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第二章 藍と学校
70. 月に吠える、2人で独りの病い犬。 Howling at the Two Moons.
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でもどうやって……それも俺が気づかないレベルで――!!
なんの心だ――!?
◇◆◇
クレジェンテが静かに言った。
「――どうやら、僕だけじゃなく、貴方も怯えているようですね……?」
◇◆◇
どういうことだ……?
この生徒の心も戦法もわからない……だが、その条件は同じ筈だ。なのにこの方は俺の対応できて、俺はできない。戦闘経験や精神と心を考慮しても俺の方が遥かに有利だったはず……なのに、不利な状況に追い込まれている……これはなんて――
――面白い……!!
「あぁ、“愉しい”!!
闘いとはこうではなくては!
貴方!面白い!
その精神状態でここまで!!
もっとです!
もっともっと“楽しませて”下さい!!」
神憑りになったように叫んでしまう。でもこの高揚感が抑えられない!
「……悪いけど、無理だ。僕は“心が狭い”からな……。……おかしいよなぁ……。
虐められた人間が一生その事をひきずって心がどんどん狭くなる。
なのに、虐めた側はすぐに忘れてしあわせな人生だ……!!
あぁ、腹が立つ……!!」
――なるほど、“心が狭い”。“虐め”られてきたから。
なのに半円状に配置した俺の心は全て一度に壊した。心の余裕を保つために、全範囲じゃなくてわざわざ5つに分けて配置したのに。
つまり彼は少ない心である程度広範囲の攻撃ができるという事になる。そういう物質を顕現させる心を持っている。
ならばいつ不意打ちが来てもいいように“共感”するか……?いや、彼の心の“物質性”のヒントはあっても、まだ“どんな感情”かは分からない。
……最初は今現在感じている心だけしか顕現させられない生徒である可能性を考慮して、そしてまだ学園で過去の遠い感情を持ってくることを習っていない1年生とも思われたから、恐怖かと思ったが……。
しかし、今の彼は口ぶりからしてももう心の準備ができているように感ぜられる。
……虐められていた、若しくは今も虐められている。そして今は怯えている先ほどまでにではないが……。
――彼のこころは、“どんな物質”の“どんな感情”だ……?
少し情報を引き出しつつ考える時間を稼ぐか……。
「――攻めてこないんですね?心が小さいなら短期決戦のほうがお好みのはず。
いや……心が狭い人にありがちな、持続させるのは得意なタイプでしょうか?
恨みつらみをいつまでも保てる人間ですかね……?」
彼の目がギラリと光る獣神体の覚悟を決めた戦士の瞳だ。
「……。いいのか?そんなに悠長に話していて……そうしていると誰かが助けに駆け付けてしまうかも知れないぞ?
知っているだろう?
マンソンジュ最強が誰か。
……きっと誰かが助けに来てくれるはず……。」
なるほど……闘う覚悟はあるが増援を期待して心を保っている弱さもある……。つけいるならそこか?
「残念ですが増援はありませんよ?
我々が何の作戦もなく、何の手も打たずに、ノコノコとこのパンドラ公国の武力の象徴であるマンソンジュを攻めたとでも?
厳密に言えばマンソンジュ軍士官学校の1年生しか居ない林間学校を狙って……ですが。」
これでどうだ?
……彼の瞳が揺れる、動揺している。
しかし――
「だったらなんだ?
それで僕が絶望するとでも?
――“虐められてきた人間”はな……“フランツ・カフカ”のように絶望から逃げ続けるか、“カフカを読んで”絶望と仲良くなるしかない。
――僕を絶望させたいなら……カフカのように“審判”を下してみろ……!」
自分を鼓舞するための強気な発言。だが彼の本質も確かに含んでいる。けれどもまだ手がかりが少なすぎる。
――なら親はどうだ?
「カフカですか……読んだことがなくて。
――すみませんねぇ……?
馬鹿で塵糞な親から生まれたもんで、俺には地獄の教養もあったもんじゃない。
そりゃあそうだ、“塵滓からは塵しか産まれねぇ……”鳶が鷹を産みますか?ありえねぇでしょう。
だのに、ヤツラときたら“貧乏な塵糞どもほどガキをぽんぽん作りやがる”……そして勝手に期待して……あぁ、ほんとうにいらいらしませんか……?」
どうだ?
