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冒険者ギルド長とオークの戦い
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冒険者司令部。
オタルとバルムは、一騎打ちを選んだ。オタルは、いざとなったら魔法と槍の撃ち合いに持ち込むつもりだった。
「どりゃ!」オタルの振り下ろす剣は、バルムの短剣に受け止められる。バルムの武器は、ドワーフの棲家から採掘したものだ。
「おかしい。魔物どもの武器なんか、おもちゃじゃないのか?」
オタルは剣技を発動させて、オークに襲いかかる。
「ぐわっ!」受け止めきれないバルムは、切り傷を作る。「魔物のくせに、剣で戦いとは片腹痛いわ!」
オタルは一方的に斬りつけている。
「はぁ、はぁ。普段の不摂生がたたったか……」
肩で息をしながら、オークの硬い体に少しずつ傷をつけていく。オタルは力があり、剣技スキルも持っているが、速さに欠けている。
「連撃スキルを取るべきだったな。……ここで決めるか!」
オークは自然治癒によって体力を回復していく。回復されては意味がない。
追い詰められたバルムは、じわじわと後退していく。それにつられて、オタルも前に出る。
追いすぎている――それは頭でわかっていた。だが、勝ちを確信してしまった足が止まらない。いや、止められなかった。
バルムはわざと転び、後転する。後ろに控えるオークたちから、一斉に毒のついた槍が飛ぶ。
近距離で逃げられず、オタルの全身に突き刺さる。
「ははは、そんなものか! わしに毒は効かんぞ。デトキシファイ、ヒール!」
オタルは毒消しと治癒を唱える。ギルド長の装着している優れた防具と高い耐久力により、即死は免れた。「……危なかった」
立ち直った人間陣営の後衛の魔術師たちから、反撃の火や土の魔法が撃ち込まれる。オークたちのいる場所は暗く、憶測での攻撃になり、的外れも多い。
さらに、ランクも魔法のレベルも低いため、効果が薄く、魔法防御もあるため、ほとんど被害はない。
「はっはっはっは」
オークたちは笑いながら、再び槍を構えてオタルを狙っている。もう一瞬の躊躇も命取りだ。
「ここでやるしかないか! これでも受けてみろ!!」
ギルド長オタルが魔剣の力を発動し、バルムに撃ち込む。
バルムは両手の剣で受けるが、剣は壊れ、受け止めきれずに斬撃を受けた。
そのとき、オタルの魔剣にも、音もなくひびが入った。
「うああああ!」
バルムの形相が変わる。バルムの瞳に、かつての王の影が宿る。爛爛と輝いたかと思うと、その身は二回りも膨れ上がった。
オーク王の持っていた狂気の力が引き継がれ、自然発動した。体力が減るほど力が上がる――今、最強の状態である。
「ぶぅん!」
バルムは腰から短剣を抜き、振り回す。突風が巻き起こり、オタルは足元をとられて転倒した。
バルムの足に押さえつけられ、剣で斬りつけられる。オタルは魔剣で防ごうとした――
最後の頼みの綱、それさえ、乾いた音と共に砕けた。
今までの数倍も重く、早い剣に斬られ、回復も間に合わない。
世界の音が遠のいていく。
オタルは、深い、底のない闇へと沈んでいった。
※
冒険者が二組、この戦いを見つめていた。一組はルーカスと女冒険者。もう一組はアキラ達だ。
アキラ達は、ノクスが提供したエルフの妙薬を使って匂いを消し、風上を選び、物音を立てずに静かに接近していた。
「ラピさん、あの魔法……なんか、弱くないですか?」
「いえ、あれで普通ですよ。ステータスとスキルレベルの積算ですから。アキラさん達が異常なだけです」
「そうなんですね。ていうか、あのオーク……まさか次のオークキング? あのギルド長、負けたな」
馬鹿にされたギルド長に特別な感情はない。助ける気もなかった。
「それでは、戻りましょうか?」ラピスが撤収を仄めかす。
