鬼上司と秘密の同居

なの

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さあ…始まりです

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室長の話はまだまだ続いた。どんだけ海斗のことを嫌ってるんだこの人は、俺は奥歯を噛み締めながら室長の話を聞いていた。

「小沢はまだ秘書補佐をしているのですが、仕事を頼んでもいつも川上さんが手伝ってくれているんです。たまに、川上さん以外の秘書にも手伝ってもらってるんですよ、小沢1人では仕事を任すことができないんです。今日使う重要な書類だって、何度もこちらも確認したのに間違えて用意したんですよ。川上さんが大変な中、すぐに用意してくれたので大事には至りませんでしたが、こうも仕事ができなければ秘書として失格だと思います。最初は上層部の推薦と言われて小沢が入ってきましたが、浅井部長の所にデルが来たので仕事のできない小沢の居場所を移すために秘書課に入ったんじゃないかと聞いたんです。まぁ…そのあと推薦じゃないかと耳に入りましたが、こちらもかなり配慮はしてきましたが、こうも仕事ができないならば秘書課を離れ、違う部署に移動をした方がいいと思います。浅井部長もそう思いますよね?小沢の代わりにデルが来てくれて助かってるんじゃないですか?まぁ…本音を言えば、そんなお荷物な人は会社を辞めてもらった方がいいと思います。その方が会社のためだと私は思います。来られる他社部署の方もも迷惑だと思いますし、まぁ本人は今現在、来週の秘書検定準1級試験の為に勉強をしているようですが、合格は無理でしょうね。社長の奥様の幸子さんや常務の奥様の智子さんにも媚びを売っているようですし…浅井部長がカミングアウトしたので、もしかしたら狙ってるのかもしれませんね。身の程知らずはこれだから困りますよ。あとそれから新副社長の秘書はやっぱり川上さんが適任じゃないでしょうか?現在、再教育中ではありますが、彼女にその必要はもうないんじゃないですか?ここにいる皆様のご意見を頂きたいと思います。社長…小沢の進退へのご決断、川上さんの秘書の件もどうぞよろしくお願いいたします。私の話は以上になります」

周りがザワザワと話しているが、俺は腹が立ってどうしようもなかった。よくもこうあることないことを喋りやがって、この怒りをどうやって鎮めたらいい?俺には未熟すぎて今すぐに室長を殴りたくなった。ふと社長を見れば眉間に皺を寄せ俺を睨んでくる。

わかってる。わかってるよ親父…親父がOK出すまで俺は我慢しよう。

そうだ、海斗の寝顔を思い出そうか?それとも俺を求めてくれるあの顔を…って何を考えてるんだ、こんな時に俺は…

「土居室長の意見はわかりました。その意見に賛成の方はいらっしゃいますか?もしいたらその方のご意見もお聞きしたいのですが…」
さっきのザワザワが一気に静まった。みんな隣同士を見て、どう言おうか考えてるんじゃないのか?
まだ海斗の悪口を言う奴がいたら俺は黙ってない。きっと親父もはらわた煮えくり返っているだろう。その証拠に眉間の皺が増えたような気がする。

すると「私からもいいですか?」
やっぱりお前か、俺は大崎部長を睨み付けた。
「私も小沢が秘書になると聞いて正直、上層部の方々は何を見て選んだんだろうと思いましたよ。営業部でも大した仕事ができない奴でしたからね。まぁ…やっぱりデルが来てマーケティング部にいた彼の方が仕事はできるでしょうし、やはりお荷物になったので移動になっただけだと思います」

「俺も大崎部長の意見と同じく、そういうふうに思います」
設楽が声を上げた。揃いも揃って海外事業部は大丈夫か?っていうか設楽は営業部長になるんだったな。

「そうですか…皆さんは小沢さんが仕事ができないと思っているんですね?」
頷くもの。違う方を向くもの、下を向いてるものそれぞれだ。

さて親父…これからどういう風に切り出すんだ?

「浅井部長、小沢さんは部下でしたよね?その時、仕事ができなかったんですか?デルが来てお荷物だから秘書課に移したんですか?」
おい親父…俺に振るのか、まぁいい答えてやる。

「小沢は仕事には真面目に取り組みますが、少し抜けている所もありました。でもそれは、一生懸命だからだと思っています。それとデルのことですが、確かにデルが営業部に入るとなると1人移動した方がいいんじゃないかと話合いの中で決まりました。決して小沢が仕事ができないから選んだわけではありません」

「ありがとうございました。では角谷さん、アレを皆さんにお渡しください」

「お待ちくださいませ」
角谷さんが資料を配っていった。すると受け取った方からは、何これ…どう言うこと?そんな声が漏れてきていた。

室長は驚いた顔をしていて、みんな室長を白い目で見ている。
流石、叔父さんだ。こんなものまで用意してくれたのか…もう流石に言い逃れはできないと思うけど…これからどう反論するのか見ものだな。

叔父さんの顔を見れば、ニヤけた顔をして俺だけにわかるようにピースサインをしていた。

「皆様、もうしばらくお待ちください。皆様にお渡しした資料の映像がございます」と角谷さんが準備を始めた。
この短期間でどんだけの仕事をしてくれたんだ。
叔父さん達には一生、頭が上がらないな。

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