【完結】醜い豚公爵様と結婚することになりましたが愛してくれるので幸せです

なか

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9話

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騒ぐ子供達はウィリアム様の周りで話し込んでいるために事情が聞けない
うろたえていると、オルターさんが隣にやってきた

「驚かせてしまって、すいません…言葉で伝えるより見ていただいた方がいいと思いまして」

「この子達は?」

「ウィリアム様の治める領土、この屋敷の近くに住む民達の子供です………じつは」

オルターさんが説明してくれた

どうやらウィリアム様はこの領土に住む民にかなり慕われてるようで
税も国に納める最低限のみしか受け取らず、村の人達が貧困に陥ることはないようだ
ウィリアム様は野菜を育て、半ば、自給自足に近い生活を送っており必要以上の税をとっていないのだ


その貴族らしくなく、民に寄り添う彼のためと
こうして子供達に食材を持たせてウィリアム様の元へと届けてくれるらしい

「それで、消費をしないと…なのですね」

「ええ、ウィリアム様は非常に律儀な方で頂いた食材は余すことなく食べております、親切で頂いた物を捨てる事は絶対にしないと」

「ふふ…やっぱり素敵なひとですね」

「ええ、そう思います」

食事中、子供達は一通りウィリアム様のお腹をつまんだり、ほっぺたを引っ張るなど遊んだ後に
それぞれの家に帰っていった
ウィリアム様は屋敷の外まで見送り、最後の一人が見えなくなるまで手を振っていた

「好かれているのですね?」

私がウィリアム様の隣に立つ
彼は苦笑し、頷く

「あぁ、よく遊んでくれとせがまれてね、今日は君に興味があったみたいで君についていっぱい聞かれたよ」

「なんと質問されたのですか?」

「………君をどう思っているかだよ」

「なんと答えたのですか?」

私の胸がドキドキとしている
蓋をしようとしていた気持ちが好奇心に負けてしまう

「いい人だと、答えたよ」

「そ…そうですか………で、では今度からは愛していると答えてください」

「え!?」

彼は驚き、目を見開いていた
私は顔をそらしながら、うつむき呟く

「そのほうが…不自然ではないでしょう?その…疑われるかもしれませんので!」

流石に理由に無理があっただろうか?
でも、噓でも彼からその言葉を言ってもらいたい
私のワガママだ

「………わ、わかったよ…シャーロット、君がそういうのなら」

「ありがとうございます」


私は彼の顔を見つめると、顔を赤くしていた
これは、「愛している」と答えるのが気恥ずかしいのだろうか?
それとも………


あの子供達のように素直な気持ちで聞けるならどれだけ良かっただろうか
今の私に聞く勇気はない


だけど、私も子供達に負けてはいられない!

顔を上げる

「あの、あと一つお願いがあります!」

「!?………どうしたんだ?」

「お腹を触らせてください」

「へ?」

正直、子供達が無邪気に彼のお腹を触っているのを羨ましいと思った
柔らかそうなお腹やほっぺ
私も触りたい!


「いいですか?」

「そ、そんな事で良ければ………恥ずかしいな」

私は指を伸ばして彼のお腹をつつく

柔らかい、マシュマロのようだ
適度に反発する、気持ちいい………

ツンツンと夢中でつついていると
流石にウィリアム様に止められてしまった
気を付けよう…






午後、私とウィリアム様は汚れてもいい服装で外に出る
といっても私はドレスしか持っていないのでウィリアム様の服を借りている

ぶかぶかではあるが、着れない事はなかった


「く、臭くないか?」

「いえ、何も感じませんよ………洗剤のいい匂いです」

クンクンと嗅ぐ、臭いなんて思わない
それに、なんだか彼に包まれている気がして嬉しいのは内緒だ


「それじゃあ、私にも何か育てさせてください!ウィリアム様!」

今朝の約束を口にすると、彼は頷き
小さな器に入った種を見せてくれた

「シャーロット、君にはこのコスモスを育ててもらうよ」

「コスモス………ですか?」

「うん、時期的にもちょうどいいし、園芸になれていなくてもコスモスは丈夫だから育てやすいだろう」

「なるほど、ご教授お願い致しますウィリアム様」


彼に教えてもらったのは、コスモスの植え方だ
土に植える際に指先で穴を空けて、3~4粒植える

「一粒ではないのですか?」

「上手く発芽するかわからないしね、数本生えてきたら一番大きな芽を残して間引くんだ」

「そうなんですね」

「本当は全て育てたいんだけどね、栄養をお互いに取り合って枯れてしまうこともあるから………可哀想だけどね」

「可哀想………ですか?」

「へ、変かな?植物にそう思うのは」

彼の質問に首を横に振る

「いえ、好きです…思いやりがあって」

い、言った……
直接的ではないが、間接的に気持ちがあふれてしまった
バクバクと心臓がはち切れそうな程に鼓動する
ちらりと彼を見て反応を疑う

「そうか…さぁ種をまこうか」

彼は表情を崩さずに私から顔を逸らす
やはり、気持ちを伝えても迷惑かもしれない………

少し落ち込みながら、教えてもらった通りに種を植えた









(あ、危なかった………落ち着け僕………彼女は気持ちが好きだと言っただけで、僕が好きだと言ったわけじゃない、浮かれるな)


シャーロットに見られないように、ウィリアムは自分の気持ちを落ち着かせており
それを遠くから見ていたオルターはただにこやかに微笑むのだった














種をまき終え、水をあげていると
辺りも暗くなってきた

私とウィリアム様はその頃にはぎこちなさも消えて
少し打ち解けて話せるようになっていた
屋敷に戻り、私はお風呂に入る


なんだか、身体が重い
思っているより疲れているのだろうか?


風呂上がり、服を着てフラフラとリビングに向かう
あれ?

目が霞んで………熱い?

バタンと床に倒れてしまう、息が荒く
体が熱い…

これは…風邪か?

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