「……先刻から喋っている間に、時間を稼ぎながらまた僕の周りに心を配置しているな?
……どうやら、どうしても僕を怒らせて突っ込ませたいらしい。」
――!
……バレている。まずいな親の話は響かなかった。
“親とは”良好な関係……か?
だが“学校では”虐められていて、こころは狭いが、戦闘を急がないことをみるに深く長く続く心を持っている。
しかもこのままでは先に俺のこころが知られてしまう可能性もある。
それも“俺の心の弱点”。
……つまり、“俺のこころの孔”が――
彼が言う。
「どうやら……待ちの姿勢が得意、若しくは、待つことしかできない人生を送ってきたのか……?」
図星だ……だが顔や態度には決して出さない……それをすると親に殴られてきたからなぁ……“ほんとうに親には恨みしかない”なぁ……。
思い耽っていると、唐突に彼が舌打ちをする。
――?
「どうやら、そろそろ待ちの心も少なくなってきたみたいだ。」
――何故わかった?こころを配ってもいないのに。
彼が意を得たりと突進してきた――
しかも俺が配置していた心が全部視えているかのように躱しながら――!!
彼の右腕が迫る。その拳を上半身だけ後ろに下げて躱したが、彼は元々そこを狙っていたかのように自分の左の掌に、勢いよく右の掌を叩きつけた。
――ッパン――!
ちいさな拍手のような音が鳴る。
それと同時に掌を中心に何かが放射状に広がる。
――静かだ――。
心臓の鼓動まで聞こえてきそうな静寂。
だのに何故か何も聞こえない――
「――がっああぁあぁあ!!!」
――誰かが叫んでいるらしい。
……俺だ。
――血が出ている。
……俺の目と耳から――!
「っ!!“光明の恨み”!!!」
彼と俺の間で“恨みでできた光”を炸裂させながら、距離をとる。一撃食らったが……今の戦り合いで、彼の心の性質も分かった。
――その弱点を追撃をさせないように即座に立ち上がり光の心を構える。
「なるほどぉ……?おもしろい……!!」
あぁ、強者との戦闘は本当に――!
◇◆◇
――僕の攻撃で斃れない――!?
全身が痛い!!なんだあの光は!?
どうしてあの近距離で爆音を食らわせて、あんなに冷静に対処できる――!?
なんで、わけのわからない攻撃を食らったはずなのに、その直後に“心を込めた言葉”を言える!?
これが差なのか――?
圧倒的な……先刻の口ぶりからして此奴も獣神体だろう……。
僕とおんなじ獣神体だろう……!
何でいつも他の獣神体より劣ってる?僕は!?彼奴の方が、戦闘経験が豊富で心も強いからだってそんなのは分かってる!!分かってるんだ……!!
でも……彼奴は他のニンゲン共と違っての僕をみくびらなかった!
馬鹿にしなかった!!
実戦経験のない苛められっ子で、ガタガタ震えて泣いてたのに……!
それでも彼奴は……!!
彼奴だけは僕を認めてくれた!
『兵だ』って!
『うつくしい人だ』って!!
人間だって認めてくれた。
――そんなの……そんなのっ、家の中だけだった……お父さんとお母さんと妹だけ。相談したら泣かせてしまったから、もう二度と相談できなくなっちゃったけど……!
外の世界じゃあ……“あの頃のアイちゃんだけ”だった……あの“向日葵みたいな横顔”と、“太陽みたいな笑顔”だった。
家の外には敵しかいなかったのに……。
なのになんで?敵なのになんでだよ!?
味方より敵の方がこころが通じ合うんだよ……!
今まで僕にはアイちゃんしかいなかったのに。
でもアイちゃんも、入学してすぐは仲良くしてくれてたのに、地元での僕の噂を知ったら手のひらを返して来たヤツラと同じだ。
僕はまた地に伏している――。
今までの人生はずっと俯いて太陽を避けてきた。
今の僕は地面に顔を擦りつけて、砂にまみれて、もっと醜いはずだ。
――でも
◇◆◇
「僕は――」
「俺は――」
「「……!……フッ……あぁ、そうだな――」」
「「最高の気分だ……!!」」
※少し前のお話で挿絵枚数の上限を超えてしまったので、前半の絵を削除して後半を増やすか、そのままにするか、少し考えます。
一旦、『小説家になろう』の方には“以降の話も全話挿し絵がついて”います。
https://ncode.syosetu.com/n7285kj/
なんの心だ――!?
