178 / 200
32章 カルディナ古代遺跡
②
しおりを挟む
丘陵地帯を越え、三人は古代遺跡の入り口にたどり着いた。周囲は木々に覆われ、空気は湿り気を帯びている。苔むした石造りのアーチが遺跡の入り口を形作り、その先には薄暗い空間が広がっていた。
「ここがカルディナの古代遺跡か……思ったより不気味だね。」
アリアが剣の柄に手を置きながら呟く。その声に、ルイスが軽く笑った。
「遺跡というのは大抵こんなものだ。だが、内部に入れば雰囲気はもっと酷くなるだろう。」
「励ましになってないけど……。」
アリアが呆れた顔を浮かべると、イアンが冷静な声で言った。
「油断するな。入り口付近に罠が仕掛けられている可能性が高い。」
その言葉に、アリアとルイスが真剣な表情で頷き、三人は慎重に中へ足を踏み入れた。
遺跡の内部は薄暗く、天井から漏れるわずかな光が足元を照らしている。壁には古代文字が刻まれており、いくつかの箇所に魔力が宿っていることが分かった。
「この魔力の気配……ただの装飾じゃないな。」
イアンが周囲を見回しながら言う。次の瞬間、突然床が震え、天井から魔力で作られた鎖が飛び出した。
「来たぞ!」
ルイスが剣を抜き、即座に鎖を斬り裂く。しかし、鎖は斬られたそばから再生し、三人を絡め取ろうと動き回る。
「これじゃキリがない!」
アリアが盾で鎖を弾きながら叫ぶ。その間にも鎖は次々と増殖していく。
「ならば、根本を断つしかない。」
イアンが魔法の詠唱を始める。杖を振り上げると、周囲の鎖を凍りつかせ、一瞬の隙を作った。
「ルイス、アリア! あの魔法陣を狙え!」
イアンが指差した先には、床に刻まれた魔法陣が光を放っている。ルイスが雷の刃を纏わせながら突撃し、アリアがその後を追う。
「行くよ!」
アリアが剣を振り下ろし、魔法陣を叩き割る。その瞬間、鎖が全て消滅し、広間には静寂が戻った。
「ふぅ……なんとかなったね。」
アリアが息を整えながら言うと、ルイスが剣を収めながら軽く頷いた。
「だが、これはまだ序章に過ぎないだろう。」
広間を抜けた先に待ち受けていたのは、巨大な石像だった。その目が赤く光り、重い足音とともに動き出す。
「また厄介そうなのが来たな……。」
ルイスが剣を握り直す。その横でイアンが冷静に分析を始めた。
「物理攻撃が主体だろうが、魔力で補強されている。直接攻撃するのは避けたほうがいい。」
「じゃあ、どうする?」
アリアが訊ねると、イアンが短く答える。
「まずは動きを止める。俺が足元を封じるから、その間に弱点を探れ。」
イアンが土魔法を展開し、石像の足元を囲むように地面から槍を作り出した。石像が動こうとすると、槍が絡まり、足を封じる。
「今だ!」
アリアが盾を構えて突撃し、石像の隙間に剣を突き立てる。しかし、石像の硬い表面に剣が弾かれた。
「くっ、硬い!」
「なら、雷でひびを入れる!」
ルイスが剣を振り、雷光をまとった刃を石像の側面に叩きつけた。石像が一瞬ひるみ、その隙にアリアがもう一度攻撃を仕掛ける。
「これで終わりだ!」
アリアの剣が石像の頭部に命中し、重々しい音を立てて崩れ落ちた。
「やった……!」
アリアが勝利の息を吐きながら剣を収める。その隣で、ルイスが肩をすくめた。
「まだ油断するな。奥に進めば、もっと厄介なものが待っているはずだ。」
「ここがカルディナの古代遺跡か……思ったより不気味だね。」
アリアが剣の柄に手を置きながら呟く。その声に、ルイスが軽く笑った。
「遺跡というのは大抵こんなものだ。だが、内部に入れば雰囲気はもっと酷くなるだろう。」
「励ましになってないけど……。」
アリアが呆れた顔を浮かべると、イアンが冷静な声で言った。
「油断するな。入り口付近に罠が仕掛けられている可能性が高い。」
その言葉に、アリアとルイスが真剣な表情で頷き、三人は慎重に中へ足を踏み入れた。
遺跡の内部は薄暗く、天井から漏れるわずかな光が足元を照らしている。壁には古代文字が刻まれており、いくつかの箇所に魔力が宿っていることが分かった。
「この魔力の気配……ただの装飾じゃないな。」
イアンが周囲を見回しながら言う。次の瞬間、突然床が震え、天井から魔力で作られた鎖が飛び出した。
「来たぞ!」
ルイスが剣を抜き、即座に鎖を斬り裂く。しかし、鎖は斬られたそばから再生し、三人を絡め取ろうと動き回る。
「これじゃキリがない!」
アリアが盾で鎖を弾きながら叫ぶ。その間にも鎖は次々と増殖していく。
「ならば、根本を断つしかない。」
イアンが魔法の詠唱を始める。杖を振り上げると、周囲の鎖を凍りつかせ、一瞬の隙を作った。
「ルイス、アリア! あの魔法陣を狙え!」
イアンが指差した先には、床に刻まれた魔法陣が光を放っている。ルイスが雷の刃を纏わせながら突撃し、アリアがその後を追う。
「行くよ!」
アリアが剣を振り下ろし、魔法陣を叩き割る。その瞬間、鎖が全て消滅し、広間には静寂が戻った。
「ふぅ……なんとかなったね。」
アリアが息を整えながら言うと、ルイスが剣を収めながら軽く頷いた。
「だが、これはまだ序章に過ぎないだろう。」
広間を抜けた先に待ち受けていたのは、巨大な石像だった。その目が赤く光り、重い足音とともに動き出す。
「また厄介そうなのが来たな……。」
ルイスが剣を握り直す。その横でイアンが冷静に分析を始めた。
「物理攻撃が主体だろうが、魔力で補強されている。直接攻撃するのは避けたほうがいい。」
「じゃあ、どうする?」
アリアが訊ねると、イアンが短く答える。
「まずは動きを止める。俺が足元を封じるから、その間に弱点を探れ。」
イアンが土魔法を展開し、石像の足元を囲むように地面から槍を作り出した。石像が動こうとすると、槍が絡まり、足を封じる。
「今だ!」
アリアが盾を構えて突撃し、石像の隙間に剣を突き立てる。しかし、石像の硬い表面に剣が弾かれた。
「くっ、硬い!」
「なら、雷でひびを入れる!」
ルイスが剣を振り、雷光をまとった刃を石像の側面に叩きつけた。石像が一瞬ひるみ、その隙にアリアがもう一度攻撃を仕掛ける。
「これで終わりだ!」
アリアの剣が石像の頭部に命中し、重々しい音を立てて崩れ落ちた。
「やった……!」
アリアが勝利の息を吐きながら剣を収める。その隣で、ルイスが肩をすくめた。
「まだ油断するな。奥に進めば、もっと厄介なものが待っているはずだ。」
0
あなたにおすすめの小説
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜
加瀬 一葉
ファンタジー
王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。
実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?
過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる