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6章:失われた夏への扉を求めて
第19話
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「えっと…あ、左京山さん、桜たちが帰ってきましたよ。なんだ? 桜、かき氷を運ぶの手伝いに行ったくせに、自分の分しか持ってきていないじゃないか…。ああ…しかも、ひとりだけソフトクリームかよ…。桜らしいけどさ…」
「…本星崎が沢山持たされたのね…可哀想に。桜じゃなくて、私がいっしょに行ってあげればよかったか…」
「は~い、みなさん、かき氷を買ってきましたよ!」
「堀田さん、ありがとうございます。で…なんで桜はソフトクリームなんだよ」
「え~、いいじゃん。だって、みてみて。ほら、チョコミントのソフトクリームがあったんだよ」
「半分がチョコで、半分がミントのミックスタイプか…。まあ確かに、チョコミントのソフトクリームはそこそこ珍しいけどさ」
「あたし、クリームだけ全部食べるから、コーンだけ、鳴海くん、お願いね」
「やっぱりそうなるよねえ…」
「ゴブくん! イチゴ味のかき氷買ってきたわよ! こっちにいらっしゃい!」
「はいはい、ありがとうございます」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴブリンさん、か、か、かき氷食べたら、泳ぎを教えてくれる?」
「えっと…うん。わかったよ」
「よ、よ、よ、よかった。よび、よ、呼続ちゃんも一緒に、お、お、教えてもらおうね」
「ゴブリンお兄ちゃん、よろしくね」
「う、うん。わかったよ。任しておいて! …み、見た目が年上の女性にお兄ちゃんと呼ばれるのは不思議な気分…」
「豊橋くん、ごめんなさい、宇治金時はなかった。緑色なら、メロンがあるけど」
「構わん。どうせ同じ、砂糖水だ」
「ふふ。そう言うと思った。左京山さんもどうぞ」
「…ありがと、堀田。…図らずも、豊橋と同じメロンか…」
「一緒に食べてもいい?」
「…別にいいけど」
「ふふ…。じゃあ、横に座らせてもらうわね。パラソルの陽陰が恋しいのよ」
「…あんた、それだけUV対策しちゃうと…せっかくの水着が台無しね」
「左京山さんも気をつけた方がいいわよ。水着の跡って、本当になかなか消えないんだから」
「…私は…海水浴で日焼けをした経験がないから、逆に興味があるわね」
「そういう考え方もあるのね…。でも、対策しないで日焼けすると、しばらく痛みに苦しむ事になるから、ほどほどにね」
「…そうね。どうせ2ヶ月以内には、どんな痛みも消えるけどね」
「2ヶ月って…。それは…そうかもしれないけど…」
「…………」
「…………」
「…堀田、あんたと豊橋の関係は、大丈夫なの?」
「あら? 大丈夫って?」
「…ハタから見ると、危うい関係性に見える事がある」
「危うい…? どうして?」
「…豊橋は堀田の年下。でも、傲岸不遜だわ。まるで、あんたを支配しているみたい」
「ああ、そういう事ね。そうね…まあ、そう見えるかもしれないわね」
「…違うの?」
「ふふ。想像にお任せするわ。ただ…そうね、お互いに、不器用なだけかもね」
「…不器用なのは、豊橋だけでしょ?」
「じゃあ、そういう事にしておいて。…アタシたち、こう見えて、お互いに、足りない物を補い合って生きているんだから」
「…そっか。これ以上、私が口を出すことではないわね。謝るわ…」
「ううん。気にしないで」
「…………」
「…………」
「…えっと…。堀田は、まだスキル発現していないんだっけ?」
「アタシ? そ、そうね…。鳴海くんの寿命鑑定によると、まだ発現していないみたい」
「…そっか。じゃあ、受験勉強とか…」
「え?」
「…大学受験の勉強とか、してるの? ほら、私たち一応、受験生じゃない」
「あ~…。まあ、そうね。ぼちぼち、ってところかしら」
「…ふふ。そうか。不思議よね。あんなに嫌だった受験勉強なのに…。今は、受験勉強ができる事を、少しだけうらやましく思えるもの」
「ごめんなさい…。そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「…いいのよ。私も意地悪で言ったわけじゃない。眼の前の、仲間や自分の死で頭がいっぱいになって、自分の将来の事なんて、すっかり意識することを忘れていたわ。それに、…私は…私は、多分、他のみんなよりも、自分の死に敏感になっている」
「敏感…って。私たちみんな、自分や誰かが死ぬことには、敏感になっているわよ」
「…そういう事じゃなくってさ。私の場合、未来からメッセージが届く限りは、その未来の時点までは生きているんだろうな、って予測ができるんだよ…。でも、メッセージが来なくなったとしたら、それ以上は生きられない、って事と同義…」
「あ…。そうね…。確かに、アナタの場合はそうよね…」
「…私たちみんな…残り2ヶ月の寿命を全うして死ねるのかしら…。あるいは…」
「左京山さん…何を言っているの? もう防衛省からは命を狙われていないのよ? アタシたち…。スキルを使い過ぎない限りは…」