◇◆◇
クレジェンテが静かに言った。
「――どうやら、僕だけじゃなく、貴方も怯えているようですね……?」
◇◆◇
どういうことだ……?
この生徒の心も戦法もわからない……だが、その条件は同じ筈だ。なのにこの方は俺の対応できて、俺はできない。戦闘経験や精神と心を考慮しても俺の方が遥かに有利だったはず……なのに、不利な状況に追い込まれている……これはなんて――
――面白い……!!
「あぁ、“愉しい”!!
闘いとはこうではなくては!
貴方!面白い!
その精神状態でここまで!!
もっとです!
もっともっと“楽しませて”下さい!!」
神憑りになったように叫んでしまう。でもこの高揚感が抑えられない!
「……悪いけど、無理だ。僕は“心が狭い”からな……。……おかしいよなぁ……。
虐められた人間が一生その事をひきずって心がどんどん狭くなる。
なのに、虐めた側はすぐに忘れてしあわせな人生だ……!!
あぁ、腹が立つ……!!」
――なるほど、“心が狭い”。“虐め”られてきたから。
なのに半円状に配置した俺の心は全て一度に壊した。心の余裕を保つために、全範囲じゃなくてわざわざ5つに分けて配置したのに。
つまり彼は少ない心である程度広範囲の攻撃ができるという事になる。そういう物質を顕現させる心を持っている。
ならばいつ不意打ちが来てもいいように“共感”するか……?いや、彼の心の“物質性”のヒントはあっても、まだ“どんな感情”かは分からない。
……最初は今現在感じている心だけしか顕現させられない生徒である可能性を考慮して、そしてまだ学園で過去の遠い感情を持ってくることを習っていない1年生とも思われたから、恐怖かと思ったが……。
しかし、今の彼は口ぶりからしてももう心の準備ができているように感ぜられる。
……虐められていた、若しくは今も虐められている。そして今は怯えている先ほどまでにではないが……。
――彼のこころは、“どんな物質”の“どんな感情”だ……?
少し情報を引き出しつつ考える時間を稼ぐか……。
「――攻めてこないんですね?心が小さいなら短期決戦のほうがお好みのはず。
いや……心が狭い人にありがちな、持続させるのは得意なタイプでしょうか?
恨みつらみをいつまでも保てる人間ですかね……?」
彼の目がギラリと光る獣神体の覚悟を決めた戦士の瞳だ。
「……。いいのか?そんなに悠長に話していて……そうしていると誰かが助けに駆け付けてしまうかも知れないぞ?
知っているだろう?
マンソンジュ最強が誰か。
……きっと誰かが助けに来てくれるはず……。」
なるほど……闘う覚悟はあるが増援を期待して心を保っている弱さもある……。つけいるならそこか?
「残念ですが増援はありませんよ?
我々が何の作戦もなく、何の手も打たずに、ノコノコとこのパンドラ公国の武力の象徴であるマンソンジュを攻めたとでも?
厳密に言えばマンソンジュ軍士官学校の1年生しか居ない林間学校を狙って……ですが。」
これでどうだ?
……彼の瞳が揺れる、動揺している。
しかし――
「だったらなんだ?
それで僕が絶望するとでも?
――“虐められてきた人間”はな……“フランツ・カフカ”のように絶望から逃げ続けるか、“カフカを読んで”絶望と仲良くなるしかない。
――僕を絶望させたいなら……カフカのように“審判”を下してみろ……!」
自分を鼓舞するための強気な発言。だが彼の本質も確かに含んでいる。けれどもまだ手がかりが少なすぎる。
――なら親はどうだ?
「カフカですか……読んだことがなくて。
――すみませんねぇ……?
馬鹿で塵糞な親から生まれたもんで、俺には地獄の教養もあったもんじゃない。
そりゃあそうだ、“塵滓からは塵しか産まれねぇ……”鳶が鷹を産みますか?ありえねぇでしょう。
だのに、ヤツラときたら“貧乏な塵糞どもほどガキをぽんぽん作りやがる”……そして勝手に期待して……あぁ、ほんとうにいらいらしませんか……?」
どうだ?
