「僕にできるだろか…」
「えぇ…きっと」
子供の頃から僕を励ましてくれる彼には頭が上がらない
オルターの言う通りだな、シャーロットは屋敷にいるんだ、話して
彼女の事をもっとよく知ろう
彼女の気持ちや
考え、本心を分かるようになれば
僕のこの気持ちを伝える事ができるだろうか?
「頑張ってみるよオルター…今日は無理言ってすまなかったな」
「いえ、旦那様のためならばこのオルターは何でもいたしますよ」
僕はオルターの言葉に苦笑しながら、立ち上がる
瞼は重く、眠気が襲う
もういい時間だ
「では、また明日も頼む、彼女の分の食事を…僕と同じ量は出さないようにね」
「ふふ、心得ておりますよ」
あくびをしながら寝室に向かう
明日から、シャーロットと共に過ごす生活
緊張はするが、ここ数年で最も楽しい日々になりそうだ
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