「…ふん。未来の私からのメッセージ…さ。『見えない敵に狙われる』って、そう本星崎に送ってるのよね」
「あ…。そうか…。そうだったわね…。見えない敵ね…」
「…そう。見えない敵。ふふ。ほら…。あれ、なんだと思う?」
「…本星崎が沢山持たされたのね…可哀想に。桜じゃなくて、私がいっしょに行ってあげればよかったか…」
「は~い、みなさん、かき氷を買ってきましたよ!」
「堀田さん、ありがとうございます。で…なんで桜はソフトクリームなんだよ」
「え~、いいじゃん。だって、みてみて。ほら、チョコミントのソフトクリームがあったんだよ」
「半分がチョコで、半分がミントのミックスタイプか…。まあ確かに、チョコミントのソフトクリームはそこそこ珍しいけどさ」
「あたし、クリームだけ全部食べるから、コーンだけ、鳴海くん、お願いね」
「やっぱりそうなるよねえ…」
「ゴブくん! イチゴ味のかき氷買ってきたわよ! こっちにいらっしゃい!」
「はいはい、ありがとうございます」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴブリンさん、か、か、かき氷食べたら、泳ぎを教えてくれる?」
「えっと…うん。わかったよ」
「よ、よ、よ、よかった。よび、よ、呼続ちゃんも一緒に、お、お、教えてもらおうね」
「ゴブリンお兄ちゃん、よろしくね」
「う、うん。わかったよ。任しておいて! …み、見た目が年上の女性にお兄ちゃんと呼ばれるのは不思議な気分…」
「豊橋くん、ごめんなさい、宇治金時はなかった。緑色なら、メロンがあるけど」
「構わん。どうせ同じ、砂糖水だ」
「ふふ。そう言うと思った。左京山さんもどうぞ」
「…ありがと、堀田。…図らずも、豊橋と同じメロンか…」
「一緒に食べてもいい?」
「…別にいいけど」
「ふふ…。じゃあ、横に座らせてもらうわね。パラソルの陽陰が恋しいのよ」
「…あんた、それだけUV対策しちゃうと…せっかくの水着が台無しね」
「左京山さんも気をつけた方がいいわよ。水着の跡って、本当になかなか消えないんだから」
「…私は…海水浴で日焼けをした経験がないから、逆に興味があるわね」
「そういう考え方もあるのね…。でも、対策しないで日焼けすると、しばらく痛みに苦しむ事になるから、ほどほどにね」
「…そうね。どうせ2ヶ月以内には、どんな痛みも消えるけどね」
「2ヶ月って…。それは…そうかもしれないけど…」
「…………」
「…………」
「…堀田、あんたと豊橋の関係は、大丈夫なの?」
「あら? 大丈夫って?」
「…ハタから見ると、危うい関係性に見える事がある」
「危うい…? どうして?」
「…豊橋は堀田の年下。でも、傲岸不遜だわ。まるで、あんたを支配しているみたい」
「ああ、そういう事ね。そうね…まあ、そう見えるかもしれないわね」
「…違うの?」
「ふふ。想像にお任せするわ。ただ…そうね、お互いに、不器用なだけかもね」
「…不器用なのは、豊橋だけでしょ?」
「じゃあ、そういう事にしておいて。…アタシたち、こう見えて、お互いに、足りない物を補い合って生きているんだから」
「…そっか。これ以上、私が口を出すことではないわね。謝るわ…」
「ううん。気にしないで」
「…………」
「…………」
「…えっと…。堀田は、まだスキル発現していないんだっけ?」
「アタシ? そ、そうね…。鳴海くんの寿命鑑定によると、まだ発現していないみたい」
「…そっか。じゃあ、受験勉強とか…」
「え?」
「…大学受験の勉強とか、してるの? ほら、私たち一応、受験生じゃない」
「あ~…。まあ、そうね。ぼちぼち、ってところかしら」
「…ふふ。そうか。不思議よね。あんなに嫌だった受験勉強なのに…。今は、受験勉強ができる事を、少しだけうらやましく思えるもの」
「ごめんなさい…。そんなつもりじゃなかったんだけど…」
「…いいのよ。私も意地悪で言ったわけじゃない。眼の前の、仲間や自分の死で頭がいっぱいになって、自分の将来の事なんて、すっかり意識することを忘れていたわ。それに、…私は…私は、多分、他のみんなよりも、自分の死に敏感になっている」
「敏感…って。私たちみんな、自分や誰かが死ぬことには、敏感になっているわよ」
「…そういう事じゃなくってさ。私の場合、未来からメッセージが届く限りは、その未来の時点までは生きているんだろうな、って予測ができるんだよ…。でも、メッセージが来なくなったとしたら、それ以上は生きられない、って事と同義…」
「あ…。そうね…。確かに、アナタの場合はそうよね…」
「…私たちみんな…残り2ヶ月の寿命を全うして死ねるのかしら…。あるいは…」
「左京山さん…何を言っているの? もう防衛省からは命を狙われていないのよ? アタシたち…。スキルを使い過ぎない限りは…」
「…ふん。未来の私からのメッセージ…さ。『見えない敵に狙われる』って、そう本星崎に送ってるのよね」
「あ…。そうか…。そうだったわね…。見えない敵ね…」
「…そう。見えない敵。ふふ。ほら…。あれ、なんだと思う?」
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