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三章
108話 新しい人⑦ グレインside
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レイル王国のディッグ殿下がアイゼン帝国にて犯した非礼。
その報いを与えるとシルウィオ陛下が決定した後、ディッグはアイゼン帝国騎士に連れられて母国へと戻った。
命令通り、リーシアの姉であるエリーやその夫など……
此度の非礼をそそのかした全員を陛下が処罰するため、連行されるだろう。
「……と、言う事です。これでリーシアの身は安全だ」
その夜、俺––グレインはいつも通り盲目のリーシアに連れ添っていた際、「なにがあったのか」と問われ、包み隠さずに答えた。
「お姉様が、ディッグ殿下に私を連れ戻すようにそそのかすなんて……」
「元はエリーが発端です……陛下も許しはしないでしょう」
俺とも因縁があり、正直言って苦手な女性の筆頭格であったエリー。
彼女は今更リーシアの物書きという価値に気付いたのだろう。
以前にも不祥事を起こして家の存続危機である状況、リーシアの名声にあやかりたいはずだ。
本当に身勝手な女性で……過去に悪口ごときで卑屈になっていた自分が矮小に思えた。
「ごめんなさい……私が皆様にご迷惑をおかけしてしまってますね」
リーシアは、エリーとはまた別の意味で、生きるのが苦手なのだろうとも思う。
自分は悪くはないのに謝罪をして、本気で罪悪感を感じている。
卑屈……いや、自己犠牲の精神が根にあるせいか。
「君は悪くはないよ。謝る必要はない」
「ですが、もしも此度の騒動が起因となり、レイル王国とアイゼン帝国が戦争にでもなれば……」
「なら……君は、どうすべきだったと思う?」
問いかけた言葉に、彼女は俯きながら答えた。
「守ってもらいながら失礼ですが……私が国に戻れば全て円満だったと思います。犠牲もなく終われたと……」
「確かに……それが一番だ。君は正しくて、優しい手段を選ぶんだね」
でも、俺はシルウィオ陛下をずっと見てきたから知ってる。
正しさと優しさでは……
「でもそれでは、誰も救えない事もある」
「え?」
「一つ聞いてくれるか? シルウィオ陛下の過去の事だ……」
リーシアには自己犠牲ではなく、強く抗う心を持って欲しい。
でなければ、彼女は自らの人生を犠牲してしまうだろうから。
その想いで……俺は過去を語り出す。
◇◇◇
シルウィオ陛下が即位した頃、我がアイゼン帝国は貴族の腐敗で腐りきっていた。
前皇帝があまりに酷かったせいだ。
そんな状況の中、帝国の民に原因不明の死が相次いだ。
貴族家は総出で新たな皇帝が不吉を招いたと民の扇動をはじめた。
でも……
『医者を集めろ。民の命を最優先にして、死因を調査せよ』
陛下は自らに憎しみを向ける民に対して、医者を手配して手厚い医療を優先した。
それで調査が遅れても、評価が落ちていく事など気にもしなかったのだ。
陛下の評価が落ち切ってしまった頃、ようやく原因が分かった。
『陛下、複数の貴族家が共謀し……流通させている薬に毒を混ぜたようです』
そう、原因は自国の貴族にあった。
即位したばかりの陛下の支配力を失くして、更なる貴族派閥一強時代を謳歌するための謀略。
本当に、陛下の周りには敵だらけでした。
さらに最悪なのは、そこまで分かりながら。
当時……それらの貴族家を裁く法が無かった事です。
『私共は民のため薬師に製薬させておりました。まさか毒が混入しているなどとは夢にも思っておりませんでしたよ』
毒を撒いた貴族は、社交界の場で笑顔のまま言った。
当時、薬害責任は損害に対する少しの賠償を負うという法案のみ。
前皇帝の失策ともいえる立法しかなかったんだ。
故に貴族家は多くの民を殺して苦しめながら、懐も痛まぬ金銭を払うだけで済む。
まさに法の抜け道を狙い……陛下を貶めるための謀略だ。
『私共も反省しておりますが、原因は即位した皇帝陛下が不幸を招いたからでは? 民からの評価も最低であり、歴代で最悪の皇帝陛下となりましょうなぁ』
