没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第10章 大蛇襲来

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「じゃあ、行ってくる!」

軽やかな声と共に、学院から戻ったばかりの専属護衛フランツがミニドラゴンにまたがった。
隣には母世代の経験豊かな騎士ゲルトルート。彼女は慎重に手綱を握りしめる。

「……はしゃぎすぎないでくださいよ、フランツ」
「大丈夫っすよ! 俺、こう見えて実力派ですから!」

軽口を叩きつつも、飛び立つ姿は迷いなく、空を切り裂くように力強い。
二体のミニドラゴンは翼を広げ、領都上空へと舞い上がった。

私は地上から見送る。

(あの軽さ……正直不安になるけど……でも、腕は確か、か)

数刻後。
風を切る音と共に、二人が戻ってきた。
降り立ったゲルトルートの顔は蒼白で、フランツは珍しく軽口を封じていた。

「……報告します」

ゲルトルートが低く告げる。

「魔獣は……大蛇。しかも、頭が……複数ございました」
「……は?」

思わず声が裏返る。
フランツが息を整えながら、早口で補足した。

「三つの首が動いてて、全部が本体っす! あれ、討伐どころか近づくだけでも死にかねませんよ!」

私はこめかみを押さえた。

(え、ヤマタノオロチもどき!? いやいやいや、ファンタジーすぎでしょ!? 世界観どうなってんのよ!)

隣で祖父ディートフリートが厳しい顔をして言う。

「……領都が魔力に満ちてきた証だ。あの手の魔獣は、豊穣の地を求めて現れる」
「豊穣の……地……」

私は思わず笑みを引きつらせた。

(……美味しい土地にしか来ないって、なんて迷惑な存在……!)

胸の奥がじわじわと冷たくなる。
この戦いは、領の未来を映す試練だと理解させられる一報だった。
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