🔴全話挿絵あり《堕胎告知》「オマエみたいなゴミ、産むんじゃなかった。」「テメェが勝手に産んだんだろ、ころすぞ。」🔵毎日更新18時‼️

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第二章 藍と学校

69. ガキの人生で博打をするな、自分の命でやれや、殺すぞボケが。 Don't Gamble with the Kid's Life.

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 「……皆!僕の後にさがっていてくれ!!僕が此奴こいつを何とかする……!!」

 ◇◆◇

 声も震え、身体さえビクビクと震えていたが、精一杯の勇気を振り絞って叫ぶ。拳を構えるが見るからにガタガタと震えていて、ヘルツすら上手くれていない。

でしょ!?」
獣神体アニムスなんだからアンタがやってよ!!」
「そうだ!いつも獣神体アニムスだからって、いい思いしてるだろ!!」

 ◇◆◇

「……、社会的に責任がある性別だから、
 ……そんな塵屑ゴミクズどもに頼られて。
 
 ……きっと
 『獣神体アニムスは泣くもんじゃない。』
 とごみみたいな言葉で育てられてきたでしょう。
 
 なのになんで、そんな人を頼ってばかりのごみ共を……。

 ……ふむ……その反応をみるに、こんな“科白せりふ”は響いていませんねぇ……?

 ……そうだ、もっとユーモラスにいきましょうか。人生には“滑稽味こっけいみ”、こころには“たのしみ”、闘いには“楽しさ”が必要ですからね。
 ……こんな“台詞せりふ”はどうですか……?

 『獣神体アニムスなんだから自分より優先して人間体アニマと子供を優先しろ。』
 『獣神体アニムスなのにスマートじゃなくて萎えた。』
 『獣神体アニムスのクセにご飯を奢らないなんてありえない。』
 
 ――みたいなことを言いそうな、塵糞ゴミクソ共を守るんです?
 
 ……すみません……色々と両親……の言葉を思い出してしまって余計な言葉を言いましたかね……?」

 震えて涙を流しながら、クレジェンテは言った――

「せっ……
 ……僕が此処ここで逃げたら……きっと自分を許せない。

 ……他人に
 『獣神体アニムスらしい人だ。』
 なんて言われなくていい。
 『獣神体アニムスのクセに』
 ってずっとイジいじめられてきたけど……!
 
 他人に自分の性別を認めてもらおうなんて思ってない。
 ――自分がっ、僕が僕を誇れるように生きたいだけだ。んじゃない!
 ……んだ……!!

 “鹿から!
 アイツラに媚びた笑いを浮かべて
 『僕もこんな自分やつは嫌いだ』
 って迎合でもするか?
 
 ちがう!断じてちがう!!
 自分だけは誇れる、自分自身を誇れる!!
 誰に馬鹿にされても!
 自分だけは自分の味方でいるんだ!!
 いられるんだ!!
 だって!!
 
 だから僕は戦う!
 自分の誇れる人間で――!!
 ――“!!!」

 ローブの男、ジョンウが相手を言った。

「――貴方は、人間だ。その美に敬意を払い、“実践経験のない学生”としてではなく、“つわもの”として全力でお相手いたしましょう……!」

 ◇◆◇

 クレジェンテはいじめられるぐらいには、獣神体アニムスとしては強くない。身体能力はあるが、ヘルツの量が少ない。
 

 どれだけこころの自尊心を育てて精神を保とうとしても、知り合いに毎日毎日コケにされてたら、新緑しんりょくの葉なんぞ腐る。
 
 イジられキャライジメられっことして、周りの人間に
 『あぁ、“馬鹿。』
 と一度思われたら終わってしまう。

 彼の生はそんなものだった。なまじ社会的に、肉体的に、“強いと性別”にのがよくなかった。

 ◇◆◇

 だからクレジェンテは決して自分がイジメられているとは、言わなかった。いじめイジられていると言った。そうして無意識に自分を守っていたのだ。
 
 『僕は“からイジメられている”んじゃない……“いじめイジり”をされていだけだ』と。

 そんなわけないことは彼にだって分かっていた、理解わかってしまっていた。
 のだ。
 
  ――いや、そう思ったところで虐められた人間は……。

 ◇◆◇

 貴族社会や“上級国民”の間では、強い性別は優遇され権力を持ち部下や他人に横柄おうへいに振る舞うことが。しかし、普通の階層や下級の社会では……“弱者獣神体アニムス”に対しては、
 
 『獣神体アニムスなんだから、雑に扱ってももいいでしょ?』
 『強い性別なんだから、ネタにしてもいいだろ?』
 『嫌な仕事を、きつい業務を押し付けても、長い時間働かせたとしても、無理をさせても大丈夫でしょう?……だって、獣神体なんだから……。』

「「「雑に扱っても大丈夫でしょう?……だって、獣神体なんだから!!!」」」
 
 という風潮が蔓延はびこっている。

 ◇◆◇

 ジョンウの生も性別に振り回されてきた。
 
 彼の2人の母は両方とも獣神体アニムスに捨てられた人間体アニマだった。両親とも子をはらんだから面倒になり捨てられたのだが。
 ……そうして生まれたのがジョンウだった。彼は獣神体アニムスだが両親とも人間体アニマの家庭で育てられるという極めて特異な幼少期を送った。

 いや、彼には両親がいたが、“は無かったし、同じ家に住んでいたが“”ができる環境にはいなかった。

 本来人間体アニマ同士がパートナーになるということはありえない。人間体アニマ同士で子供を作ると、ほとんど確実に人間体アニマ
 つまりわざわざ将来の見込みもない、恩も返せないであろう、金も返せないであろう“劣等種れっとうしゅ”を、ただの“負債ふさい”を抱えることになる。
 
 だから普通の人間体アニマはそんなことはしない、よりすぐれた獣神体アニムスに取り入ってソイツの金を地位を、力を頼りに生きていく道を目指す。
 どれだけすぐれた、生まれた瞬間に歓喜の歌を聴いた性別に依存して生きていくかしか考えない。
 ――本人たちは依存しているのではなく、劣った性に生まれたのだから、だと主張しているが――。

 だが彼の両親は人間体アニマにありがちな、身体を売りながらの極めて貧しい生活を送っていたが、産まれる前に自分たちの子を殺すことを何故か選ばなかった。獣神体アニムスつがいのいない人間体アニマにとって“子供”など、鬱陶しいごみよりも“迷惑な存在”なのに。

 つまるところ彼の両親はのだ。換言かんげんすると、自分たちとは違って“すぐれた性別”として、“すぐれた生物”として生まれてほしかった。
 そして社会競争に勝たせて、のだ。

 だから彼らは獣神体あたりが生まれたら育て、ノーマルはずれが生まれたら捨て、人間体ごみが生まれたら娼館しょうかんに売ろうと考えていた。

 ――そして子供が2人生まれ“43

 ◇◆◇

冗談ジョークを言ってる間に準備はできましたか?
 ……ヘルツが練れるまでお待ちしますよ。
 ……貴方をつわものと認めたとは言え、ヘルツの準備もできていない相手をいたぶる趣味はありません。」

 相手を気遣きづかったようにいうジョンウ、クレジェンテの涙のなかに自身の境遇きょうぐうを見たのかもしれない。

「準備ができたか……だと?
 ……いつでも来い……!獣神体アニムス……!!」

 相変わらずおびえきっているが、ヘルツを拳にまとわせてその心で無理矢理震えを押さえつけたクレジェンテが叫ぶ。

「……あぁ、やっぱり貴方はうつくしい方だ。大変申し訳ない。戦士に対して不粋ぶすいな質問をしましたね。
 ……では、参ります――!!」

 ◇◆◇

 きっとこのクレジェンテという方は驚いているだろう。傍目はためから見れば俺がヘルツも捨て去って直線的に走り寄ってくるのだから。戦闘訓練を積んだマンソンジュ軍士官学校の生徒なら馬鹿に見えるだろう。
 
 だがクソみてぇな家で育ったおかげせいで、俺は心を隠すのが上手い。既に彼の前方に半円を描くように、俺の心が届くギリギリの距離で、5つ光のヘルツを隠している。

 つまり少しり合って、後ろに引いたところで実践経験のない彼は、焦って追撃をしようと一步、ただ前に踏み込んでくるだろう。

 その一步が命取りだ――!!

 ――!?!?

 眩しい――!!

 視界が――!!!
 
 なんだ!?何が起こった!?俺の配っていたヘルツが勝手に爆発した……!!……のか――?
 クソッ……眼が……!

 何故だ!?
 アレは何かにぶつからない限り爆発しない!

 この生徒のヘルツか!!
 でもどうやって……それも俺が気づかないレベルで――!!
 なんのヘルツだ――!?

 ◇◆◇

 クレジェンテがとても静かに言った――

「――どうやら、僕だけじゃなく、貴方もおびえているようですね……?」


※前前回のお話で挿絵枚数の上限を超えてしまったので、前半の絵を削除して後半を増やすか、そのままにするか、少し考えます。

一旦、『小説家になろう』の方には“以降の話も全話挿し絵がついて”います。
https://ncode.syosetu.com/n7285kj/
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