聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま

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寝起きの頭は使えない

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目が覚めたのは、もう日が沈む時間だった。
ベッド脇の窓から、きれいなオレンジに染まった空が見えた。
こういうの黄昏っていうんだっけ。
あれ、私がお湯をもらおうとしたのって、何時ごろだったんだろう。
霧で明るく見えたけど、そこそこいい時間だった気がするんだけどな。

「あ、うあ、いたたたた」
目だけで確認した後、身体を動かそうと思ったら激痛が走った。
ふかふかのベッドに寝かされていたけれど、身体の痛みが尋常じゃない。
何だろう、すごい筋肉痛を数倍にしたみたいな痛みが全身に走って、寝返りするだけできつい。
なんだこの痛み。
まさかフェンリルの背中に乗ってた時の?筋力不足で全身筋肉痛とか?
乗馬がめちゃくちゃ全身運動で初心者は筋肉痛やばいって聞くけどそんな感じ?

「ふんっ、はっ、せいっ、はあ、きっつ」

何とか体を起こすけれど、それだけできつくて息が乱れた。
そういえばおなかすいたな。
お腹がすきすぎるとこんな感じになるのか。
なんかきもちわるい。

「いぃいぃよいしょぉ、はいっ、はぁ」

なんかあほみたいにいちいち掛け声をかけないと身体を動かせない位には痛い。
声を出すと少しだけ紛れるからそうやって少しずつ体をひねって、足を床に付けて、なんとかベッドボード側の壁に手をついて座った状態までもって来れた。
記憶が正しければ2人がいるはずだから、起きたことを知らせて、痛いのを和らげる薬とかないか聞かないと。
さすがにこのままはきつすぎる。
あ、あとなんか食べたい。
お腹すいた。

壁にへばりついて、じりじりと進む。
あともう少しでドアにたどり着ける。

「ふっ、はっ、くっ、いったいもう」

もう膝が笑っているし、ダメだ、部屋の壁に沿って歩くんじゃもう足が持たない。
あと何歩か斜めに歩ければドアまでショートカットできるからそうしよう。
勢いをつければきっと行ける。

「はあ、はぁ、せーの……くっ」

さっきまで壁にもたれていた負荷が全て足にかかる。
一歩、もう一歩。

「あっ」

視界が揺らいで、背中と右の腕に思い切り痛みが走る。
次いで腰、頭、足。
ああ、くらくらする。

ああ、もう痛すぎて涙でてきた。
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