だがその時、止めを刺そうとしていたバルムの身体が、土の矢に吹き飛ばされた。
「あれ?」アキラが隣を見ると、ノクスが静かに弓を構えていた。
「オークを見たら倒しなさい。セレナ姉さんの遺言です」
「セレナさん、生きてますけど」ノワールがノクスの背で笑いながら訂正する。
「仕方ない、参戦しよう。ただし、遠距離から。前衛が里帰り中だからね」
アキラもうずうずしていたのかもしれない。マップ機能で位置を特定し、バルムとオーク達をストーンサークルで囲む。何重にも石の檻を築き上げた。
「ぐぐぐぐ……!」
悔しげな声を上げながら、バルムは石の壁を次々に破壊する。しかしそのたび、外側に新たな壁が築かれていく。
※
「まずいな。負けたな」ルーカスは森の中から戦況を眺めていた。
「助けに行かないのですか?」女冒険者が疑問を投げかける。
「タイミングを測っている」彼女の目を見つめながら、美貌のエルフは真剣な表情を見せた。無闇に飛び出して、死ぬわけにはいかないからな。
「そうなんですね……」女冒険者は、その美しさと凛々しさに見惚れていた。
「仕方ないか……」ルーカスは、敵に追われた時、この女を囮にするつもりで意を決し、矢筒から矢を取り出した。すると、バルムに土の矢が命中した。
慌てて、ルーカスも連射を開始する。「あの土の矢は、ハイエルフの娘の攻撃か……」
ストーンサークルが完成するのを見て、ルーカスはギルド長を救出した。ギルド長を他の冒険者に背負わせ、号令をかける。
「皆、撤収だ! 峠の休憩所まで走れ!」ルーカスは先頭を切って逃げ出した。
峠の休憩所には、王国騎士団が残っているはずだ。そこまで逃げ切れば助かるだろう。
※
「え? なんで……?」アキラたちは困惑していた。これはお前たちの戦闘だろうに。
「仕方ない。セレナの意志を引き継ごう」
「はい!」ノクスは嬉しそうに返事をした。
「だから、生きてるってば」ノワールはノクスの背中から降りて、おやつにもらったチョコを食べながら軽く呟いた。
アキラは火風の複合魔法を、ノクスは土の矢を放ち、次々に敵を屠っていった。だが、二度目の狂気に突入したバルムは、ついに柵を壊してしまった。
「来るぞ! 迎え撃て!」アキラたちは身構えたが、バルムは生き延びたオークたちを引き連れ、森の中へ逃げ込んだ。
「どうしますか?」ノクスは、追撃したそうな様子だった。
「いや、戻ろう。ハートフェルトたちも心配だ」アキラはマップ機能で周囲を確認したが、特に反応はなかった。
オタルとバルムは、一騎打ちを選んだ。オタルは、いざとなったら魔法と槍の撃ち合いに持ち込むつもりだった。
「どりゃ!」オタルの振り下ろす剣は、バルムの短剣に受け止められる。バルムの武器は、ドワーフの棲家から採掘したものだ。
「おかしい。魔物どもの武器なんか、おもちゃじゃないのか?」
オタルは剣技を発動させて、オークに襲いかかる。
「ぐわっ!」受け止めきれないバルムは、切り傷を作る。「魔物のくせに、剣で戦いとは片腹痛いわ!」
オタルは一方的に斬りつけている。
「はぁ、はぁ。普段の不摂生がたたったか……」
肩で息をしながら、オークの硬い体に少しずつ傷をつけていく。オタルは力があり、剣技スキルも持っているが、速さに欠けている。
「連撃スキルを取るべきだったな。……ここで決めるか!」
オークは自然治癒によって体力を回復していく。回復されては意味がない。
追い詰められたバルムは、じわじわと後退していく。それにつられて、オタルも前に出る。
追いすぎている――それは頭でわかっていた。だが、勝ちを確信してしまった足が止まらない。いや、止められなかった。
バルムはわざと転び、後転する。後ろに控えるオークたちから、一斉に毒のついた槍が飛ぶ。
近距離で逃げられず、オタルの全身に突き刺さる。
「ははは、そんなものか! わしに毒は効かんぞ。デトキシファイ、ヒール!」
