死にキャラに転生したけど、仲間たちに全力で守られて溺愛されています。

藤原遊

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第2部 死にキャラだけど世界を救う旅に出る

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街での再会を果たしたスフィアたち。再び仲間が集い、彼らは次なる脅威について情報を集めるため、冒険者ギルドへと足を運ぶことを決めた。

ギルドの扉を押し開けると、中はいつもの賑やかさとは違い、重苦しい空気が漂っていた。冒険者たちは低い声で何かを話し合い、不安そうな表情を浮かべている。

「……何かあったのか?」

カインがギルドのカウンターに向かい、ギルドマスターの老人に声をかけた。老人は険しい顔を上げ、カインたちを見つめる。

「カイン、エリオット、レオン、ユリウス……そして、スフィアか。お前たちが戻ってきたのは、まさに運命かもしれんな。」

ギルドマスターは、背後の掲示板を指さした。そこには一枚の古びた紙が貼られており、「緊急依頼」と大きな文字で書かれている。

「……魔王の復活が近い、と?」

エリオットが紙を読み上げ、眉をひそめた。

「詳細を教えてください。」

ギルドマスターは深いため息をつき、語り始めた。

「最近、各地で魔物の活動が活発化している。その中でも、北の山脈で目撃された黒い霧――あれは、魔王復活の前兆だと考えられている。」

「北の山脈……。」

スフィアは小さく呟いた。その地名は、かつてゾンビドラゴンが復活した場所だ。

「その黒い霧に触れた者は、次々と正気を失い、暴走したという報告もある。」

カウンター越しにギルドマスターの言葉が響くたび、周囲の冒険者たちも緊張した面持ちで耳を傾けていた。

「……これは、放っておけないな。」

カインが拳を握りしめ、力強く頷いた。

「俺たちで調査に向かうべきだ。」

「でも、まだ何が起こるかわからないのでは?」

スフィアは不安そうに口を開いた。しかし、エリオットが冷静な口調で答えた。

「それは確かだ。しかし、何もせずに待つのは危険すぎる。僕たちが行くことで、少しでも被害を減らせる可能性があるなら、動くべきだ。」

「そうだな。」

ユリウスが優しく微笑み、スフィアの肩に手を置いた。

「スフィア、君も僕たちと共に来てくれるかい?」

スフィアは一瞬迷ったが、すぐに頷いた。

「もちろんです。私も、皆さんと一緒に戦います。」

一行は準備のため街に戻り、必要な物資を整え始めた。武器屋ではカインが新たな剣を手に入れ、エリオットは古代魔法の巻物を購入する。

「これで準備は整ったな。」

レオンが袋を肩にかけ、軽快に言った。

「じゃあ、北の山脈に向かおう。」

「気をつけてね、みんな!」

街の人々が彼らを見送り、スフィアたちは北の山脈へと歩を進めた。

旅路は静かな始まりだったが、次第に雲行きが怪しくなる。山脈へ向かう途中、彼らは森を抜け、川を渡った。空は徐々に暗くなり、雲が厚く垂れ込めてくる。

「この空……嫌な感じだな。」

レオンが呟き、周囲を警戒しながら歩く。

「気を抜くな。この先、何が待ち受けているかわからない。」

カインが周囲を見渡しながら言った。その時、森の奥から低い唸り声が聞こえてきた。

「来るぞ!」

突然、茂みの中から黒い霧をまとった魔物が飛び出してきた。その姿は、かつてのゾンビドラゴンを彷彿とさせる異様なものだった。

スフィアは瞬時に手を動かし、結界を張る。

「結界を張ります!」

結界の光が魔物の動きを封じるが、その力は凄まじく、結界にひびが入る。

「くっ、なんて力だ……!」

エリオットが魔法を放ち、カインが剣を振るって応戦する。激しい戦いの末、彼らはなんとか魔物を撃退することに成功した。

「この黒い霧……まさか、本当に魔王の力なのか?」

ユリウスが呟き、霧の残骸を見つめた。その言葉に、スフィアは不安そうに胸元のペンダントを握りしめた。

「私たちの戦いは、まだ始まったばかりですね。」

彼女の言葉に、仲間たちは力強く頷いた。互いの顔を見つめ合い、再び歩を進める。

「そうだ、これからが本番だ。」

カインの言葉が、次なる冒険の始まりを告げていた。
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