悪びれもせず、半笑いで呟く貴族。
故意に毒を仕込んだ証拠があるのに裁くべき法案が無いと、誰もが手をこまねいていた中……
陛下は止まらなかった。
『最低の陛下か。帝国を導くためならば……それで構わん』
『え……?』
真っ直ぐに歩いていき、その紅の瞳で貴族を見据えたシルウィオ陛下は……
ひと時の迷いもなく……貴族の両腕を切り裂きました。
悲鳴を上げる貴族を見下ろし、取り巻きまでも残さずに一切の慈悲など与えずに返り血に染まっていった。
『国ではなく……俺が裁いた。異があれば言え、聞いてやる』
まだ若き皇帝陛下を侮っていた事を、皆が後悔したでしょう。
血に染まる陛下に、異を申す者などおりませんでした。
こうして陛下は貴族家に恐怖され……噂が広まって国民からも畏怖を受ける皇帝となった。
評価は血に染まり、誰もが恐慌する皇帝となってしまわれた。
陛下の行為に正しさなんてない、優しさなどなかっただろう。
ですが……陛下のおかげで貴族家の腐敗による民の犠牲は消えたのは、紛れもない事実だ。
◇◇◇
「陛下は自らが皇帝であるという信念を元に行動をした。だから多くの命と帝国を救えました。優しさではなく。自己の信念や願いを押し通す我の強さを貫いたおかげだ」
俺の言葉に、リーシアさんは驚きながらもキュッと唇を噛む。
彼女の優しさを否定しないが、それだけで生きていくにはあまりに世の中は汚れてしまっている。
「つまり何が言いたいかというと、自分が悪いと思わなくていい。リーシア」
「っ!!」
「君は自らを軽視する姉やディッグ殿下に怒ってもいいんだよ。自分の意志を大切にして生きてほしい」
リーシアは顔を上げ、はにかみながら頷いた。
「ありがとうございます。そうですね……私も、陛下を倣って自分の意志を強くしてみます」
「はは、真に見倣うべきはカーティア様ですけどね」
「え?」
「なにせカーティア様なんて、行動理念が自由に生きたいのみでしたから。その明るさと我の強さが、いつしかシルウィオ陛下の悪評を吹き飛ばしてましたよ」
城に来たばかりの頃。
ニワトリを抱いて、陛下に異を唱えていたカーティア様を思い出す。
今考えても、驚くべき程の豪胆だ。
「うん、やっぱり見倣うならカーティア様です。あの人は我の強さだけなら誰にも負けないですから」
「ふふ……そうなのですね。なら……カーティア様に色々と聞いてみようかな」
「俺が言った事は内緒ですよ?」
互いに笑みを含ませながら、カーティア様の明るさを思い出す。
陛下への恐怖が消えたのは……明るさで全てをかき消す皇后様のおかげだ。
「リーシアは、願いはないのか?」
「私、ずっと……ここに居たいです」
「なら、その願いを押し通せばいい。もっと強情に生きてもいいんだ」
「はい。ありがとうございます……グレインさん」
罪悪感を感じてうつむいていたリーシアが、顔を上げて笑う。
その姿に、少しは彼女の成長の糧となれたかもしれないと嬉しさを感じた。
「グレインさんにも、押し通したい願いはあるのですか?」
返された質問に息が詰まった。
考えてみるが……残念な事に、俺にはなにも思いつかない。
「俺はシルウィオ陛下への恩義に報いるために、陛下達を守る健康があれば他になにもいらない」
「でも……私に言ってくれたように、グレインさんも幸せのために生きて欲しいです」
「っ……」
今まで社交界などで会ってきた女性は、皆が自らの幸せのためだけに生きていた。
エリーなど、その権化だ。
だから、初めて俺の幸せを純粋に願ってくれた彼女に……少しだけ胸が鳴った。
初めての感覚で、良く分からぬまま早まる鼓動。
なんだ……これ。
「あ、あの……お話聞かせてくれてありがとうございます。最後に……外の風が浴びたいので庭園に連れていってくれますか」
「え、ええ。行こうか、リーシア」
盲目の彼女を支えるために手を取る。
いつもと変わらぬ行為だが、何故か握る手が熱くて……動揺が止まらない。
どうしたんだろうか、俺は。
疑問だらけの中、外に出て夜風を浴びるリーシアから目が離せなかった。
そうして……時が経ち。
五日後、再びディッグ殿下が帝国城へと連行されてくる。
