没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第2章 専属登用

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城の大広間は、朝から張り詰めた空気に包まれていた。
整列する候補者の数は百を超える。壁際には補助の下位貴族が控え、ざわめきが波のように広がっていた。

壇上には、父レオポルトを中心に領主家の側近たちが並び、試験の監督を担う。
その脇にリヒャルトとヴィルヘルムも座して、私の方へ静かに目を向けてきた。

(……本当に、大ごとになっちゃったな)

まずは筆記試験。机と椅子が並べられ、候補者たちは羽ペンを走らせる。
課題は領地の歴史や算術、法規。知識の浅い者は早々に手が止まり、試験官に答案を回収されて退出させられた。

次に礼儀作法。貴族としての立ち居振る舞いを確認する場だ。
一礼ひとつにも粗が見えれば容赦なく減点され、面接官に小さく首を振られて退場を告げられる。

そして武術実技。
木剣を手にした候補者たちが、広間の中央で交代しながら技を披露していく。力だけではなく姿勢、気迫、礼節までが評価の対象となった。
中には派手に転んでしまい、その場で失格を言い渡される者もいた。

控えている下位貴族はその様子を固唾を呑んで見守っている。

「領主家が、こんな形で人を選ぶなんて……」
「まるで新しい時代が来たみたいだ」

ざわめきがどんどん大きくなり、熱気となって会場を包み込んだ。
私は緊張で手のひらが汗ばんでいるのを感じながらも、胸の奥がどこか誇らしくもあった。

(領地の未来を支える人たちが、ここから選ばれるんだ……!)

リヒャルトが隣で小さくうなずき、ヴィルヘルムはただ無言で観察を続けている。
その冷静さと重みが、不思議と私を落ち着かせてくれた。
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