75 / 140
第74話 その裁判、待ったぁっ!!
しおりを挟む
私達は回収したICレコーダーを復活させ、そこに記録されている事を聞いた。
中には予想通り証拠として十分なものが記録されており、とりあえずは第一関門突破といったところだった。
だが最悪な事に、私達がその武器を手に入れた時にはグラジオスの裁判は既に始まってしまっていた。
「今どうなってた、エマ!?」
私は必死に天井の漆喰を火かき棒で削り落とす。
その天井の上では、今グラジオスの裁判が一方的に行われている。
次々と似非証人と似非証拠が貴族たちの前に並べられ、グラジオスの寿命は刻一刻と縮んでいく。
グラジオスの弁護人は証拠も何も持たないオーギュスト伯爵ぐらいだろうか。
後は全て敵か傍観者のはずだ。
「毒薬の入っていた瓶を見せつけていました。まだ少しだけなら時間はあると思います」
自己顕示欲の強いカシミールは、裁判の後すぐさま自らの手で刑を執行するつもりらしい。しかもそれを民衆に見せつけるために、わざわざ城の庭に民衆を引き入れ、バルコニーで裁判を行っていた。
逆にそれが私達に付け入る隙を与えてくれたのだが。
私が火かき棒を突き入れると、漆喰が大きく削れ、天井からボロボロと白い粉が落ちてくる。
口や目に入るそれを、何度も吐き出しながら作業を続けた。
「交代します、雲母さん」
「ありがと」
私は脚立から飛び降りると火かき棒をエマに渡す。
エマは火かき棒を手に持つと、すぐさま作業に取り掛かってくれた。
私は顔を拭うと今度は用意した秘密道具の調子を確認する。
銀線を何重にも巻いて作ったコイルを手のひら大の強力な磁石の裏側に取り付けた代物だ。
コイルの先は、分解したイヤホンの先にくっつけてある。
「それ、何なんですか?」
協力してくれている黒髪に眼鏡をかけたメイドさん――確か名前はレーレンだったかな――が私の手元を覗き込んで尋ねる。
う~ん、こっちの世界の人はスピーカーなんて知らないよね。何て言ったものかなぁ。
「おっきい音を出すための装置、かな」
大まかな説明をした時、
「雲母さん、石が出ました」
エマがそう報告してくれる。
石、つまりテラスの床石だ。
「ありがと。じゃあエマ、頼める?」
私は巨大なスピーカーもどきがくっつけられたICレコーダーをエマに手渡す。
「はい」
床石に直接磁石を押し当て、床石をスピーカーにしてしまう。それが裁判に直接音という証拠を届けるためにできる唯一の方法だった。
「手に振動が来て辛いと思うけど、我慢してね」
「殿下の為ならいくらでも」
エマはそう健気に返すと磁石を天井に押し付け、ICレコーダーの操作を始めた。
そして……。
『父上、大切な話がございます』
再生が始まる。
こちらで聞こえているという事は、裁判が行われているバルコニーにも間違いなく届いている事だろう。
「あとよろしくっ。レーレンさんはドアを絶対開けられないように封鎖しといてください! でもホントにヤバくなったら逃げてくださいねっ」
「分かりました、お任せください」
丁寧かつ頼もしい言葉に見送られ、私は部屋を飛び出した。
私は廊下を走る。
突然どこからともなく響き始めた会話に人々が戸惑っている今なら裁判に乱入できるかもしれないからだ。
バルコニーに向かう為には二階に上がって専用のドアを潜ればいい。でもそのルートは衛兵が固めていて無理だろう。
だから私はその上、三階の窓からバルコニーに飛び降りるつもりだった。
そちらにも衛兵が配置されている可能性はあったが、二階よりは少ないはずだ。
私は懸命に走り、階段を二段飛ばしで駆け上がり、更に走る。
呼吸が苦しくなっても速度を緩めず走る。
昨日から動き続けていたせいで、体力の限界が近かったが、それでも足を動かすのを止めなかった。
額から流れて来た汗が右目に入ってしまう。私は服の袖口で拭ったら、漆喰の粉と汗が混じり合った泥がべったりと服に付いてしまった。多分、髪も顔もドロドロでひどい状態だろう。鏡で見たら卒倒するかもしれない。
こんな私を見ても、誰も私が歌姫だなんて思わないだろう。
構うものか。今の私は歌姫である前に雲母なんだから。
走る私の前に、目的の窓が近づいてくる。
運よく衛兵の姿は見当たらなかった。
私は窓を思いきり開けると、そこに身を躍らせる。
――日差しと風が、憎たらしいくらいに気持ち良かった。
「待ったぁぁぁぁぁぁっ!!」
空中に在る私の体を、重力が掴んで石造りのバルコニーへと引きずり落とす。
それに抗う術を知らない私は――両足でしっかりと着地し、床を踏みしめ片手を付いて衝撃に耐える。
私が飛び降りた場所はバルコニーの端っこで、近くには多くの衛兵たちが居る。
バルコニーの外周で庭、つまり民衆にもっとも近い位置でグラジオスは跪かされている。彼の手には枷を填められ、両足は走って逃げられない様に鎖で繋がれていた。
服は、捕まった時のままだ。恐らくはずっと放置されていたのだろう。
グラジオスの隣にはカシミールが立っているのだが、今は顔をこわばらせて私を睨みつけている。
その二人から少し距離を取る形で、オーギュスト伯爵を始めとした貴族が居並んでおり、短槍を手にした衛兵たちが彼らを取り巻いていた。