傍らには、エリーやその家族がおり。
アイゼン帝国の皇帝––シルウィオ陛下の前に、彼らは並べられた。
その報いを与えるとシルウィオ陛下が決定した後、ディッグはアイゼン帝国騎士に連れられて母国へと戻った。
命令通り、リーシアの姉であるエリーやその夫など……
此度の非礼をそそのかした全員を陛下が処罰するため、連行されるだろう。
「……と、言う事です。これでリーシアの身は安全だ」
その夜、俺––グレインはいつも通り盲目のリーシアに連れ添っていた際、「なにがあったのか」と問われ、包み隠さずに答えた。
「お姉様が、ディッグ殿下に私を連れ戻すようにそそのかすなんて……」
「元はエリーが発端です……陛下も許しはしないでしょう」
俺とも因縁があり、正直言って苦手な女性の筆頭格であったエリー。
彼女は今更リーシアの物書きという価値に気付いたのだろう。
以前にも不祥事を起こして家の存続危機である状況、リーシアの名声にあやかりたいはずだ。
本当に身勝手な女性で……過去に悪口ごときで卑屈になっていた自分が矮小に思えた。
「ごめんなさい……私が皆様にご迷惑をおかけしてしまってますね」
リーシアは、エリーとはまた別の意味で、生きるのが苦手なのだろうとも思う。
自分は悪くはないのに謝罪をして、本気で罪悪感を感じている。
卑屈……いや、自己犠牲の精神が根にあるせいか。
「君は悪くはないよ。謝る必要はない」
「ですが、もしも此度の騒動が起因となり、レイル王国とアイゼン帝国が戦争にでもなれば……」
「なら……君は、どうすべきだったと思う?」
問いかけた言葉に、彼女は俯きながら答えた。
「守ってもらいながら失礼ですが……私が国に戻れば全て円満だったと思います。犠牲もなく終われたと……」
「確かに……それが一番だ。君は正しくて、優しい手段を選ぶんだね」
でも、俺はシルウィオ陛下をずっと見てきたから知ってる。
正しさと優しさでは……
「でもそれでは、誰も救えない事もある」
「え?」
「一つ聞いてくれるか? シルウィオ陛下の過去の事だ……」
リーシアには自己犠牲ではなく、強く抗う心を持って欲しい。
でなければ、彼女は自らの人生を犠牲してしまうだろうから。
その想いで……俺は過去を語り出す。
◇◇◇
シルウィオ陛下が即位した頃、我がアイゼン帝国は貴族の腐敗で腐りきっていた。
前皇帝があまりに酷かったせいだ。
そんな状況の中、帝国の民に原因不明の死が相次いだ。
貴族家は総出で新たな皇帝が不吉を招いたと民の扇動をはじめた。
でも……
『医者を集めろ。民の命を最優先にして、死因を調査せよ』
陛下は自らに憎しみを向ける民に対して、医者を手配して手厚い医療を優先した。
それで調査が遅れても、評価が落ちていく事など気にもしなかったのだ。
陛下の評価が落ち切ってしまった頃、ようやく原因が分かった。
『陛下、複数の貴族家が共謀し……流通させている薬に毒を混ぜたようです』
そう、原因は自国の貴族にあった。
即位したばかりの陛下の支配力を失くして、更なる貴族派閥一強時代を謳歌するための謀略。
本当に、陛下の周りには敵だらけでした。
さらに最悪なのは、そこまで分かりながら。
当時……それらの貴族家を裁く法が無かった事です。
『私共は民のため薬師に製薬させておりました。まさか毒が混入しているなどとは夢にも思っておりませんでしたよ』
毒を撒いた貴族は、社交界の場で笑顔のまま言った。
当時、薬害責任は損害に対する少しの賠償を負うという法案のみ。
前皇帝の失策ともいえる立法しかなかったんだ。
故に貴族家は多くの民を殺して苦しめながら、懐も痛まぬ金銭を払うだけで済む。
まさに法の抜け道を狙い……陛下を貶めるための謀略だ。
『私共も反省しておりますが、原因は即位した皇帝陛下が不幸を招いたからでは? 民からの評価も最低であり、歴代で最悪の皇帝陛下となりましょうなぁ』
悪びれもせず、半笑いで呟く貴族。
故意に毒を仕込んだ証拠があるのに裁くべき法案が無いと、誰もが手をこまねいていた中……
陛下は止まらなかった。
『最低の陛下か。帝国を導くためならば……それで構わん』
『え……?』