「……先刻から喋っている間に、時間を稼ぎながらまた僕の周りに心を配置しているな?
……どうやら、どうしても僕を怒らせて突っ込ませたいらしい。」
――!
……バレている。まずいな親の話は響かなかった。
“親とは”良好な関係……か?
だが“学校では”虐められていて、こころは狭いが、戦闘を急がないことをみるに深く長く続く心を持っている。
しかもこのままでは先に俺のこころが知られてしまう可能性もある。
それも“俺の心の弱点”。
……つまり、“俺のこころの孔”が――
彼が言う。
「どうやら……待ちの姿勢が得意、若しくは、待つことしかできない人生を送ってきたのか……?」
図星だ……だが顔や態度には決して出さない……それをすると親に殴られてきたからなぁ……“ほんとうに親には恨みしかない”なぁ……。
思い耽っていると、唐突に彼が舌打ちをする。
――?
「どうやら、そろそろ待ちの心も少なくなってきたみたいだ。」
――何故わかった?こころを配ってもいないのに。
彼が意を得たりと突進してきた――
しかも俺が配置していた心が全部視えているかのように躱しながら――!!
彼の右腕が迫る。その拳を上半身だけ後ろに下げて躱したが、彼は元々そこを狙っていたかのように自分の左の掌に、勢いよく右の掌を叩きつけた。
――ッパン――!
ちいさな拍手のような音が鳴る。
それと同時に掌を中心に何かが放射状に広がる。
――静かだ――。
心臓の鼓動まで聞こえてきそうな静寂。
だのに何故か何も聞こえない――
「――がっああぁあぁあ!!!」
――誰かが叫んでいるらしい。
……俺だ。
――血が出ている。
……俺の目と耳から――!
「っ!!“光明の恨み”!!!」
彼と俺の間で“恨みでできた光”を炸裂させながら、距離をとる。一撃食らったが……今の戦り合いで、彼の心の性質も分かった。
――その弱点を追撃をさせないように即座に立ち上がり光の心を構える。
「なるほどぉ……?おもしろい……!!」
あぁ、強者との戦闘は本当に――!
◇◆◇
――僕の攻撃で斃れない――!?
全身が痛い!!なんだあの光は!?
どうしてあの近距離で爆音を食らわせて、あんなに冷静に対処できる――!?
なんで、わけのわからない攻撃を食らったはずなのに、その直後に“心を込めた言葉”を言える!?
これが差なのか――?
圧倒的な……先刻の口ぶりからして此奴も獣神体だろう……。
僕とおんなじ獣神体だろう……!
何でいつも他の獣神体より劣ってる?僕は!?彼奴の方が、戦闘経験が豊富で心も強いからだってそんなのは分かってる!!分かってるんだ……!!
でも……彼奴は他のニンゲン共と違っての僕をみくびらなかった!
馬鹿にしなかった!!
実戦経験のない苛められっ子で、ガタガタ震えて泣いてたのに……!
それでも彼奴は……!!
彼奴だけは僕を認めてくれた!
『兵だ』って!
『うつくしい人だ』って!!
人間だって認めてくれた。
――そんなの……そんなのっ、家の中だけだった……お父さんとお母さんと妹だけ。相談したら泣かせてしまったから、もう二度と相談できなくなっちゃったけど……!
外の世界じゃあ……“あの頃のアイちゃんだけ”だった……あの“向日葵みたいな横顔”と、“太陽みたいな笑顔”だった。
家の外には敵しかいなかったのに……。
なのになんで?敵なのになんでだよ!?
味方より敵の方がこころが通じ合うんだよ……!
今まで僕にはアイちゃんしかいなかったのに。
でもアイちゃんも、入学してすぐは仲良くしてくれてたのに、地元での僕の噂を知ったら手のひらを返して来たヤツラと同じだ。
僕はまた地に伏している――。
今までの人生はずっと俯いて太陽を避けてきた。
今の僕は地面に顔を擦りつけて、砂にまみれて、もっと醜いはずだ。
――でも
◇◆◇
「僕は――」
「俺は――」
「「……!……フッ……あぁ、そうだな――」」
「「最高の気分だ……!!」」
※少し前のお話で挿絵枚数の上限を超えてしまったので、前半の絵を削除して後半を増やすか、そのままにするか、少し考えます。
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