独演会を開いて無理やり聞かせているジャイ○ンみたいな感じだなという少し場違いな感想が私の中に浮かぶ。
私は未だ虚を突かれて動けないでいる衛兵たちから身を守るためにも、オーギュスト伯爵の所にまで走った。
ちょっと情けないかもしれないけれど、戦う術を持たないのだから仕方がない。
近づいてくる私の顔を見たオーギュスト伯爵の顔に困惑の色が浮かぶ。
変装している私の事が分からないみたいだった。
「雲母、何をやっている。来るなっ」
グラジオスが叫ぶ。
ああ、私だって分かるんだ。
髪を切って、男の子の格好をして、顔は泥まみれでも、グラジオスは見ただけで私だって気付くんだ。
少し、嬉しいかな。
でも今はそんな事を喜んでいる暇なんてない。
私の目的は――。
「グラジオスっ!」
私は叫ぶ。
私の声を直近で聞いた事でオーギュスト伯爵が私の正体に気付いたのか、信じられないというように目を見開いて驚く。
グラジオスは、少しやるせないといった感じで唇を噛み締めている。
私が何のためにこの場に居るか、グラジオスは分かっているのだろう。
私が居るという事は、エマも、ハイネも、まだこの王都に留まっているという事だ。
それはグラジオスの望みとはまったく逆の事で……。
――でも私達がアンタの望みをかなえるはずがないじゃない、バカグラジオス。
「大丈夫。絶対助けるからっ」
私のその言葉がグラジオスに届いたのだろう。
途端にグラジオスは顔をクシャっと歪めて……泣き笑いの様な、不思議な顔をした。
中には予想通り証拠として十分なものが記録されており、とりあえずは第一関門突破といったところだった。
だが最悪な事に、私達がその武器を手に入れた時にはグラジオスの裁判は既に始まってしまっていた。
「今どうなってた、エマ!?」
私は必死に天井の漆喰を火かき棒で削り落とす。
その天井の上では、今グラジオスの裁判が一方的に行われている。
次々と似非証人と似非証拠が貴族たちの前に並べられ、グラジオスの寿命は刻一刻と縮んでいく。
グラジオスの弁護人は証拠も何も持たないオーギュスト伯爵ぐらいだろうか。
後は全て敵か傍観者のはずだ。
「毒薬の入っていた瓶を見せつけていました。まだ少しだけなら時間はあると思います」
自己顕示欲の強いカシミールは、裁判の後すぐさま自らの手で刑を執行するつもりらしい。しかもそれを民衆に見せつけるために、わざわざ城の庭に民衆を引き入れ、バルコニーで裁判を行っていた。
逆にそれが私達に付け入る隙を与えてくれたのだが。
私が火かき棒を突き入れると、漆喰が大きく削れ、天井からボロボロと白い粉が落ちてくる。
口や目に入るそれを、何度も吐き出しながら作業を続けた。
「交代します、雲母さん」
「ありがと」
私は脚立から飛び降りると火かき棒をエマに渡す。
エマは火かき棒を手に持つと、すぐさま作業に取り掛かってくれた。
私は顔を拭うと今度は用意した秘密道具の調子を確認する。
銀線を何重にも巻いて作ったコイルを手のひら大の強力な磁石の裏側に取り付けた代物だ。
コイルの先は、分解したイヤホンの先にくっつけてある。
「それ、何なんですか?」
協力してくれている黒髪に眼鏡をかけたメイドさん――確か名前はレーレンだったかな――が私の手元を覗き込んで尋ねる。
う~ん、こっちの世界の人はスピーカーなんて知らないよね。何て言ったものかなぁ。
「おっきい音を出すための装置、かな」
大まかな説明をした時、
「雲母さん、石が出ました」
エマがそう報告してくれる。
石、つまりテラスの床石だ。
「ありがと。じゃあエマ、頼める?」
私は巨大なスピーカーもどきがくっつけられたICレコーダーをエマに手渡す。
「はい」
床石に直接磁石を押し当て、床石をスピーカーにしてしまう。それが裁判に直接音という証拠を届けるためにできる唯一の方法だった。
「手に振動が来て辛いと思うけど、我慢してね」
「殿下の為ならいくらでも」
エマはそう健気に返すと磁石を天井に押し付け、ICレコーダーの操作を始めた。
そして……。
『父上、大切な話がございます』
再生が始まる。
こちらで聞こえているという事は、裁判が行われているバルコニーにも間違いなく届いている事だろう。
「あとよろしくっ。レーレンさんはドアを絶対開けられないように封鎖しといてください! でもホントにヤバくなったら逃げてくださいねっ」
「分かりました、お任せください」
丁寧かつ頼もしい言葉に見送られ、私は部屋を飛び出した。
私は廊下を走る。
突然どこからともなく響き始めた会話に人々が戸惑っている今なら裁判に乱入できるかもしれないからだ。
バルコニーに向かう為には二階に上がって専用のドアを潜ればいい。でもそのルートは衛兵が固めていて無理だろう。
だから私はその上、三階の窓からバルコニーに飛び降りるつもりだった。
そちらにも衛兵が配置されている可能性はあったが、二階よりは少ないはずだ。
私は懸命に走り、階段を二段飛ばしで駆け上がり、更に走る。
呼吸が苦しくなっても速度を緩めず走る。
昨日から動き続けていたせいで、体力の限界が近かったが、それでも足を動かすのを止めなかった。