真っ直ぐに歩いていき、その紅の瞳で貴族を見据えたシルウィオ陛下は……
ひと時の迷いもなく……貴族の両腕を切り裂きました。
悲鳴を上げる貴族を見下ろし、取り巻きまでも残さずに一切の慈悲など与えずに返り血に染まっていった。
『国ではなく……俺が裁いた。異があれば言え、聞いてやる』
まだ若き皇帝陛下を侮っていた事を、皆が後悔したでしょう。
血に染まる陛下に、異を申す者などおりませんでした。
こうして陛下は貴族家に恐怖され……噂が広まって国民からも畏怖を受ける皇帝となった。
評価は血に染まり、誰もが恐慌する皇帝となってしまわれた。
陛下の行為に正しさなんてない、優しさなどなかっただろう。
ですが……陛下のおかげで貴族家の腐敗による民の犠牲は消えたのは、紛れもない事実だ。
◇◇◇
「陛下は自らが皇帝であるという信念を元に行動をした。だから多くの命と帝国を救えました。優しさではなく。自己の信念や願いを押し通す我の強さを貫いたおかげだ」
俺の言葉に、リーシアさんは驚きながらもキュッと唇を噛む。
彼女の優しさを否定しないが、それだけで生きていくにはあまりに世の中は汚れてしまっている。
「つまり何が言いたいかというと、自分が悪いと思わなくていい。リーシア」
「っ!!」
「君は自らを軽視する姉やディッグ殿下に怒ってもいいんだよ。自分の意志を大切にして生きてほしい」
リーシアは顔を上げ、はにかみながら頷いた。
「ありがとうございます。そうですね……私も、陛下を倣って自分の意志を強くしてみます」
「はは、真に見倣うべきはカーティア様ですけどね」
「え?」
「なにせカーティア様なんて、行動理念が自由に生きたいのみでしたから。その明るさと我の強さが、いつしかシルウィオ陛下の悪評を吹き飛ばしてましたよ」
城に来たばかりの頃。
ニワトリを抱いて、陛下に異を唱えていたカーティア様を思い出す。
今考えても、驚くべき程の豪胆だ。
「うん、やっぱり見倣うならカーティア様です。あの人は我の強さだけなら誰にも負けないですから」
「ふふ……そうなのですね。なら……カーティア様に色々と聞いてみようかな」
「俺が言った事は内緒ですよ?」
互いに笑みを含ませながら、カーティア様の明るさを思い出す。
陛下への恐怖が消えたのは……明るさで全てをかき消す皇后様のおかげだ。
「リーシアは、願いはないのか?」
「私、ずっと……ここに居たいです」
「なら、その願いを押し通せばいい。もっと強情に生きてもいいんだ」
「はい。ありがとうございます……グレインさん」
罪悪感を感じてうつむいていたリーシアが、顔を上げて笑う。
その姿に、少しは彼女の成長の糧となれたかもしれないと嬉しさを感じた。
「グレインさんにも、押し通したい願いはあるのですか?」
返された質問に息が詰まった。
考えてみるが……残念な事に、俺にはなにも思いつかない。
「俺はシルウィオ陛下への恩義に報いるために、陛下達を守る健康があれば他になにもいらない」
「でも……私に言ってくれたように、グレインさんも幸せのために生きて欲しいです」
「っ……」
今まで社交界などで会ってきた女性は、皆が自らの幸せのためだけに生きていた。
エリーなど、その権化だ。
だから、初めて俺の幸せを純粋に願ってくれた彼女に……少しだけ胸が鳴った。
初めての感覚で、良く分からぬまま早まる鼓動。
なんだ……これ。
「あ、あの……お話聞かせてくれてありがとうございます。最後に……外の風が浴びたいので庭園に連れていってくれますか」
「え、ええ。行こうか、リーシア」
盲目の彼女を支えるために手を取る。
いつもと変わらぬ行為だが、何故か握る手が熱くて……動揺が止まらない。
どうしたんだろうか、俺は。
疑問だらけの中、外に出て夜風を浴びるリーシアから目が離せなかった。
そうして……時が経ち。
五日後、再びディッグ殿下が帝国城へと連行されてくる。
傍らには、エリーやその家族がおり。
アイゼン帝国の皇帝––シルウィオ陛下の前に、彼らは並べられた。
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