オタルは毒消しと治癒を唱える。ギルド長の装着している優れた防具と高い耐久力により、即死は免れた。「……危なかった」
立ち直った人間陣営の後衛の魔術師たちから、反撃の火や土の魔法が撃ち込まれる。オークたちのいる場所は暗く、憶測での攻撃になり、的外れも多い。
さらに、ランクも魔法のレベルも低いため、効果が薄く、魔法防御もあるため、ほとんど被害はない。
「はっはっはっは」
オークたちは笑いながら、再び槍を構えてオタルを狙っている。もう一瞬の躊躇も命取りだ。
「ここでやるしかないか! これでも受けてみろ!!」
ギルド長オタルが魔剣の力を発動し、バルムに撃ち込む。
バルムは両手の剣で受けるが、剣は壊れ、受け止めきれずに斬撃を受けた。
そのとき、オタルの魔剣にも、音もなくひびが入った。
「うああああ!」
バルムの形相が変わる。バルムの瞳に、かつての王の影が宿る。爛爛と輝いたかと思うと、その身は二回りも膨れ上がった。
オーク王の持っていた狂気の力が引き継がれ、自然発動した。体力が減るほど力が上がる――今、最強の状態である。
「ぶぅん!」
バルムは腰から短剣を抜き、振り回す。突風が巻き起こり、オタルは足元をとられて転倒した。
バルムの足に押さえつけられ、剣で斬りつけられる。オタルは魔剣で防ごうとした――
最後の頼みの綱、それさえ、乾いた音と共に砕けた。
今までの数倍も重く、早い剣に斬られ、回復も間に合わない。
世界の音が遠のいていく。
オタルは、深い、底のない闇へと沈んでいった。
※
冒険者が二組、この戦いを見つめていた。一組はルーカスと女冒険者。もう一組はアキラ達だ。
アキラ達は、ノクスが提供したエルフの妙薬を使って匂いを消し、風上を選び、物音を立てずに静かに接近していた。
「ラピさん、あの魔法……なんか、弱くないですか?」
「いえ、あれで普通ですよ。ステータスとスキルレベルの積算ですから。アキラさん達が異常なだけです」
「そうなんですね。ていうか、あのオーク……まさか次のオークキング? あのギルド長、負けたな」
馬鹿にされたギルド長に特別な感情はない。助ける気もなかった。
「それでは、戻りましょうか?」ラピスが撤収を仄めかす。
だがその時、止めを刺そうとしていたバルムの身体が、土の矢に吹き飛ばされた。
「あれ?」アキラが隣を見ると、ノクスが静かに弓を構えていた。
「オークを見たら倒しなさい。セレナ姉さんの遺言です」
「セレナさん、生きてますけど」ノワールがノクスの背で笑いながら訂正する。
「仕方ない、参戦しよう。ただし、遠距離から。前衛が里帰り中だからね」
アキラもうずうずしていたのかもしれない。マップ機能で位置を特定し、バルムとオーク達をストーンサークルで囲む。何重にも石の檻を築き上げた。
「ぐぐぐぐ……!」
悔しげな声を上げながら、バルムは石の壁を次々に破壊する。しかしそのたび、外側に新たな壁が築かれていく。
※
「まずいな。負けたな」ルーカスは森の中から戦況を眺めていた。
「助けに行かないのですか?」女冒険者が疑問を投げかける。
「タイミングを測っている」彼女の目を見つめながら、美貌のエルフは真剣な表情を見せた。無闇に飛び出して、死ぬわけにはいかないからな。
「そうなんですね……」女冒険者は、その美しさと凛々しさに見惚れていた。
「仕方ないか……」ルーカスは、敵に追われた時、この女を囮にするつもりで意を決し、矢筒から矢を取り出した。すると、バルムに土の矢が命中した。
慌てて、ルーカスも連射を開始する。「あの土の矢は、ハイエルフの娘の攻撃か……」
ストーンサークルが完成するのを見て、ルーカスはギルド長を救出した。ギルド長を他の冒険者に背負わせ、号令をかける。
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※
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