額から流れて来た汗が右目に入ってしまう。私は服の袖口で拭ったら、漆喰の粉と汗が混じり合った泥がべったりと服に付いてしまった。多分、髪も顔もドロドロでひどい状態だろう。鏡で見たら卒倒するかもしれない。
こんな私を見ても、誰も私が歌姫だなんて思わないだろう。
構うものか。今の私は歌姫である前に雲母なんだから。
走る私の前に、目的の窓が近づいてくる。
運よく衛兵の姿は見当たらなかった。
私は窓を思いきり開けると、そこに身を躍らせる。
――日差しと風が、憎たらしいくらいに気持ち良かった。
「待ったぁぁぁぁぁぁっ!!」
空中に在る私の体を、重力が掴んで石造りのバルコニーへと引きずり落とす。
それに抗う術を知らない私は――両足でしっかりと着地し、床を踏みしめ片手を付いて衝撃に耐える。
私が飛び降りた場所はバルコニーの端っこで、近くには多くの衛兵たちが居る。
バルコニーの外周で庭、つまり民衆にもっとも近い位置でグラジオスは跪かされている。彼の手には枷を填められ、両足は走って逃げられない様に鎖で繋がれていた。
服は、捕まった時のままだ。恐らくはずっと放置されていたのだろう。
グラジオスの隣にはカシミールが立っているのだが、今は顔をこわばらせて私を睨みつけている。
その二人から少し距離を取る形で、オーギュスト伯爵を始めとした貴族が居並んでおり、短槍を手にした衛兵たちが彼らを取り巻いていた。
独演会を開いて無理やり聞かせているジャイ○ンみたいな感じだなという少し場違いな感想が私の中に浮かぶ。
私は未だ虚を突かれて動けないでいる衛兵たちから身を守るためにも、オーギュスト伯爵の所にまで走った。
ちょっと情けないかもしれないけれど、戦う術を持たないのだから仕方がない。
近づいてくる私の顔を見たオーギュスト伯爵の顔に困惑の色が浮かぶ。
変装している私の事が分からないみたいだった。
「雲母、何をやっている。来るなっ」
グラジオスが叫ぶ。
ああ、私だって分かるんだ。
髪を切って、男の子の格好をして、顔は泥まみれでも、グラジオスは見ただけで私だって気付くんだ。
少し、嬉しいかな。
でも今はそんな事を喜んでいる暇なんてない。
私の目的は――。
「グラジオスっ!」
私は叫ぶ。
私の声を直近で聞いた事でオーギュスト伯爵が私の正体に気付いたのか、信じられないというように目を見開いて驚く。
グラジオスは、少しやるせないといった感じで唇を噛み締めている。
私が何のためにこの場に居るか、グラジオスは分かっているのだろう。
私が居るという事は、エマも、ハイネも、まだこの王都に留まっているという事だ。
それはグラジオスの望みとはまったく逆の事で……。
――でも私達がアンタの望みをかなえるはずがないじゃない、バカグラジオス。
「大丈夫。絶対助けるからっ」
私のその言葉がグラジオスに届いたのだろう。
途端にグラジオスは顔をクシャっと歪めて……泣き笑いの様な、不思議な顔をした。
1
あなたにおすすめの小説
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました
小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。
しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!?
助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、
「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。
幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。
ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく!
ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
『身長185cmの私が異世界転移したら、「ちっちゃくて可愛い」って言われました!? 〜女神ルミエール様の気まぐれ〜』
透子(とおるこ)
恋愛
身長185cmの女子大生・三浦ヨウコ。
「ちっちゃくて可愛い女の子に、私もなってみたい……」
そんな密かな願望を抱えながら、今日もバイト帰りにクタクタになっていた――はずが!
突然現れたテンションMAXの女神ルミエールに「今度はこの子に決〜めた☆」と宣言され、理由もなく異世界に強制転移!?
気づけば、森の中で虫に囲まれ、何もわからずパニック状態!
けれど、そこは“3メートル超えの巨人たち”が暮らす世界で――
「なんて可憐な子なんだ……!」
……え、私が“ちっちゃくて可愛い”枠!?
これは、背が高すぎて自信が持てなかった女子大生が、異世界でまさかのモテ無双(?)!?
ちょっと変わった視点で描く、逆転系・異世界ラブコメ、ここに開幕☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる